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Drug Atlas · B32 Antineoplastics / 抗腫瘍薬

プロカルバジン

procarbazine

分類
Antineoplastics / 抗腫瘍薬
商品名(日本)
塩酸プロカルバジン
科目
Oncology and Reconstructive Oncoplastic Surgery
トピック
I-10: Systemic treatment of cancer
承認適応
Hodgkinリンパ腫乏突起膠腫
副作用
悪心
相互作用
アミトリプチリンエタノールエフェドリン

🧠 全体像:は、のMOPP療法(Mechlorethamine=、Oncovin=の商品名、Procarbazine=、Prednisone=)やのPCV療法(・・)に用いられる経口類似薬だが、構造上は弱い()阻害薬でもあるという二重性格を持つ。とは別に、を含む食品との・アルコールとの・やとの相互作用という、細胞傷害性抗癌剤としては異例の食事・併用薬制限が付いて回る点が、この薬を覚えるときの核心になる。

薬効群の中での位置づけ

項目
PCV療法での役割 経口、Day 8〜21連日投与1 経口、Day 1に1回1 静注、Day 8・291
薬効分類 類似(メチル誘導体)+弱い阻害作用 系
抗腫瘍以外の特有の注意 阻害による食品・アルコール制限 遅発性・の骨髄抑制 末梢神経障害、厳禁

⭐ PCVの3剤は作用機序も注意点もまったく異なり、「同じレジメンだから似た薬」ではない。 だけが食事・併用薬の制限を要する点が、他の2剤との実務上の最大の違いになる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='procarbazine'>プロカルバジン</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hepatic metabolism (liver metabolism)'>肝代謝</span>により活性化"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='autoxidation'>自動酸化</span>の過程で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hydrogen peroxide'>過酸化水素</span>・<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='free radicals'>フリーラジカル</span>を生成"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deoxyribonucleic acid'>DNA</span>鎖を直接損傷<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ionizing radiation'>電離放射線</span>に似た様式)"]
    B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='deoxyribonucleic acid'>DNA</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ribonucleic acid'>RNA</span>・蛋白合成を阻害"]
    D --> F["腫瘍細胞のアポトーシス"]
    E --> F
    B --> G["弱い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='monoamine oxidase'>モノアミン酸化酵素</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='monoamine oxidase'>MAO</span>)阻害作用"]
    G --> H["⚠️ <span class='jp-term jp-term-diagram' title='tyramine'>チラミン</span>食品・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sympathomimetic'>交感神経刺激薬</span>との<br>相互作用リスク(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='antitumor effect'>抗腫瘍効果</span>とは別の経路)"]

💡 抗腫瘍機序と阻害作用は同じ分子の別の側面であり、切り離せない。 で生じる・が損傷を起こす一方、が活性を阻害するため、「効かせようとする代謝」がそのまま食事制限の理由になるという点がこの薬特有の構造である。

薬物動態

項目 値・特徴
経口()
代謝 肝で活性化。血液脳関門を通過する2
阻害の持続 投与終了後もしばらく残るため、アルコールは治療終了後1週間も控える1

適応

⚠️ 承認された効能は日本と米国で違う。 「この薬の適応は◯◯である」と一括りにせず、どの国の文書での話かを分けて覚える。

領域 日本の電子添文3 米国の添付文書2
血液腫瘍 (、細網肉腫、リンパ肉腫)。病期による限定は無い 他の抗癌剤との併用でStage III・IVのHodgkin病。「MOPP(・・・)レジメンの一部として用いる」と明記
他の抗悪性腫瘍剤との併用で悪性星細胞腫、成分を有する。による限定は無い 効能に挙がっていない

⭐ 生存利益は例で最も大きく確実だが、例に限られるわけではない。 9402でを伴わない変異腫瘍66例をみると、無増悪生存はPCV併用で有意に長く(0.58、P=.046)、も延長の傾向にあった(0.60、95%CI 0.34〜1.03、P=.06)。同報告のも「PCVはを伴わない変異腫瘍でも、程度は小さいながら生存を改善する」と述べている4。は「使うか使わないか」を切り替えるスイッチではなく、期待できるの大きさを教えるものだと読む。

💡 MOPPは歴史的レジメンであり、自身が置き換えの理由の当事者だった。 国内の診療ガイドライン(2024年版)がの初回治療として推奨するのはABVD療法6もしくは8コース、または併用AVD療法6コースであり、MOPPの構成薬であるは国内未承認と明記されている5。ABVDへ置き換わった理由は有効性の差だけではない。

