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Drug Atlas · C8 Antibiotics / 抗菌薬 · 必修

ペニシリンV

phenoxymethylpenicillin

分類
Antibiotics / 抗菌薬
商品名(EU)
Ospen
科目
Pharmacology
トピック
C8: Penicillins
標的微生物
Streptococcus pyogenes / GASStreptococcus pneumoniae
副作用
下痢皮疹
対象疾患
リウマチ熱・リウマチ性心疾患リンパ管炎鎌状赤血球症急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍丹毒・蜂窩織炎溶連菌感染後糸球体腎炎猩紅熱脾摘後重症感染症
原因となる疾患
クロストリディオイデス・ディフィシル感染症

🧠 全体像とまったく同じを持つだが、フェノキシを側鎖につけたことで胃酸に安定になり、が可能になった。だから「なぜGではなくVを選ぶか」の答えは薬理ではなく製剤の化学的安定性にある——Gは酸で分解されるため注射専用、Vは経口専用という完全な棲み分けである。臨床での主戦場は咽頭炎の第一選択と、・鎌状赤血球症の肺炎球菌予防という「確実な経口内服を長く続けたい」場面になる。

薬効群の中での位置づけ

代表 特徴
(注射) 酸に弱い。IV/IM専用
(経口) 酸に安定。外来経口の第一選択
(デポ筋注) 難溶性。1回筋注で数週間持続

/V/が同一の3兄弟。 区別すべきは「どこまで効くか」ではなく「どう投与するか」——Gは注射、Vは経口、は長時間作用の筋注、というの違いだけで使い分ける。

機序

抗菌機序はと同一で、PBPに共有結合してペプチドグリカンの架橋(反応)を阻害し、を止めてさせるである。

💡 フェノキシメチル側鎖が変えたのは薬効ではなく安定性。 この側鎖は抗菌力そのものにはほとんど寄与せず、胃酸によるの加水分解を防ぐことだけに働く。だからとまったく同じままである。

薬物動態

項目 値・特徴
良好(酸に安定なため胃を通過できる)
食事の影響 空腹時の方が吸収がよい
分布 髄液へは炎症時でも移行が乏しく、中枢神経感染には使わない
排泄 が主体
半減期 短い(約1時間)ため1日3〜4回投与が基本

適応

領域 使いどころ
咽頭・皮膚 咽頭炎・の第一選択(10日間)、・蜂窩織炎(軽症例)
咽頭炎の除菌(単回筋注の代替として10日間内服)、再発予防の筋注が困難な場合の連日内服代替
血液 鎌状赤血球症の小児における肺炎球菌感染予防(への対応)
で、活動性の感染が残っていれば治療する(腎炎の経過自体は短縮しない)

用法・用量

経口のみ。成人・年長児では1回250〜500 mgを1日4回(または1日3回)、空腹時服用が望ましい。鎌状赤血球症の肺炎球菌予防では乳幼児期から低用量を連日投与する。実際の用量は適応・年齢・体重・製剤で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌への過敏症
  • 中枢神経感染には使わないが乏しいため、髄膜炎などには静注を用いる
  • が確保できない場合はの筋注を検討する

副作用

頻度 内容
高頻度 下痢、悪心
注意 皮疹。IgE介在の蕁麻疹とを区別する
重篤・まれ アナフィラキシー、

まとめ

  • が同一の。違いは側鎖による酸安定性だけで、が可能になっている。
  • 咽頭炎・の第一選択。
  • 、鎌状赤血球症の肺炎球菌予防など「確実な経口内服を長期継続したい」場面で使う。
  • が乏しいため中枢神経感染には使わない(その役割は静注が担う)。
  • 半減期が短く1日3〜4回投与が基本。空腹時服用で吸収がよい。