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Disease Atlas · 腫瘍 · 腫瘍

皮膚T細胞リンパ腫

Cutaneous T-cell lymphoma (mycosis fungoides)

別名
菌状息肉症CTCLMFセザリー症候群
臓器系
腫瘍皮膚
科目
DermatologyPathology
トピック
皮膚科 3-14:皮膚T細胞リンパ腫病理学 C/15:菌状息肉症/セザリー症候群/末梢T細胞リンパ腫
上位概念
非ホジキンリンパ腫
鑑別疾患
アトピー性皮膚炎メルケル細胞癌乾癬成人T細胞白血病リンパ腫白血病の皮膚浸潤皮膚転移非特定型末梢性T細胞リンパ腫
治療薬
トリアムシノロンメクロレタミンアルファインターフェロンペグインターフェロンα-2aベキサロテンボリノスタットロミデプシンモガムリズマブブレンツキシマブ ベドチン
症状
掻痒毛細血管拡張リンパ節腫脹皮膚結節局面眼瞼外反紅皮症ポイキロデルマ
検査値
血算乳酸脱水素酵素Pautrier微小膿瘍
下位分類
リンパ腫様丘疹症原発性皮膚γδT細胞リンパ腫皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫
適応薬
ブレンツキシマブ ベドチンベキサロテンボリノスタットメクロレタミンメトキサレンモガムリズマブロミデプシン

🧠 全体像:()は、をもつ成熟T細胞がするリンパ腫の総称であり、代表はと(SS)である。湿疹や乾癬に似た紅斑から始まり、長年にわたり皮膚に限局することが多いため、慢性・治療抵抗性のをみたら鑑別に挙げることが早期発見の鍵になる。診断は皮疹の時間的変化、複数部位の反復皮膚生検、、(TCR)、評価を統合し、治療は病期ごとにと全身治療を使い分ける。

分類と病態

病型 主な特徴
(MF) 最も多い。→→へ進展し得るが、は長く皮膚に限局することが多い
(SS) 、全身性リンパ節腫脹、末梢血中の腫瘍性T細胞を特徴とする白血病性
原発性皮膚陽性T細胞 、原発性皮膚などを含む。両者は連続したスペクトラムをなし、皮膚に限局する限り予後は良好で、全身性のとはが異なる
まれな病型 など。病型により臨床像と予後が大きく異なる。⚠️ は(HLH)を合併しうる

⚠️ 分類体系によって、同じ病型でも置き場所と表記が違う。 分類第5版(-HAEM5、2022年)はを「原発性」のファミリーに置く一方、は白血病性の病型として「成熟T細胞・NK細胞白血病」のファミリー(やT前リンパ球性白血病と同列)に置き、陽性病変は単数形の原発性皮膚陽性T細胞としてと原発性皮膚を束ねる1。同じ2022年の国際合意分類(ICC)はファミリーを分けず、成熟T細胞・NK細胞腫瘍の一つの一覧にとを隣り合わせで並べ、陽性病変を複数形で立てる2。⭐ 疾患の中身が争われているのではなく、分類上の置き場所と単複の表記が違うだけである。 資料が「」に何を含めているかは、どちらの体系に依っているかで変わる。

腫瘍細胞は多くがをもつ成熟CD4陽性である。病期が進むと、皮膚内の免疫環境、腫瘍細胞のクローン拡大、リンパ節・血液・内臓への進展が相互に関与する。

💡 腫瘍細胞が皮膚にとどまるのは「皮膚へ帰る」分子を持っているからである。 腫瘍性T細胞は皮膚リンパ球関連抗原(CLA)とを発現し、CLAは皮膚の血管内皮のE-に結合して細胞を皮膚の血管から引き出し、表皮・真皮で産生されるCCL17・CCL22がを介して細胞を表皮側へ引き寄せる。長期間リンパ節や内臓に出ず皮膚だけで経過するという臨床像は、この分子の組み合わせで説明できる。同時にこのそのものが治療標的でもあり、であるはを発現する細胞を()で除去する。

⚠️ (ATLL)との区別を最初に行う。 ATLLはHTLV-1による腫瘍で、腫瘍細胞はと同じくCD4陽性・陽性で皮膚に浸潤するため、斑・局面・腫瘤・のいずれの皮疹もとりうる。皮疹の形だけでは区別できず、感染の有無、、末梢血の、経過の速さを併せて評価する。⭐ ・とATLLは、という同じ薬が使われる点でも混同されやすいが、別の疾患である。

臨床像

菌状息肉症の病期進展

段階 皮膚所見 学習上の要点
境界不明瞭な紅斑、鱗屑、、萎縮 衣服で隠れる体幹・・大腿近位に多く、湿疹や乾癬として長年経過することがある
浸潤を触れる隆起性紅斑・局面 病変内で形・色・厚さが不均一になりやすい
結節・腫瘤、 とのリスクが高まる
体表の大部分を占める・鱗屑 SS、進行MF、、湿疹、乾癬、ATLLなどを鑑別する

⚠️ 確定診断までに年単位かかるのが普通である。 皮疹が増悪と軽快を繰り返すため、生検で確定する前に症状が2〜10年の幅で先行しうる3。⭐ この「年単位の先行」は本症の経過そのものであって、診断が遅れた例外ではない。 良性あるいは緩徐に経過する複数の病態がと紛らわしく、その区別には皮膚リンパ腫の病理に習熟した病理医の判断が要る3。このノートで鑑別として挙げている・乾癬のほか、のように境界明瞭な局面をとる湿疹も長く別診断のまま扱われうる。

