症状ノート一覧へ

Symptoms · Published

皮膚結節

Skin nodule

別名
皮下結節cutaneous nodule
臓器系
皮膚全身
科目
Dermatology
トピック
皮膚科 1-01:皮膚の原発疹・続発疹皮膚科 3-27:血管炎・多形紅斑・結節性紅斑皮膚科 1-10:皮膚結核の病型・診断・治療皮膚科 3-14:皮膚T細胞リンパ腫
関連疾患
CARD9欠損症Dupuytren拘縮Kasabach-Merritt現象SAPHO症候群カポジ肉腫カポジ肉腫様血管内皮腫カラアザール後皮膚リーシュマニア症グラム陰性毛包炎ケロイドコクシジオイデス症サルコイドーシススポロトリコーシスメルケル細胞癌リウマチ熱・リウマチ性心疾患リンパ腫様丘疹症悪性関節リウマチ悪性黒色腫陰嚢癌化膿性汗腺炎化膿性肉芽腫角化棘細胞腫関節リウマチ基底細胞癌劇症型痤瘡結核結節性血管炎結節性紅斑結節性多発動脈炎原発性皮膚γδT細胞リンパ腫細菌性皮膚感染症(伝染性膿痂疹・毛包炎・せつ・よう)脂腺癌脂腺腺腫脂腺母斑若年性黄色肉芽腫集簇性ざ瘡女性性器住血吸虫症深在性エリテマトーデス尋常性痤瘡成人T細胞白血病リンパ腫足底線維腫症頭部解離性蜂窩織炎播種性フザリウム症梅毒白血病の皮膚浸潤皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫皮膚T細胞リンパ腫皮膚癌皮膚転移非結核性抗酸菌症表在型線維腫症表皮嚢腫母斑性基底細胞癌症候群房状血管腫未分化大細胞型リンパ腫毛包上皮腫腱鞘巨細胞腫

🧠 全体像:は「深さ」で定義される記載語である。⭐ 触診で厚みを感じるということは、病変が〜皮下組織に達していることを意味し、表皮〜浅い真皮にとどまる丘疹とは想定すべき鑑別群がまるごと入れ替わる。だから結節の診断はより触診(硬さ・可動性・圧痛の有無・皮膚との癒着)が中心になり、だけで炎症性か腫瘍性かを決めつけず、多くは最終的に生検で決着する、という枠組みで臨む。

定義と用語の整理

  • は〜皮下組織に及ぶの隆起で、一般に1 cm以上を指す。表皮〜浅い真皮にとどまる丘疹(通常1 cm未満)とは、深さも想定する鑑別群もまるごと異なる。
  • 平坦なをもち浸潤する「局面」は丘疹の融合でも生じる別概念であり、液体貯留の水疱、の膿疱とは内容物で区別する。上皮性の壁をもつである「」も、の結節とはが異なる。
  • 「腫瘍」は大きさや深さではなく組織増殖そのものを指す語であり、良性・悪性を問わずいずれの層にも生じ得る点で、深さを定義とする結節とは軸が違う。
  • ⚠️ ・・リンパ節腫脹とはである。 画像上の、、リンパ節腫脹はいずれも本稿の対象外で、混同すると鑑別の方向性そのものを誤る。

病態生理を5群で整理する

を来す機序は炎症性・感染性・腫瘍性・沈着性・血管性の5群に大別すると、同じ「触れる硬いしこり」でも由来がまるで違うことが見えてくる。

群 機序 代表
炎症性・肉芽腫性 脂肪織隔壁の炎症、 、、
感染性 抗酸菌・真菌がを起こす、またはが壊死性病変を作る 、、(など)、の
腫瘍性 表皮・・リンパ球など腫瘍細胞そのものの増殖・浸潤 、悪性黒色腫、の、
沈着・代謝性 結晶・脂質・カルシウムなどの真皮内沈着 、()、
血管性 中血管のが皮下組織へ及ぶ の皮下結節

⭐ 部位と性状で群がかなり絞れる。 圧痛のある赤い皮下結節が下腿前面に左右対称多発すればを、無痛性の様結節がすればを、既存のから急速に隆起する黒色結節はを、それぞれ第一にする。

