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Drug Atlas · B30 Biologics & immunomodulators / 生物学的製剤 · 必修

イプタコパン

iptacopan

分類
Complement inhibitors / 補体阻害薬
商品名(EU)
Fabhalta
科目
Pharmacology
トピック
B30: Immunopharmacology III (Antibodies and fusion proteins)
承認適応
遺伝性・後天性溶血性貧血(遺伝性球状赤血球症・G6PD欠乏症・自己免疫性溶血性貧血・発作性夜間ヘモグロビン尿症)IgA腎症膜性増殖性糸球体腎炎
禁忌疾患
髄膜炎菌感染症
副作用
頭痛下痢腹痛悪心皮疹
監視検査値
LDH脂質検査
影響検査値
血小板数

🧠 全体像:は「できる」という一点で、PNH治療薬の中で際立つ存在である。標的はの——(C3bBb)の形成に必須の酵素で、ここを止めればC3活性化そのものが起こらなくなるため、と同じく(IVH)・(EVH)の両方を制御できる。・という「2週毎〜8週毎の」が標準治療だった領域に、1日2回の経口カプセルだけでが成立するという選択肢を持ち込んだ薬である。

薬効群の中での位置づけ

標的段階 代表薬 特徴
終末補体C5 、 (2〜8週毎) 長年の標準治療。EVHが残存しうる
・C3b 皮下注(週2回) IVH・EVHの両方を制御
経口(1日2回) PNHで経口のが成立する。IVH・EVHの両方を制御
経口(1日3回) への専用。単剤承認なし

⭐ 「できる」ことの臨床的意味は、単なる利便性ではない。 は通院・血管確保・の管理を要するが、は自宅で服薬できる(⚠️ の負担が患者側へ移るので、継続率やが必ず良くなるという比較試験の裏づけがあるわけではない)。第3相APPLY-PNH試験(を6か月以上安定投与されてもヘモグロビンが10 g/dL未満の成人が対象)では、48週時点でヘモグロビン2 g/dL以上の増加を59例中51例(86%)が達成し(の有無を問わない集計。輸血なしを要件とするは18〜24週時点の評価である)、臨床的なは96例中7例(7%)にとどまった1。⚠️ この2つの割合は分母が違う。 86%は群(59例)の値だが、7%の分母96例はから切り替えた群を含む、APPLY-PNHでを投与された全例である(原文は clinical breakthrough haemolysis occurred in seven (7%) of 96 iptacopan-treated patients in APPLY-PNH (including both groups))1。⚠️ どちらの試験も、18歳以上・PNHクローンサイズ10%以上で、のがある患者を除外した集団である。 「経口で済む」を年齢や例まで広げて読まない1。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='iptacopan'>イプタコパン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alternative complement pathway'>補体第二経路</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='complement factor B'>第B因子</span>に結合"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='complement factor B'>第B因子</span>のC3bBbへの組み込みを阻害"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alternative pathway'>第二経路</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='C3 convertase'>C3転換酵素</span>(C3bBb)が形成されない"]
    C --> D["C3の開裂・C3b産生が抑制される"]
    D --> E["赤血球表面へのC3b沈着(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='opsonization'>オプソニン化</span>)を防ぐ"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='splenic macrophage'>脾臓マクロファージ</span>による捕食を防ぎ<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='extravascular hemolysis'>血管外溶血</span>(EVH)を抑制"]
    D --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='C5 convertase'>C5転換酵素</span>形成に渡るC3bも減少"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='membrane attack complex (MAC)'>膜侵襲複合体</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Mycobacterium avium complex'>MAC</span>)形成が抑制される"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intravascular hemolysis'>血管内溶血</span>(IVH)も抑制"]
    A --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alternative pathway'>第二経路</span>依存性の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='encapsulated bacteria'>莢膜形成菌</span>防御が弱まる"]
    J --> K["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='encapsulated bacteria'>莢膜形成菌</span>感染症のリスクが上昇"]

💡 の「」を断つという発想。 の(C3bBb)は、いったん形成されたC3bがさらに新たなC3を開裂させる正のフィードバック()を担う。PNHではCD55(の減衰を促す制御蛋白)の欠損によりこのループが暴走するため、その入口であるを止めれば、増幅そのものが起こらなくなる——これはPNHの病態機序(の慢性活性化)に対する最も上流での介入である。