💡 診断の手掛かりは、同一患者に異なる段階の病変が混在すること、色素沈着・、、萎縮が混じる、、腫瘤のである。SSでは強い掻痒、、脱毛、を伴うことがある。

診断

病理と免疫学的検査

  • を示すを確認する。
  • が表皮内にするは特徴的だが、常にみられるわけではない。
  • 免疫染色ではCD3、CD4、CD8、などを評価し、CD7など汎T細胞マーカーの欠失を手掛かりにする。
  • でクローン性を調べるが、クローン性だけで悪性とは断定しない。
  • 初回生検が非特異的でも臨床的疑いが強ければ、治療の影響が少ない複数病変からする。

⚠️ 一度の生検が非特異的だったというだけで否定せず、慢性が治療抵抗性・な分布を示す場合は反復生検を惜しまない。

病期評価(TNMB分類)

TNMB分類で皮膚(T)、リンパ節(N)、内臓(M)、末梢血(B)を評価する。、リンパ節診察、血算・、、を基本とし、病期に応じて画像検査とリンパ節生検を追加する。

2007年のISCL/EORTC改訂による各項目は次のとおりである4。

区分 内容
T1 斑・局面・丘疹がの10%未満
T2 斑・局面・丘疹がの10%以上
T3 直径1cm以上の腫瘤が1個以上(⚠️ 表の値。同じ原著の本文は1.5cm以上と書いている——下記参照)
T4 の80%以上を占める融合性紅斑(=)
N0 臨床的に異常なリンパ節を触れない(生検不要)。ここでいう「臨床的に異常」とは、触診で硬い・不整・している・固定されている、または径1.5 cm以上のいずれかを満たすリンパ節である
N1〜N3 臨床的に異常なリンパ節があり、をDutch分類1/2/3〜4(=NCI分類LN0〜2/LN3/LN4)で段階づける
Nx 臨床的に異常なリンパ節があるが、組織学的確認が得られていない
M0/M1 の有無。M1は原則として病理学的確認を要するが、脾臓と肝臓は画像所見で診断してよい(2007年版の表の脚注が置いている例外)
B0 に占める異型()細胞が5%以下
B1 5%を超えるが、B2の基準は満たさない
B2 。下記を参照

⚠️ T3の腫瘤の大きさは、2007年原著の中で表と本文が食い違っている。 上の表はTable 4の逐語(One or more tumors (≥ 1-cm diameter))で1 cmだが、同じ論文の本文は逐語で The proposed ISCL/EORTC classification revision retains the requirement of at least one tumor (≥ 1.5 cm in diameter) for the definition of T3. と書き、1.5 cmを挙げている4。⭐ どちらかを誤りとして捨てるのではなく、原著内の不一致として扱う。 の組入れ基準のように厳密さが要る場面では、依拠する資料が表と本文のどちらの数値を採っているかを確かめる。⚠️ なお同じ版はリンパ節の「臨床的に異常」も長径1.5 cm以上と定義している(上のN0の行)が、これはT3の腫瘤径とは別の基準であり、同じ1.5 cmという数字でも混同しない。

💡 2007年版の時点で、N1・N2・B0・B1にはクローン陰性(a)/陽性(b)の添字が付いている。 クローン性はこの版でも既に「区分に添える情報」として扱われていた。N3は clone positive or negative と明記して添字を置かず、B2はクローン陽性が定義そのものに組み込まれているため添字を持たない4。

⚠️ 2007年版のB2は「腫瘍細胞の量」と「クローン」の両方を要求する。 絶対数1,000/μL以上を満たし、かつT細胞クローンが陽性であることがB2の条件である4。クローンが陽性なだけではB2にならない——クローン性は良性の炎症性皮膚疾患でも検出されうるからで、これは「クローン性だけで悪性とは断定しない」という診断の原則と同じ理由による。逆に細胞数が1,000/μL以上あってもクローンが陰性ならB1である(原著本文はB1を「が5%超で、絶対数1,000/μL未満かクローン陰性か、その両方」と言い換えている)4。

の形態でB2のを判定できないときは、クローン陽性を満たしたうえで次のいずれかを代替に用いてよい4。

代替基準 閾値
CD4陽性またはCD3陽性細胞の増加を伴う 10以上
異常なを示すCD4陽性細胞の増加 — CD4+CD7- 40% 以上
同上 — CD4+CD26- 30% 以上

⚠️ この百分率は、2007年版では「表の基準」ではなく本文の提案である。 原著の表の脚注は代替基準を「10以上を伴うCD4陽性またはCD3陽性細胞の増加」「CD7またはCD26の欠失を含む異常なを示すCD4陽性細胞の増加」と数値なしで書き、百分率は本文側に「≥ 40% CD4+/CD7− または ≥ 30% CD4+/CD26− が提案されている(has been suggested)」という形で現れる4。⚠️ CD7が40%、CD26が30%という対応を取り違えない。 2つの数字とマーカーの組み合わせは資料によって入れ替えて転記されていることがあるが、2007年の原著本文・2011年のISCL/USCLC/EORTCの表・NCI PDQの病期表はいずれも同じ対応(CD7→40%、CD26→30%)である53。なお不等号の書き方は資料で割れており、原著との表は「≥」、PDQの表は「超」と書いている。

