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Disease Atlas · 血液 · 腫瘍

ホジキンリンパ腫

Hodgkin lymphoma

別名
HLcHL
臓器系
血液腫瘍
科目
PathologyInternal MedicinePediatrics
トピック
病理学 C/16:ホジキンリンパ腫内科学 H-26:ホジキンリンパ腫内科学 S-38:ホジキンリンパ腫小児科 3-02:小児リンパ腫
上位概念
リンパ腫
鑑別疾患
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫移植後リンパ増殖性疾患胸腺腫非ホジキンリンパ腫
続発疾患
魚鱗癬傍腫瘍性小脳変性微小変化型ネフローゼ症候群
関連疾患
血液・腫瘍救急(発熱性好中球減少症・腫瘍崩壊症候群・上大静脈症候群)
治療薬
ドキソルビシンブレオマイシンダカルバジンニボルマブブレンツキシマブ ベドチンビンブラスチンカルムスチンプロカルバジン
症状
リンパ節腫脹咳胸痛倦怠感呼吸困難寝汗掻痒体重減少発熱
検査値
アルブミン血算
画像所見
FDG-PET
スコア
Ann Arbor分類
組織像
古典的ホジキンリンパ腫・結節硬化型(HE染色)ホジキンリンパ腫(頸部リンパ節)
適応薬
カルムスチンビンブラスチンプレドニゾンブレンツキシマブ ベドチンプロカルバジンメクロレタミンロムスチン

🧠 全体像:(HL)は、少数の腫瘍性Hodgkin/Reed-Sternberg(HRS)細胞と、それを取り囲む豊富な細胞からなるB細胞系腫瘍である。隣接するへ連続的(段階的)に進展する点がと大きく異なり、であっても化学療法・免疫療法・放射線療法の組み合わせで高い治癒率が得られる。学習の幹は「無痛性の頸部・リンパ節腫脹+B症状で疑う→リンパ節でHR(陽性・CD15陽性)を確認する→とで病期評価する→限局期は化学療法±放射線、は反応適応化学療法で治療強度を個別化する」。

病態

HLはに由来するが、HRは正常B細胞マーカーの多くを喪失し、・CD15を発現するという特異なを示す。HR自体は病変全体のごく一部を占めるにすぎず、大部分は炎症細胞からなる反応性の背景である。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='germinal center B cell'>胚中心B細胞</span>由来の腫瘍細胞"] --> B["正常B細胞マーカーを喪失し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='CD30'>CD30</span>・CD15を発現:HR<span class='jp-term jp-term-diagram' title='S cell'>S細胞</span>"]
    B --> C["サイトカイン(IL-5、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transforming growth factor-beta'>TGF-β</span>、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='interleukin-13'>IL-13</span>など)を分泌"]
    C --> D["好酸球・形質細胞・マクロファージなど豊富な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reactive inflammation'>反応性炎症</span>細胞を誘導"]
    B --> E["PDリガンドを発現し周囲T細胞の攻撃を抑制"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='immune evasion'>免疫回避</span>によりHR<span class='jp-term jp-term-diagram' title='S cell'>S細胞</span>が生存"]
    A --> G["単一<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lymph node region'>リンパ節領域</span>から隣接領域へ連続的に進展"]

💡 陽性例ではHR内にクローン性のウイルスゲノムが検出され、が発症に関与すると考えられている。ただし関連率を「約70%」という一つの数字で固定しない——EBER in situ hybridizationまたはLMP-1免疫染色を用いた14研究1,546例の国際データでは陽性は全体の40%で、はより陽性のが有意に高かった(0〜14歳でOR 7.3、15〜49歳で13.4、50歳以上で4.9)。民族(ヒスパニックは白人に対しOR 4.1)や性(若年成人男性は女性に対しOR 2.5)でも動く1。中国北部の157例ではEBER陽性が39%で、小児・思春期の陽性と若年成人の陰性という二峰性を示し、オランダの515例コホートとは年齢分布・組織型・状態が大きく異なった2。一方、マラウイの前向きコホートでは腫瘍24例中18例(75%)が陽性で、陰性が20例中14例(70%)、陽性は4例全例(100%)であった3。すなわち陽性率は組織型(・で高く、で低い)に加え、地域・年齢・状態で大きく変わる。

組織亜型

分類 特徴
古典的HL: 最多亜型。若年者に多く、頸部・・が多い。関連は他の古典的HL亜型より少ない
古典的HL: 高齢者に多く、多彩な炎症背景。関連が比較的多い
古典的HL: 反応性リンパ球が多い
古典的HL: 稀で、腫瘍細胞が多く・免疫不全と関連しやすい
古典的HLとは別個のB細胞リンパ腫として扱う。腫瘍細胞(いわゆる「」)はCD20陽性・CD15陰性・陰性

