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Lab values · Published

血算

Blood count

別名
全血球計算CBC
臓器系
全身
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 H-01:貧血患者の診断アプローチ内科学 H-03:大球性貧血内科学 H-06:再生不良性貧血
関連疾患
HIV感染症・AIDSLemierre症候群MALTリンパ腫(節外性辺縁帯リンパ腫)S状静脈洞血栓症アルツハイマー病クローン病ストレス潰瘍ネフリティック症候群ネフローゼ症候群バーキットリンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫フォン・ヴィレブランド病ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫悪性症候群異常子宮出血(機能性子宮出血)咽後膿瘍炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)化膿性リンパ節炎化膿性関節炎(敗血症性関節炎)壊死性腸炎肝硬変肝細胞癌気管支拡張症急性肝不全急性骨髄性白血病急性腎障害急性胆管炎急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)結節性紅斑血管異形成血友病A・B原発性免疫不全症候群(重症複合免疫不全症・ディジョージ症候群・X連鎖無ガンマグロブリン血症・慢性肉芽腫症・選択的IgA欠損症)高血圧症骨髄炎産褥敗血症・産褥感染循環性ショック(心原性・循環血液量減少性・閉塞性・血液分布異常性)徐脈性不整脈(洞不全症候群・房室ブロック)小児虐待・非事故性外傷消化管出血(上部・下部)消化性潰瘍常位胎盤早期剥離心房細動新生児黄疸・高ビリルビン血症新生児敗血症深部静脈血栓症摂食症(神経性やせ症・過食症)先天代謝異常症全身性エリテマトーデス早産陣痛・早産多発性骨髄腫脱毛症胆石症中毒性巨大結腸症潰瘍性大腸炎伝染性単核球症糖尿病性ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群尿路結石症妊娠悪阻妊娠高血圧腎症・子癇・HELLP症候群妊娠性絨毛性疾患(胞状奇胎・絨毛癌)熱性けいれん脳梗塞敗血症白血病皮膚T細胞リンパ腫非ホジキンリンパ腫百日咳不明熱腹膜炎・消化管穿孔分娩後出血麻疹慢性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病慢性心不全慢性腎臓病免疫性血小板減少症有毛細胞白血病有毛細胞白血病バリアント濾胞性リンパ腫脾辺縁帯リンパ腫
監視対象薬
5-フルオロウラシル6-チオグアニン6-メルカプトプリンアザチオプリンイホスファミドカペシタビンカルバマゼピンクラドリビンクロラムフェニコールゲムシタビンコルヒチンシクロホスファミドシタラビンシルツキシマブスティリペントールスルファサラジントファシチニブバリシチニブヒドロキシ尿素ピリメタミンフェルバマットフルダラビンペメトレキセドベンダムスチンマイトマイシンCメクロレタミンメタミゾールメトトレキサートメルファランルキソリチニブ

🧠 全体像:血算は1本の採血で赤血球・白血球・血小板の3系統を同時に見る検査である。読み方の骨格は「何系統が異常か」——1系統だけならその系統の産生・喪失・破壊を追い、2系統以上()なら骨髄そのものか脾臓・免疫を疑う。数値そのものより、赤血球ならMCVと、白血球なら分画、血小板なら塗抹という次の一手が決まっている点が重要で、血算は単独で完結せず必ず次の検査へつなぐ入口として使う。

何を測っているか

血算は3つのの数と、赤血球については大きさ・色調の指数を返す。が数えるため、形態の異常は数値には出ない。形態を見るにはを別に依頼する必要がある。

系統 主な項目 何を反映するか
赤血球 Hb、、MCV、MCH・ と、赤血球の大きさ・色調のばらつき
白血球 、分画(好中球・リンパ球・単球・好酸球・ 感染・炎症・アレルギー・造血器腫瘍への反応
血小板 の担い手の数と若さ
骨髄の反応 (別項目として追加依頼することが多い) 産生低下か、喪失・破壊亢進かの区別

