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Disease Atlas · 呼吸器 · 疾患

慢性閉塞性肺疾患

Chronic obstructive pulmonary disease

別名
COPD
臓器系
呼吸器
科目
Pulmonology and Thoracic SurgeryPathologyTranslational Medicine and Pathophysiology
トピック
呼吸器内科 21:慢性閉塞性肺疾患と肺気腫呼吸器内科 22:COPD急性増悪呼吸器内科 23:喘息・COPDの薬物療法病理学 C/19:閉塞性肺疾患・COPD病態生理学 II-14:COPDと肺線維症の呼吸力学・血液ガスへの影響
鑑別疾患
気管支喘息気腫合併肺線維症特発性肺線維症
続発疾患
肺高血圧症市中肺炎気胸気管支拡張症続発性赤血球増加症右心不全(肺性心)
関連疾患
気管軟化症歯周炎炭鉱夫塵肺症中枢性睡眠時無呼吸・肥満低換気症候群肺癌肺気腫
治療薬
チオトロピウムグリコピロニウムホルモテロールサルブタモールイプラトロピウムプレドニゾロンアジスロマイシンフェノテロールサルメテロールテオフィリンデュピルマブメポリズマブロフルミラスト
症状
チアノーゼ咳筋力低下体重減少不安浮腫労作時呼吸困難喀痰喘鳴気管支攣縮
検査値
動脈血液ガス低酸素血症高CO2血症スパイロメトリー肺拡散能血中好酸球数
画像所見
肺過膨張
スコア
GOLD分類mMRC息切れスケール
組織像
右心室肥大
原因となる疾患
α1アンチトリプシン欠乏症
適応薬
エンシフェントリンデュピルマブ
禁忌薬
コデインザナミビルジヒドロコデインセビメリンピロカルピンフェンタニル

🧠 全体像:は、有害粒子・ガスへの曝露とによってと肺胞が傷害され、持続性を生じる疾患である。「吐き出せない」ため空気が肺に捕捉され、労作時の、呼吸困難、増悪、全身合併症へつながる。

定義

は、気道および/または肺胞の異常によって持続する呼吸器症状とを示す、不均一で予防・治療可能な疾患である。

は臨床表現型、肺気腫はより末梢の拡大と破壊を示す病理形態であり、どちらもを構成し得る。喘息とは別疾患だが併存することがある。

危険因子

分類 主な因子
吸入曝露 喫煙、、、、・
α₁アンチ欠乏、肺、早産、小児期呼吸器疾患、加速老化
経過を悪化させる要因 、治療アクセス不良、持続曝露、低、

喫煙は最重要因子だが、非喫煙者にも起こる。若年発症、優位の肺気腫、家族歴ではα₁アンチ欠乏を考える。

病態

flowchart TD
    A["喫煙・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dust'>粉塵</span>・バイオマス・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='host'>宿主因子</span>"] --> B["慢性炎症・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oxidative stress'>酸化ストレス</span>"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral airway'>末梢気道</span>炎症・線維化・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mucus hypersecretion'>粘液過分泌</span>"]
    B --> D["プロテアーゼ優位・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alveolar wall'>肺胞壁</span>破壊"]
    C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airway resistance (Raw)'>気道抵抗</span>増加"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elastic recoil'>弾性収縮力</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alveolar tethering'>肺胞牽引</span>の低下"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='expiratory flow limitation'>呼気流制限</span>"]
    F --> G
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='air trapping'>空気捕捉</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dynamic hyperinflation'>動的肺過膨張</span>"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inspiratory capacity, IC'>吸気容量</span>低下・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='work of breathing'>呼吸仕事量</span>増大"]
    I --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='effort dyspnea'>労作時呼吸困難</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='respiratory muscle fatigue'>呼吸筋疲労</span>"]
    D --> K["ガス交換面積・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='capillary bed'>毛細血管床</span>減少"]
    K --> L["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='V/Q mismatch'>換気血流比不均衡</span>・低酸素血症"]

