組織病理学

組織病理学 · H2-016

ホジキンリンパ腫(頸部リンパ節)

SPECIMEN - Hodgkin lymphoma – cervical lymph nodes

描出疾患
ホジキンリンパ腫

🧠 全体像:頸部(Hodgkin lymphoma)は、として発見されることが多い。肉眼では複数の腫大リンパ節や融合性腫瘤を形成しうるが、結節状の外観だけでとは診断できず、とが必要である。

肉眼所見

所見 解釈
頸部リンパ節腫大 リンパ腫を示唆するが、・感染・反応性病変も鑑別
複数リンパ節 同一内でも複数個腫大しうる
融合性・結節状腫瘤 や線維化を伴いうる
灰白色 リンパ腫でみられうる非特異的所見
壊死・出血 目立つ場合は感染、治療後変化、別腫瘍も検討

⭐ 肉眼的な「結節」は腫大リンパ節または腫瘤の形を表すだけで、という組織型を意味しない。

診断までの流れ

flowchart TD
    A["無痛性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cervical lymphadenopathy'>頸部リンパ節腫脹</span>"] --> B["画像で分布を評価"]
    B --> C["十分な組織を採取"]
    C --> D["HEで構築・腫瘍細胞・背景を評価"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='CD30'>CD30</span>・CD15・PAX5など免疫染色"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Hodgkin lymphoma, HL'>ホジキンリンパ腫</span>を確定"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='FDG PET'>FDG-PET</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>で病期評価"]
    G --> H["病期・リスクに応じて治療"]

だけでは少数の腫瘍細胞と背景構築を十分評価できないことがあり、可能ならまたは十分量のを用いる。42研究の系統的レビューでは、細胞診・がやを併用しても病型まで特定できた割合は中央値74%で、のGradeはこれらの手技では判定できないという指針を厳密に適用すると66%まで下がった。結局25〜35%はリンパ節を追加しないと分類しきれない1。

Lugano/Ann Arbor病期

病期 分布
I 一つの、または単一のリンパ組織
リンパ節病変を伴わない単一の節外臓器・部位
II 横隔膜の同じ側に二つ以上の
IIE 同側リンパ節病変から連続して限局性
III 横隔膜の両側の
IV 骨髄・肝など一つ以上の節外臓器へびまん性・性に進展

「単一節外臓器」を無条件にStage Iとせず、としてリンパ節分布とを区別する。病期は、B症状、臓器機能などと合わせて治療計画に用いる。

💡 (2014)はAnn Arborを捨てたのではなく、上に載せたものである。 解剖学的な広がりはAnn Arbor記述法の修正版のまま表し、そこへ集積性リンパ腫の病期評価として/を正式に組み込んだ。変わった点は3つ覚えておくとよい。症状を示すA/Bの接尾辞はにのみ付ける(では付けない)。はと大半のDLBCLでルーチンのには不要になった。治療上は病期I・II(非bulky)の限局期と病期III・IVのに二分し、bulkyを伴う病期IIは組織型と予後因子でどちらに扱うかを決める2。

B症状

症状 定義
発熱 他の原因のない38℃超
寝具を替えるほどの
体重減少 6か月以内に通常体重の10%超

早期病期でもB症状を完全には否定できず、若年・良好組織型なら必ず無症状というわけではない。

組織型との関係

では太いがリンパ節を結節状に分割し、裂隙細胞を認める。肉眼だけでは確認できないため、詳細は H2-014:・ で確認する。

病変 鑑別の軸
、強陽性、PAX5弱陽性
非ホジキンB細胞リンパ腫 腫瘍性B細胞が多数を占め、病型特異的表現型
上皮性細胞集塊、陽性
結核・感染性リンパ節炎 肉芽腫、壊死、病原体検査

治療の安全性

治療は早期良好群、早期不良群、に層別化し、化学療法、免疫療法・、必要なを組み合わせる。若年者や早期病期であっても治療を一律に軽減せず、反応と再発リスクを用いて調整する。

一方、長期治癒後の心血管障害、肺障害、、不妊、二次がんを減らすため、不要な薬剤・照射範囲を避ける。

まとめ

  • 頸部リンパ節腫大はの代表的な初発所見である。
  • 肉眼的結節だけでとは診断しない。
  • 病期は横隔膜との位置、数、節外病変ので決める。
  • 組織診断、/、病期・リスクを統合して治療する。

出典

  1. 1.Systematic review of the effectiveness of fine-needle aspiration and/or core needle biopsy for subclassifying lymphoma(Archives of Pathology & Laboratory Medicine・2015)WHO分類は切除生検の組織所見に依拠すること。42研究(1989〜2012年)の系統的レビューで、細針吸引細胞診・コア針生検がフローサイトメトリーや遺伝子検査と併せて病型特異的診断に至った割合は中央値74%であり、濾胞性リンパ腫のGradeはこれらの手技では判定できないという専門家指針を厳密に適用すると66%へ低下したこと。すなわち25〜35%はリンパ節切除生検の追加を要すること閲覧 2026-08-24
  2. 2.Recommendations for initial evaluation, staging, and response assessment of Hodgkin and non-Hodgkin lymphoma: the Lugano classification(International Conference on Malignant Lymphoma Imaging Working Group・2014)FDG集積性リンパ腫の病期評価にFDG-PET/CTを正式に組み込み、解剖学的な広がりはAnn Arbor記述法の修正版で表すこと。症状を示すA/Bの接尾辞はホジキンリンパ腫にのみ付けること。骨髄生検はホジキンリンパ腫と大半のDLBCLではルーチンの病期診断に不要となったこと。治療上は病期I・II(非bulky)の限局期と病期III・IVの進行期に分け、bulkyを伴う病期IIは組織型と予後因子により限局期・進行期のいずれかとして扱うこと。治療反応はPET-CTの5段階尺度で評価し、ルーチンの経過観察目的の画像検査は推奨されないこと閲覧 2026-08-24