赤血球系の読み方

貧血はHで定義するが、原因の分類はMCVとの2軸で進める。の2024年基準では、海面レベルに住む15〜65歳の非妊娠女性でHb 12.0 g/dL未満、男性で13.0 g/dL未満が目安となる。妊娠、年齢、高地、喫煙では補正が要る。

flowchart TD
    A["貧血を確認"] --> B["MCVで分類"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='microcytosis'>小球性</span>:MCV < 80 fL"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='normocytic'>正球性</span>:MCV 80〜100 fL"]
    B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='macrocytic'>大球性</span>:MCV > 100 fL"]
    C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ferritin'>フェリチン</span>・血清鉄・TIBC・TSAT"]
    D --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reticulocyte'>網赤血球</span>で産生反応を見る"]
    G --> H["低値:産生低下<br>腎性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone marrow failure'>骨髄不全</span>・炎症・内分泌"]
    G --> I["高値:喪失または破壊<br>出血・溶血"]
    I --> J["LDH・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='indirect bilirubin'>間接ビリルビン</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='haptoglobin'>ハプトグロビン</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='direct antiglobulin test, DAT'>直接抗グロブリン試験</span>"]
    E --> K["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral smear'>末梢血塗抹</span>で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='megaloblastic'>巨赤芽球性</span>か判定"]
指数 目安 読み方
MCV 80 fL未満/ 80〜100 fL/ 100 fL超 形態分類の起点
MCH・ 低下= 鉄欠乏、の手掛かり
上昇=サイズがばらつく 鉄欠乏で上昇しやすい。混合欠乏の検出に有用
絶対数またはで判断 低ければ、高ければ出血・溶血への反応

💡 はそのまま読まない。貧血が高度なほど分母が小さく率が見かけ上高くなるため、 × 患者Hct ÷ 標準Hct)やへ直してから判断する。

白血球系の読み方

白血球総数だけでは意味が乏しく、分画に落として初めて解釈できる。総数が正常でも分画が偏っていることがある。

分画の変化 主に示唆するもの
好中球増加 細菌感染、炎症、、ステロイド、ストレス反応
好中球減少 化学療法後、、薬剤性、
リンパ球増加 ウイルス感染、百日咳、
HIV、ステロイド、重症急性疾患
アレルギー、寄生虫、薬剤反応、血管炎
単球増加 慢性炎症、結核、の感染

⚠️ 芽球の分画では見落とされうる。を疑う所見であり、で確認したら緊急に精査する。

血小板系の読み方

血小板減少では、まず「本当に減っているか」を確認する。EDTA採血管の中で血小板が凝集するがあり、この場合はを伴わない。での再検や塗抹での凝集塊確認で区別する。

真の血小板減少は、産生低下(骨髄)、消費亢進(DIC、TTP/HUS、免疫性)、脾臓での貯留(脾腫)に分けて考える。

何系統が異常かで切り分ける

⭐ 血算を読むうえで最も強い情報は、異常が1系統か複数系統かである。

パターン 主に考えるもの
1系統のみ その系統の産生・喪失・破壊。末梢での問題が多い
2系統以上( 骨髄そのもの(、白血病、)、、重症感染、ビタミンB12・葉酸欠乏
白血球増加+芽球
貧血+血小板減少+ 。DIC、TTP/HUS を緊急に鑑別する

測定上の注意

⚠️ 血算の数値は、採血のタイミングと状況で実態からずれる。

落とし穴 何が起きるか
の直後 赤血球と血漿が同時に失われるため、Hbは初期には低下しない。出血量を過小評価する
輸液後・妊娠 で赤血球量が保たれていてもHbが低く見える
EDTA依存性のを伴わない
白血球の著増・高度 のHb測定を妨げることがある
脱水 でHb・が高く出る
検体の放置 血球形態が変化し、塗抹の判定に影響する

💡 だから血算は単回値より推移で読む。ベースラインからどれだけ、どの速さで動いたかが、絶対値より診断に効くことが多い。

末梢血塗抹へ進むべきとき

自動分析の数値だけでは形態が分からない。次の場合は塗抹を依頼する。

塗抹所見 示唆する病態
、DIC、TTP/HUS、
、肝疾患、
芽球 。緊急に精査する

まとめ

  • 血算は赤血球・白血球・血小板の3系統を同時に見る入口の検査で、単独では完結しない。
  • 異常が1系統か複数系統かが最初の分岐で、は骨髄・脾臓・重症病態を示唆する。
  • 貧血はMCVで形態を分類し、で産生低下か喪失・破壊亢進かを分ける。
  • 白血球は総数ではなく分画で読む。芽球を見たら緊急に精査する。
  • 血小板減少ではまずを除外する。
  • の初期にHbは下がらない。数値は推移で読む。