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Disease Atlas · 血液 · 病態

無脾症・脾機能低下症

Asplenia and hyposplenism

別名
無脾症脾機能低下症機能的無脾症解剖学的無脾症AspleniaHyposplenismFunctional asplenia
臓器系
血液感染症免疫・膠原病
科目
Internal MedicinePublic HealthMedical MicrobiologyPathologyMicroscopic Anatomy and Embryology (Microscopic Anatomy)
トピック
内科学 S-51:免疫不全症公衆衛生 07:ワクチン接種微生物学 1/30:病態形成における宿主の役割病理学 A/41:先天性・後天性免疫不全症組織学 7.4:免疫・リンパ系:脾臓
鑑別疾患
多脾症候群
合併症
脾摘後重症感染症
関連疾患
バベシア症髄膜炎菌感染症内臓錯位症候群脾機能亢進
治療薬
ペニシリンVアモキシシリン
原因微生物
Capnocytophaga canimorsus
検査値
標的赤血球血小板増多症赤血球膜の小窩血算Howell-Jolly小体Pappenheimer小体
画像所見
99mTc標識加熱処理赤血球シンチグラフィ
元疾患
アミロイドーシスサルコイドーシスセリアック病移植片対宿主病鎌状赤血球症全身性エリテマトーデス潰瘍性大腸炎疱疹状皮膚炎脾梗塞
原因となる疾患
脾静脈血栓症

🧠 全体像:脾臓を失う道は3本ある——先天性(に伴う、)、外科的(外傷やのための)、機能的(脾は在るのに働かない状態)。⭐ 入口が3つでも出口は1つで、いずれも莢膜を持つ細菌(肺炎球菌・・髄膜炎菌)を血中から濾し取る機構を失う1。したがって診療の要は、脾が無い/働いていないことに気づくことと、気づいた全員に同じ予防(ワクチン・抗菌薬・)を当てることの2点に尽きる。外科的は既往から明らかだが、機能的は誰も気づかないままで顕在化しうる——ここが本症の難所である。

3つの経路

経路 代表例 気づき方
先天性 に伴う(を高率に合併)、 の精査、家族歴、乳児期の劇症感染
外科的 外傷(で温存できない例)、に対する 手術既往。唯一、確実にできる経路
機能的 鎌状赤血球症、セリアック病、ほか 血液像の異常、原疾患からの推測。能動的に疑わないと見つからない

💡 先天性のは「臓器のの異常」の一部として現れる。 では左右非対称の決定が破綻し、・として脾の欠損や分割が起こる。心臓の位置・ループ形成の異常を伴うことが多く、の合併率が高い(発生学 5.5:臨床関連)。

機能的の原因はきわめて多岐にわたり、消化管疾患(セリアック病・・・・)、肝疾患(肝硬変・門脈圧亢進)、自己免疫疾患(・血管炎)、(・)、循環障害(・)、・・高齢などが挙げられている2。

⚠️ セリアック病のは見落とされやすい典型例である。 消化器疾患として管理されている患者が、による劇症感染の高リスク群でもあることは意識されにくい。

なぜ莢膜菌なのか

脾の辺縁帯は、抗体で覆われていないそのものを認識して処理できる数少ない場であり、同時にに応答する()を維持する場でもある。・の臨床像は、この解剖学的な破綻との枯渇の両方で説明される1。

💡 脾機能の一部は他臓器が肩代わりする。 も肝・骨髄・リンパ節が引き受けられるがあり、だからこそそれらは脾機能の指標として使えない2。裏を返せば、肩代わりが利きにくい機能——を抗体なしで処理してを血中から濾し取ること、および赤血球を1個ずつ検分して内容物を抜き取ること——が、生涯にわたる穴として残る。

⚠️ 残る穴はだけではない。 後述するは、脾が赤血球の中身を抜き取った痕跡そのものである。この処理が失われるため、赤血球内に寄生する原虫に対する抵抗も落ちる——米国は重症および再発の主要な危険因子として「または」を筆頭に挙げている3。以外の原因微生物(犬猫咬傷後のCapnocytophaga canimorsus、重症マラリア・)を含めた全体像はにまとめてある。

