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Disease Atlas · 循環器 · 疾患

感染性心内膜炎

Infective endocarditis

別名
IE
臓器系
循環器感染症
科目
Cardiology, Heart Surgery, Angiology, Vascular SurgeryPathology
トピック
循環器内科 A-10:感染性心内膜炎循環器内科 B-21:感染性心内膜炎の外科的治療病理学 B/33:感染性心内膜炎
鑑別疾患
Trousseau症候群カルチノイド心疾患心臓粘液腫乳頭状線維弾性腫非細菌性血栓性心内膜炎不明熱
合併症
脾梗塞
続発疾患
脳膿瘍三尖弁閉鎖不全症大動脈弁閉鎖不全症僧帽弁閉鎖不全症ネフリティック症候群大動脈瘤膜性増殖性糸球体腎炎肺膿瘍
関連疾患
脊椎椎体炎・椎間板炎
治療薬
ペニシリンGセフトリアキソンゲンタマイシンアンピシリンバンコマイシンダプトマイシンリファンピシンフルコナゾールアモキシシリンフルクロキサシリンセファゾリン
原因微生物
Bartonella quintanaStaphylococcus aureusEnterococcus faecalisCandida albicansCoxiella burnetiiPropionibacteriumStaphylococcus epidermidisStreptococcus mitisStreptococcus mutansViridans group streptococciHACEK groupStaphylococcus lugdunensisNutritionally variant streptococciMycobacterium chimaera
症状
ばち指悪寒倦怠感顕微鏡的血尿紅斑寝汗線状出血Janeway病変Osler結節体重減少点状出血頭蓋内出血発熱網膜出血
検査値
リウマトイド因子
画像所見
敗血症性肺塞栓FDG-PET
スコア
Duke基準
組織像
感染性心内膜炎(僧帽弁)
下位分類
心臓デバイス関連感染性心内膜炎
元疾患
Whipple病カテーテル関連血流感染ブルセラ症ラット咬傷熱菌血症骨髄炎植込み型除細動器大動脈縮窄塹壕熱
原因となる疾患
う蝕カンジダ症リウマチ熱・リウマチ性心疾患根尖性歯周炎歯周炎精神作用物質使用症(アルコール以外)先天性心疾患(非チアノーゼ性・チアノーゼ性)僧帽弁狭窄症大動脈弁狭窄症動脈管開存症
適応薬
テイコプラニン
禁忌薬
レテプラーゼ

🧠 全体像:では、菌血症を起点に弁・心内膜へ疣贅が形成され、一つの病変から「による心不全」「」「免疫複合体障害」が同時に生じる。診断は血液培養と心画像を組み合わせ、治療は抗菌薬との要否をで判断する。

定義と分類

は、細菌や真菌などが心臓弁、心内膜、、心内デバイスへ感染し、疣贅や組織破壊を生じる疾患である。

疣贅はフィブリン、血小板、炎症細胞、壊死組織、病原体からなり、脆いためとなる。

分類軸 主な区分
感染部位 、、、
経過 急性、亜急性
獲得状況 市中、医療関連、関連
起因菌 ブドウ球菌、レンサ球菌、腸球菌、群、真菌、培養陰性群

起因菌とリスク

起因菌・状況 特徴
黄色ブドウ球菌 正常弁にも感染し得る高菌。急性経過、医療関連、、デバイス感染で重要
Viridans群レンサ球菌 口腔由来。既存障害弁に亜急性経過で生じやすい
腸球菌 消化管・泌尿生殖器由来やで重要
群 で、培養に時間を要することがある
真菌 、免疫不全、長期などで考慮

主な素因は、、性心内膜炎、、弁膜症、透析・、やICD、、免疫不全である。

病態

💡 細菌が正常な内皮にそのまま付くわけではない。まず「取り付く」ができる。 弁膜症・によるや、・ペースメーカなどの異物によって内皮が傷むと、血小板とフィブリンからなる無菌の疣贅————が生じる。これがの重要な素因であり、歯科・・・泌尿器科の処置に伴うの細菌がこの部位に付着・増殖して感染性の疣贅になる1。⚠️ だからは基礎的なを持つ患者に多いが、それだけではない——黄色ブドウ球菌のようにの強い菌では、それまで正常だった弁にもが起こりうる1。

flowchart TD
    A["菌血症・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fungemia'>真菌血症</span>"] --> B["感受性のある心内膜・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prosthesis'>人工物</span>へ付着"]
    B --> C["フィブリン・血小板を含む疣贅形成"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='valve perforation'>弁穿孔</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chordal rupture'>腱索断裂</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='annular abscess'>弁輪膿瘍</span>"]
    D --> E["急性弁逆流・心不全・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conduction disturbance'>伝導障害</span>"]
    C --> F["疣贅の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fragmentation'>断片化</span>"]
    F --> G["脳・脾・腎・肺などへの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='septic embolism'>敗血症性塞栓</span>"]
    C --> H["免疫複合体形成"]
    H --> I["糸球体腎炎・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Osler node'>Osler結節</span>など"]