適応

⚠️ 適応の範囲は3極でそろっていない。 とくににIgA腎症の適応は無いので、「腎領域にも使える」と一括りにしない。

地域 PNH 腎領域
EU(SmPC) 溶血性貧血を有する成人の2 成人ののみ。RAS阻害薬との併用、またはRAS阻害薬が・禁忌の患者2
日本(電子添文) 補体C5による適切な治療を行っても十分な効果が得られない場合に限る3 とIgA腎症(IgA腎症は2026年9月の改訂で追加。支持療法等でも蛋白尿が残る例)3
米国(添付文書) 成人(前治療の有無で限定していない)45 進行リスクのある成人の一次性IgA腎症で腎機能低下を遅らせる、成人ので蛋白尿を減らす5

💡 腎領域の効能は「何を改善するか」まで書き分けられている。 米国の添付文書はIgA腎症を腎機能低下の抑制、を蛋白尿の減少としており、目的が違えば評価する指標も違う5。

用法・用量

200 mgを1日2回、する。⚠️ 服用のしかたの細目は国で書き方が違うので、まとめて断定しない。 日本の電子添文の「6. 用法及び用量」は「通常、成人にはとして1回200mgを1日2回する。」の一文だけで、食事との関係もカプセルの扱いも書いていない(「14. 適用上の注意」も PTP シートのに関する一項のみである)3。食事の有無を問わず服用してよいことは米国との双方が書いている(米国2.2は without regard to food、EU 4.2 は may be taken with or without food)52が、カプセルを噛まず・開けず・割らずそのまま飲み込むという指示は米国2.2だけにある(Swallow capsules whole. Do not open, break, or chew capsules.)5。から切り替える場合は、補体阻害が途切れないよう、では最終投与から1週間以内、では最終投与から6週間以内にを開始する52(日本の電子添文は同じ間隔を「最終投与1週間後/6週間後を目安に開始する」と書く)3。・以外のからの切替は検討されていない2。

腎機能・肝機能による扱い:のSmPCは軽度・中等度のでは減量不要とする一方、重度の・透析中の患者については用量を推奨できないとし、重度のでは使用を推奨しないとしている2。日本の電子添文はが30 mL/min/1.73m²未満(とくに20未満)の患者で血中濃度上昇に注意するよう求めている3。

💡 腎移植後の再発について、のSmPCだけが開始の目安を書いている。 の糸球体へのC3沈着という組織所見で再発を診断し、低下やの上昇といった臨床徴候が出る前から開始してよい(ただし移植後再発例での使用経験は限られる)としている2。

相互作用

なので、注射のには無い相互作用の注意が付く23。

相手 起こること 対応
CYP2C8を阻害する薬(など)、OATP1B1/1B3を阻害する薬(など) の血中濃度が上がる 副作用の発現に注意する3
CYP2C8の基質(、、など) 相手の薬の血中濃度が上がる ⚠️ 日本の電子添文は併用を避けることとし、やむを得ず併用するなら減量を考慮するとしている3
CYP2C8・UGT1A1・P糖蛋白・BCRP・OATP1B1/1B3の強い(リファンピシンなど) の曝露が下がり効果が落ちうる のSmPCは併用を推奨せず、代替薬が無い場合はPNH患者で溶血の徴候を監視するとしている2
感受性の高い基質(、、カルバマゼピンなど) in vitroで誘導の可能性があり、相手の曝露が下がりうる のSmPCは治療域の狭い薬で慎重に併用するとしている2

禁忌・注意

⚠️ 同じ文言で3極に共通する禁忌は「本剤成分への過敏症」だけである。 ⭐ の感染症を禁忌の欄に置いていること自体は3極に共通する——違うのは掛かる菌と限定語で、日本の2.1は髄膜炎菌に「重篤な」「未解決の」が付かず、米国はをまとめて unresolved serious、EUは unresolved … at treatment initiation で serious が付かない。平坦化して「未解決の重篤な感染症」と1行にまとめると、日本が独立して立てている1項目が消える352。