肺気腫ではを開存させる弾性牽引が失われ、呼気時に気道が虚脱する。努力して吐くほどがを圧迫し、呼気終末が上昇して次の吸気に使える容量が減る。

肺気腫型 分布 典型的関連
優位、腺房近位部 喫煙
汎小葉性 下葉優位、腺房全体 α₁アンチ欠乏
遠位腺房性 、ブラ形成 若年者の

「」「」は歴史的な両極像であり、現在の診断分類ではない。実際には病変、肺気腫、併存症が連続的に混在する。

臨床像

診断

症状と危険曝露がある患者で疑い、後で確定する。

flowchart TD
    A["慢性症状+危険曝露"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='post-bronchodilator spirometry'>気管支拡張薬後スパイロメトリー</span>"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='forced expiratory volume in one second'>FEV₁</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='forced vital capacity'>FVC</span>が0.70未満か"}
    C -->|"はい"| D["持続性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airflow limitation (airflow obstruction)'>気流閉塞</span>を確認"]
    C -->|"境界・若年・高齢"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lower limit of normal'>正常下限値</span>・反復検査・臨床像を併用"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='forced expiratory volume in one second'>FEV₁</span>グレード・症状・増悪・併存症を別々に評価"]
    E --> F
グレード 後の予測%
1 80%以上
2 50〜79%
3 30〜49%
4 30%未満

固定比0.70は高齢者で過剰診断、若年者で過少診断となり得る。境界例では、反復検査、曝露、症状、画像を統合する。だけで症状負担や増悪リスクを決めない。

胸部CTは肺気腫分布、、肺癌、治療の評価に有用である。、、運動試験、血液ガスは病態とに応じて追加する。

GOLD 2026のA・B・E評価

初期薬物療法は、直近1年の中等度・と、修正MRC呼吸困難尺度またはで評価した症状負担から決める。分類2026年版では、E群の閾値が「中等度またはが1回以上」へ変更された1。

群 直近1年の増悪 症状負担
A 中等度・なし 0〜1かつ 10未満
B 中等度・なし 2以上または 10以上
E 中等度またはが1回以上 症状の程度を問わない

ABEで数える過去イベントは、全身ステロイド・抗菌薬治療または救急・入院管理を要した増悪を目安とする。一方、急性診療では治療場所による事後分類だけに頼らず、呼吸困難、呼吸数、脈拍、酸素化、CRP、血液ガスなどの臨床特性から現在の重症度を評価する。群分類は初期治療用であり、経過中は呼吸困難と増悪というを再評価する。

安定期治療

非薬物療法

  • 禁煙支援と職業・家庭内曝露の低減。
  • 、、、栄養、自己管理行動計画。
  • と増悪後早期の再参加。
  • インフルエンザ、肺炎球菌、、など年齢・地域推奨に応じたワクチン。
  • 慢性では(次項)。

長期酸素療法

(LTOT)は、・覚醒時・安静・で測ったに適応を絞る。は該当する患者に1日15時間以上のLTOTを強く推奨し(中等度の質のエビデンス)、SpO₂ 89〜93%と定義される中等度の安静時低酸素血症には処方しないことを提案している(条件付き推奨・低い質のエビデンス)。2 デバイス・急性期の目標値を含む全体はにまとめてある。

⚠️ 適応の線引きは文書によって細部が違う。どちらの基準で判定しているかを明示する。

文書 第1基準 第2基準(併存所見を要する)
ATS 20202 PaO₂ ≤55 mmHgまたはSpO₂ ≤88% PaO₂ 56〜59 mmHgまたはSpO₂ =89%で、、 ≥55%の、心電図上のP pulmonaleのいずれかを伴う
GOLD 20261 PaO₂ 55 mmHg以下またはSaO₂ 88%以下(高CO₂血症の有無を問わない)を3週間の期間内に2回確認 PaO₂ 55〜60 mmHgまたはSaO₂ 88%で、肺高血圧、を示唆する、または(55%超)の所見がある

⭐ 「長く使うほどよい」は最新のに支持されていない。 安静時の慢性でを開始する241例を1日24時間群と1日15時間群へ割り付けたREDOX試験では、1年以内の入院またはの複合評価項目は24時間群が15時間群より低いとは言えなかった(100人年あたり124.7対124.5、0.99、95%CI 0.72〜1.36、非のP=0.007)。3 2026はこれを受けて「1日15時間を超えて酸素を使うという推奨は、新しいエビデンスには支持されない」と述べている(ただし同じ節がLTOTを「1日15時間超の酸素投与」と定義しており、文書内で表現が揺れている)。1 15時間以上を確保することと、24時間に近づけることは別の主張である。

は、中等度の安静時・労作時の脱飽和では死亡までの期間も初回入院までの期間も延びず、測定されたどの評価項目にも持続的な利益が無いとしている。導入後は60〜90日に、と処方した流量の両方で血液ガスまたはを測り直し、まだ適応があるか・その流量がかを確かめる。1 増悪時に導入した場合の1〜4週と12〜16週という再評価時期は、 2020が当時のの推奨として紹介しているもので、 2026の本文には残っていない。2

