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Disease Atlas · 皮膚 · 疾患

貨幣状湿疹

Nummular eczema

別名
貨幣状皮膚炎円板状湿疹
臓器系
皮膚
科目
Dermatology
トピック
皮膚科 1-05:皮膚炎・湿疹群の臨床病型と治療
鑑別疾患
ばら色粃糠疹尋常性乾癬皮膚糸状菌症(白癬)
治療薬
トリアムシノロン
症状
瘙痒局面皮膚乾燥

🧠 全体像は、境界明瞭な貨幣状(コイン状)の湿疹局面を特徴とする慢性の内因性湿疹で、背景に欠乏(皮膚の乾燥)があり、若年女性と中高年男性に多い二峰性の年齢分布を示し、寒冷な冬季にしやすい。臨床上の最大の落とし穴はとの誤認である——形が丸く似ているため、⚠️ 真菌鏡検で白癬を除外しないままを開始すると、白癬を悪化・非典型化させてしまう(ステロイド外用による白癬の修飾)。 「丸い局面=まず鏡検」を徹底することが実務の要になる。

病態

湿疹の基本病理(急性期は・小水疱、慢性期は)を共有するが、では特に欠乏・皮膚バリア障害が背景にあることが多く、乾燥した皮膚に微小な外傷や刺激が加わることで境界明瞭な貨幣状の局面が形成される。冬季の低湿度環境、高齢による分泌低下、頻回の入浴・強い洗浄剤の使用などが皮膚の乾燥を助長し、増悪因子になる1

臨床像

  • 四肢(特に下腿)・体幹に、対称性に分布する境界明瞭な円形〜貨幣状の紅斑性湿疹局面(径1〜10cm程度)が多発する1
  • 若年女性(15〜25歳)と中高年男性(50〜65歳)に多い二峰性の年齢分布を示す1
  • 強いを伴い、皮膚の乾燥を背景に持つことが多い。
  • 慢性・反復性の経過をとり、寒冷な冬季にしやすい2

診断

⚠️ 丸い局面を見たら、まず真菌感染を鏡検で除外してからを開始する。 ・貨幣状の乾癬・と外見が酷似しやすく、皮膚搔爬検体ので白癬を除外することが診断の実務上の要点である12。誤って白癬にステロイドを塗布すると、炎症所見が一時的に軽快して見えながら真菌自体は増殖し、境界が不明瞭化する・鱗屑が乏しくなるなど非典型化して診断がさらに難しくなる(いわゆる「ステロイドで修飾された白癬」)。

flowchart TD
    A["境界明瞭な円形〜貨幣状の湿疹局面"] --> B["皮膚搔爬検体で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='KOH direct microscopy'>KOH直接鏡検</span>"]
    B -->|"陽性(分節状菌糸)"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tinea corporis'>体部白癬</span>として抗真菌薬治療"]
    B -->|"陰性"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nummular dermatitis'>貨幣状湿疹</span>として治療開始"]
    D --> E["経過が非典型・治療抵抗性"]
    E --> F["局面型乾癬・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pityriasis rosea'>ばら色粃糠疹</span>などを再考"]

鑑別診断

鑑別 手掛かり
活動性で隆起した辺縁、中心治癒傾向。で分節状菌糸を確認
局面型乾癬 銀白色の厚い鱗屑、伸側優位の分布、爪
の有無、皮膚に沿った小型病変の分布、経過(多くは6〜8週間で自然軽快)

治療

  1. 保湿: 白色ワセリンなど厚めの保湿剤を頻回に外用し、皮膚バリアを補修する12。入浴・洗浄剤の見直しも併せて行う。
  2. 高力価〜超高力価のなど)を病変部に直接塗布する1必ず真菌検査で白癬を除外してから開始する。
  3. の明確な証拠がない限り、抗菌薬を一律に併用しない。

まとめ

  • 欠乏を背景に持つ慢性湿疹で、境界明瞭な貨幣状の局面を特徴とし、寒冷な冬季にしやすい。
  • 若年女性(15〜25歳)と中高年男性(50〜65歳)に多い二峰性の年齢分布を示す。
  • ・局面型乾癬・と紛らわしく、真菌鏡検で白癬を除外してからを開始することが実務上最も重要な注意点である。
  • 誤ってステロイドを白癬に塗布すると非典型化・悪化するため、丸い局面を見たら鏡検を先に行う。
  • 治療の基本は保湿とで、感染の証拠がない限り抗菌薬は一律に用いない。

出典

  1. 1.Nummular Dermatitis(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)対称性に分布する境界明瞭な円形〜貨幣状の紅斑性湿疹局面(1〜10cm程度)と定義。疫学節では若年女性(15〜25歳)と中高年男性(50〜65歳)の二峰性分布を示すと記載し、鑑別診断節で体部白癬を挙げ、白癬ではKOH直接鏡検で分節状菌糸が確認できると記載。評価節でも皮膚搔爬検体のKOH直接鏡検を推奨し、治療節では白色ワセリンなど厚めの保湿剤による頻回の保湿と、高力価〜超高力価外用副腎皮質ステロイドを挙げている。閲覧 2026-08-11
  2. 2.Discoid eczema(DermNet NZ・2020)高齢男性でやや多く若年女性でも生じ、寒冷な冬季に再燃しやすい慢性疾患と記載。鑑別診断として体部白癬、局面型乾癬、ばら色粃糠疹を挙げ、貨幣状湿疹は体部白癬と外見が酷似するため皮膚搔爬検体を真菌検査に提出することが多いと明記。治療は保湿剤の頻回外用と外用副腎皮質ステロイドを基本とすることを確認した。閲覧 2026-08-11