病変では脳・脾・腎・末梢へ、病変では肺へ塞栓しやすい。新規の房室ブロックは感染が周囲へ進展した徴候となり得る。

臨床像

末梢所見 特徴
手掌・足底の無痛性紅斑。を反映
の有痛性結節。が関与
淡色中心を伴う。に特異的ではない

古典的末梢所見がなくてもは否定できない。に、塞栓、、、原因不明のを伴う場合は強く疑う。

診断

血液培養

が許す限り、抗菌薬開始前に複数セットの血液培養を異なるから採取する。すでに抗菌薬が投与されている場合、レンサ球菌(Abiotrophia属・Granulicatella属)のような要求性が発育を妨げるの原因菌やも含めて再評価する。

画像

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='infective endocarditis, IE'>感染性心内膜炎</span>を疑う"] --> B["複数セットの血液培養+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transthoracic echocardiography (TTE)'>経胸壁心エコー</span>"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prosthetic valve'>人工弁</span>・デバイス・画像不十分・疑いが高い"}
    C -->|"はい"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transesophageal echocardiography (TEE)'>経食道心エコー</span>"]
    C -->|"いいえ"| E["臨床基準と経過を統合"]
    D --> F{"初回陰性でも疑いが残る"}
    F -->|"はい"| G["心エコー反復+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cardiac CT'>心臓CT</span>・核医学画像を検討"]
    F -->|"いいえ"| E
    G --> E

で疣贅、弁逆流、心機能を評価し、・デバイス感染、膿瘍疑い、画像不十分、臨床的疑いが高い場合はを用いる。は膿瘍、、瘻孔、など傍弁構造の評価に有用である。

・デバイス関連では、術後変化に注意しながらやを追加することがある。脳、脾、腎、肺などのも検索する。

診断基準

は2023年にDuke-ISCVID版へ改訂され、典型的な起因菌の血液培養陽性と、疣贅・膿瘍・などのをの柱とする点は維持しつつ、心臓手術中の直視所見という新しい領域が加わった2。の証拠として認める画像も、・に加えてや/(植込み後3か月以降を目安に判定)まで広がっている2。血液培養については、⚠️ 採血の間隔と「別々の」という要件そのものが撤廃された——簡略化ではなく削除である2。複数セットの採取と、可能な限り別の部位から穿刺することは最良の実践として今も推奨されるが、基準を満たすための要件ではなくなった2。💡 この帰結として、2000年の修正にあった「時間を空けた採血で持続的に陽性」というの経路は独立した項目としては残っていない——を満たすかどうかは、菌の種類と陽性となったセット数だけで決まる2。

は微生物学的・画像・外科の3領域からなる2。

の領域 内容
微生物学的(血液培養) をよく起こす微生物(典型菌)が別々の2セット以上から分離される、または時に・まれにしか起こさない微生物(非典型菌)が別々の3セット以上から分離される
微生物学的(培養以外の検査) 血液を検体とするなどのでCoxiella burnetii・Bartonella属・Tropheryma whippleiが同定される/C. burnetiiの抗I相が1:800を超える、もしくは1セットの血液培養から分離される/でBartonella henselae・B. quintanaに対するが1:800以上
画像(心エコー・) 疣贅、の穿孔、の瘤、膿瘍、、心内瘻のいずれかを認める/過去の画像と比べて有意な新規の弁逆流を認める(既存逆流の増悪・変化では不十分)/過去の画像と比べての新規の部分を認める
・・(弁への波及の所見を伴うもの)・心内その他のにおける異常集積
外科 画像のにも、その後の組織学的・微生物学的確認にも当たらない場合に、心臓手術中の直視での所見が確認されること