⚠️ この代替基準を「数の代わりに使える同格の指標」と読まない。 NCI PDQは2025年2月19日の更新で、血中1,000/μL以上という所見が得られていない状況で、10以上や異常リンパ球の百分率がの資料として信頼できるかは明らかでないという一文を加えている3。代替基準はあくまで「の形態評価ができないときの代わり」であって、血液病変の判定を軽くしてよいという意味ではない。

T・N・M・Bから病期を組み立てる

TNMBの各項目が決まったら、次の対応で病期が決まる。NCI PDQ が癌マニュアル第8版から転記している表(Table 2〜5)による3。

病期 T N M B
IA T1(10%未満) N0 M0 B0・B1
IB T2(10%以上) N0 M0 B0・B1
IIA T1〜T2 N1・N2 M0 B0・B1
IIB T3(腫瘤) N0〜N2 M0 B0・B1
III(IIIA=B0/IIIB=B1) T4() N0〜N2 M0 B0・B1
IVA1 T1〜T4 N0〜N2 M0 B2
IVA2 T1〜T4 N3 M0 B0〜B2
IVB T1〜T4 N0〜N3 M1 B0〜B2

💡 表を縦に読むと「何が病期IVへ押し上げるか」が3つに整理できる。 皮膚病変がどれだけ広くても(T1〜T4)、①の血液病変(B2)があればIVA1、②リンパ節がDutch分類3〜4/NCI LN4(N3)ならIVA2、③(M1)があればIVBになる。⭐ (T4)にB2を伴うは、リンパ節がN0〜N2・が無ければこの表でIVA1に入る(N3ならIVA2、があればIVB)。 予後の表で「病期III〜IV」がひとまとめに約5年とされていることと、の生存期間中央値4年が近いのは、この対応による。⚠️ 逆に、があってもB0・B1にとどまれば病期IIIであり、この差を作っているのは皮膚ではなく血液の評価である。

2022年にISCL・USCLC・EORTCは、このの更新を提案した6。B分類は「リンパ球に占める割合」ではなく、で数えたCD4+CD26-細胞またはCD4+CD7-細胞の絶対数で定義し直され、B0は250/μL未満、B2は1,000/μL以上(または他の異常リンパ球集団)、B1はそのいずれにも当てはまらないものとされた。⚠️ この改訂で、B2の定義からクローン陽性という要件そのものは外れた。 クローン性の添字は2007年版にも既にあったが(N1・N2・B0・B1の小文字a/b)、2022年版はこれをN3とB2まで広げ、大文字A(クローン陰性または)/B(皮膚と同一のクローンが陽性)で併記する形に統一した。その結果、B2A(だがクローン陰性)という組み合わせが成り立つ64。同文書は「(B2)の患者では皮膚と同一のクローンが血液にあることが期待される」と述べるにとどめ、高齢になるほど皮膚と一致しないT細胞クローンが末梢血に検出されやすく臨床的意義が不明であることを理由に挙げている。はM1a(骨髄のみ)とM1b(骨髄以外)に分けられた。がとして明示的に位置づけられたのも2022年版である。

2022年版は測り方そのものも変えている。では絶対数でB分類を決めるべきであり、も異常リンパ球分画の百分率も、それ単独ではB分類の定義に用いてはならない6。リンパ節の「異常」もに合わせ、長径1.5 cm超を画像で確認したものと定義し直された。

⚠️ 2022年版自身が、絶対数だけで測ることの限界を書いている。 (1,000未満と定義)の患者では、絶対数だけで評価すると異常リンパ球のを過小評価しうるので百分率も併せて見る必要があり、そうした患者をに組み入れるなら血液腫瘍量の評価法を修正するかどうかを設計の段階で決めるよう求めている6。⭐ 「百分率は単独では使わない」と「百分率を見ない」は別のことである。

⚠️ 2022年版は各種のLugano基準と足並みを揃え、の設計・評価を標準化する目的で提案されたものである。資料によって2007年版と2022年版のどちらに基づくかが異なるので、B分類の数値を比較する前にどの版の記載かを確かめる。

は、の80%以上を占める(T4)に加えて末梢血のB2病変を伴う病型として診断し、B0/B1にとどまるの例と区別する。確立した基準は一般に、①TCRによる循環T細胞クローンの同定と、②血中1,000/μL以上の2つを要求する3。⚠️ 循環を支持する所見(TCR、をもつの同定、CD7・CD26などの表面マーカー欠失)は、どれ一つとして単独でリンパ腫に特異的ではない3。2022年版は、でとして扱う症例の要件を「型の臨床・病理学的基準を満たし、かつ血液中のクローンが皮膚のクローンと一致するB2病変を有すること」としている6。

flowchart TD
    A["慢性・治療抵抗性で形態が不均一な皮疹"] --> B["複数部位の皮膚生検"]
    B --> C["組織像・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Immunophenotype'>免疫表現型</span>・TCRクローン性を統合"]
    C --> D["全身皮膚・リンパ節・末梢血を評価"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='TNMB stage'>TNMB病期</span>を決定"]
    E --> F["早期は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='skin-directed therapy'>皮膚指向性治療</span>"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='progressive stage'>進行期</span>は全身治療を組み合わせる"]