禁忌に挙げているもの
日本(2. 禁忌)3 3項。2.1 に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]、2.2 肺炎球菌・等のによる重篤な感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]、2.3 本剤の成分に対する過敏症の既往
米国(4 CONTRAINDICATIONS)5 2項。重篤な過敏症と、(肺炎球菌・髄膜炎菌・)による未解決の重篤な感染症がある患者での投与開始(for initiation in patients with unresolved serious infection caused by encapsulated bacteria…)
EU(4.3)2 3項。過敏症、髄膜炎菌・肺炎球菌のワクチン未接種(治療を遅らせる危険が感染の危険を上回る場合を除く)、投与開始時点で未解決の感染症(unresolved infection…at treatment initiation)
  • ⚠️ 日本の2.1だけは「重篤な」「未解決の」という限定が付かない。 に罹患していること自体が禁忌で、肺炎球菌・等については2.2で別に「重篤な」と限定している。米国はをまとめて serious と限定し、は serious を付けずに「未解決の感染症」とする。どの菌に、どの重症度で掛かるのかが3極で違う352
  • ⚠️ 米国とは「その状態での投与開始が禁忌」という書き方で、日本の禁忌欄は「次の患者には投与しないこと」である。523
  • ⚠️ 「髄膜炎菌・肺炎球菌のワクチン未接種であること」自体を禁忌に挙げているのはだけである2。日本・米国では・用法の要件として書かれている(日本は1.1.2と5.1、米国は2.1と5.1)35
  • ⚠️ (米国):(髄膜炎菌、肺炎球菌、b型)による重篤感染症のリスク。 投与開始の少なくとも2週間前までにワクチン接種を完了し、処方医がFABHALTA ()プログラムへ登録し、調剤する薬局がの認証を受けていることが要る(5.2の逐語は Prescribers must enroll in the REMS. と Pharmacies that dispense FABHALTA must be certified in the FABHALTA REMS and must verify prescribers are certified.)。⚠️ 患者を登録する制度ではない——患者側の要件は、処方医から重篤な感染症のリスクについて説明を受けることと、投与中および最終投与後2週間は患者安全カードを携帯することである5。日本の電子添文も同じ内容を「1. 」として置き、の診断・治療が可能なでの投与を求めている3
  • 脂質の上昇に注意。 ・コレステロール・トリグリセリドが上昇しうる。米国添付文書はAPPLY-PNHでベースラインのが正常だった54例の43%がGrade 1のを、トリグリセリドが正常だった52例の23%がGrade 1の上昇を来したと記載する(APPOINT-PNHではそれぞれ34例の24%・37例の27%)。定期的な脂質モニタリングと、必要に応じたの開始を検討する5。日本の電子添文も投与開始後の定期的な血液検査を求めている3。⚠️ 見出しの構造は日米で違うが、根拠になっている数値は3極ともPNH試験のものである。 日本の8.2は8.1と同じ〈〉の見出しの下にあり、米国の5.4は適応別の見出しを持たない(同じ米国添付文書でも5.3は逐語 In PNH patients, after discontinuing treatment… と限定するのに、5.4にはその限定が無い)。ただし5.4が挙げる数値は一つ残らずAPPLY-PNH・APPOINT-PNHのもので、IgA腎症・の脂質のデータは米国添付文書に載っていない——「米国は全適応で脂質上昇が示されている」と読まない53。💡 のSmPCは、6か月時点の・コレステロールの平均上昇が約0.7 mmol/Lで平均値は正常範囲内にとどまり、しかもこの上昇がヘモグロビン改善(貧血の是正)と相関したと述べている(同じ節はの平均4.7 mmHg上昇も挙げ、平均値は80 mmHgを超えなかったとする)。の試験では、・コレステロール・血圧のいずれもと比べて臨床的に意味のある差が認められなかった2。脂質異常として介入を要した患者は102例中2例だった5
  • の低下:のSmPCはPNHでcommon(164例中12例、7%)とし、うち2例が重度で、いずれも抗体や骨髄無形成による既存の血小板減少を伴っていたと記す。発現は7例が投与開始2か月以内、5例は111〜951日後で、データ時点で7例(58%)が回復または回復傾向にあり、全例で投与は継続されている。米国添付文書はAPPLY-PNHでベースラインのが正常だった37例の43%に何らかのGradeの低下がみられ、3例がGrade 3以上へ悪化したとする25
  • 投与を自己中断するとを起こしうるため、の徹底が重要
  • 投与中はPNHの溶血をLDHで追う。 のSmPC 4.4は逐語で Patients with PNH receiving iptacopan should be monitored regularly for signs and symptoms of haemolysis, including measuring lactate dehydrogenase (LDH) levels. とし、日本の電子添文8.1も中止後の徴候として値の上昇を挙げる23。⚠️ ただしと違い、の数値で用量を変える規定は3極のいずれにも無い(は米国・とも「がの2倍超なら3日に1回へ」と定める)523
  • ⚠️ PNHの患者では、中止したら最低2週間は溶血を監視する(LDH上昇を伴うヘモグロビンの急減、疲労、、腹痛、呼吸困難、血栓症などの重大な、嚥下障害、。米国・はPNHクローンサイズの急減も併記する)523。この規定は3極ともPNHに限った項に置かれている(米国5.3は In PNH patients、EU 4.4は patients with PNH、日本の8.1は〈〉の見出しの下)523。⭐ の最低8週間とは期間が違う(側はのSmPCが半減期5回分以上の期間と説明している)。観察期間は薬ごとに添付文書で確かめる