💡 現代の治療プロトコルのもとでは、古典的HLの4亜型の予後差はほとんど失われている。第5版は、それでも亜型を記載するのは疫学研究・トランスレーショナル研究のためであり、亜型ごとに臨床像が異なるからだとしている4。かつては「は予後良好、は最も予後不良」と整理されたが、これは歴史的な位置づけである。

古典的HLのHRは典型的に陽性、CD15陽性、CD45陰性で、B細胞マーカー(CD20など)は陰性か弱陽性にとどまる。

臨床像

  • 無痛性の頸部・リンパ節腫脹として発症することが多い
  • による咳、胸痛、呼吸困難
  • B症状:38℃を超える原因不明の発熱、寝具を替えるほどの、6か月で10%を超える体重減少
  • 全身性、倦怠感、まれに飲酒後のリンパ節痛
  • では脾・肝・骨髄・骨などへの節外病変

⚠️ のは古典的な記述として知られるが特異度は低く、単独で診断根拠にはしない。

💡 皮膚所見が先に出ることがある。 成人になって新たに生じた全身の魚鱗様(後天性)は本症を代表とするのとして知られ、先天性とは分けて考える。⚠️ 掻痒・と並んで、リンパ節腫脹より先に受診の契機になりうる。

診断

flowchart TD
    A["持続する<span class='jp-term jp-term-diagram' title='painless lymphadenopathy'>無痛性リンパ節腫脹</span>/B症状"] --> B["リンパ節<span class='jp-term jp-term-diagram' title='excisional biopsy'>切除生検</span>(構築を保つ生検が重要)"]
    B --> C["形態+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='immunohistochemistry (IHC)'>免疫組織化学</span>でHR<span class='jp-term jp-term-diagram' title='S cell'>S細胞</span>・病型を確定"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='FDG PET/CT'>FDG-PET/CT</span>+血算・肝腎機能・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lactate dehydrogenase'>LDH</span>・アルブミンなど"]
    D --> E["Ann Arbor/Lugano病期+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bulky disease'>巨大腫瘤</span>・リスク因子を評価"]
    E --> F["限局期/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='progressive stage'>進行期</span>別の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='treatment strategy'>治療方針</span>を決定"]
    F --> G["中間<span class='jp-term jp-term-diagram' title='positron emission tomography'>PET</span>で反応を再評価し治療強度を調整"]

HRは病変中に少数しか存在しないため、だけでは診断が不十分になりやすく、リンパ節構築を保ったが重要である。は・治療反応評価の中心で、病変の代謝活性を高感度に検出できるためはルーチンには行わない。

Ann Arbor/Lugano病期分類

病期 病変範囲
I期 1つの、または単一の節外病変
II期 横隔膜の同側に2つ以上の
III期 横隔膜の両側の。を伴い得る
IV期 肝・骨髄などへのびまん性・播種性節外病変

B症状の有無でA/Bを付し、の有無は病期と別に決定に用いる。の(IPS)はアルブミン低値、Hb低値、男性、45歳以上、病期IV、、の7項目からなるが、現代の治療成績・適応化学療法のもとでは元来のの数値をそのまま個別予後には当てはめない。

治療

flowchart TD
    A["古典的HLを診断"] --> B{"限局期か<span class='jp-term jp-term-diagram' title='progressive stage'>進行期</span>か"}
    B -->|"限局期"| C["短期の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='multi-agent chemotherapy (combination chemotherapy)'>多剤化学療法</span>を開始"]
    C --> D["中間<span class='jp-term jp-term-diagram' title='positron emission tomography'>PET</span>で反応評価"]
    D --> E["化学療法継続、または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='involved-site radiation therapy'>病変部位放射線療法</span>を個別化"]
    B -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='progressive stage'>進行期</span>"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nivolumab'>ニボルマブ</span>併用、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='brentuximab vedotin'>ブレンツキシマブ ベドチン</span>併用、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='positron emission tomography'>PET</span>適応化学療法などを患者背景で選択"]
    F --> G["中間<span class='jp-term jp-term-diagram' title='positron emission tomography'>PET</span>反応に基づき治療を調整"]

⚠️ は肺障害、(など)は心毒性、放射線・強化化学療法は二次がんというを来しうる。中間陰性であればを省略できる場合があり、治癒後は心血管疾患、、肺障害、不妊などを長期に追跡する。