治療

状況 主な選択肢
病期IA(とくにT1a) も正当な選択肢である。進行のリスクが低く生命予後が一般人口に近い群なので、十分な説明のうえで治療を急がず、注意深く追跡する(局面のあるT1/2bはリスクが高い)7
早期・皮膚限局 (など)、外用化学療法(=のゲル外用など)、、併用()、限局性放射線療法
広範な皮膚病変 、全身皮膚照射などを病型・施設経験に応じて選択
進行・再発 (欧州では後述のとおりペグ-2aへ置き換えられた)、(など)、(・など)、()、陽性例の()などを病型と既治療に応じて選択
SS・血液病変 (ECP)を含む全身治療を組み合わせる
高リスク例 を検討(下記の条件を参照)

⚠️ 「」の中身が入れ替わっている。 EORTCの2023年コンセンサスは、従来使われてきた組換えIFN-α 2a・2bの両製剤が供給元によって市場から撤退したことを前提に、IFN-αが・の治療に不可欠であることを理由として、撤退した製剤を残る唯一の入手可能な薬理学的であるペグ-2aで置き換えるよう推奨している7。

⚠️ この「唯一」は原著の中で完結していない。 同じ4.3.2節の後段は、IFN-αには2aと2bという2つのがあり慢性B型・C型肝炎では同等に有効だと述べたうえで、2aのほうがエビデンスの蓄積が多い(それでもなお限られる)ことと用量設定の違いから、・では2aを2bより優先するよう推奨している7。つまり同じ節の中で、2aを「唯一残る入手可能な」と呼びながら2bとの優先順位も論じており、この2文は文書内で噛み合っていない。⭐ ただし推奨される製剤はどちらの文でもペグIFN-α 2aで一致しているので、実務上のは変わらない。 ⭐ 「」と書かれた古い治療表は、実際に使える製剤へ読み替えて読む。 置き換え後のは135〜180 µg/週ので、とをみながら必要に応じて調節するとされている(製剤と非製剤の用量の等価関係は、有効性についても毒性についても確立していない)7。 ⚠️ これは欧州のが欧州で入手できる製剤について述べたものであり、日本でどの製剤が流通し、どの適応を持つかは別に電子添文で確かめる必要がある。

💡 とは「全身治療歴があってから」の薬である。 欧州ではどちらも1つ以上の全身治療歴のある成人に承認されており、EORTCの推奨表でも各病期に挙げつつ「少なくとも1つの全身治療がしなかった後に限る」という条件が脚注で付く7。の根拠であるMAVORIC試験(372例)はの中央値が3.1か月に対し7.7か月で、では血液病変(B1・B2)の存在が反応の予測因子だった7。⚠️ による皮疹は、本症の増悪と見分けがつきにくい。 皮膚のが枯渇して起こると考えられており、臨床像が・そのものに似るため、治療中止に至った有害事象として最も多かった——増悪と決めつけて有効な薬を早期に止めないよう、皮膚生検を含めて鑑別する7。

⚠️ の「陽性」は、1回の生検で決めない。 承認の根拠となったALCANZA試験は「少なくとも1つの生検で陽性腫瘍細胞10%以上」を組入れ基準にしたが、この10%という線は便宜的に定めた値であり、より低い陽性率でも反応が得られている。同一患者でも発現は生検ごと・時点ごとに大きく変動するため、複数検体を調べることが治療の割り当ての誤りを減らす7。

💡 は「最後の手段」として使う治療ではない。 の・で根治を意図できる唯一の選択肢だが、・重篤な・感染症のリスクが高いので、かつ予後不良で、重大な併存症の無い患者に限る。しかも移植前にまたはそれに近い状態を得られたときに成績が最もよいため、EORTCは「他の選択肢が尽きてから」ではなく、進行・死亡のリスクが高いが最も有効な治療にまだ抵抗性でない段階で行うのが最適だとしている7。⚠️ は全例が再発したため放棄されている7。

⚠️ はの前に使うと移植後の重篤な急性が増える。 日本の電子添文は「本剤を前に投与した患者では、本剤を投与しなかった患者と比較して、後の重篤な急性の発現割合が高かったとの報告がある」と記載している8。はにも発現しており、本剤がそれを除去してしまうことが背景にあると考えられている。移植を視野に入れている症例では、投与の可否と時期を移植チームと事前に相談する。

⚠️ 同じ薬でも国によって適応の範囲が違う。 日本の電子添文では、の効能・効果のうち陽性であることの検査確認(または染色)を求める規定が掛かるのはとの適応で、の効能は「再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫」であって陽性の限定は付いていない8。一方は、日本での効能・効果が「再発又は難治性の」のみで、は国内の適応に含まれない9。米国の添付文書はこれとちょうど逆で、適応は「1種類以上の全身治療歴のある成人の」だけであり、は挙がっていない10。外用(のゲル)にも同じ型の差があり、米国の添付文書は適応を「前治療()歴のあるStage IA・IB」に限る11のに対し、のLedagaは「成人の型の外用治療」として病期の限定もの要件も置いていない12(→)。⚠️ も同じ型の差を持つ。 EORTCの2023年コンセンサスは「欧州で入手できる薬剤・治療法」に限って作られており、米国がに承認している阻害薬は、そもそも推奨の対象から外されていると明記している7。欧州の推奨にやが出てこないのは、効かないと判断されたからではなく入手可能性の問題である。上の表は病型と機序で選択肢を並べたものなので、実際に使えるかは各国の承認状況を確認する。