副作用

同じ薬でも文書ごとに集計の仕方と頻度区分が違うので、どの文書の数え方かを添えて読む。

文書 内容
米国添付文書(PNHで10%以上) 頭痛(APPLY-PNH 19%・APPOINT-PNH 28%)、、下痢(15%・8%)、腹痛(15%・8%)、細菌感染、ウイルス感染、悪心、皮疹(3%・10%)5
SmPC(very common=10%以上) (PNH・とも)、頭痛、下痢(いずれもPNH)。commonは尿路感染・気管支炎・減少・めまい・腹痛・悪心・関節痛、uncommonは・蕁麻疹(では肺炎球菌感染症がcommon)2
日本の電子添文(1〜5%未満) 頭痛、腹痛、悪心、、減少。1%未満は下痢・尿路感染・気管支炎・・関節痛・浮動性めまい・蕁麻疹の7項目3
重大な副作用・とくに注意するもの 日本の電子添文の「11.1 重大な副作用」は2項——(頻度不明。髄膜炎または敗血症を発症し急速に生命を脅かしうる)と、による重篤な感染症(2.1%。肺炎球菌感染症で敗血症に至った症例が報告されている)。⚠️ この2項は「まれ」ではない(後者は2.1%)。ほかに脂質上昇・が注意の対象になるが、これらは重大な副作用の項ではなく・注意の側に書かれている35

⚠️ 「PNHで10%以上」は米国添付文書の2試験をまとめた表現である。 皮疹はAPPOINT-PNHで10%・APPLY-PNHでは3%、下痢は逆にAPPLY-PNHで15%・APPOINT-PNHで8%というように、試験ごとに差がある5。日本の電子添文の区分では頭痛も1〜5%未満である3。

まとめ

  • はのを阻害するで、の形成そのものを止めることでIVH・EVHの両方を制御する。
  • 2023年12月5日に成人のPNHを適応としてが承認し(NDA 218276)、が主体だったPNH治療に自宅服薬という選択肢を加えた4。
  • 200 mgを1日2回する。第3相試験では48週時点で高いヘモグロビン改善率との低頻度が示された1。⚠️ 未治療例にも使えるかは国で違い、日本の電子添文はC5で効果不十分な場合に限っている3。
  • は感染症の1件で、米国では処方医のプログラム登録と調剤薬局の認証が必須(患者登録制ではない)5。ワクチン接種と感染監視という枠組み自体は、・・・など他のでも共通する。
  • 脂質上昇(・・トリグリセリド)に対する定期モニタリングが、米国・日本の添付文書で求められている。⚠️ 日本の8.2は〈〉の見出しの下にあり、米国の5.4は適応別の見出しを持たないが、5.4が挙げる数値はすべてPNHの2試験のものである(はの試験でとの差を認めていない)532。
  • 適応はPNHにとどまらず・IgA腎症にも広がったが、の適応はPNHとまでで、IgA腎症は含まれない23。
  • PNHの患者では、中止時に最低2週間、溶血のを監視する(3極ともPNHの項に置かれた規定)523。

