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Drug Atlas · A2 Cholinergics / コリン作動薬 · 必修

ピロカルピン

pilocarpine

分類
Cholinergics / コリン作動薬
商品名(日本)
サンピロサラジェン
商品名(EU)
Isopto CarpineSalagen
科目
Pharmacology
トピック
A2: Cholinomimetics
承認適応
シェーグレン症候群
禁忌疾患
気管支喘息COPD急性冠症候群慢性冠症候群イレウス・腸閉塞てんかんパーキンソン病
副作用
発汗徐脈
監視検査値
眼圧
対象疾患
唾液腺炎・唾石症緑内障

🧠 全体像は直接を刺激する天然で、の中では「・非選択的M作動薬」の原型(プロトタイプ)にあたる。緑内障の点眼薬として古くから使われ、にもされる二刀流だが、どちらも「・平滑筋を直接叩く」という同じ機序の延長線上にある。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 AChEへの抵抗性 主な使いどころ
M非選択的 中程度(作用は数時間) 緑内障、(原型的な直接M作動薬)
M+N 抵抗性が強く長時間持続 、緑内障(無効例)
M3選択的 症候群の(心臓M2への影響を避けたい場面)

同じ「に使う直接M作動薬」でも、は非選択的、はM3選択的という違いがある。 非選択性のは唾液腺(M3)だけでなく心臓(M2)・気道(M3だが全身投与で影響)にも作用が及ぶため、選択性を高めたが開発された経緯を理解しておく。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pilocarpine'>ピロカルピン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscarinic receptor'>ムスカリン受容体</span>(主にM3)へ<br>直接結合し作動"] --> B["眼:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sphincter pupillae'>瞳孔括約筋</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ciliary muscle'>毛様体筋</span>が収縮"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='exocrine glands'>外分泌腺</span>(唾液腺・汗腺)の<br>分泌が亢進"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='miosis'>縮瞳</span>、隅角が開大し<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='trabecular meshwork'>線維柱帯</span>からの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aqueous humor outflow'>房水流出</span>が増加"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intraocular pressure'>眼圧</span>が低下する"]
    C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='salivary secretion'>唾液分泌</span>量が増え<span class='jp-term jp-term-diagram' title='xerostomia'>口腔乾燥</span>が改善する"]

💡 緑内障への効果は「の収縮でが引っ張られの出口が開く」ことによる低下で、瞳孔が小さくなること自体は副次的な現象。 ただし急性閉塞隅角発作では、によっての原因となる部位から引き離される効果も加わり、発作の解除に役立つ。

薬物動態

項目 値・特徴
点眼 が主体だが、頻回・高濃度点眼では経由で全身性の発汗・徐脈が出うる
経口(用) 消化管から吸収され、作用発現は数十分、半減期は約1時間と短く1日3〜4回投与が必要
代謝・排泄

適応

領域 使いどころ
眼科 促進による低下)。ただし現在は・β遮断薬などが第一選択で、は補助的・急性期対応が中心
症候群後の(残存する唾液腺機能が前提)12と異なり、後の適応が明記されている点が違う

用法・用量

眼科では1〜2%点眼液を1日数回。には経口で1回5 mgを1日3〜4回程度から開始する。実際の用量は適応・で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

経口(サラジェン)の禁忌の範囲は国によって異なる。 英国SmPC(4.3項)は「コントロール不良のなどの影響を受けやすい重篤な慢性疾患」「重篤かつコントロール不良の心・腎疾患」「が不適当な場合(等)」という3群にまとめる一方、日本の電子添文はより具体的に列挙する21

副作用

頻度 内容
高頻度 発汗による眼痛(眼科使用時)
注意 徐脈
重篤・まれ (強力なに伴う既報。頻度はまれ)

まとめ

  • ・非選択的の原型。天然
  • 緑内障では収縮による促進でを下げる。は副次的な現象。
  • にはで唾液腺のを刺激する。半減期が短く1日3〜4回投与が必要。
  • 非選択的なため心臓(M2)・気道への作用も避けられず、選択性の高いとの使い分けにつながる。
  • の適応は症候群と後の両方(は前者のみ)。
  • ・COPD、のリスク)は禁忌。日本の電子添文はさらに重篤な・消化管/閉塞・てんかん・パーキンソン病も禁忌とする。狭隅角緑内障は米国添付文書のみ禁忌とし、英国SmPC・日本の電子添文では禁忌に含まない。

出典

  1. 1.サラジェン錠5mg 添付文書(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2023)経口ピロカルピン(サラジェン)の効能・効果は頭頸部放射線治療後の口腔乾燥とシェーグレン症候群の口腔乾燥の両方で、禁忌は重篤な虚血性心疾患・気管支喘息及びCOPD(コントロール状態を問わない)・消化管及び膀胱頸部の閉塞・てんかん・パーキンソニズム又はパーキンソン病・虹彩炎・過敏症の7項目(閉塞隅角緑内障の記載はない)。用法・用量は1回5mgを1日3回、食後経口投与。閲覧 2026-08-03
  2. 2.Salagen 5 mg Film Coated Tablets — Summary of Product Characteristics (SmPC)(Norgine Pharmaceuticals Limited(英国MHRA承認、emc掲載)・2025)英国SmPCの禁忌(4.3項)は重篤かつコントロール不良の心・腎疾患/コントロール不良の喘息などコリン作動薬の影響を受けやすい重篤な慢性疾患/縮瞳が不適当な場合(急性虹彩炎等)の3群で、狭隅角緑内障は禁忌ではなく4.4項の「注意して投与する」という慎重投与に位置づけられている。てんかん・パーキンソン病の記載はない。閲覧 2026-08-03