💡 でも「結節」は特別な意味を持つ。のは・・結節を段階として使い、結節の出現は治療を強化する切り替え点になる。

緊急・見逃してはいけない

⚠️ 急速に増大する単発の硬い結節、潰瘍・出血・を伴うものは悪性を疑い生検する。 とくに既存のから生じたは、水平進展を経ずに早期から垂直方向へ増大するため進行が速く、経過観察で様子を見てはならない。

⚠️ 免疫抑制患者の新規結節は・・を鑑別に含め、培養とを同時に提出する。 抗酸菌・真菌は菌量が少なく塗抹・培養が陰性になり得るため、臨床像だけで除外しない。

⚠️ 発熱・関節痛・体重減少を伴う多発結節は血管炎や全身性の皮膚病変であることが多く、皮膚だけを診て終わらせない。 の皮下結節やの皮膚病変は、臓器障害の有無を確認する入り口になる。

鑑別の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cutaneous nodule'>皮膚結節</span>を確認"] --> B{"単発か多発か"}
    B -->|"単発"| C{"圧痛はあるか"}
    B -->|"多発"| D{"圧痛・熱感を伴うか"}
    C -->|"なし"| E{"急速増大・潰瘍・出血を伴うか"}
    E -->|"あり"| F["悪性を疑い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='excisional biopsy'>切除生検</span>を急ぐ"]
    E -->|"なし"| G["良性腫瘍性・沈着性病変を検討"]
    C -->|"あり"| H["感染性・局所<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Inflammatory Lesions'>炎症性病変</span>を検討"]
    D -->|"あり"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='erythema nodosum, EN'>結節性紅斑</span>など<span class='jp-term jp-term-diagram' title='septal panniculitis'>隔壁性脂肪織炎</span>を検討"]
    D -->|"なし"| J["肉芽腫性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='infiltrative lesion'>浸潤性病変</span>を検討"]
    F --> K["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='subcutaneous fat (subcutis)'>皮下脂肪織</span>まで含む深さで生検"]
    G --> K
    H --> K
    I --> L{"発熱・関節痛・体重減少を伴うか"}
    J --> L
    L -->|"あり"| M["血管炎・全身性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='granulomatous disease'>肉芽腫性疾患</span>として評価"]
    L -->|"なし"| K

⭐ 生検はまで含めた深さが必要になる。 表層のでは真皮までしか採取できず、やの血管病変を診断できない。か、脂肪織まで届く深いかを病変の大きさ・部位で選ぶ。

対症療法の考え方

は所見の記載語であり、「結節そのものを対象にした介入」と「原疾患の治療に委ねる」を切り分けて考える。

  • 結節そのものへの介入:診断確定を兼ねたがそのまま治療にもなり得る(の完全切除など)。穿刺・排膿は膿瘍様・様結節の症状緩和に用いる。
  • 原疾患の治療に委ねる:は原因治療と安静・挙上・が中心で、結節そのものを切除する対象ではない。悪性腫瘍・血管炎・による結節は根治や寛解導入を目的とした全身治療の適応であり、局所治療で様子を見て根本治療を遅らせてはならない。

まとめ

  • は〜皮下組織に及ぶの隆起で、一般に1 cm以上を指し、丘疹とは深さも鑑別群も異なる。
  • ・・リンパ節腫脹とはな、別の概念である。
  • 機序は炎症性・感染性・腫瘍性・沈着性・血管性の5群に整理でき、部位と性状の組み合わせで鑑別がかなり絞れる。
  • 急速増大・潰瘍・出血を伴う単発結節は悪性を疑い生検を急ぐ。
  • 免疫抑制患者の新規結節は・・を含め、培養とを同時に出す。
  • 発熱・関節痛・体重減少を伴う多発結節は血管炎・全身性のであり、皮膚だけを診ない。
  • 生検はまで含む深さが必要で、表層のではを診断できない。
  • 診断の中心はより触診であり、多くは生検で最終診断が決まる。