感染症としての臨床像・初期対応・治療はに譲る。

脾機能をどう測るか

⚠️ は「手がかり」であって「検査」ではない。 で(赤芽球由来の)・・・がみられればを疑う根拠になるが、の検出は脾機能を正確には反映しない2。無いことは脾機能が保たれていることを意味しない。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hyposplenism'>脾機能低下</span>を疑う<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='splenectomy'>脾摘</span>既往・原疾患・血液像の異常)"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral smear'>末梢血塗抹</span><br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Howell-Jolly body'>Howell-Jolly小体</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='target cell'>標的赤血球</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Thrombocytosis'>血小板増多</span>"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='splenectomy'>脾摘</span>の既往が明らかか"}
    C -->|"あり"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hyposplenism'>脾機能低下</span>として扱い<br>予防をただちに開始"]
    C -->|"なし"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pitted erythrocyte'>赤血球膜の小窩</span>の比率を<br>第一選択の検査とする"]
    E --> F{"比率の判定"}
    F -->|"4%を明らかに下回る"| G["脾機能は保たれている可能性が高い<br>(単独では確定しない)"]
    F -->|"4%前後〜それ以上<br>(4%ちょうどの扱いは資料で割れる)"| H["99mTc標識加熱処理自己赤血球<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='scintigraphy'>シンチグラフィ</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='single-photon emission computed tomography'>SPECT</span>-<span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>で確認"]
    H --> D

(ピット)の比率は十分に評価された方法で、脾機能の第一選択の検査として適する。脾機能が正常であれば小窩は赤血球の0〜4%にとどまり、4%を超えるとと関連するが、臨床的に問題となるやでは15〜70%とはるかに高い値をとると総説はまとめている2。最も信頼できるのはと-の併用だが、集団のスクリーニングには使えない——だから小窩の比率を先に置き、異常値をで確かめる、という二段構えになる2。別の総説はこの小窩の定量そのものを機能的の診断のと呼んでいる4。

⭐ 小窩の比率は「どう数えるか」まで決まっている。 ふつうのでは見えないため光学系を付けた顕微鏡での赤血球表面のくぼみを観察し、合計2,000個以上の赤血球を数えて4%以上を診断とする4。⭐ この方法の強みは2つある——の初期段階でも拾えることと、比率に応じて軽度・中等度・高度に段階づけられることである4。⚠️ 特殊な光学系が要るため、どの施設でも実施できるわけではない4。

⚠️ 4%ちょうどの扱いは資料によって割れている。 一方の総説は「正常なら0〜4%で、4%を超えるとと関連する」と書き2、他方は「4%以上が診断的である」と書いている4。境界そのものの帰属が違うので、4%前後の値を単独の判定材料にしない。

にも世代がある。かつて最も多く使われたのは99mTc硫黄による肝・脾で、静止画ではなく取り込み速度を測る動的法は、正しく行えば感度96%・特異度97%とされる4。近年は99mTc標識加熱処理赤血球を用いる方法が行われ、と組み合わせると、標識赤血球の脾への取り込み率をで測ったで割った脾機能容積(% uptake/cm³)として定量できる4。⚠️ を使う方法はいずれも患者にとって侵襲的で時間がかかる4。

💡 免疫の側から脾機能を測る試みもある。 ワクチン接種に対する免疫応答や、特定のB細胞分画の評価がそれで、の患者では脾機能容積とIgM⁺CD27⁺細胞の割合が有意に正相関するという報告がある4。⭐ これは「なぜなのか」で述べたの枯渇を、別の角度から測っていることになる。

血算では脾に貯留していた血球が循環へ戻るため・をみることがある。⚠️ ()とは血球の増減が正反対である点を取り違えない。

⚠️ ただし肝疾患では、この手がかりが逆を向く。 機能的を疑う典型的な組合せは「画像で脾が正常より小さい+末梢血の」だが、総説はこの組合せから肝硬変・を明示的に除外している——これらでは脾腫と血小板減少を伴うためである4。⭐ 脾が大きく血小板が少ないことは、が無いことの証拠にならない。 原疾患が肝硬変・門脈圧亢進のときは、脾腫と血小板減少がの側の所見で覆い隠されるので、血液像との比率で脾機能そのものを直接確かめる。