出典

  1. 1.Oral iptacopan monotherapy in paroxysmal nocturnal haemoglobinuria: final 48-week results from the open-label, randomised, phase 3 APPLY-PNH trial in anti-C5-treated patients and the open-label, single-arm, phase 3 APPOINT-PNH trial in patients previously untreated with complement inhibitors(The Lancet Haematology・2025)両試験とも18歳以上・PNHクローンサイズ10%以上・骨髄不全の検査所見が無い患者を組み入れ(逐語 `patients were aged 18 years or older, with paroxysmal nocturnal haemoglobinuria (red and white blood cell population sizes ≥10%) and without laboratory evidence of bone marrow failure`)、APPLY-PNHはC5阻害薬(エクリズマブまたはラブリズマブ)を6か月以上安定投与されながらヘモグロビンが10 g/dL未満の成人を、APPOINT-PNHは補体阻害薬未治療でヘモグロビン10 g/dL未満かつLDHが正常上限の1.5倍超の成人を組み入れたこと、48週時点(**赤血球輸血の有無を問わない集計**。逐語 `At week 48, irrespective of RBC transfusions`。輸血なしを要件とする主要評価項目は18〜24週時点の評価である)でヘモグロビン2 g/dL以上の増加を達成したのがAPPLY-PNHのイプタコパン群で59例中51例(86%)・APPOINT-PNHで39例中38例(97%)、12 g/dL以上の達成がAPPLY-PNHで59例中40例(68%)・APPOINT-PNHで39例中31例(79%)であったこと、臨床的な突破溶血がAPPLY-PNHで96例中7例(7%)・APPOINT-PNHで40例中2例(5%)で、原文が `generally mild or moderate with no iptacopan discontinuation`(おおむね軽度〜中等度で、イプタコパンの中止に至らなかった)とすること(⚠️ APPLY-PNHの分母96はイプタコパン群とC5阻害薬からの切替群を合わせたイプタコパン投与例で、原文は逐語 `clinical breakthrough haemolysis occurred in seven (7%) of 96 iptacopan-treated patients in APPLY-PNH (including both groups)`。ヘモグロビンの達成割合の分母59とは別の集団である)、有害事象による投与中止と死亡が無かったことを確認した閲覧 2026-09-17
  2. 2.FABHALTA 200 mg hard capsules — Summary of Product Characteristics (Annex I)(European Medicines Agency・2025)4.1の効能がPNHでは「溶血性貧血を有する成人」の単剤療法、C3腎症では成人でRAS阻害薬との併用(不耐容または禁忌の場合を含む)に限られ、**IgA腎症は含まれない**こと、4.3の禁忌が過敏症・ワクチン未接種(遅らせる危険が上回る場合を除く)・投与開始時点で未解決の莢膜形成菌感染症の3項目であり、3つ目には米国と違って `serious` の限定が付かない(逐語 `Patients with unresolved infection caused by encapsulated bacteria … at treatment initiation.`)こと、4.2のMethod of administrationが逐語 `This medicinal product may be taken with or without food (see section 5.2).` の一文で、カプセルを丸のまま飲む・開けない・噛まないという指示は無いこと、4.2が重度肝機能障害(Child-Pugh C)で非推奨・重度腎機能障害では推奨用量を示せないとすること、4.4がPNHでLDHを含む定期的な溶血の監視と中止後最低2週間の観察を求めること、4.8のvery commonがPNH・C3腎症とも上気道感染で、PNHでは頭痛・下痢も該当すること、血小板数減少がcommon(164例中12例7%)であること、PNHで総コレステロール・LDLコレステロールが6か月時点で平均0.7 mmol/L上昇したが平均値は正常範囲内にとどまったこと、同じ節が拡張期血圧の平均4.7 mmHg上昇(平均値は80 mmHgを超えず)を挙げ、これらの上昇がヘモグロビンの改善と相関したとすること、**C3腎症の試験では総コレステロール・LDLコレステロール・血圧のいずれもプラセボと比べて臨床的に意味のある差が認められなかった**とすること、4.2にLDH値に基づく用量変更の規定が無いことを確認した。10項の改訂年月は空欄で、EPARページのProduct informationの最終更新は2025年12月19日閲覧 2026-09-17