  • :1965〜1982年のHodgkin病1,329例(追跡9.5年)で、白血病の12年推定発症率は放射線+MOPPが10.2%±5.2%、放射線+ABVDが0、放射線療法のみでは1例も記録されなかった。原著のは「・・誘導体といった特定の薬剤を、治癒を目指しうる治療から外すことで、のを大きく減らせる」で、がとは別に名指しされている6
  • 不妊:MOPPを受けた男性29例中28例(97%)がとなり、精子形成の回復は21例中3例にとどまった。ABVDでは・を生じた13例が全例で回復している。原著は「MOPPに含まれる2つのであるとが大多数の患者に不妊をもたらす」としている7
  • 日本の電子添文も9.4に「外国において塩を含むMOPP療法を受けた小児患者で、非可逆的な精子形成不全(等)などの性腺障害が認められたとの報告がある」と記載している3

⭐ は、のPCV療法という形で今も使われている。 「古い薬」と片付けず、では同等以上に効く代替レジメンが現れたので外れ、系腫瘍では放射線へのが年単位(9.3年→14.2年)で残った、という対比で覚える。と性腺毒性という代償はでも同じように付いて回るので、若年例では治療前の妊孕性温存の相談が要る。

用法・用量

⚠️ 単剤の用量と併用レジメンの用量を混ぜない。 米国の添付文書は用量表の冒頭で「以下は単剤として投与する場合の用量であり、他の抗癌剤と併用するときは適切に減量する」と断り、その例としてMOPPレジメンでは100mg/m²を14日間としている2。

場面 用量
日本・ として1日50〜100mgを1〜2回に分割して開始し、約1週間以内に1日150〜300mgの3回分割へ漸増して連日投与する。寛解導入までに要するは通常5〜7g3
日本・(併用療法) 1日60〜75mg/m²を14日間し、6〜8週毎に繰り返す3
米国・単剤(成人) 初回1週間は2〜4mg/kg/日、その後はが得られるまで、またはが4,000/mm³未満・が100,000/mm³未満に低下するまで4〜6mg/kg/日。が得られたら1〜2mg/kg/日で維持する2
米国・MOPPレジメン内 100mg/m²を1日1回、14日間2
PCV療法のプロトコル例(豪 eviQ) 60mg/m²を1日1回経口、各サイクルのDay 8〜21(14日間連続)。1サイクル6週間で通常6サイクル1

体重は実測値で計算するが、肥満例や浮腫・腹水による見かけの体重増加がある例では推定(乾燥体重)を用いる2。

禁忌・注意

⚠️ 禁忌の中身は国で違う。 「禁忌は◯◯である」と1文書で言い切らない。

項目 日本の電子添文(2. 禁忌)3 米国の添付文書(CONTRAINDICATIONS)2
過敏症 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴 本剤への既知の過敏症
アルコール 飲酒を摂取中の患者は禁忌(10.1でも。機序は様作用) 禁忌欄には無く、WARNINGSで「Antabuse()様反応が起こりうるのでエチルアルコールを使用すべきでない」とする
禁忌ではない(骨髄機能抑制のある患者は9.1.1で「骨髄機能抑制が増強するおそれ」) で確認された不良は禁忌
  • ⚠️ アルコールとの。 日本の電子添文は「アルコール(飲酒)を摂取中の患者」を禁忌に挙げ、の欄で「アルコールに対する耐性を低下させるおそれがあるので、治療中はさせること」としている3。豪州のプロトコルは治療中および治療終了後1週間のを求め、重度の嘔吐・呼吸困難・失神を来しうるとしている1
  • ⚠️ を多く含む食品との。 ワイン・熟成チーズ・バナナ・ヨーグルト・塩漬け肉・酵母エキス(Vegemite・Marmiteなど)の過剰摂取を避ける21
  • ⚠️ ・・他の阻害薬・との併用に注意。 阻害作用により、(など)は臨床的に必要な場合を除き避け、(など)との併用でも・のリスクが上がりうる21。日本の電子添文は同じ組み合わせ(誘導体・誘導体・三環系抗うつ剤・交感神経興奮剤)を併用注意に置き、危険因子を「本剤の大量投与」としている3
  • ⚠️ の作用増強。 米国の添付文書は、中枢抑制とを最小限にするため・抗ヒスタミン薬・・・系を慎重に用いるとしている。の抗ヒスタミン薬・を含む製剤も避けるよう患者に説明する2
  • ⚠️ 妊婦・水痘。 妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(・マウスで胎児の・骨格・内臓異常、胎児致死、育成児の脳発達異常が報告されている)。水痘患者では致命的な全身障害があらわれるおそれがある3
  • ⚠️ 二次性肺癌のリスクは喫煙で増幅される。 米国の添付文書は「治療による二次性肺癌のリスクは喫煙によって増幅されるようにみえる」とし、患者に禁煙を勧めるよう記載している2
  • として、強力なの使用に習熟したの指示・監督下でのみ投与し、適切な臨床・検査設備が利用できる環境で行う2。日本のも、がん化学療法に十分な知識・経験を持つのもと、緊急時に十分対応できる医療施設で実施することを求めている3