予防

⭐ 予防の3本柱(ワクチン・・)は、経路が先天性でも外科的でも機能的でも同じである。 具体的な接種スケジュール、での接種時期、やアモキシシリンによるの期間、発熱時の受診指導との運用はにまとめてある。

⚠️ ワクチンの推奨内容・製剤・接種間隔は国ごとに異なる。以下は国を明示して書き分ける。 ある国の資料は、別の国で何が推奨されているか(あるいは何が推奨されていないか)の証拠にはならない。

米国(CDC成人接種スケジュール)

「・」を適応として、・髄膜炎菌ACWYワクチン・髄膜炎菌Bワクチン・(では1回)・(不活化または組換え、毎年1回)を、それぞれの免疫歴に応じて接種する5。⭐ はACWYとBの両方が挙がっている。 ACWYだけでは血清群Bをカバーできないためで、この2製剤を1つと数えると穴が残る。

⭐ は「どの製剤を、何と組み合わせて」までが推奨の一部である。 の危険因子別の一覧は、の一つとして「先天性または後天性の、あるいは脾機能不全」を名指ししたうえで、肺炎球菌を未接種の19〜49歳の危険因子保有者にPCV15・PCV20・PCV21のいずれかを1回接種するとしている。PPSV23の追加を要するのはPCV15を用いた場合だけで、そのときは1年以上あけて1回接種する(・・がある成人では最短8週間まで詰めてよい)6。⚠️ の製剤名を確かめずに「結合型のあとに莢膜ポリサッカライド」と機械的に組むと、PCV20・PCV21では不要な接種を1回増やすことになる。

⭐ 米国の推奨は「脾機能不全」という状態そのものを適応の要件に書いている。 後述する日本のが年齢(と一部の身体障害)で対象を定めるのと、対象の決め方が根本から違う。

日本

日本のは年齢(と一部の身体障害)で対象を定めており、「・」という条件で対象になる枠は無い。

ワクチン 日本のでの位置づけ
小児の肺炎球菌 生後2か月から。2024年10月以降、原則としてPCV20を用い、PCV15も使用できる7
高齢者の肺炎球菌 対象は65歳の者、および60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能障害またはによる障害がある者。1回接種。2026年度(令和8年度)よりPPSV23からPCV20へ変更された8
Hib 5種混合ワクチンに含まれ、生後2か月からの乳幼児期に接種する9。単味の(アクトヒブ)の電子添文は接種対象を2ヵ月齢以上5歳未満の者と定めている10
髄膜炎菌 の対象ワクチン一覧に載っていない()9

⚠️ したがって日本では、の患者に必要なワクチンの多くがの枠外に落ちる。 高齢者肺炎球菌の対象要件には挙がっておらず、はそもそもの一覧に無い。

⚠️ 米国との食い違いがいちばん大きいのはHibだが、「国内には根拠が無い」と早合点しない。 の成人スケジュールは「・」を適応として成人にもHibを1回接種するとしている5。国内のアクトヒブの電子添文は「通常、本剤の接種は2ヵ月齢以上5歳未満の間にある者に行う」と定め、・を効能又は効果に掲げてもいない10。ここだけを見ると5歳以上は枠外に見えるが、年齢帯で分けて考える必要がある。

年齢帯 国内の位置づけ
2か月〜5歳未満 の対象年齢(5種混合に含まれる)9
5歳以上15歳未満 日本小児科学会が「5歳以上の脾機能不全・・感染症・後で未接種者」を推奨接種対象者とし、1回接種を勧めている11
15歳以上(成人) 国内に明示の推奨が見当たらない。の成人スケジュールを当てはめるかどうかは個別の判断になる

