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Lab values · Published

乳酸脱水素酵素

Lactate dehydrogenase

別名
LDH
臓器系
全身血液腫瘍
科目
DermatologyInternal Medicine
トピック
皮膚科 3-14:皮膚T細胞リンパ腫内科学 L-59:高再生性貧血
関連疾患
MALTリンパ腫(節外性辺縁帯リンパ腫)バーキットリンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫悪性黒色腫移植後リンパ増殖性疾患遺伝性・後天性溶血性貧血(遺伝性球状赤血球症・G6PD欠乏症・自己免疫性溶血性貧血・発作性夜間ヘモグロビン尿症)寒冷凝集素症巨赤芽球性貧血血栓性微小血管症腎梗塞精巣腫瘍多発性骨髄腫妊娠高血圧腎症・子癇・HELLP症候群皮膚T細胞リンパ腫非ホジキンリンパ腫溶血性尿毒症症候群濾胞性リンパ腫脾梗塞
監視対象薬
アトルバスタチンアルテスネートエクリズマブシンバスタチンスチムリマブペグセタコプランベネトクラクスロスバスタチン
影響する薬剤
アルテスネート
スコア
FLIPI国際予後指標

🧠 全体像は多くの組織の細胞内にある酵素で、血中高値は「どこかで細胞が傷害・崩壊している」ことを示すが、臓器も病名も特定しないだけでもになるため、値そのものより検体品質、検査、臨床像、を組み合わせて読む。

何を測っているか

LDHはNAD⁺/NADHをとして、乳酸とピルビン酸の可逆反応を触媒する。血清・血漿検査では酵素量そのものではなく、一定条件下のを主にU/Lで測定する。

flowchart TD
    A["各組織の細胞内LDH"] --> B["細胞傷害・壊死・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cell turnover'>細胞回転</span>"]
    B --> C["血中へ放出"]
    C --> D["総LDH活性上昇"]
    E["採血・搬送中の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='red cell destruction'>赤血球破壊</span>"] --> D
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='organ-specific'>臓器特異的</span>検査と臨床像で由来を絞る"]

乳酸の濃度で、LDHはその反応を担う酵素活性である。名称は似るが、乳酸値の代わりにLDHを測ってを判定することはできない。

アイソザイム

古典的なLDHはH・Mの2種のサブユニットからなるで、組合せによりLDH-1〜LDH-5の5分画を作る。総LDHはこれらをまとめて測る。

分画 構成 多い組織の傾向
LDH-1 H4 心筋、赤血球、腎
LDH-2 H3M 、赤血球
LDH-3 H2M2 肺など
LDH-4 HM3 腎、胎盤、膵など
LDH-5 M4 肝、骨格筋

分布は重なり、病態・測定法でも変わる。現在は、CK、画像など、よりの高い検査が優先されるため、分画は限られた場面で補助的に用いる。

基準値と単位

は測定温度、反応方向、試薬、装置、で変わる。にトレーサブルな測定でも施設差があるため、報告書に記載された同一施設・同一法のを用いる。異なる施設の数値を単純比較しない。

低値は通常、単独では臨床的意義に乏しい。まれななどを、血清総LDHの軽度低値だけから推定しない。

高値の意味

機序 代表的状況 組み合わせる所見
赤血球の破壊 、塗抹
、肝浸潤 AST・ALT、ビリルビン、凝固
筋・ 、筋炎、 CK、、症状・心電図
肺・全身 、ショック、重症感染など 酸素化、循環、画像、炎症指標
悪性腫瘍 高い、急速な、治療後崩壊 病型別の病期・画像・腫瘍特異的指標
採血困難、強い吸引、搬送・処理不良 、再採血、臨床的溶血所見の欠如

LDH上昇の原因は一つとは限らない。悪性腫瘍患者でも感染、肝障害、溶血、筋障害が重なり得るため、「上昇」と短絡しない。

溶血を読む

赤血球内にはLDHが多いため、体内の溶血でも採血管内の溶血でも値が上がる。両者の区別が解釈の核心になる。

所見 体内溶血を支持 を支持
臨床像 黄疸、、貧血症状など 通常は対応する症状なし
他の検査 上昇、低下、 同一検体の、Kなどの不自然な上昇
再採血 原病が続けば高値が持続 丁寧な再採血で正常化し得る

⚠️ 検体が溶血している場合、装置・施設が定める干渉限界に従い再採血する。補正式で値を推定しない。一方、臨床的なが疑われる患者では、検体溶血を理由に病態まで否定せず、適切な再採血と溶血評価を並行する。

鑑別の進め方

flowchart TD
    A["LDH高値"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hemolysis index'>溶血指数</span>・採血条件に問題があるか"}
    B -->|"ある"| C["適切に再採血"]
    B -->|"ない"| D["症状・診察と他検査を確認"]
    C --> D
    D --> E{"溶血所見がそろうか"}
    E -->|"そろう"| F["体内溶血・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ineffective erythropoiesis'>無効造血</span>を区別"]
    E -->|"乏しい"| G{"肝・筋・肺・腫瘍の手掛かりがあるか"}
    G -->|"ある"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='organ-specific'>臓器特異的</span>検査・画像で評価"]
    G -->|"ない"| I["推移を確認し、隠れた<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tissue injury'>組織傷害</span>を再検討"]
    F --> J["原因治療後の推移を追う"]
    H --> J

ではで前駆細胞が壊れるためLDHとが高くても、は貧血の程度に見合って増えないことがある。末梢との区別に、塗抹、を組み合わせる。

腫瘍診療での位置づけ

一部のリンパ腫・白血病・固形腫瘍では、LDHは、予後層別化の補助になる。でも高値は進行例の不良予後因子の一つだが、、皮膚・リンパ節・血液・内臓評価を置き換えない。

治療開始後ので腫瘍崩壊を疑う場合も、LDH単独では診断しない。カリウム尿酸カルシウム、腎機能、リンを同時に評価する。

測定上の注意と経時変化

  • 採血後の血球分離遅延や未分離血の保存条件により、LDHが人工的に上昇し得る。
  • 激しい運動、、外傷は筋由来の上昇要因になる。
  • 総LDHの単回値より、同じ測定法での方向性と変化速度を見る。
  • 治療反応の判定は、疾患ごとに検証された基準、画像、と組み合わせる。

まとめ

  • LDHは広範な組織に存在する細胞傷害の非特異的指標である。
  • 高値ではまずを確認し、体内溶血と区別する。
  • は由来推定を補助するが、は重なり単独では確定できない。
  • 検査、画像、を組み合わせる。
  • 腫瘍や溶血をLDH単独で診断・評価しない。