監視と中止基準

  • 治療開始前にベースラインの血液・肝・腎の検査を行う。血算(ヘモグロビン、、と分画、、血小板)は3〜4日ごと、尿検査・・・は少なくとも週1回繰り返す2
  • ⚠️ 次のいずれかが出現したら速やかに投与を中止する——(・・)、4,000未満、100,000未満、過敏反応、(口腔内の最初の小潰瘍や持続する一点の痛みが中止の合図)、下痢(頻回の排便・)、2
  • 骨髄抑制は投与開始の2〜8週後に起こることが多い2

副作用

区分 内容
日本の重大な副作用 (2.7%)、骨髄抑制(27.2%、血小板減少15.8%、貧血6.5%、・好中球減少は頻度不明)、(頻度不明)3
高頻度(5%以上) (29.3%)、悪心(23.3%)、嘔吐3。米国の添付文書も・貧血・血小板減少が高頻度、悪心・嘔吐が最も多い副作用としている2
その他 ・発疹、下痢・、/増加・、・倦怠感・感覚障害、・頭痛・振戦・反射消失、発熱・3
他の抗悪性腫瘍剤との併用例で(前白血病相を伴う場合もある)・・肺癌の発生が報告されている3。米国の添付文書も肺癌・・悪性骨髄硬化症を挙げ、国際がん研究機関(IARC)が「他のを含む強力なレジメンで投与された場合のヒトには十分な証拠がある」としていることを記載する2
性腺毒性 。MOPP療法を受けた男性では29例中28例(97%)がとなり、精子形成の回復は21例中3例にとどまった7。日本の電子添文も、MOPP療法を受けた小児患者で非可逆的な精子形成不全が報告されているとして、小児・生殖可能年齢への投与時に性腺への影響を考慮するよう求めている3
その他の重篤・まれ 、21。誘導体に共通する毒性として溶血と赤血球内のHeinz-Ehrlich小体出現も記載されている2

まとめ

  • は経口の細胞傷害性抗癌剤であると同時に弱い阻害薬でもあり、抗腫瘍機序と阻害が同じ代謝経路から生じる。
  • MOPP=・Oncovin()・・。 かつてのの標準治療だが、現在の一次治療はABVDや併用AVDで、MOPPは含まれない(は国内未承認)。
  • 承認された効能は国で違う。日本は(・細網肉腫・リンパ肉腫)と、併用療法での悪性星細胞腫・成分を有するで、病期やによる限定は無い。米国の添付文書の効能は、他剤併用でのStage III・IVのHodgkin病である。
  • 系腫瘍へのPCV療法(・・)は、放射線単独に対し例で中央値を9.3年→14.2年、7.3年→13.2年と延長する。を伴わない変異腫瘍でも、程度は小さいながら改善が示されている。
  • ⚠️ 同じ薬でも場面で用量の書き方も大きさも変わる。 米国の2〜4→4〜6mg/kg/日は単剤の用量で、MOPPレジメン内では100mg/m²を14日間に減量する。日本のは1日50〜300mgの絶対量、併用療法は1日60〜75mg/m²を14日間・6〜8週毎である。
  • ⚠️ としては異例の食事・併用薬制限——食品との、アルコールとの(日本では飲酒中の患者そのものが禁忌)、・との相互作用に注意する。
  • ⚠️ 重大な副作用として(2.7%)・骨髄抑制・。(・・肺癌)と非可逆的なのリスクがあり、長期の経過観察と、若年例では治療前の妊孕性温存の相談を要する。