💡 どのレジメンをどの時点に置くかは国によって違う。 日本血液学会の診療ガイドライン(2024年版)は、限局期の標準治療を化学療法(代表はABVD療法)と部放射線療法(ISRT)の併用とし、の初回治療としてABVD療法6もしくは8コース、または併用AVD療法6コースを推奨している。・はおよび前のの選択肢として挙げられており、の初回治療のレジメンには挙がっていない5。上の併用AVDは国外の試験成績に基づく位置づけなので、「初回治療の第一選択」と一括りにせず、どの国のどの文書での位置づけかを分けて覚える。

歴史:MOPPからABVDへ

1970年以前のHLは、放射線療法および/またはで治療される致死的なリンパ腫だった。現在のようにで治癒が大きく期待できる病気になったのは、この半世紀の変化である6。ABVDが基軸になる前の標準治療がMOPP療法——Mechlorethamine(。。日本では未承認)・Oncovin(の商品名)・Procarbazine()・Prednisone()の4剤併用——である5。ミラノがん研究所で開発されたABVDが1990年代の北米でHL治療の基軸に選ばれたのは、MOPPと比べて有効性が高く、と性腺毒性が小さかったためである6。

比較の軸 MOPP ABVD
(361例の無作為化試験) 67% 82%(MOPP/ABVD交替は83%。含有2群とMOPPの比較でP=0.006)7
5年時点で治療不成功に至らない割合(FFS) 50% 61%(交替療法65%)7
66% 73%(交替療法75%。MOPPとの差はP=0.28で有意でない)7
強く、予定用量の減量も大きい より少ない7
白血病の12年推定発症率(放射線併用例) 10.2%±5.2% 08
男性の精子形成 29例中28例(97%)が。精子数を再検した21例のうち回復は3例 24例中13例(54%)に・。⚠️ 精子数の再検は両群あわせて34例で行われ、そのうちABVD群の13例は全例が回復した(原著は再検13例と13例が同一集団だとは述べていない)9

⚠️ の実測が「を外す」根拠になった。 1965〜1982年に治療されたHL 1,329例(追跡9.5年)では、白血病は放射線療法のみの症例で1例も記録されず、放射線+MOPPで12年推定10.2%±5.2%、放射線+ABVDで0だった。放射線療法の不成功後に救援としてMOPPを受けた群ではさらに高く15.5%±7.4%に達している。原著のは「・・誘導体といった特定の薬剤を、治癒を目指しうる治療から外すことで、のを大きく減らせる」である8。

💡 なぜを含むレジメンだけが不妊とを残すのか。 とはを・架橋して細胞を殺すが、この作用は分裂の速い腫瘍細胞だけを選ばず、を保つ正常な幹細胞——造血幹細胞と——にも同じように及ぶ。が枯渇すれば精子形成の供給源そのものが失われるためが回復しない(実測でMOPP後の回復は21例中3例)。造血幹細胞の損傷が修復し損ねた変異として残れば、数年の潜伏を経て治療関連の・として現れる。ABVDがMOPPを置き換えたのは「MOPPが効かないから」ではなく、同等以上の治癒率をこの2つの代償なしに得られるからである。⭐ HLが若年者に多く、治癒したあと数十年を生きることが前提の疾患である、という事情がこの判断の背景にある。

⚠️ とを含むレジメンがHL治療から消えたわけではない。 増量BEACOPP療法はとを含み、上記の総説はGHSG HD9試験の値として、二次性の・の10年が増量BEACOPP 3.2%に対しABVD/COPP 0.4%(P=0.03)であったことを引いている。増量BEACOPPがでABVDに優ることを示せなかった結果として、ABVDは北米および欧州以外の多くの国で標準であり続けた6。⚠️ 国内のガイドラインも増量BEACOPPを外していない。 日本血液学会 診療ガイドライン2024年版のCQ6は、初発CHLの標準治療(推奨グレード カテゴリー1)を「中間による(ABVD or ABVD/増量BEACOPP療法)、もしくは併用AVD療法」としており、PET-2陽性例で増量BEACOPPへ切り替える枝がカテゴリー1推奨の中にある(CQ2も陽性例に増量BEACOPP 4コースを挙げ、国内エビデンスとしてJCOG1305を引く)。が挙げるABVD 6/8コースは、CQ6ではを行わない場合の選択肢という位置づけである5。⭐ 増量BEACOPPは「毒性が強いので使わない薬」ではなく、中間で効果不十分と分かった患者に取っておく強い枝として残っている。