⭐ 同じ「血液培養陽性」でも、菌の種類によって必要なセット数が2と3で変わる。 典型菌に挙げられているのはStaphylococcus aureus、Staphylococcus lugdunensis、Enterococcus faecalis、Granulicatella属・Abiotrophia属・Gemella属、群、そしてStreptococcus pneumoniaeとStreptococcus pyogenesを除くすべてのレンサ球菌である。⚠️ 心内にがある状況では典型菌の範囲が広がる——、Corynebacterium striatum・C. jeikeium、Serratia marcescens、Pseudomonas aeruginosa、Cutibacterium acnes、(Mycobacterium chimaeraなど)、Candida属が加わる2。💡 があると、ふだんは汚染菌として扱われるが本物のになりうることを、基準がそのまま反映した形である。

💡 ここでいう「1セット」は、好気ボトルと嫌気ボトルを同時に1本ずつ採取した1組を指す。 少なくとも一方のボトルから菌が発育すれば、そのセットは陽性と数える2。

は次の7領域からなる2。

の領域 内容
素因 の既往、、の既往、、病因を問わず軽度を超える弁逆流または弁狭窄、血管内に留置された心臓植込み型電気デバイス、、注射薬物使用
発熱 38.0℃を超える体温が記録されていること
、敗血症性、・脾膿瘍、、、、、化膿性紫斑
陽性、、、
微生物学的所見 の要件を満たさない血液培養陽性、または心臓組織・心臓・子以外の無菌部位から得られた培養・核酸検査陽性
画像 ・・などの植込みから3か月以内にFDG-PET/CTで異常集積を認めるもの
身体所見 心エコーが利用できない状況で、により新規の弁逆流を認めること

💡 2023年版で広がったのは主に「素因」と「」である。 素因には経カテーテル弁・材料や心臓植込み型電気デバイスのリードといったと、の既往が加わり、には・脾膿瘍が加わった。の糸球体腎炎にも実務的な定義が与えられた2。⚠️ 身体所見だけを根拠にするは「心エコーが利用できない場合」に限られ、既存の雑音が増悪・変化しただけでは足りない。 植込み後3か月以内の異常もではなくにとどまる(術後炎症との区別がまだ十分でないため)2。

臨床基準による判定は、2つ/1つ+3つ/5つのいずれかで、1つ+1つまたは3つでである2。

💡 に至る道は臨床基準だけではない。 疣贅・心臓組織・摘出したや縫合輪・(弁への波及の所見を伴うもの)・心内デバイス・子から微生物が同定されるか、これらに活動性心内膜炎の病理所見が確認されれば、それだけでとなる(病理学的基準)。2023年版はこの「同定」の手段に、培養と各種染色に加えて16S・18S の、/ショットガン、in situ を明記した2。⚠️ ただし分子検査と染色の解釈には注意が要る——治療が成功した後も長期にわたって陽性が続きうるため、の既往がある患者ではとくに慎重に読む。が弁やリードので1回検出されただけで、ほかに臨床的・微生物学的な裏づけが無い場合は、ではなくとして扱う2。

⚠️ 「」の判定も基準の一部である。 ①徴候・症状を説明する確実ながある、②4日未満の抗菌薬治療にもかかわらずを認めない、③4日未満の抗菌薬治療下で行った手術・剖検にの病理学的・肉眼的所見が無い、④の条件も満たさない、のいずれかが該当する場合である2。💡 で否定するにも条件がある。 微生物学的なで否定するには、の典型菌ではない菌によるの感染源が同定できること、が速やかに消退すること、心画像にの所見が無いことの3つがすべて必要である。のような微生物学的でないで否定する場合は、の微生物学的証拠が無いことが要る2。

⚠️ 2023年に出た基準は2つあり、同じものではない。 の2023年ガイドラインが導入したのは2023 ESC modified Duke criteriaという別の基準で、術中直視所見のを持たない、WBC を画像のに残す、追加されたがISCVID版(・脾膿瘍)と異なる(血行性の骨関節合併症)など複数の相違がある。一方、の閾値は実質的に同じである——版は「1つ+1〜2つ」または「3〜4つ」と上限まで書き、ISCVID版は「1つ+1つ」または「3つ」と下限だけを書くが、上限を超えればどちらも(1つ+3つ以上、または5つ)へ移るので、の範囲は一致する3。日本循環器学会の2026年ガイドラインは両者を対比したうえで、の増加に照らして適切であるとして2023 Duke-ISCVID基準を採用した1。