初期薬物療法

群 治療原則
A 1剤。短時間・長時間のどちらでもよく、入手可能で費用が許せば、ごく時々しかしない患者を除き長時間作用性が望ましい
B /併用(入手可能性・費用・副作用に問題がなければ推奨される初期選択)
E /併用。300細胞/µL以上では初期から//ICSを考慮する(実地的推奨であり、新規診断例でを開始した直接のデータは無い)

で/ICSをな初期選択にしない。ICSが適応なら//ICSを優先し、増悪歴、、肺炎リスク、治療反応を統合する。喘息を併存する場合は喘息の原則に従いICSを必ず組み込む。

追跡では、呼吸困難(労作制限)を主に狙うのか増悪予防を主に狙うのかで別のアルゴリズムに入る。両方が問題なら増悪の経路を使う1。

  • 呼吸困難の経路:単剤でが残れば/併用へ。2剤目を足しても改善しなければ、デバイス・分子の変更、の導入・強化、入手できる地域ならの追加を考える。以外の原因による呼吸困難、、も必ず洗い直す。
  • 増悪の経路:単剤で増悪すれば/へ。/でなお中等度・があれば//ICSへ上げる。ICSの効果は100細胞/µL以上で期待でき、高値ほど反応が大きい。
  • 好酸球100細胞/µL未満で増悪が続くとき:現在喫煙していない患者では——アジスロマイシン250 mg/日または500 mgを週3回、あるいは250 mgを1日2回、いずれも1年間(アジスロマイシンでは細菌の耐性化、延長、聴力検査の悪化が増え、現喫煙者では効果が乏しいというがある。1年を超える長期投与の有効性・安全性のデータは無い)、 50%未満・の症状・入院に至った増悪の既往を併せ持つ患者ではを検討する。「元喫煙者に限る」ではなく「現在吸っていないこと」が条件である。

⭐ 下でも増悪を繰り返し、300細胞/µL以上なら生物学的製剤を考える。ただしの要否が薬で違う。 が推奨されるのはがある場合で、根拠となった第III相2試験もを組入れ基準にしている。はの有無を問わず挙げられており、第III相3試験で 2〜4の中等度・を減らし、救急受診・入院に至る増悪も減らした。一方、抗IL-5受容体α抗体は第III相2試験で年間増悪率を下げなかった。「好酸球を標的にする抗体ならどれでもよい」とは書かれていない1。下でも、現在喫煙していない患者への長期アジスロマイシンと、 50%未満・の症状・重度増悪の既往を併せ持つ患者へのは引き続き選択肢に残る(/段階では「入院に至った増悪」、段階では「」と、は既往の書き方を変えている)1。なお中のICSは、開始が不適切だった・反応が無い・重大な副作用や重症/反復する肺炎があるといった事情が無いかぎり中止しない。好酸球300細胞/µL以上では、中止すると増悪が生じやすい1。

吸入PDE3/4阻害薬は、呼吸困難の経路で2剤目のを足しても症状が改善しないときの追加候補である。は肺機能と呼吸困難を改善したが、生活の質への効果は一貫せず、増悪リスクで富化された集団でもなく、/やへのを評価する設計ではなかったため、 2026は治療アルゴリズム上の位置づけを確定していない。は現時点で米国でのみ入手可能としている1。米国の添付文書では成人の維持療法が適応で、1回3 mgを1日2回ジェットで吸入する。急性のに対する頓用には使用しない。⚠️ を含む精神症状の有害事象の増加が報告されており、うつ病や・自殺行動の既往がある患者では利益と危険を慎重に比較するよう求められている4。

薬物療法とリハビリテーションを最適化しても症状が残る優位の高度肺気腫では、(など)やを専門施設で評価する。が強い例や肺気腫が均等分布する例では効果が乏しい。他に手段のない進行例ではの紹介基準を満たすか評価する。

急性増悪

は、呼吸困難、咳、喀痰が数日から最長14日程度で悪化し、気道感染、汚染物質などによる炎症増加を伴うイベントである。肺炎、肺塞栓症、心不全の、気胸、不整脈を必ず鑑別する。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chronic obstructive pulmonary disease'>COPD</span>患者の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='acute symptoms'>急性症状</span>悪化"] --> B["意識・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='work of breathing'>呼吸仕事量</span>・SpO₂・血液ガスを評価"]
    B --> C["肺炎・肺塞栓・心不全・気胸を検索"]
    C --> D["吸入<span class='jp-term jp-term-diagram' title='short-acting β2-agonist'>SABA</span>+必要時<span class='jp-term jp-term-diagram' title='short-acting muscarinic antagonist'>SAMA</span>"]
    D --> E["酸素をSpO₂ 88〜92%へ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='titration'>滴定</span>"]
    E --> F["30〜60分で血液ガスを再評価"]
    F --> G["中等度・重度では全身ステロイドを短期投与"]
    G --> H{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='purulent sputum'>膿性痰</span>・既往培養・人工呼吸など抗菌薬適応か"}
    H -->|"はい"| I["地域耐性と培養に沿う抗菌薬"]
    H -->|"いいえ"| J["抗菌薬を定型投与しない"]
    I --> K{"高CO₂性呼吸不全・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='respiratory acidosis'>呼吸性アシドーシス</span>か"}
    J --> K
    K -->|"はい"| L["禁忌がなければNIVを早期開始"]
    K -->|"いいえ"| M["反応と併存症を反復評価"]