⭐ 5〜15歳では国内にも学会の明示の推奨がある。 同学会の文書はHibの「接種適応外の年齢」を2か月未満のみとし、5歳以上を「対象年齢以外での接種可能年齢」に位置づけている11。添文の「通常」という語はこの運用と矛盾しない。⚠️ 電子添文だけを見て「5歳を過ぎたら国内では打てない」とすると、この年齢帯の患者が接種の機会を失う。 がであることと合わせ、どの国の・どの文書の推奨を根拠にしているのかを毎回明示する必要がある。

⭐ 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23、ニューモバックスNP)の電子添文は、効能又は効果の第一項に「患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」を独立して掲げている。 同項は「2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者」という見出しのもとに置かれ、これに続く「肺炎球菌による感染症の予防」の対象として、鎌状赤血球疾患あるいはその他の原因で脾機能不全である患者、心・呼吸器の慢性疾患・腎不全・・糖尿病・慢性等の基礎疾患のある患者、高齢者、を有する治療が予定されている者(治療開始まで少なくとも14日以上のがある者)が挙げられている12。用法及び用量は1回0.5 mLのまたは皮下注射で、2歳未満の者には投与しない12。⭐ つまり効能の文言は、解剖学的()と機能的(脾機能不全)の両方を名指ししている。

⚠️ ところが、効能の範囲と保険給付の範囲がずれている。 同じ電子添文の「保険給付上の注意」は、本剤の保険給付を「2歳以上の患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」の目的で使用した場合(このほか、・・を投与されている患者)に限定している12。⭐ 効能に入っている「その他の原因で脾機能不全である患者」は、この限定の中に入っていない。 解剖学的に脾を失った患者には制度上の受け皿があるのに、脾が在るのに働いていない患者には無い——本症の難所である「気づかれない機能的」が、日本では費用負担の面にもそのまま現れる。誰が接種の機会と費用を引き受けるかを、を決めた時点で決めておく必要がある。

⚠️ ワクチンを接種してもは中止しない。 同じ電子添文は「肺炎球菌の感染の著しいおそれのある者に対してペニシリン等のの予防投与が行われている場合は、本剤の接種後もの投与を中止しないことが望ましい」と明記している12。ワクチンは予防の3本柱のうちの1本であって、残り2本を置き換えるものではない。なお、過去5年以内に多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者では、再接種により注射部位の疼痛・紅斑・等の副反応が初回接種より頻度が高く程度も強く現れると報告されており、再接種は必要性を慎重に考慮したうえで前回接種から十分な間隔を空けて行う12。

⚠️ 用法も米国と同じではない。 国内で流通する4価髄膜炎菌(メンクアッドフィ筋注)の電子添文は、効能又は効果を「髄膜炎菌(血清群A、C、W及びY)による侵襲性の予防」、用法及び用量を「1回、0.5mLを接種する」と定めており、2歳未満の安全性・有効性は確立していないとしている13。⭐ 同じ電子添文は、本剤では血清群Bによる侵襲性を予防できないと明記している13。米国のスケジュールにある回数・追加接種の規定や血清群Bへの対応を、そのまま国内の用法として読み替えない。

⚠️ 機能的の患者には「」という申し送りが付かない。 原疾患を診ている科が予防の責任を引き受けなければ、誰も接種しないまま高リスク群として放置される。早期の認識との改善が課題として繰り返し指摘されている1。