💡 (ECP)は、内服のとは別の手技である。 採血した血液をし、赤血球を患者へ戻したうえで白血球層にメトキサレンを混ぜてを照射し、再び体内へ戻す。全身に紫外線を浴びせるのではないので、曝露される悪性細胞は一部にとどまり、直接の細胞傷害よりもアポトーシスに向かうリンパ球が腫瘍クローンへの免疫応答を引き起こすという免疫調節が効果の説明として想定されている。SSのように血液に腫瘍細胞が回っている病型で中心的な治療になるのは、この「血液そのものを処理する」という手技の性質による。

⭐ 治療名を一律の順番で覚えるのではなく、病型、、症状、などの標的、併存症を基に専門チームで個別化する。に伴う黄色ブドウ球菌感染、掻痒、睡眠障害にも並行して介入する。

予後

「平均生存期間5年」のような一括した説明は不正確である。予後は病期で桁が違う。 に限局する早期MFは緩徐で、一般人口に近い生存が期待できる例も多い。一方、腫瘤、、リンパ節・内臓・高度血液病変、大細胞転化(形質転換)は予後不良因子となる。

集団 生存
病期IA 生存期間中央値 20年以上。この群の死因の多くは本症とである
病期III〜IV 生存期間中央値 約5年。この群の50%超が本症で死亡する
生存期間中央値 4年。典型的なの有無を問わない

出典はNCI PDQ(2025年2月19日更新)である3。

⭐ 早期MFの多くは進行しない。 複数ので病期I/IIから病期III/IVへ進行するのは 20%、追跡14.5年のでからへ進行したのは 1,422例中3% にとどまる3。⚠️ いずれもの集計であり、介入の効果を示すものではない。

予後不良因子として、皮膚リンパ腫国際コンソーシアムが1,275例を後ろ向きに解析して独立因子と報告したのは、病期IV・60歳超・大細胞転化・高値の4つである3。別に提唱されている皮膚リンパ腫(CLIPi)は、男性・60歳超・局面の存在・リンパ節病変・血液病変・を予後不良因子として早期・それぞれの生存を予測する3。大細胞転化(低悪性度からへの細胞学的転化)は経過中5%未満とまれだが、生じると予後不良と関連する。

⚠️ によくある死因の一つが敗血症である。 背景にあるのは(黄色ブドウ球菌など)・・帯状疱疹・といった慢性の皮膚感染である3。⚠️ 出典が述べているのは「のよくある死因(a common cause of death)」までで、腫瘍死と敗血症死のどちらが多いかを比べてはいない。いずれにせよ、への介入を「支持療法」と軽く見ない理由がここにある。

まとめ

  • 長引くで、分布・形態が不均一、萎縮や浸潤を伴うときはMFを考える。
  • 診断は一度の生検だけでなく、臨床経過、反復生検、、クローン性を統合する。
  • MFは、、へ進展し得るが、予後は病期依存であり一律の生存期間で説明しない。
  • SSでは(T4)、リンパ節腫脹、末梢血のB2病変を確認する。⚠️ B2に腫瘍細胞の数とクローン陽性の両方を要求するのは2007年版であり、2022年版はB2を絶対数だけで定義してクローン性は添字A/Bで併記する(クローン陰性のB2Aが成り立つ)。どちらの版の話かを言わずに「B2」と書かない。
  • 病期IVへ押し上げるのは皮膚の広がりではない。の血液病変(B2)でIVA1、リンパ節N3でIVA2、(M1)でIVBになる。でもB0・B1なら病期IIIである。
  • 病期別の生存は、病期IAで20年以上、病期III〜IVで約5年、SSで4年と桁が違う。早期から進行するのは20%にとどまる。
  • ・皮膚浸潤で紛らわしいATLLを、HTLV-1感染の有無で除外する。
  • 病期IA(とくに斑のみのT1a)では経過観察も正当な選択肢である。早期は、はやなどの全身治療を組み合わせる。⚠️ この2剤は1つ以上の全身治療歴のある例に置かれたであり、は、欧州では組換えIFN-αの市場撤退を受けてペグ-2aへの置き換えが推奨されている。を考えている症例へのは、移植後ののリスクを踏まえて時期を検討する。

