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Symptoms · Published

Cough

別名
咳嗽
臓器系
呼吸器
科目
PulmonologyPediatrics
トピック
呼吸器内科 08:咳嗽小児科 1-15:小児の咳嗽
関連疾患
アカラシアエキノコックス症ギラン・バレー症候群クリプトコッカス症チック症(トゥレット症候群)ホジキンリンパ腫マイコプラズマ肺炎(非定型肺炎)レジオネラ症悪性中皮腫器質化肺炎気管支喘息急性リンパ性白血病急性中耳炎・慢性中耳炎(滲出性中耳炎を含む)急性虫垂炎胸腺腫胸部外傷(肋骨骨折・血胸・外傷性気胸・フレイルチェスト)筋萎縮性側索硬化症結核血液・腫瘍救急(発熱性好中球減少症・腫瘍崩壊症候群・上大静脈症候群)骨盤臓器脱再膨張性肺水腫市中肺炎住血吸虫症縦隔腫瘍重症筋無力症食道癌食道閉鎖症・気管食道瘻新型コロナウイルス感染症精巣腫瘍声帯麻痺鼠径ヘルニア溺水伝染性単核球症特発性肺線維症肺癌肺血栓塞栓症非結核性抗酸菌症百日咳腹壁ヘルニア(腹側・臍・瘢痕ヘルニア)腹膜炎・消化管穿孔平滑筋肉腫閉塞性細気管支炎麻疹慢性副鼻腔炎慢性閉塞性肺疾患免疫関連有害事象α1アンチトリプシン欠乏症
起因薬
L-グルタミンアクリジニウムアニフロルマブアルグルコシダーゼアルファイプラトロピウムウメクリジニウムエロツズマブサプロプテリンニトロフラントインプラルセチニブボクロスポリンメタコリン

🧠 全体像:咳は分泌物・異物・刺激物を排除する防御反射であって、止めることが常に善ではない。鑑別の第一軸は持続期間で、3週未満・3〜8週・8週超で想定する原因群がまるごと入れ替わる。慢性咳嗽では、頻度の高い3つ(・喘息・)と薬剤(ACE阻害薬)を最初に当たるのが効率的で、これらは画像に写らないため「胸部X線が正常だから異常なし」という判断が最も起きやすい落とし穴になる。

持続期間で切る

⭐ 期間が変われば鑑別が入れ替わる。最初に必ず確認する。

期間 定義 代表原因
急性 3週未満 ウイルス性、肺炎、喘息、異物、肺塞栓
亜急性 3〜8週 感染後咳嗽、百日咳、喘息
慢性 8週超 、喘息、、ACE阻害薬、COPD、、悪性腫瘍

咳反射の経路

は喉頭・のほか、外耳道や胸膜にもある。は主に迷走神経内喉頭枝を介して延髄・橋のへ至り、は迷走神経・・脊髄を通る。短い深吸気→→呼気筋収縮→開放という順序で高流速の呼気を作る。

💡 耳掃除で咳が出るのは、外耳道にがあるため)。咳の原因が気道にあるとは限らないことを示す例で、原因不明の慢性咳嗽ではや異物も確認する。

乾性か湿性か

期間と組み合わせると鑑別がさらに絞れる。

咳の性状 原因の例
急性・湿性 、肺炎
慢性・湿性 、結核、中枢性肺腫瘍
急性・乾性 炎、非定型肺炎、、喘息、肺塞栓、異物
慢性・乾性 喘息、、ACE阻害薬、心疾患、習咳嗽

⚠️ 痰の色だけで細菌感染と判断しない。 の痰はウイルス感染でも生じる(好中球由来のによる)。抗菌薬は色ではなく、診断・重症度・地域の指針で決める。

見逃してはいけない咳

⚠️ 次があれば早急に評価する。

赤旗 想定する病態
喀血 悪性腫瘍、結核、、肺塞栓
体重減少・ 悪性腫瘍、結核
反復する肺炎 気道の閉塞(腫瘍・異物)、誤嚥、免疫不全
安静時・夜間の強い呼吸困難 心不全、重症喘息
嚥下時のむせ 誤嚥。神経筋疾患、
嗄声
喫煙者の新規・変化した咳 肺癌。「いつもの咳」が変わったことが手掛かり
、喉頭の閉塞。小児では緊急
突然の咳(小児) がなくても否定しない

⚠️ 小児の突然発症の咳と片側の呼吸音低下は、がなくてもを疑う。気道確保を優先し、残存異物は気管支鏡で確認・摘出する。

評価の進め方

flowchart TD
    A["咳"] --> B{"赤旗があるか"}
    B -->|"あり"| C["胸部画像と標的評価を急ぐ"]
    B -->|"なし"| D{"持続期間はどれか"}
    D -->|"3週未満"| E["多くはウイルス性<br>肺炎・喘息・異物を除外"]
    D -->|"3〜8週"| F["感染後咳嗽・百日咳・喘息"]
    D -->|"8週超"| G["胸部X線・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spirometry'>スパイロメトリー</span><br>血算・可能ならFeNO"]
    G --> H["薬剤・喫煙を確認<br>ACE阻害薬中止+治療可能な原因の評価"]
    H --> I{"改善しないか"}
    I -->|"改善しない"| J["適応に応じCT・喀痰検査<br>気管支鏡・専門評価を追加"]

成人の慢性咳嗽では、頻度の高い原因への治療を試す前に、胸部X線とを全例の初期評価に含める。血算と、利用可能ならFeNOも同時に確認する。胸部X線と診察が正常ならCTや気管支鏡を一律に行わず、、喀血、、異常所見、初期評価後も原因不明などの適応に絞る。1

⚠️ 慢性咳嗽ではACE阻害薬を最初に疑う。 開始から数週〜数か月後に出ることも、何年も内服してから出ることもある。中止後の改善に数週間かかるため、判定を急がない。

⭐ 慢性咳嗽の三大原因(・喘息・)はいずれも胸部X線が正常である。画像正常を「異常なし」と読まない。

では発症と期間、喀痰・喀血、、発作性の咳、・アレルゲン・運動・臥位との関係、昼夜差、喫煙、ACE阻害薬、喘息・COPD・の既往、職業・旅行・結核曝露を確認する。

鎮咳薬の位置づけ

⚠️ 咳は防御反射なので、を強力に止めると分泌物が滞留するは原因治療の代わりにならず、痰の多い咳では慎重に扱う。

⚠️ 小児では・感冒薬の有害事象が問題になる。年齢制限を確認する。

まとめ

  • 咳は防御反射であり、止めること自体が目的ではない。
  • 鑑別の第一軸は持続期間(3週未満・3〜8週・8週超)。期間で原因群が入れ替わる。
  • 痰の色だけで細菌感染と判断しない。
  • 成人の慢性咳嗽では胸部X線・を後回しにせず、薬剤・喫煙確認と並行して初期評価する。
  • 慢性咳嗽ではACE阻害薬を最初に疑い、次に・喘息・を当たる。
  • 慢性咳嗽の三大原因は胸部X線が正常。画像正常を異常なしと読まない。
  • 喫煙者の「いつもと違う咳」、喀血、反復肺炎、嗄声は早急に評価する。
  • 小児の突然の咳はがなくてもを疑う。

出典

  1. 1.British Thoracic Society Clinical Statement on chronic cough in adults(British Thoracic Society・2023)成人の慢性咳嗽における胸部X線・スパイロメトリーを含む初期評価閲覧 2026-08-02