まとめ

  • ・には先天性・外科的・機能的の3経路があり、行き着く先はいずれもへの感受性である。
  • 機能的の原因は消化管・肝・自己免疫・血液腫瘍・循環障害と多岐にわたり、セリアック病や鎌状赤血球症が代表である。
  • は疑いのきっかけにはなるが脾機能を正確には反映しない。定量にはの比率を第一選択とし(微分干渉光学系で2,000個以上を数え、比率で軽度・中等度・高度に段階づけられる。⚠️ 4%ちょうどの扱いは資料間で割れる)、異常値をで確認する。肝硬変・門脈圧亢進では脾腫と血小板減少を伴うため、「脾が小さい・血小板が多い」という手がかりが使えない。
  • 予防はワクチン・・の3本柱で、経路によらず同じである。ワクチンの推奨は国ごとに異なるため、どの国の推奨に従っているかを常に明示する。
  • 米国はを適応として肺炎球菌・髄膜炎菌ACWY・髄膜炎菌B・Hib・季節性インフルエンザを挙げる(Hibはで1回)。肺炎球菌については「先天性・後天性のまたは脾機能不全」を名指しした危険因子として扱い、未接種の19〜49歳にはPCV15・PCV20・PCV21のいずれかを1回、PPSV23の追加が要るのはPCV15を使ったときだけである。
  • Hibの国内の位置づけは年齢帯で分かれる——アクトヒブの電子添文は「通常」の接種対象を2ヵ月齢以上5歳未満とするが、日本小児科学会は5歳以上15歳未満の脾機能不全・Hib未接種者に1回接種を推奨しており、明示の推奨が見当たらないのは成人だけである。日本のは年齢(と一部の身体障害)で対象を定めており、・という条件で対象になる枠が無い——高齢者肺炎球菌の対象要件には挙がらず、はの一覧に無い。
  • ただし肺炎球菌にはとは別の経路がある。PPSV23(ニューモバックスNP)の電子添文は効能又は効果の第一項に「患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」を掲げ、脾機能不全の患者も効能の対象に含める。一方で保険給付は「2歳以上の患者」(と・・の投与患者)に限定されており、機能的はこの限定から外れる。 接種の機会と費用を誰が引き受けるかを、の決定と同時に決めておく。
  • 外科的はできるが、機能的は能動的に疑わなければ見つからない。ここが予防の実装が破綻する最大の場所である。