出典

  1. 1.The 5th edition of the World Health Organization Classification of Haematolymphoid Tumours: Lymphoid Neoplasms(World Health Organization Classification of Tumours Editorial Board・2022)Europe PMC の fullTextXML(PMC9214472)で Table 2 を確認した。WHO-HAEM5 は菌状息肉症を Primary cutaneous T-cell lymphomas のファミリーに置き、Sezary syndrome は Mature T-cell and NK-cell leukaemias のファミリー(T前リンパ球性白血病・大顆粒リンパ球性白血病・成人T細胞白血病リンパ腫などと同列)に置いている。CD30陽性病変は単数形の Primary cutaneous CD30-positive T-cell lymphoproliferative disorder として、リンパ腫様丘疹症と原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫の2つを束ねる。皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫も同じ原発性皮膚T細胞リンパ腫のファミリーに含まれる。閲覧 2026-09-17
  2. 2.The International Consensus Classification of Mature Lymphoid Neoplasms: a report from the Clinical Advisory Committee(Blood / Clinical Advisory Committee・2022)PMC9479027 のHTML全文で成熟T細胞・NK細胞腫瘍の一覧を確認した。ICC 2022 はファミリーを分けず、Mature T-cell and NK-cell neoplasms の同じ一覧に Mycosis fungoides と Sézary syndrome を隣り合わせで並べ、CD30陽性病変を複数形の Primary cutaneous CD30+ T-cell lymphoproliferative disorders として立て、その下にリンパ腫様丘疹症と原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫を置く。閲覧 2026-09-17
  3. 3.Mycosis Fungoides and Other Cutaneous T-Cell Lymphomas Treatment (PDQ®)–Health Professional Version(National Cancer Institute(PDQ® Adult Treatment Editorial Board)・2025)2025年2月19日更新版の全文を取得して確認した。自然経過は緩徐で、皮疹が増悪と軽快を繰り返すため生検で確定するまでに症状が2〜10年の幅で先行しうること(逐語 in a range of 2 to 10 years)、菌状息肉症と紛らわしい良性・緩徐な病態が複数あり専門の病理医に相談すべきこと、病期別の生存が病期IAで20年以上・病期III〜IVで約5年(同群の50%超が本症で死亡)であること、セザリー症候群の生存期間中央値が4年であること、後ろ向き研究で病期I/IIから病期III/IVへ進行するのが20%であり、追跡期間中央値14.5年の後ろ向き研究で菌状息肉症からセザリー症候群へ進行したのは1,422例中3%にとどまること、大細胞転化は5%未満とまれで予後不良と関連すること、腫瘤期のよくある死因の一つが慢性の皮膚感染に起因する敗血症であること、セザリー症候群の確立した基準がTCR再構成による循環T細胞クローンの同定と血中セザリー細胞1,000/μL以上の2つを一般に要求すること、N1がDutch分類1/NCI LN0〜2、N2がDutch分類2/NCI LN3、N3がDutch分類3〜4/NCI LN4に対応することを確認した。2026-09-17にライブページを再取得した時点でも更新日は February 19, 2025 のままである。同じ節は、循環セザリー細胞を支持する所見を列挙したうえで逐語で However, none of these is individually pathognomonic for lymphoma. と述べ、さらに2025年2月19日の更新で加わった一文として It is less clear if other findings (such as a CD4:CD8 ratio ≥10, or the use of percentages instead of absolute numbers of atypical lymphocytes by flow cytometry) are reliable staging data in the absence of blood Sézary cell levels of at least 1,000/μL. を置いている(この一文はBlood 144巻8号914-917頁の2024年の報告を根拠に挙げるが、その報告自体は非オープンアクセスで本実行では全文を取得できていない)。病期の組み立ては同ページのTable 2〜5(AJCC癌病期分類マニュアル第8版967〜972頁からの転載と明記)にあり、IA=T1 N0 M0 B0-1、IB=T2 N0 M0 B0-1、IIA=T1-2 N1-2 M0 B0-1、IIB=T3 N0-2 M0 B0-1、III=T4 N0-2 M0 B0-1(IIIA=B0/IIIB=B1)、IVA1=T1-4 N0-2 M0 B2、IVA2=T1-4 N3 M0 B0-2、IVB=T1-4 N0-3 M1 B0-2。腫瘤期の死因についての逐語は A common cause of death during the tumor phase is septicemia caused by chronic skin infection with staph species, herpes simplex, herpes zoster, and fungal skin infections であり、腫瘍死との多寡は比較していない。閲覧 2026-09-17
  4. 4.Revisions to the staging and classification of mycosis fungoides and Sézary syndrome: a proposal of the International Society for Cutaneous Lymphomas (ISCL) and the cutaneous lymphoma task force of the European Organization of Research and Treatment of Cancer (EORTC)(International Society for Cutaneous Lymphomas / EORTC Cutaneous Lymphoma Task Force・2007)2026-09-17にWayback Machine経由で原著全文を取得して確認した(bloodjournal.orgの .long 保存版と、表を含む ashpublications.org の保存ページ。出版社サイトは現在もCloudflareのボット判定で403、Europe PMCはinEPMC/isOpenAccessともN、Unpaywallはclosed)。Table 4の逐語は、T1が Limited patches, papules, and/or plaques covering < 10% of the skin surface、T2が ≥ 10% of the skin surface、T3が One or more tumors (≥ 1-cm diameter)、T4が Confluence of erythema covering ≥ 80% body surface area。N1〜N3はDutch分類1/2/3-4(NCI LN0-2/LN3/LN4)に対応し、N1とN2にはクローン陰性・陽性を示す小文字の添字a・bが付き、N3は clone positive or negative、組織学的確認の無い腫大リンパ節はNx。