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FLIPI

FLIPI

別名
Follicular Lymphoma International Prognostic Index
臓器系
血液腫瘍
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 H-22:濾胞性リンパ腫
構成:症状
リンパ節腫脹
構成:検査値
ヘモグロビンLDH

🧠 全体像:FL(Follicular Lymphoma International Prognostic Index)は、を含むの患者を診断時の5つの臨床・から低・中間・高リスクの3群に予後層別化する指標である。が「今すぐ治療を始めるか経過観察か」という治療開始の判断に使うのチェックリストであるのに対し、FLは治療開始基準ではなく、あくまで診断時点での生命予後を予測するための加算式スコアである。両者は同じの診療で並んで使われるが、答える問いが異なる。

目的と適用場面

内容
目的 と診断された患者の生命予後()を、診断時に得られる5因子から層別化する
対象・使う場面 され、病期評価()と血液検査が終わった時点。限局期・を問わず算出できる
評価しないもの 治療開始の適応そのもの(の役割)、病変の解剖学的な広がり(の役割)、治療反応・無増悪生存を直接予測すること

もとは2004年、Groupe d’Etude des Lymphomes Folliculairesを中心とする国際グループが、1985〜1992年に診断された4167例の後方視データから予後に独立して寄与する因子を選び出し、別の919例で検証して確立した指標である1向けに作られていたをそのままに適用するよりも、FLの方が予後をよく弁別することが示され、以後は専用の予後指標として広く使われている1

構成要素と配点

⭐ 次の5因子はそれぞれ該当すれば1点で、単純に加算する(重み付けはしない)。合計0〜5点になる1

因子 該当(1点)の基準
年齢 60歳超
病期 III〜IV期(
ヘモグロビン 120 g/L(12 g/dL)未満
病変リンパ節領域数 4カ所超
LDH 施設上限を超える

💡 と同じ「該当項目を数えるだけ」の加算チェックリスト型のスコアであり、のように項目ごとに1〜3点の段階を割り振るものではない。

解釈とカットオフ

リスク群 該当因子数 相対的な予後(低リスク群を基準とした
低リスク 0〜1個 基準
2個 死亡 約2.3倍
高リスク 3個以上 死亡 約4.3倍

原著の検証コホートでは、この3群は互いに統計学的に異なる曲線を示した1

💡 リスク群が上がるほど、治療開始後の経過観察間隔を狭める、の層別化因子として使うなど、の強度や試験設計に反映されることが多い。一方で、リスク群が高いこと自体はのような治療開始の適応にはならない——・高リスクでも無症候・低ならを選べる。

限界と使ってはいけない場面

  • ⚠️ 治療開始の判断には使わない。 FLは生命予後の層別化指標であり、いつ治療を始めるかはのような・症状の評価で決める。高リスク群であることは、それだけでは治療開始の理由にならない。
  • ⚠️ リツキシマブ普及前のコホートから作られた指標である。 原著の解析対象は1985〜1992年に診断された患者で、抗CD20抗体を含む現代のが普及する前の時代のデータに基づく1
  • ⚠️ この限界を踏まえ、2003〜2005年に登録された時代のコホートから、年齢・ヘモグロビンに加え・最大リンパ節径・を因子とするFL2が2009年に発表されている。FL2はFLと採用する因子が一部異なり、無増悪生存をとして設計された2。FLとFL2のどちらを使うかは施設・のプロトコルによって異なり、本ノートはFLのみを扱う。
  • ⚠️ の有無や遺伝子変異など、FLに含まれない予後因子を組み込んだ改良版(遺伝子変異を加えたm7-FLなど)も研究レベルでは提案されているが、FL自体はこれらを組み込んでいない。

まとめ

  • FLは、年齢60歳超・Ann Arbor III〜IV期・ヘモグロビン120 g/L未満・病変4カ所超・LDH高値の5因子を各1点で加算し、低(0〜1点)・中間(2点)・高(3点以上)の3群に予後層別化するスコアである。
  • 治療開始の適応を決めるスコアではない。その役割はが担う。
  • 1985〜1992年診断のリツキシマブ普及前コホートから作られており、時代を反映したFL2という改訂版も存在する。
  • リスク群が上がるほど死亡が上がるが、高リスクであること自体は治療開始の理由にはならない。

出典

  1. 1.Follicular lymphoma international prognostic index(Groupe d'Etude des Lymphomes Folliculaires ほか(国際共同研究)/ Blood・2004)FLIPIの原著。年齢60歳超・Ann Arbor病期III〜IV・ヘモグロビン120 g/L未満・病変リンパ節領域4カ所超・LDH高値の5因子を各1点として合計し、低リスク(0〜1点)・中間リスク(2点)・高リスク(3点以上)の3群に層別化すること、1985〜1992年に診断された4167例の後方視データから因子を選定し919例で検証したこと、中間リスク群・高リスク群は低リスク群に比べ死亡ハザード比がそれぞれ約2.3倍・4.3倍であること、侵襲性リンパ腫向けの国際予後指標(IPI)より濾胞性リンパ腫の予後をよく弁別したことを確認した閲覧 2026-08-10
  2. 2.Follicular Lymphoma International Prognostic Index 2: A New Prognostic Index for Follicular Lymphoma Developed by the International Follicular Lymphoma Prognostic Factor Project(International Follicular Lymphoma Prognostic Factor Project / Journal of Clinical Oncology・2009)FLIPIの改訂版であるFLIPI2の原著。2003〜2005年に登録され免疫化学療法時代を代表する932例(解析対象832例)の前向きコホートから、年齢60歳超・ヘモグロビン12 g/dL未満・血清β2ミクログロブリン高値・最大リンパ節径6 cm超・骨髄浸潤の5因子を独立予後因子として選定し、低・中間・高リスクの3群で3年無増悪生存割合が91%・69%・51%、3年全生存割合が99%・96%・84%であったことを確認した。FLIPIとは採用する因子(節病変の広がり・LDHではなくβ2ミクログロブリン・最大節径・骨髄浸潤を採用)が異なる閲覧 2026-08-10