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Imaging findings · Published

FDG-PET

FDG-PET

別名
FDG-PET/CTフルオロデオキシグルコースPET18F-FDG PET
臓器系
腫瘍感染症全身
科目
OncologyBiochemistry
トピック
腫瘍学 I-04:腫瘍診療における画像検査の役割生化学 15/3:腫瘍代謝生化学 4/3:解糖系
関連疾患
サルコイドーシスホジキンリンパ腫不明熱
スコア
PERCIST

🧠 全体像:FDG-PETが答えるのは「そこに何があるか」ではなく「そこのが周囲より亢進しているか」である。この一点しか画像化しないため、活動性の炎症・も腫瘍と見分けがつかずに光り、逆にの低い腫瘍は写らない。で決めるべきは良悪性の断定ではなく、病期を確定してを変えるか、経過観察でよいかという次の一手である。

何を可視化しているか

18F標識のグルコース類似体である18F-FDG()は、を介して細胞内に取り込まれ、によりへリン酸化される。グルコースと異なりこの先のでは代謝されず、そのまま細胞内に捕捉され続ける。

💡 腫瘍細胞ではGLUT発現と活性がともに亢進し、さらに酸素が十分にある条件でも解糖に依存する)によりへの依存度そのものが上がる。取り込みが多いほど信号が強くなるだけで、そのものを行っているわけではない。

撮像の実際と定量

検査前の絶食とが前提になる。非糖尿病患者は検査開始の少なくとも4時間前から食事・単純糖質・水以外の水分摂取を控え、血漿血糖値が11 mmol/L(約200 mg/dL)未満であることを確認して撮像する。研究目的ではより厳格な7〜8.3 mmol/Lが推奨される1

集積の強さは(SUV)で半定量化する。は病変内で最も高い1ボクセルの値、SUVpeakは最大値周辺の小さな体積の平均値で単一ボクセルへの依存を避ける。で正規化したSUL(SUVmean・SUVpeakを体重ではなくで補正した値)は体組成の影響を受けにくく、治療反応評価でSUVより推奨される1

⚠️ SUVは施設間・機種間で直接比較できない。 ・検出器の・撮像タイミング・血糖値の違いにより同じ病変でも値が変わるため、などで標準化された条件を用いない限り絶対値をそのまま施設をまたいで比較してはならない1を追うときは同一施設・同一プロトコルで撮像するのが基本になる。

いつ行うか

有用な場面:

⭐ 固形腫瘍の治療効果判定にはを用いる。SULpeak(直径1.2cmのROI内の平均値)を指標に、は集積が肝臓・血液プールと区別できないまで消失、はSULpeakが30%以上かつ0.8 SUL単位以上低下、は30%超かつ0.8 SUL単位超の増加または新規病変の出現と定義される。は4〜6時間以上の絶食と補正前血糖値200 mg/dL未満(インスリン使用不可、は可)を条件とする4

不要な場面:

  • だけで診断・が既に決まっている場合
  • がつかずの条件を満たせない場合(延期を検討する)

できないこと:

良悪性を判断する視点

⭐ SUVの高さだけで良悪性を断定しない。活動性の腫や術後炎症は腫瘍と重なるSUVを示し、逆に低悪性度腫瘍は低いSUVでも悪性でありうる。形態(辺縁・不整)、分布パターン(単発か多発か、の広がりに沿うか)、(新規出現か、既存病変の増大か)を組み合わせて判断し、単発の集積所見だけでを変えない。

評価の進め方

flowchart TD
    A["悪性腫瘍の病期・再発・治療効果を評価したい"] --> B["絶食・血糖を確認<br>(4時間以上絶食、血糖11 mmol/L未満)"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='FDG PET/CT'>FDG-PET/CT</span>を撮像"]
    C --> D{"過去画像があるか"}
    D -->|"あり"| E["同一部位のSUV・分布を経時比較"]
    D -->|"なし"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anatomic imaging'>形態画像</span>上の異常と対比"]
    E --> G{"新規集積または増悪か"}
    G -->|"はい"| H["腫瘍活動性を疑い生検・追加精査"]
    G -->|"いいえ・不変"| I["治療<span class='jp-term jp-term-diagram' title='(treatment) response'>奏効</span>、または非腫瘍性集積を疑う"]
    F --> J{"形態異常部に一致する集積か"}
    J -->|"一致し高集積"| H
    J -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='physiologic uptake'>生理的集積</span>・偽陰性パターンに合致"| K["紛らわしい所見として個別に評価"]