B0は Absence of significant blood involvement: ≤ 5% of peripheral blood lymphocytes are atypical (Sézary) cells、B1は Low blood tumor burden: > 5% ... but does not meet the criteria of B2、B2は High blood tumor burden: ≥ 1000/μL Sézary cells with positive clone であり、B0・B1にも添字a・bがある。M1は must have pathology confirmation だが、同じ表の脚注が For viscera, spleen and liver may be diagnosed by imaging criteria と例外を置く。代替基準について表の脚注は百分率を示さず、(1) expanded CD4+ or CD3+ cells with CD4/CD8 ratio of 10 or more、(2) expanded CD4+ cells with abnormal immunophenotype including loss of CD7 or CD26 と書くだけで、百分率は本文側に (≥ 40% CD4+/CD7− or ≥ 30% CD4+/CD26− has been suggested) と提案形で現れる。本文はB1を more than 5% Sézary cells but either less than 1.0 K/μL absolute Sézary cells or absence of a clonal rearrangement of the TCR or both と言い換えている。なおNCI PDQが同じ対応づけを再掲する表では不等号が「超」になっている。⚠️ T3の腫瘤径は同じ論文の中で表と本文が食い違う。Table 4は ≥ 1-cm diameter だが、本文は逐語で The proposed ISCL/EORTC classification revision retains the requirement of at least one tumor (≥ 1.5 cm in diameter) for the definition of T3. と書いており1.5 cmを挙げる(本文の別の箇所が臨床的に異常なリンパ節を長径1.5 cm以上と定義しているのとは別の基準である)。閲覧 2026-09-17
  5. 5.Clinical end points and response criteria in mycosis fungoides and Sézary syndrome: a consensus statement of the International Society for Cutaneous Lymphomas, the United States Cutaneous Lymphoma Consortium, and the Cutaneous Lymphoma Task Force of the European Organisation for Research and Treatment of Cancer(Journal of Clinical Oncology(ISCL/USCLC/EORTC皮膚リンパ腫タスクフォース)・2011)PMC3422534の全文を取得して確認した。2007年ISCL/EORTC分類のB区分を再掲した表に、B2が逐語で「≥ 1,000/μL Sézary cells with positive clone; one of the following can be substituted for Sézary cells: CD4/CD8 ≥ 10, CD4+CD7- cells ≥ 40% or CD4+CD26- cells ≥ 30%」と記載されており、代替基準の百分率はCD7欠失が40%・CD26欠失が30%に対応する(NCI PDQの病期表も同じ対応で「>40% CD4+/CD7-」「>30% CD4+/CD26-」と転記している)。本文はB0が長らくセザリー細胞5%以下と定義されてきたこと、CD4+CD26-細胞またはCD4+CD7-細胞の絶対数が臨床試験における血液病変の最も妥当な指標であり250/μL未満がB0の目安になりうることを述べる。⚠️ 同じ論文の中で、表は「≥ 1,000/μL」、考察本文は「more than 1,000 Sézary cells/μL」と等号の扱いが割れている。閲覧 2026-09-13
  6. 6.Primary cutaneous lymphoma: recommendations for clinical trial design and staging update from the ISCL, USCLC, and EORTC(International Society for Cutaneous Lymphomas / United States Cutaneous Lymphoma Consortium / EORTC Cutaneous Lymphoma Task Force・2022)2026-09-17にPMC9353153のHTML全文(Europe PMCのfullTextXMLは500を返すため、ブラウザUA付きのncbi.nlm.nih.gov側から取得)で確認した。2022年の病期分類更新では、菌状息肉症/セザリー症候群のB分類がリンパ球に占める割合ではなくフローサイトメトリーで数えたCD4+CD26-細胞またはCD4+CD7-細胞の絶対数で定義し直され、表2の脚注の逐語は B 0 = <250/μL of CD4 + /CD26 − or CD4 + /CD7 − cells, B 1 = does not meet criteria for B 0 or B 2, and B 2 = ≥1000/μL of CD4 + /CD26 − or CD4 + /CD7 − cells or other aberrant population of lymphocytes identified by flow cytometry. である。同じ脚注は It is expected that patients with high blood tumor burden (B 2 ) will have a clone in the blood that is identical to that in the skin. Nonidentical T-cell clones are often detected in peripheral blood with increasing age and are of unknown clinical significance. と続く。クローン性はB・N の各区分に添字A(クローン陰性または判定保留)/B(皮膚と同一のクローンが陽性)を付けて併記する形になり、内臓病変はM1a(骨髄のみ)とM1b(骨髄以外)に分けられた。臨床試験でセザリー症候群として扱う症例は「紅皮症型MF/SSの臨床・病理学的基準を満たし、かつ血液中のクローンが皮膚のクローンと一致するB2病変を有すること」とされている。測り方については逐語で The absolute number of immunophenotypically abnormal lymphocytes should be used to determine B classification for clinical trials.、Neither CD4/CD8 ratio or the percentage of abnormal lymphocyte subsets should be used alone to define B classification.、リンパ節は Abnormal LNs are those now > 1.5 cm LDi according to the Lugano classification and confirmed by imaging.。⚠️ 同文書は絶対数だけで測ることの限界も自分で書いており、逐語は Patients with lymphopenia (defined as <1000 absolute lymphocytes) may potentially have an underestimation of aberrant lymphocyte burden if assessed only by the absolute number and not also by the percentage of immunophenotypically abnormal lymphocytes. で、そうした患者を臨床試験に組み入れるなら評価法を修正するかどうかを設計の段階で決めるよう求めている。閲覧 2026-09-17
