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Drug Atlas · A2 Cholinergics / コリン作動薬

カルバコール

carbachol

分類
Cholinergics / コリン作動薬
商品名(日本)
ミオスタット
商品名(EU)
Isopto Carbachol
科目
Pharmacology
トピック
A2: Cholinomimetics
承認適応
緑内障
禁忌疾患
気管支喘息消化性潰瘍
副作用
徐脈

🧠 全体像と同じだが、ムスカリン・に作動し、かつAChEに分解されにくいという2点で一線を画す。この「分解されにくさ」がそのまま「作用が長く持続する」という臨床的な特徴になり、という独自の使いどころを生んでいる。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 受容体 AChEへの抵抗性 主な使いどころ
M非選択的 中程度 緑内障、(原型的な直接M作動薬)
M+N 強い(作用が長時間持続) 無効例の緑内障

💡 がAChEに壊されにくいのは、アセチルコリンのに置き換えた構造のため。 とは別系統の化学骨格だが、狙う受容体(M受容体)は共通する。

機序

M+Nし、かつAChEに抵抗性を持つため作用が持続する。眼ではの収縮により促進が起こり、より長く効く。

💡 低下の本体は収縮によるからの増加で、そのものは副次的な現象という関係はと共通する。開放隅角では促進がそのまま低下につながるが、閉塞隅角ではによりが隅角から物理的に引き離されが解除される、という別の意味を持つ。ただし急性発作でが非常に高いときはが虚血で麻痺しており、を頻回に点眼してもは起こらない。それどころかが前方へ移動してをかえって増強するため、先に他剤でを下げるのが順序である1(詳しい動態の機序図・急性の使い方はのノート緑内障のノートを参照)。

適応

状況 使いどころ
眼科手術中 などでの、術後早期の軽減(2
緑内障 など他ので効果不十分な場合に用いる点眼薬(補助的な位置づけ)

⚠️ )は緑内障治療の第一選択ではなく、ガイドライン上は「」に位置づけられる。 日本緑内障学会のガイドラインは、受容体関連薬(次いでβ遮断薬・EP2受容体作動薬)とし、・α2作動薬・ROCK阻害薬などと並ぶとして挙げている1が後方へ退いた理由は、による眼痛・化や全身性症状というの悪さである(詳細は緑内障のノートの治療の項を参照)。

用法・用量

・術後軽減目的)には0.01%の眼内液(ミオスタットなど)を用いる2内へ0.5 mLを超えて注入しない(最大は注入後2〜5分)3

⚠️ 緑内障用の点眼製剤には、現在アクセスできる現行の添付文書が無い。 でもでも、承認されている製剤は内用0.01%眼内液だけであり、その適応は(米国はこれに術後24時間の軽減を加える)で、緑内障は適応に挙がっていない23。従来「0.75〜3%」とされてきた緑内障用点眼(Isopto Carbacholなど)は、これらの地域の現行ラベルに存在しない。緑内障に対するとしての実務はを参照する。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 毛部痛(
注意 徐脈
重篤・まれ (喘息患者)

まとめ

  • のムスカリン・作動薬で、AChEに分解されにくいため作用が長時間持続する。
  • と狙う受容体は共通するが、抵抗性の強さゆえにという独自の使いどころを持つ。
  • 緑内障治療での位置づけは・β遮断薬に次ぐ後方の選択肢で、など他のが効果不十分な場合に用いる。
  • 、消化性潰瘍は禁忌。

出典

  1. 1.Miostat (carbachol) — Swissmedic-approved Summary of Product Characteristics(Swissmedic)欧州(スイス)で承認されているカルバコール製剤は前房内注入用0.01%眼内液のみで、適応は術中の縮瞳。1.5 mLアンプル、0.5 mL中にカルバコール0.05 mg。前房内へ0.5 mLを超えて注入しない閲覧 2026-08-03
  2. 2.MIOSTAT (carbachol intraocular solution, USP) 0.01% — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration / DailyMed (Alcon Laboratories)・2023)前房内投与用カルバコール製剤(ミオスタット)の濃度が0.01%であること、術中縮瞳および白内障手術後早期の眼圧上昇軽減という適応、気管支喘息・消化性潰瘍・急性心不全などでの慎重投与を確認した。閲覧 2026-08-03
  3. 3.緑内障診療ガイドライン(第5版)(日本緑内障学会 緑内障診療ガイドライン改訂委員会・2022)開放隅角緑内障の第一選択薬はプロスタノイド受容体関連薬(次いでβ遮断薬・EP2受容体作動薬)であり、副交感神経作動薬は炭酸脱水酵素阻害薬・α2作動薬・ROCK阻害薬などと並ぶ「第二選択薬」として挙げられていること。急性原発閉塞隅角緑内障では高眼圧により瞳孔括約筋が虚血・麻痺している場合、副交感神経作動薬の頻回投与は縮瞳せず無効であるうえ毛様体筋の前方移動により瞳孔ブロックを増強しうること。閲覧 2026-08-03