  3. 3.ファビハルタカプセル200mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構・2026)2026年9月改訂(第4版、効能変更)。4.の効能又は効果が発作性夜間ヘモグロビン尿症・C3腎症・IgA腎症の3つであること、5.2がPNHについて「補体(C5)阻害剤による適切な治療を行っても、十分な効果が得られない場合に投与すること」と定め、5.4がIgA腎症について支持療法等による適切な治療を行っても蛋白尿が認められる場合とすること、6.の用法が逐語「通常、成人にはイプタコパンとして1回200mgを1日2回経口投与する。」の一文のみで食事の有無もカプセルの開封・咀嚼も記載が無いこと(14. 適用上の注意も14.1のPTPシート誤飲に関する一項だけである)、2.の禁忌が3項で2.1「髄膜炎菌感染症に罹患している患者」には「重篤な」「未解決の」という限定が付かず、2.2が「肺炎球菌、インフルエンザ菌等の莢膜形成細菌による重篤な感染症に罹患している患者」、2.3が成分過敏症であること、7.1がエクリズマブの最終投与1週間後・ラブリズマブの最終投与6週間後を目安に開始するとすること、8.1が中止後最低2週間の溶血監視、8.2が脂質異常症に対する定期的な血液検査を求めること(⚠️ **HTMLの構造上、8.1・8.2はいずれも〈発作性夜間ヘモグロビン尿症〉の見出しの下に置かれており、効能共通の項ではない**。2026-09-16の実行で本文HTMLの節構造を確認した)、10.2でCYP2C8の基質(レパグリニド・パクリタキセル・モンテルカスト等)との併用を避けることとされていること、11.2のその他の副作用が1〜5%未満で頭痛・腹痛・悪心・上気道感染・血小板数減少、1%未満で下痢・尿路感染・気管支炎・細菌性肺炎・関節痛・浮動性めまい・蕁麻疹の7項目であることを確認した閲覧 2026-09-17
  4. 4.NDA 218276 Approval Letter: FABHALTA (iptacopan) capsules(U.S. Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research・2023)NDA 218276 の承認レター(ファイル名 218276Orig1s000ltr.pdf、電子署名は 12/05/2023)で、逐語 "This NDA provides for the use of Fabhalta (iptacopan) capsules for the treatment of adults with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria." と "It is approved, effective on the date of this letter" により、承認されたのが成人のPNHの適応であることを確認した(IgA腎症・C3腎症の適応はこのレターには含まれない。この2適応はのちの承認事項で追加されたもので、それぞれ別のレターが出る)。あわせて REMS(Fabhalta (iptacopan) can be approved only if elements necessary to assure safe use …)が承認と同時に課されたことを確認した。2026-09-17に再取得(200・2.0 MB)閲覧 2026-09-17
  5. 5.FABHALTA (iptacopan) capsules, for oral use — Highlights of Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(DailyMed)・2026)2026-09-17に再取得し、Highlights末尾の改訂表示が7/2026(RECENT MAJOR CHANGESは適応の1.2)、labelerがNovartis Pharmaceuticals Corporationであることを確認した。補体第二経路の第B因子への結合による下流エフェクター産生の制御という機序、枠組み警告(対象は莢膜形成菌による重篤感染症、1件のみ、FABHALTA REMSの対象)とワクチン接種要件、適応(成人のPNH、進行リスクのある成人の一次性IgA腎症の腎機能低下の抑制、成人のC3腎症の蛋白尿減少)、2.2の用法(逐語 `The recommended dosage of FABHALTA is 200 mg orally twice daily without regard to food.` `Swallow capsules whole. Do not open, break, or chew capsules.`)、5.2のREMSの要件が逐語 `Prescribers must enroll in the REMS.` と `Pharmacies that dispense FABHALTA must be certified in the FABHALTA REMS and must verify prescribers are certified.` で、患者側は説明を受けることと患者安全カードの携帯であって患者登録制ではないこと、4の禁忌が2項(重篤な過敏症と、莢膜形成菌による未解決の重篤な感染症がある患者での投与開始)であること、5.3の中止後最低2週間の溶血監視、5.4の脂質上昇(APPLY-PNHでベースラインの総コレステロールが正常だった54例の43%がGrade 1の高コレステロール血症、トリグリセリドが正常だった52例の23%がGrade 1の上昇。APPOINT-PNHではそれぞれ34例の24%・37例の27%)と定期的な脂質モニタリング、PNHで10%以上の副作用が頭痛・鼻咽頭炎・下痢・腹痛・細菌感染・ウイルス感染・悪心・皮疹であること、APPLY-PNHでベースライン血小板数が正常だった37例の43%に何らかのGradeの血小板減少がみられたことを確認した閲覧 2026-09-17