  7. 7.EORTC consensus recommendations for the treatment of mycosis fungoides/Sézary syndrome – Update 2023(European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)皮膚リンパ腫タスクフォース・2023)誌上版PDF(European Journal of Cancer 195巻113343、ローザンヌ大学リポジトリのbitstreamから取得。Unpaywallのversionラベルは submittedVersion だが、PDFの表紙・体裁・頁づけはいずれも誌上版である)で確認した。4.1は病期IAで Expectant Policy remains a legitimate management option とし、局面(T1/2b)はリスクが高いので watch and wait は主に informed T1a に勧めるとする。4.3.2は、組換えIFN-α 2a・2bの両製剤が供給元によって市場から撤退したため、撤退した製剤を逐語で the only remaining available pharmacological variant, namely pegylated IFN-α 2a (peg-IFN-α 2a) に置き換えるべきだとしている。⚠️ 同じ4.3.2節の後段は、ペグ化IFN-αに2aと2bの2変種があり慢性B型・C型肝炎で同等に有効だと述べたうえで、逐語で due to the larger (although still limited) body of evidence with pegylated IFN-α 2a compared to - 2b and the differences in dosing, it is recommended to prefer the former over the latter when treating MF/SS と書いており、2aを「唯一残る入手可能な変種」と呼ぶ前段と噛み合っていない(推奨される製剤自体はどちらも2aで一致する)。開始用量は逐語で treatment should start with 135-180 µg/week subcutaneously with clinical and laboratory monitoring and dose adaptation as required であり、その直前に Dose equivalents of pegylated and non-pegylated IFN-α have not been established for either efficacy or toxicity. と述べている。モガムリズマブ・ブレンツキシマブ ベドチンは欧州でいずれも「1つ以上の全身治療歴のある成人」に承認されており、MAVORIC試験(372例、モガムリズマブ186例対ボリノスタット186例)の主要評価項目である無増悪生存期間中央値は7.7か月対3.1か月。事後解析は血液病変(B1・B2)が反応の予測因子で、モガムリズマブ関連の皮疹は制御性T細胞の枯渇によると考えられ、菌状息肉症の増悪と紛らわしく中止に至る最多の有害事象であるとする。ALCANZA試験のCD30 10%以上という組入れ基準は arbitrarily に定めた値で、より低い陽性率でも反応が得られ、CD30発現は生検ごとに大きく変動する。同種造血幹細胞移植は進行期で唯一根治を意図できる選択肢だが、進行期かつ予後不良で重大な併存症の無い患者に限り、移植前に完全または完全に近い寛解を得たうえで、他の選択肢が尽きた last resort としてではなく行うのが最適とされる。自家移植は全例再発するため放棄された。⚠️ 本勧告は欧州で入手できる薬剤に限って作られており、米国FDAが皮膚T細胞リンパ腫に承認しているHDAC阻害薬は対象から外されている。閲覧 2026-09-17
  8. 8.ポテリジオ点滴静注20mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)/協和キリン・2026)第5版(2026年1月改訂)。効能又は効果は「CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫」「再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫」「再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫」の3つで、CCR4抗原をフローサイトメトリーまたは免疫組織化学染色で陽性確認してから投与するよう求める5.2項は成人T細胞白血病リンパ腫と末梢性T細胞リンパ腫の適応に限って掛かり、皮膚T細胞リンパ腫の効能にはCCR4陽性の限定が付いていない。15.1.2項に「本剤を造血幹細胞移植前に投与した患者では、本剤を投与しなかった患者と比較して、造血幹細胞移植後の重篤な急性移植片対宿主病の発現割合が高かったとの報告がある」と記載閲覧 2026-09-16
  9. 9.イストダックス点滴静注用10mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)/ブリストル・マイヤーズ スクイブ・2022)第2版(2022年7月改訂)。効能又は効果は「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」のみで、皮膚T細胞リンパ腫・菌状息肉症は国内の効能・効果に含まれない閲覧 2026-09-16
  10. 10.ROMIDEPSIN- romidepsin injection, powder, lyophilized, for solution — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration / Fresenius Kabi USA・2021)米国の添付文書(印字された改訂表示は逐語「Revised: 11/2021」。ページ上部の Updated April 29, 2026 はDailyMedの掲載更新であって改訂年ではない)では、ロミデプシンの適応は「1種類以上の全身治療歴のある成人の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)」のみで、末梢性T細胞リンパ腫は適応に挙がっていない閲覧 2026-09-17
  11. 11.VALCHLOR (mechlorethamine) gel — Prescribing Information(Helsinn Therapeutics (U.S.), Inc. / U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2020)本文に印刷された改訂表示は Revised 01/2020(2026-09-16に取得したSPLはversion 12・掲載更新日2024-11-25だが改訂表示は2020年1月のまま)。1. INDICATIONS AND USAGE の逐語が VALCHLOR is indicated for the topical treatment of Stage IA and IB mycosis fungoides-type cutaneous T-cell lymphoma in patients who have received prior skin-directed therapy であり、米国では病期(Stage IA・IB)と前治療歴の両方が適応の条件になっていることを確認した閲覧 2026-09-16
  12. 12.Ledaga 160 micrograms/g gel — Summary of Product Characteristics(European Medicines Agency・2024)4.1 Therapeutic indications の逐語が Ledaga is indicated for the topical treatment of mycosis fungoides-type cutaneous T-cell lymphoma (MF-type CTCL) in adult patients であり、EUでは成人であること以外に病期の限定も前治療歴の要件も付かないことを確認した(有効成分名はEUではchlormethine、中央承認番号 EU/1/16/1171/001)。⚠️ 本PDFの「10. DATE OF REVISION OF THE TEXT」欄は空欄で、yearはEMAのLedaga医薬品ページの製品情報の最終更新(2024-12-12、手続N/0040)で判定した閲覧 2026-09-16