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Drug Atlas · A3 Anticholinergics / 抗コリン薬 · 必修

グリコピロニウム

glycopyrronium

分類
Anticholinergics / 抗コリン薬
商品名(日本)
シーブリ(吸入)ロビノール(注射)
商品名(EU)
Seebri(吸入)Robinul(注射)
科目
Pharmacology
トピック
A3: Muscarinic receptor blocking drugs
禁忌疾患
イレウス・腸閉塞前立腺肥大症閉塞隅角緑内障
副作用
便秘動悸
対象疾患
慢性閉塞性肺疾患

🧠 全体像と同じ発想の・末梢限定型だが、剤形によって全く違う顔を持つ「二刀流」の薬。吸入薬としてはCOPD維持療法のLAMA注射薬としては周術期の分泌抑制・予防薬という、で適応が分かれる珍しいパターンで覚える。

薬効群の中での位置づけ

剤形・用途 位置づけ 比較対象
吸入(COPD維持) LAMAの一員 と同格
注射(周術期) 分泌抑制・徐脈予防薬 の代替(中枢移行がない分、を起こしにくい
外用( 汗腺のM3拮抗 への
経口( 抑制 ・ALSなどに伴うの管理

周術期の分泌抑制・予防では、より中枢性副作用(せん妄)が少ないという理由で好まれることが多い。 で血液脳関門を通過しないため。

機序

M受容体のという機序自体はと同じだが、構造のために入っても中枢へは移行しない(CNS×)。標的臓器によって使い分けが生まれる。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glycopyrronium'>グリコピロニウム</span>が末梢のM受容体を拮抗"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airway smooth muscle'>気道平滑筋</span>のM3拮抗<br>(吸入時)"]
    A --> C["心臓M2拮抗<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vagal reflex'>迷走神経反射</span>・徐脈の予防、注射時)"]
    A --> D["唾液腺・気道腺のM3拮抗<br>(分泌抑制、注射・経口時)"]
    A --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='eccrine sweat gland'>エクリン汗腺</span>のM3拮抗<br>(発汗抑制、外用時)"]
    B --> F["気管支拡張(COPD維持療法)"]
    C --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neostigmine'>ネオスチグミン</span>による<br>徐脈の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cancellation'>相殺</span>(周術期)"]
    D --> H["術前・術中の分泌抑制"]
    E --> I["原発性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='axillary hyperhidrosis'>腋窩多汗症</span>の治療"]

薬物動態

項目 値・特徴
低い(のため吸収不良)
分布 血液脳関門を通過しない(中枢移行なし)
吸入時の全身移行 ごくわずか
半減期 剤形により異なる(吸入は長時間作用、注射は数時間)

適応

領域 使いどころ
呼吸器 COPDの維持療法(吸入、単剤またはとの配合剤)
周術期 分泌抑制()、による拮抗時の徐脈予防(併用投与)
神経・小児科 重度)の管理
原発性(外用)

用法・用量

COPD維持療法では吸入で1日1回。周術期の分泌抑制・徐脈予防ではと同時にIV投与する(作用による徐脈をのM2拮抗でする組み合わせ)。実際の用量は適応・剤形で大きく異なるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 口渇
注意 便秘、尿閉、・頻脈
重篤・まれ (吸入薬の添加物による反応)

まとめ

  • と同じ構造で中枢移行しない末梢限定型の
  • 吸入薬としてはCOPD維持療法のLAMA、注射薬としては周術期の分泌抑制・徐脈予防薬という、で適応が分かれる二刀流。
  • を拮抗する際、副作用(徐脈)をのM2拮抗でする組み合わせで使われる。
  • 中枢移行がないためよりを起こしにくい。
  • 外用()・経口()としても使われる、の多さが特徴的な薬。
  • イレウス・腸閉塞は禁忌。等によるは、日本では吸入・注射いずれの剤形でも禁忌だが1、米国の吸入薬添付文書では慎重投与に置かれ、国によって区分が異なる2

出典

  1. 1.シーブリ吸入用カプセル50μg 添付文書(KEGG MEDICUS)(JAPIC / KEGG MEDICUS・2026)日本の添付文書では吸入薬(COPD維持療法)についても閉塞隅角緑内障の患者と前立腺肥大等による排尿障害がある患者がいずれも「禁忌」に区分されており、米国添付文書が同じ吸入薬で「慎重投与」に置くのとは扱いが異なることを確認した。閲覧 2026-08-03
  2. 2.SEEBRI NEOHALER (glycopyrrolate) inhalation powder — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2017)吸入グリコピロニウム(Seebri Neohaler)の禁忌は過敏症のみであり、前立腺肥大症・膀胱出口閉塞による尿閉と閉塞隅角緑内障はいずれも「慎重投与(used with caution)」の区分であって禁忌ではないことを確認した。閲覧 2026-08-03