⚠️ 紛らわしいもの

  • :脳(灰白質は常に強く集積する)、心筋(食後や絶食不十分で変動)、尿路(排泄経路)、腸管、声帯、胸腺(若年者で残存)、骨髄(でびまん性に上昇)
  • への集積。 ・不安・若年女性でに対称性の高集積を示す。検査室の室温を上げる、検査前にベンゾジアゼピンやβ遮断薬を投与するなどで抑制する
  • 偽陽性:活動性の炎症・、術後変化、に一致した集積)
  • 偽陰性になる腫瘍(→)、前立腺癌MALTリンパ腫など集積が一定しない、脳内病変(背景の生理的高集積に隠れる。ただしは皮質を超える高集積を示し、の鑑別に使える)、1cm未満ので過小評価される)
  • 高血糖・インスリン投与直後は腫瘍への集積が低下する。 正常組織へのグルコース取り込みが優先されるため、での絶食・血糖確認が欠かせない
  • 投与後・化学療法後は反応性造血により骨髄・脾臓がびまん性に集積し、腫瘍病変と紛れる
  • など)投与後は、腫瘍が縮小する前に一過性に腫大・集積が増すが起こりうるほか、甲状腺炎・・大腸炎などのそのものが集積として現れる

まとめ

  • FDG-PETはの亢進を映す検査であり、そのものではない。の到達点は良悪性の断定ではなく次の一手(病期確定・治療変更か経過観察か)である
  • FDGは代謝されず細胞内に捕捉され続け、GLUT発現亢進とが腫瘍での高集積を説明する
  • 撮像には絶食・が必須で、SUVは施設・機種間で直接比較できない。治療効果判定は固形腫瘍でPERCIST、リンパ腫で)という別の基準を使う
  • ・治療効果判定に加え、やデバイスで有用
  • ・炎症性偽陽性・高分化型NETなどの偽陰性腫瘍・血糖の影響・G-CSF後の骨髄集積・関連の集積が解釈を乱す

出典

  1. 1.FDG PET/CT: EANM procedure guidelines for tumour imaging: version 2.0(European Association of Nuclear Medicine(European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、Boellaard R, et al.)・2015)非糖尿病患者は検査開始の少なくとも4時間前から食事・単純糖質・水以外の水分摂取を控えるべきとされ、臨床診療では血漿血糖値11 mmol/L(約200 mg/dL)未満を撮像可否の目安とし研究目的では7〜8.3 mmol/Lとより厳格な基準が推奨されること、SUVは体重補正よりも除脂肪体重補正のSUL(standardized uptake value normalized to lean body mass)の使用が治療反応評価で推奨されること、再構成条件・検出器分解能・血糖値の違いによりSUVは施設・機種間で直接比較できずEARL認定などによる標準化が必要とされることを確認した。閲覧 2026-08-04
  2. 2.From RECIST to PERCIST: Evolving Considerations for PET Response Criteria in Solid Tumors(Journal of Nuclear Medicine(Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、Wahl RL, et al.)・2009)PERCIST 1.0は標的病変のSULpeak(直径1.2cmの球状ROI内の平均値)を主要指標とし、検査前は4〜6時間以上の絶食かつ補正前血糖値200 mg/dL未満(インスリン使用は不可、経口血糖降下薬は可)を条件とすること、判定基準は完全代謝奏効(CMR)=集積が肝臓・血液プールと区別できないまで消失、部分代謝奏効(PMR)=SULpeakが30%以上かつ0.8 SUL単位以上低下、進行性代謝疾患(PMD)=30%超かつ0.8 SUL単位超の増加または新規病変であることを確認した。閲覧 2026-08-04
  3. 3.Lugano 2014 criteria for assessing FDG-PET/CT in lymphoma: an operational approach for clinical trials(Drug Design, Development and Therapy(Van Heertum RL, Scarimbolo R, Wolodzko JG, et al.)・2017)Deauville 5段階スケールは縦隔血液プールと肝臓を基準に集積を1(背景以下)から5(肝臓を著明に超える集積または新病変)まで視覚的に判定する尺度であること、中間評価ではスコア4〜5でもSUVmaxが25%を超えて低下すれば部分奏効、50%を超えて増加すれば進行と判定する一方、治療終了時評価ではスコア4〜5は数値変化にかかわらず治療不成功と判定されること、Lugano 2014基準がAnn Arbor分類を改変して組み込んでいることを確認した。閲覧 2026-08-04
  4. 4.Joint SNMMI-ASNC Expert Consensus Document on the Role of 18F-FDG PET/CT in Cardiac Sarcoid Detection and Therapy Monitoring(Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging / American Society of Nuclear Cardiology(Journal of Nuclear Medicine、Chareonthaitawee P, et al.)・2017)心臓FDG-PETでは正常心筋の生理的糖利用を脂肪酸代謝優位に切り替えて抑制する必要があり、推奨される前処置は前日に高脂肪(35g超)・低炭水化物(3g未満)の食事を2食以上摂ったうえで4〜12時間絶食する方法、またはそれが難しい患者では18時間以上の絶食のみとする方法のいずれかで、未分画ヘパリン静注を補助的に併用することがあるが単独での抑制効果は限定的とされることを確認した。閲覧 2026-08-04