全身ステロイドは換算40 mg/日を5日間が推奨される。経口は静注と同等に有効で、より長い投与は肺炎と死亡の増加と関連したという観察研究がある1。抗菌薬は、呼吸困難増加・発熱・喀痰量増加・膿性化のうち膿性化を含む2項目以上、過去の増悪時に陽性であった場合、侵襲的または非侵襲的人工呼吸を要する場合に投与する。推奨期間は5〜7日で、外来治療では5日以内を基本に、臨床像、、地域の耐性状況に合わせる。1

急性高CO₂性呼吸不全では、制御酸素とともに(NIV)を早期に用いる。不能、、循環不安定、分泌物排出不能、難治性低酸素、NIV開始後のpH・悪化では挿管を遅らせない。

まとめ

  • は病変と肺胞破壊が持続性呼気流閉塞とを生む疾患である。
  • 確定には 0.70未満が必要で、、症状、増悪を別々に評価する。
  • 2026では中等度またはが1回でもE群となり、増悪予防を早期から重視する。
  • は、増悪期は短時間作用性吸入薬、制御酸素、短期ステロイド(換算40 mg/日を5日間)、適応を選んだ抗菌薬と換気支持を組み合わせる。
  • 追跡は呼吸困難と増悪で経路が分かれる。ICSは好酸球100細胞/µL以上で効果が期待でき、下でも増悪する好酸球300細胞/µL以上では生物学的製剤を考えるが、はがある場合、は有無を問わず、は増悪を減らさなかった。
  • は重症の安静時低酸素血症に絞り、1日15時間以上を目安にする。そこからさらに24時間へ延ばすはで示されていない。