出典

  1. 1.Asplenia and spleen hypofunction(Nature Reviews Disease Primers・2022)無脾症は脾の先天的または後天的な欠如、脾機能低下症は脾機能の障害と定義され、いずれも莢膜を持つ細菌(髄膜炎菌・肺炎球菌・インフルエンザ菌b型)による重症・侵襲性感染への感受性を高めること、無脾症の主因は外傷または血液腫瘍性疾患に対する脾摘であること、脾機能低下症は血液・感染・自己免疫・消化管の各領域の疾患で起こりうること、臨床像の主因が脾の解剖学的破綻とIgM記憶B細胞をはじめとする免疫細胞の枯渇と考えられること、予防はワクチンと抗菌薬予防投与であることを確認した。抄録のみを閲覧しており全文は未取得閲覧 2026-09-02
  2. 2.Assessment of splenic function(European Journal of Clinical Microbiology & Infectious Diseases・2010)脾機能低下の原因を先天性・血色素症・消化管・肝・自己免疫・血液腫瘍・感染・循環障害・その他に分類した一覧を示していること、Howell-Jolly小体の検出は脾機能を正確には反映せず、pitted erythrocyte(赤血球膜の小窩)の比率が十分に評価された方法で第一選択の検査として適することを総説として結論づけていること、脾機能が正常なら小窩は赤血球の0〜4%にみられ4%超が脾機能低下と関連するが臨床的に問題となる脾機能低下や無脾症では15〜70%とはるかに高い値をとると既報を引いて述べていること、脾機能の評価としては99mTc標識加熱処理自己赤血球シンチグラフィとSPECT-CTの併用が最も優れるが集団のスクリーニングには適さないこと、脾摘後にも肝・骨髄・リンパ節が代替しうる免疫機能は脾機能の指標にならないことを確認した閲覧 2026-09-02
  3. 3.Clinical Overview of Babesiosis(Centers for Disease Control and Prevention・2024)「Key risk factors for severe babesiosis and/or relapse include」の筆頭項目が「Asplenia or hyposplenia」であることを、ページ本文(2024年2月13日更新)で確認した。素のcurlは403を返すためWebFetchで本文を取得した閲覧 2026-09-05
  4. 4.Functional hyposplenism(Hippokratia(Kirkineska L, Perifanis V, Vasiliadis T)・2014)総説の全文(PMC4103047。2026-09-07にブラウザUA付きでPMCのHTMLから再取得。Europe PMCのfullTextXMLは404)を取得し、「Diagnosing functional hyposplenism」の節が、機能的脾機能低下を疑う候補を「上記の疾患のいずれかを有し、いずれかの画像モダリティで脾が正常より小さく、末梢血に血小板増多を認める患者」と述べたうえで、括弧書きで「肝硬変および門脈圧亢進症の患者は脾腫と血小板減少を伴うため除く」と明記していることを確認した。同節がHowell-Jolly小体の検出感度は低く、とくに軽度の脾機能低下でそうであるとしていることも同じ本文で確認した。あわせて同節が、小窩(pitted)赤血球の定量を機能的脾機能低下症の診断のゴールドスタンダードとし、光学顕微鏡に微分干渉(Nomarski)光学系を付けて塗抹標本を観察すること、「合計2,000個以上の検体のうち4%以上の小窩赤血球が診断的である」こと、この装置が常に利用できるわけではないが初期段階でも検出できること、比率に応じて脾機能低下を軽度・中等度・高度に段階づけられることを述べていること、99mTc硫黄コロイドによる肝・脾シンチグラフィがかつて最も多く用いられた画像モダリティで、取り込み速度を測る動的法は正しく行えば感度96%・特異度97%であるとしていること、近年は99mTc標識加熱処理赤血球を用いる方法が行われSPECTと組み合わせると標識赤血球の脾取り込み率をCTで測った脾容積で割った脾機能容積(% uptake/cm³)が算出できるとしていること、⚠️ これら放射性同位元素法は患者にとってより侵襲的で時間がかかるという欠点があるとしていること、ワクチン接種に対する免疫応答や特定のB細胞分画の評価といった新しい方法が現在用いられており、脾機能低下患者では脾機能容積とIgM⁺CD27⁺細胞の割合に有意な正の相関があるとする研究があると述べていることを確認した。⚠️ 小窩赤血球の閾値について、本総説は「4%以上」を診断とし、de Porto 2010は「4%超が脾機能低下と関連する」と書いており、4%ちょうどの扱いが資料間で割れている閲覧 2026-09-05
  5. 5.Adult Immunization Schedule by Medical Condition and Other Indication(Centers for Disease Control and Prevention・2025)「Asplenia, complement deficiencies」の列に、季節性インフルエンザ(不活化・組換え)を毎年1回、肺炎球菌、髄膜炎菌ACWY、髄膜炎菌B、Hib(無脾症では1回)が適応として挙げられていることを、ページ本文(2025年7月2日更新)で確認した。個々の接種間隔はNotesの節を参照する形になっている閲覧 2026-08-09
  6. 6.Summary of Risk-based Pneumococcal Vaccination Recommendations(Centers for Disease Control and Prevention・2026)危険因子の一覧に「先天性または後天性の無脾症、あるいは脾機能不全」が免疫不全状態の一つとして挙げられていること、肺炎球菌結合型ワクチンを未接種の19〜49歳の危険因子保有者にはPCV15・PCV20・PCV21のいずれかを1回接種すること、PCV15を用いた場合は1年以上あけてPPSV23を1回追加すること、免疫不全状態・人工内耳・髄液漏のある成人ではこの間隔を最短8週間まで詰めてよいことを、ページ本文(2026年5月8日更新)で確認した。素のcurlは403を返すためWebFetch経由で取得した閲覧 2026-09-07