HLと非ホジキンリンパ腫の比較

項目
起源 常にB細胞由来 B細胞またはT/NK細胞由来
腫瘍細胞 HRが少数、豊富な反応性背景を伴う 腫瘍細胞が病変の大部分を占めることが多い
進展様式 隣接リンパ節へに進展 性・が比較的多い
節外病変(初発時) 比較的少ない 病型により頻度が高い
全体的な治癒率 高い(でも治癒を目指す) 病型により大きく異なる

まとめ

  • HLは陽性・CD15陽性のHRと豊富な細胞からなるB細胞系腫瘍で、隣接リンパ節へ連続的に進展する。
  • 関連率は「約70%」と一つの数字で固定できず、国際データ全体では40%、組織型(・で高くで低い)・地域・年齢・状態で大きく変わる。確定診断にはリンパ節構築を保つが原則必要である。
  • 病期はとで評価し、・B症状・中間反応をに組み込む。
  • 限局期はABVD±放射線、は併用や併用など現代的なレジメンを選び、高い治癒率と最小化を両立させる。国内のガイドライン(2024年版)はの初回治療をABVDまたは併用AVDとし、はに置いている。
  • 歴史的な標準治療だったMOPP療法(・・・)がABVDへ置き換わった理由は、有効性の差だけではない。に由来すると不妊を避けられることが決め手で、治癒後の数十年を守るという発想がここから始まっている。