出典

  1. 1.2045 Oligodendroglioma PCV (procarbazine, lomustine, vincristine) protocol(eviQ Cancer Treatments Online(Cancer Institute NSW)・2026)PCVレジメンにおけるプロカルバジンの用量が60mg/m²を1日1回経口投与、投与日が各サイクルのDay 8〜21(14日間連続)、1サイクルが6週間で計6サイクル予定であること、治療中および治療終了後1週間はアルコールを控えるべきこと(ジスルフィラム様反応の重度嘔吐・呼吸困難・失神のリスク)、チラミンを多く含む食品(熟成チーズ・塩漬け肉・酵母エキスなど)の過剰摂取を避けるべきこと、特定の抗うつ薬・他のMAO阻害薬・セロトニン作動薬・交感神経刺激性の鼻炎薬・CYP3A4誘導性の抗てんかん薬との併用に注意を要することを確認した閲覧 2026-09-06
  2. 2.MATULANE (procarbazine hydrochloride) capsule — Highlights of Prescribing Information(米国FDA(DailyMed収載の添付文書、2023年11月改訂)・2023)openFDA の drug/label API(set_id 指定)で全文を確認した。文書末尾の改訂表示は逐語で「Revised: November 2023」(openFDA の effective_time は 20240916・version 9 なので、掲載更新日と文書の改訂表示は一致しない)。効能が「他の抗癌剤との併用によるStage III・IVのHodgkin病」で、「MOPP(nitrogen mustard, vincristine, procarbazine, prednisone)レジメンの一部として用いる」と明記されていること。⚠️ 用量の節は冒頭で「以下は単剤として投与する場合の用量であり、他の抗癌剤と併用するときは適切に減量する。例えばMOPPレジメンでは100mg/m²を14日間」と断っており、成人の2〜4mg/kg/日(初回1週間)→4〜6mg/kg/日は単剤の用量であること。維持量は1〜2mg/kg/日で、増量の上限は最大効果が得られるか白血球数4,000/mm³未満または血小板数100,000/mm³未満になるまでであること。禁忌が本剤への既知の過敏症と、骨髄穿刺で確認された骨髄予備能不良の2項目であること。枠組み警告が強力な抗腫瘍薬に習熟した医師の指示・監督下での投与と適切な臨床・検査設備を求めるものであること。警告の節が、中枢抑制と増強を最小限にするためバルビツール酸系・抗ヒスタミン薬・麻薬性鎮痛薬・降圧薬・フェノチアジン系を慎重に用いること、エチルアルコールはジスルフィラム様反応のため使用すべきでないこと、弱いMAO阻害作用のため交感神経刺激薬・三環系抗うつ薬とワイン・ヨーグルト・熟成チーズ・バナナなどの高チラミン食品を避けるべきこと、ヒドラジン誘導体に共通する毒性として溶血とHeinz-Ehrlich小体の出現があることを述べていること。副作用の節が「Hodgkin病でプロカルバジンを他の化学療法および/または放射線と併用された患者で、二次性の非リンパ系悪性腫瘍(肺癌・急性骨髄性白血病・悪性骨髄硬化症を含む)と無精子症が報告されている」「治療による二次性肺癌のリスクは喫煙で増幅されるようにみえる」と述べ、IARCが強力な併用レジメンでのヒト発癌性に十分な証拠があるとしていること。検査監視が血算3〜4日ごと・尿検査と肝腎検査を少なくとも週1回、中止基準が中枢神経症状・白血球4,000未満・血小板100,000未満・過敏反応・口内炎・下痢・出血傾向で、骨髄抑制は投与開始2〜8週後に多いことを確認した閲覧 2026-09-08
  3. 3.塩酸プロカルバジンカプセル50mg「TYP」 電子添文(2023年6月改訂・第1版)(太陽ファルマ株式会社(PMDA 医療用医薬品情報。YJコード 4291002M1044)・2023)全文を取得して確認した。効能又は効果が「悪性リンパ腫(ホジキン病、細網肉腫、リンパ肉腫)」と「以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法 悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫」の2つで、病期による限定が無いこと。禁忌が2項目——本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者、アルコール(飲酒)を摂取中の患者——であり、骨髄機能抑制のある患者は禁忌ではなく9.1.1(特定の背景を有する患者)に置かれていること。アルコールが10.1併用禁忌に挙げられ、機序が「ジスルフィラム様作用によると考えられている」とされていること。用法及び用量が、悪性リンパ腫では1日50〜100mgを1〜2回分割で開始し約1週間以内に1日150〜300mgの3回分割へ漸増して連日投与(寛解導入までの総投与量は通常5〜7g)、脳腫瘍の併用療法では1日60〜75mg/m²を14日間投与し6〜8週毎に繰り返すこと。9.4に「外国においてプロカルバジン塩酸塩を含むMOPP療法を受けた小児ホジキン病患者で、非可逆的な精子形成不全(無精子症等)などの性腺障害が認められたとの報告がある」とあること。重大な副作用が間質性肺炎(2.7%)・骨髄抑制(白血球減少27.2%、血小板減少15.8%、貧血6.5%、汎血球減少と好中球減少は頻度不明)・痙攣発作(頻度不明)の3項目であること。11.2で食欲不振29.3%・悪心23.3%が5%以上の欄にあること。15.1に「本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群、肺癌等の二次性悪性腫瘍が発生したとの報告がある」とあること。10.2の併用注意がフェノチアジン誘導体・バルビツール酸誘導体・三環系抗うつ剤・交感神経興奮剤で、危険因子が「本剤の大量投与」とされていること。9.1.3で水痘患者に致命的な全身障害のおそれがあること、9.5で妊婦には投与しないことが望ましいとされていることを確認した閲覧 2026-09-08