出典

  1. 1.Global Strategy for the Diagnosis, Management, and Prevention of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: 2026 Report(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD)・2026)E群の定義が「直近1年に中等度・重度増悪1回以上」へ変更されたこと、三剤併用・生物学的製剤追加を検討する血中好酸球閾値が300細胞/µLであること、エンシフェントリン・デュピルマブの薬物療法上の位置づけ、増悪時抗菌薬の適応と投与期間、全身ステロイド5日間投与を確認した。2026-09-16にPDF(v1.3)の全文を再取得し、増悪時の全身ステロイドが逐語で「1日あたりプレドニゾン換算40 mgを5日間」であること、抗菌薬の推奨期間が5〜7日とされ本文は5日以内を推奨していることを再確認した。あわせて長期酸素療法について次を逐語で確認した——適応が「PaO₂ 55 mmHg以下またはSaO₂ 88%以下(高CO₂血症の有無を問わず)を3週間の期間内に2回確認」または「PaO₂ 55〜60 mmHgまたはSaO₂ 88%で、肺高血圧・うっ血性心不全を示唆する末梢浮腫・多血症(ヘマトクリット55%超)の所見があるとき」であること、Ekströmらの報告を引いて「1日15時間を超えて酸素を使うという推奨は、新しいエビデンスには支持されない」と述べる一方で同じ節がLTOTを「1日15時間超の酸素投与」と定義しており表現が揺れていること、中等度の安静時・労作時の脱飽和では死亡・初回入院までの期間を延ばさず測定されたどの評価項目にも持続的な利益が無いこと、導入後60〜90日に室内気と処方流量で血液ガスまたは酸素飽和度を測り直すこと。⚠️ 増悪後の1〜4週・12〜16週という再評価時期は2026年版の本文には無い。2026-09-17にPDF(v1.3)の全文で追加確認した——Figure 2.13のE群は「前年に中等度または重度の増悪が1回以上」、A群は「mMRC 0-1かつCAAT 10未満」、B群は「mMRC 2以上またはCAAT 10以上」。A群は短時間・長時間いずれの気管支拡張薬でもよく、逐語で「If available and affordable a long-acting bronchodilator is the preferred choice except in patients with very occasional breathlessness.」——入手可能で費用が許せば、ごく時々しか息切れしない患者を除き長時間作用性が望ましいとされること。B群も同様に「providing there are no issues regarding availability, cost and side-effects」という条件つきでLABA+LAMAが推奨される初期選択とされること。2026-09-17にPDF(v1.3)で両方の逐語を確認した。E群でLABA+LAMAが初期治療の第一選択で、血中好酸球300細胞/µL以上ならLABA+LAMA+ICSを初期治療として考慮(practical recommendation)。追跡治療では、LABA+LAMAで中等度・重度増悪があればLABA+LAMA+ICSへ段階を上げ、ICS追加の有益な反応は血中好酸球100細胞/µL以上でみられ高値ほど大きいとされること。好酸球100細胞/µL未満で増悪が続く場合の選択肢が「現在喫煙していない患者へのアジスロマイシン」と「FEV₁ 50%未満・慢性気管支炎の症状・入院に至った増悪の既往を持つ患者へのロフルミラスト」であること。三剤併用下でも増悪が続く場合は、好酸球300細胞/µL以上でデュピルマブ(慢性気管支炎がある場合)またはメポリズマブ(慢性気管支炎の有無を問わない)の追加を考慮するとされ、ベンラリズマブは第III相試験2件で増悪率を下げなかったと記載されていること。エンシフェントリンは呼吸困難の追跡アルゴリズムで「2剤目の長時間作用性気管支拡張薬を足しても症状が改善しないとき、入手できるなら追加を考慮」の位置にあり、第III相試験がLABA+LAMAや三剤併用への上乗せを評価する設計ではなかったため位置づけが定めにくいこと、現時点で米国でのみ入手可能であること。増悪時の全身ステロイドが「1日あたりプレドニゾン換算40 mgを5日間」で経口プレドニゾロンは静注と同等に有効であること閲覧 2026-09-17
  2. 2.Home Oxygen Therapy for Adults with Chronic Lung Disease: An Official American Thoracic Society Clinical Practice Guideline(American Thoracic Society・2020)2026-09-16にPMC7667898の全文で確認した。COPDの重症慢性安静時低酸素血症(①PaO₂ ≤55 mmHgまたはSpO₂ ≤88%、②PaO₂ 56〜59 mmHgまたはSpO₂ =89%に浮腫・ヘマトクリット ≥55%・心電図のP pulmonaleのいずれかを伴う)に1日15時間以上のLTOTを強く推奨(中等度の質のエビデンス)、SpO₂ 89〜93%と定義される中等度の安静時低酸素血症には処方しないことを提案(条件付き推奨・低い質のエビデンス)していること。増悪後の1〜4週・12〜16週という再評価時期は、同文書が当時のGOLDの推奨として紹介しているものであること。携帯酸素、患者・介護者への機器・火災安全教育も同文書で確認した閲覧 2026-09-16
  3. 3.Long-Term Oxygen Therapy for 24 or 15 Hours per Day in Severe Hypoxemia(The New England Journal of Medicine・2024)抄録で確認した(全文はUnpaywallでclosed・リポジトリ版も無く未取得)。安静時の慢性重症低酸素血症で酸素療法を開始する患者を対象としたレジストリ基盤の多施設無作為化比較試験(REDOX)。241例を1日24時間(117例)と1日15時間(124例)へ割り付け、主要評価項目である1年以内の入院または全死因死亡の複合は24時間群が15時間群より低いとは言えなかった(100人年あたり124.7対124.5、ハザード比0.99、95%CI 0.72–1.36、非優越性のP=0.007)。入院・死亡・有害事象の個別の発生にも大きな差はなかった閲覧 2026-09-16
  4. 4.OHTUVAYRE- ensifentrine suspension(DailyMed(Merck Sharp & Dohme LLC、米国添付文書)・2026)2026-09-17に現行SPL(Revised 4/2026、Merck Sharp & Dohme LLC)で確認した。米国の効能・効果は逐語で「成人の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の維持療法」で、PDE3阻害薬かつPDE4阻害薬として承認されている。用法は1回3 mg(1アンプル)を1日2回、標準的なジェットネブライザーとマウスピースで吸入。5.1は急性症状の緩和、すなわち急性の気管支攣縮に対する頓用としては使用すべきでないとし、5.3は自殺念慮を含む精神症状の有害事象の増加を報告し、うつ病や自殺念慮・自殺行動の既往がある患者では利益と危険を慎重に比較するよう求めている。禁忌は本剤成分への過敏症のみ。以上は米国の添付文書であり、他国の承認状況は述べていない閲覧 2026-09-17