出典

  1. 1.Epstein-Barr virus-associated Hodgkin's disease: epidemiologic characteristics in international data(International Journal of Cancer・1997)EBER in situ hybridizationまたはLMP-1免疫染色を用いた14研究1,546例の国際データで、EBV陽性は全体の40%であり、陽性率は組織型・年齢・性・民族・居住地域で有意に異なった。混合細胞型は結節硬化型に比べEBV陽性のオッズが有意に高く(0〜14歳でOR 7.3、15〜49歳で13.4、50歳以上で4.9)、ヒスパニックは白人に対しOR 4.1、若年成人男性は女性に対しOR 2.5であったこと閲覧 2026-08-24
  2. 2.Epidemiology of classical Hodgkin lymphoma and its association with Epstein Barr virus in Northern China(PLoS ONE・2011)中国北部の古典的ホジキンリンパ腫157例ではEBER in situ hybridizationで39%がEBV陽性であり、陽性は混合細胞型・男性・若年と有意に関連した。小児・思春期にEBV陽性混合細胞型のピーク、若年成人にEBV陰性結節硬化型のピークという二峰性を示し、オランダの515例コホートとは年齢分布・組織型・EBV状態が大きく異なったこと閲覧 2026-08-24
  3. 3.Hodgkin lymphoma, HIV, and Epstein-Barr virus in Malawi: Longitudinal results from the Kamuzu Central Hospital Lymphoma study(Pediatric Blood & Cancer・2017)マラウイの古典的ホジキンリンパ腫前向きコホート31例で、腫瘍検体24例中18例(75%)がEBV陽性であり、HIV陰性では20例中14例(70%)、HIV陽性では4例中4例(100%)が陽性であった。成人15例中5例(33%)がHIV陽性であったこと閲覧 2026-08-24
  4. 4.The 5th edition of the World Health Organization Classification of Haematolymphoid Tumours: Lymphoid Neoplasms(World Health Organization Classification of Tumours Editorial Board・2022)PMC9214472 の全文で、古典的ホジキンリンパ腫の結節硬化型・混合細胞型・リンパ球豊富型・リンパ球減少型の基準は前版から変わらず、"With modern treatment protocols, these subtypes have lost most of their prognostic relevance" としたうえで、亜型ごとに臨床像が異なるため疫学・トランスレーショナル研究のために記載する意義はあるとしていることを確認した閲覧 2026-09-24
  5. 5.造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版) 第II章 リンパ腫 10 ホジキンリンパ腫(HL)(一般社団法人 日本血液学会・2024)ウェブ版の全文を取得して確認した。総論がMOPP療法の構成を「mechlorethamine(国内未承認),VCR,PCZ,PSL」と明記していること。限局期CHLの標準治療が化学療法と放射線療法の併用(CMT)で、代表的なレジメンがABVD療法であり、照射法としてIFRTではなく病巣部放射線療法(ISRT)が推奨されること。進行期CHLの初回治療としてABVD療法6もしくは8コース、あるいはブレンツキシマブ ベドチン併用AVD療法6コースが推奨されること(CQ6・CQ7)。ニボルマブ・ペムブロリズマブは再発・難治例および自家移植前の救援療法の選択肢として挙げられており(CQ10・CQ12)、進行期の初回治療のレジメンには挙げられていないこと。わが国でのHLの頻度が全悪性リンパ腫の3〜6%程度であることを確認した閲覧 2026-09-08
  6. 6.Advanced Stage Hodgkin Lymphoma: A Review on Frontline Treatment Advances(The Cancer Journal・2026)Europe PMC の fullTextXML(PMC13185718)で全文を確認した。1970年以前のHodgkinリンパ腫が放射線療法および/または単剤化学療法で治療される致死的なリンパ腫であったこと。ミラノがん研究所で開発されたABVDが、当時の標準治療であったMOPP(mechlorethamine, vincristine, procarbazine, prednisone)と比べて有効性で優り骨髄毒性・性腺毒性が小さいことを示したのち、1990年代に北米でHodgkinリンパ腫治療の基軸として選ばれるようになったこと。増量BEACOPPについて、本総説がGHSG HD9試験の値として二次性の急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群の10年累積発症率を増量BEACOPP 3.2%対ABVD/COPP 0.4%(P=0.03)と引いていること、増量BEACOPPがABVDに対して全生存の優越性を示せなかった結果として「ABVDは北米および欧州以外の多くの国で標準であり続けた」と述べていることを確認した閲覧 2026-09-08
  7. 7.Chemotherapy of advanced Hodgkin's disease with MOPP, ABVD, or MOPP alternating with ABVD(New England Journal of Medicine・1992)Europe PMC の resultType=core で抄録を確認した(出版社サイトが取得できず全文は未取得)。未治療の進行期Hodgkin病(IIIA2・IIIB・IVA・IVB期。放射線療法後の初回再発例を含む)を、MOPP単独6〜8サイクル123例、MOPPとABVDの交替12サイクル123例、ABVD単独6〜8サイクル115例の3群へ無作為化した多施設試験(適格例361例)で、完全奏効率がMOPP 67%・ABVD 82%・MOPP/ABVD交替 83%(ドキソルビシンを含む2群とMOPPの比較でP=0.006)、5年時点の failure-free survival が50%・61%・65%、5年全生存率が66%・73%・75%(MOPPとドキソルビシン含有2群の比較はP=0.28)であったこと。抄録が「MOPPはABVDより骨髄への毒性作用が強く、予定用量の減量も大きかった」「ABVD 6〜8か月はMOPP/ABVD交替12か月と同等に有効で、いずれもMOPP単独に優る」「ABVDはMOPPやMOPP/ABVD交替より骨髄毒性が少ない」と述べていることを確認した閲覧 2026-09-08
  8. 8.Second acute leukemia and other malignancies following treatment for Hodgkin's disease(Journal of Clinical Oncology・1986)Europe PMC の resultType=core で抄録を確認した(全文は未取得)。1965〜1982年に登録されたHodgkin病1,329例を追跡期間中央値9.5年で解析し、二次腫瘍68件(急性非リンパ性白血病19件、非Hodgkinリンパ腫6件、固形腫瘍43件)を同定したこと。白血病の12年推定発症率が、化学療法のみ1.4%±2.3%、放射線+MOPP 10.2%±5.2%、放射線+ABVD 0、放射線+その他のレジメン4.8%±1.6%であり、放射線療法のみの症例では白血病が1例も記録されなかったこと。放射線療法の不成功後に救援としてMOPPを受けた群で白血病のリスクがとくに高く15.5%±7.4%であったこと。抄録の結論が「アルキル化薬・プロカルバジン・ニトロソウレア誘導体といった特定の薬剤を、治癒を目指しうる治療から外すことで、二次腫瘍の発生率を大きく減らせる」であることを確認した閲覧 2026-09-08
  9. 9.Gonadal toxicity after combination chemotherapy for Hodgkin's disease. Comparative results of MOPP vs ABVD(European Journal of Cancer and Clinical Oncology・1985)Europe PMC の resultType=core で抄録を確認した(全文は未取得)。Hodgkin病の男性53例(年齢中央値29歳、範囲16〜45歳)でMOPPとABVDの性腺毒性を前向きに比較し、MOPPでは29例中28例(97%)が無精子症となったのに対し、ABVDでは24例中13例(54%)に乏精子症・無精子症が生じたこと。卵胞刺激ホルモンはMOPP後に一貫して有意に上昇したが、ABVD後は中央値が正常範囲にとどまったこと。精子数を再検した34例のうち、精子形成の回復はMOPP群では21例中3例にとどまり、ABVD群では13例全例で得られたこと。抄録が「MOPPに含まれる2つのアルキル化薬であるメクロレタミンとプロカルバジンが大多数の患者に不妊をもたらすのに対し、ABVDに含まれる薬剤は永続的な性腺機能障害を伴わない」と結論していることを確認した閲覧 2026-09-08