  7. 7.子どもの肺炎球菌ワクチン(厚生労働省・2026)「定期接種に使用するワクチン」の節に「2024年10月以降、原則として、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)を使用します。沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)も使用可能です」と記載されていること、定期接種の対象が生後2か月からの小児であることを、ページ本文を取得して確認した(Q&Aは2026年3月10日版)閲覧 2026-09-05
  8. 8.高齢者の肺炎球菌ワクチン(厚生労働省・2026)「定期接種の対象者とスケジュール」に「以下に該当する方に、1回の接種を行います。65歳の方/60〜64歳で対象となる方(心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方)」と定められ、無脾症・脾摘後が対象要件に挙がっていないこと、「なお、令和8年度より、定期接種で用いるワクチンが23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)から、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)に変更になりました」と記載されていることを、ページ本文(Q&Aは2026年2月20日版)を取得して確認した閲覧 2026-09-05
  9. 9.予防接種・ワクチン(定期接種の対象疾病)(厚生労働省・2026)「ワクチンを一覧で見る」の表に載っている定期接種ワクチン(RSウイルス・ロタウイルス・5種混合〈ジフテリア・破傷風・百日せき・ポリオ・Hib感染症〉・子どもの肺炎球菌・B型肝炎・BCG・MR・水痘・日本脳炎・DT・HPV・高齢者の肺炎球菌・帯状疱疹・高齢者のインフルエンザ・高齢者の新型コロナ)に髄膜炎菌ワクチンが含まれていないこと、Hibワクチンが5種混合ワクチンとして生後2か月からの接種であることを、ページ本文を取得して確認した閲覧 2026-09-05
  10. 10.アクトヒブ 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2025)2025年2月改訂(第5版)の電子添文本文を取得し、4「効能又は効果」が「インフルエンザ菌b型による感染症の予防」であること、7.1「接種対象者・接種時期」が「通常、本剤の接種は2ヵ月齢以上5歳未満の間にある者に行うが、標準として2ヵ月齢以上7ヵ月齢未満で接種を開始すること」と定め、接種開始齢が1歳以上5歳未満の場合は通常1回皮下注射とすること、6「用法及び用量」が皮下注射であることを確認した。無脾症・脾摘を効能又は効果に掲げる記載は本文中に無い閲覧 2026-09-05
  11. 11.定期接種対象外の年齢小児(15歳未満)へのワクチン接種(日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会・2020)2015年11月作成・2020年12月改訂のPDF全文を取得し、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(Hibワクチン)の行が、定期接種対象年齢を2か月以上5歳未満、定期接種対象年齢以外での接種可能年齢を5歳以上、接種適応外の年齢を2か月未満とし、推奨接種対象者を「5歳以上の脾機能不全・補体欠損症・HIV感染症・骨髄移植後でHibワクチン未接種者」、接種回数を「1回接種」と定めていることを確認した。本文書の射程は15歳未満の小児であり、成人については扱っていない閲覧 2026-09-05
  12. 12.ニューモバックスNPシリンジ 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2025)2025年10月改訂(第5版)の電子添文本文を取得し、4「効能又は効果」が「2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者」の見出しのもとに「脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」を独立した項として掲げ、続く「肺炎球菌による感染症の予防」の対象として1)鎌状赤血球疾患、あるいはその他の原因で脾機能不全である患者、2)心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患のある患者、3)高齢者、4)免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始まで少なくとも14日以上の余裕のある患者を挙げていることを確認した。25「保険給付上の注意」が「本剤は『2歳以上の脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防』の目的で使用した場合、又はスチムリマブ(遺伝子組換え)、ペグセタコプラン若しくはイプタコパン塩酸塩水和物投与患者に保険給付が限定される」と定めていること、6「用法及び用量」が「1回0.5mLを筋肉内又は皮下に注射する」であること、2.1で2歳未満の者には投与しないとされていること、15.1.3が「肺炎球菌の感染の著しいおそれのある者に対してペニシリン等の抗生物質の予防投与が行われている場合は、本剤の接種後も抗生物質の投与を中止しないことが望ましい」と記していること、8.4が過去5年以内に多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者では本剤の接種により注射部位の疼痛・紅斑・硬結等の副反応が初回接種よりも頻度が高く程度が強く発現すると報告されているとしていることも同じ本文で確認した閲覧 2026-09-05
  13. 13.メンクアッドフィ筋注 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2025)2025年9月改訂(第9版)の電子添文本文を取得し、効能又は効果が「髄膜炎菌(血清群A、C、W及びY)による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防」であること、用法及び用量が「1回、0.5mLを筋肉内接種する」であること、7.1に「2歳未満の小児等に対する安全性及び有効性は確立していない」とあること、5.1に本剤では血清群Bに起因する侵襲性髄膜炎菌感染症を予防できないと明記されていることを確認した閲覧 2026-09-05