  4. 4.Joint Final Report of EORTC 26951 and RTOG 9402: Phase III Trials With Procarbazine, Lomustine, and Vincristine Chemotherapy for Anaplastic Oligodendroglial Tumors(Journal of Clinical Oncology・2022)Europe PMC の fullTextXML(PMC9362869)で全文を確認した。1p/19q共欠失を有する退形成性乏突起膠腫系腫瘍において、放射線療法へのPCV化学療法(プロカルバジン・ロムスチン・ビンクリスチン)併用が全生存期間中央値を延長したこと(EORTC 26951:放射線単独9.3年に対しPCV併用14.2年、ハザード比0.60、95%CI 0.35〜1.03、P=.063;RTOG 9402:放射線単独7.3年に対しPCV併用13.2年、ハザード比0.61、95%CI 0.40〜0.94、P=.02)。⚠️ 生存利益は共欠失例に限られない——RTOG 9402の1p/19q共欠失を伴わないIDH変異腫瘍66例でも無増悪生存はPCV併用で有意に長く(ハザード比0.58、P=.046)、全生存も延長の傾向(ハザード比0.60、95%CI 0.34〜1.03、P=.06)で、考察は「PCV化学放射線療法は共欠失を伴わないIDH変異腫瘍でも、程度は小さいながら生存を改善する」と明記していることを確認した閲覧 2026-09-08
  5. 5.造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版) 第II章 リンパ腫 10 ホジキンリンパ腫(HL)(一般社団法人 日本血液学会・2024)ウェブ版の全文を取得して確認した。総論がMOPP療法の構成を「mechlorethamine(国内未承認),VCR,PCZ,PSL」と明記していること。限局期の標準治療が化学療法(代表はABVD療法)と病巣部放射線療法(ISRT)の併用であり、進行期の初回治療としてABVD療法6もしくは8コース、あるいはブレンツキシマブ ベドチン併用AVD療法6コースが推奨されること(CQ6・CQ7)。ニボルマブ・ペムブロリズマブは再発・難治例および自家移植前の救援療法の選択肢として挙げられており、進行期の初回治療のレジメンには挙げられていないことを確認した閲覧 2026-09-08
  6. 6.Second acute leukemia and other malignancies following treatment for Hodgkin's disease(Journal of Clinical Oncology・1986)Europe PMC の resultType=core で抄録を確認した(全文は未取得)。1965〜1982年に登録されたHodgkin病1,329例を追跡期間中央値9.5年で解析し、白血病の12年推定発症率が放射線+MOPP 10.2%±5.2%、放射線+ABVD 0、化学療法のみ1.4%±2.3%、放射線+その他のレジメン4.8%±1.6%であり、放射線療法のみの症例では白血病が1例も記録されなかったこと。抄録の結論が「アルキル化薬・プロカルバジン・ニトロソウレア誘導体といった特定の薬剤を、治癒を目指しうる治療から外すことで、二次腫瘍の発生率を大きく減らせる」であり、プロカルバジンがアルキル化薬とは別に名指しされていることを確認した閲覧 2026-09-08
  7. 7.Gonadal toxicity after combination chemotherapy for Hodgkin's disease. Comparative results of MOPP vs ABVD(European Journal of Cancer and Clinical Oncology・1985)Europe PMC の resultType=core で抄録を確認した(全文は未取得)。Hodgkin病の男性53例(年齢中央値29歳、範囲16〜45歳)でMOPPとABVDの性腺毒性を前向きに比較し、MOPPでは29例中28例(97%)が無精子症となったのに対し、ABVDでは24例中13例(54%)に乏精子症・無精子症が生じたこと。精子数を再検した34例のうち精子形成の回復はMOPP群で21例中3例にとどまり、ABVD群では13例全例で得られたこと。抄録が「MOPPに含まれる2つのアルキル化薬であるメクロレタミンとプロカルバジンが大多数の患者に不妊をもたらすのに対し、ABVDに含まれる薬剤は永続的な性腺機能障害を伴わない」と結論していることを確認した閲覧 2026-09-08