💡 2023年版はそれ自体が「更新され続ける文書」として設計されている。 ISCVIDは、査読文献を毎年見直して追補を自団体のウェブサイト上の living document に反映し、4年ごとを目安に更新版を査読誌へ投稿するという運用を明記している2。査読誌に載った2023年の論文が、その時点の最新の追補まで含んでいるとは限らない。

基準は臨床判断を補助するものであり、初回検査が陰性でも疑いが高ければ培養と画像を反復する。

治療

抗菌薬

  • 血液培養採取後、重症度、・、感染獲得状況を踏まえて経験的を開始する。
  • 起因菌と感受性が判明したらへ狭める。
  • 腎機能、、塞栓・膿瘍、、手術の有無に応じて薬剤と期間を調整する。

💡 の骨格は「か、の術後早期か」で分かれる。 の2023年ガイドラインは、のと手術から12か月以上経った心内膜炎にはアンピシリン+セフトリアキソン、またはアンピシリン++を考慮すべき(Class IIa)とし、手術から12か月未満の早期心内膜炎・院内発症および医療関連の心内膜炎にはバンコマイシンまたは++リファンピシンを考慮してよい(Class IIb)とする3。

⚠️ アミノグリコシドとリファンピシンは「足せば強くなる薬」ではない。 同ガイドラインはのブドウ球菌性心内膜炎にアミノグリコシドを推奨していない(臨床的なの利益が示されていないため)。アミノグリコシドが適応となる場面でも腎毒性を減らすため1日1回投与とする。リファンピシンはのように異物が関与する心内膜炎に限って用い、しかも有効な抗菌薬治療を3〜5日行った後に開始する。 💡 用途が異物のある例に限られるのは、の表面に形成された内で代謝が落ちた菌にも到達しうる数少ない薬だからで、逆に単剤では速やかに耐性を生じるため必ず他剤と併用する。 を使うときは高用量(10 mg/kg 1日1回)とし、耐性化を避けるため必ず第2の抗菌薬(β-ラクタム、β-ラクタムアレルギーでは)と併用する3。

起因菌が判明した後のは、菌種と・の別で骨格が決まる。以下はの2023年ガイドラインの推奨である3。

起因菌・状況 標準治療の骨格
ペニシリン感受性の(Viridans群)とStreptococcus gallolyticus群 ・アモキシシリン・セフトリアキソンのいずれかを4週間・6週間。β-ラクタムアレルギーではバンコマイシンを同じ期間
同上、合併症のない例で腎機能が正常 ・アモキシシリン・セフトリアキソンにを併用した2週間の短期治療も可(には適用しない)
ペニシリンへの感受性が低下・耐性の ・アモキシシリン・セフトリアキソン(4週間・6週間)+2週間
感受性ブドウ球菌・ またはを4〜6週間。リファンピシン・は加えない
感受性ブドウ球菌・ または+リファンピシン6週間以上+2週間
ブドウ球菌・ バンコマイシン4〜6週間
ブドウ球菌・ バンコマイシン+リファンピシン6週間以上+2週間
腸球菌(高度アミノグリコシド耐性ではない) アンピシリンまたはアモキシシリン+セフトリアキソン6週間、または同薬+2週間
腸球菌(高度アミノグリコシド耐性) アンピシリンまたはアモキシシリン+セフトリアキソン6週間
β-ラクタム耐性腸球菌(Enterococcus faecium) バンコマイシン6週間+2週間
+β-ラクタム(アンピシリン・・)または
群 セフトリアキソン
真菌(Candidaなど) を中心とし、感受性があればへ後続。手術適応となることが多い

⭐ 日本の基準では、の2週間短縮に5つの条件が明記されている。 日本循環器学会の2026年ガイドラインでは、ペニシリン感受性の・Streptococcus gallolyticus群によるは、またはアンピシリンを第一選択として血液培養が陰性化した日から4週間投与する。β-ラクタムにを併用して2週間で終えられるのは、次の5条件をすべて満たす場合に限られる1。

  1. 疣贅が10 mm以下である。
  2. 塞栓症状や遠隔のが無い。
  3. 手術適応が無い。
  4. が無い。
  5. 肝障害・腎障害が無い。

💡 条件の中身は「菌量が少なく、局所に閉じた感染で、アミノグリコシドの毒性に耐えられる」例に絞るものである。はなど弁周囲への進展を示唆するので、短期治療の対象から外れる。

同ガイドラインはと非の扱いも分けている1。

状況 日本循環器学会2026年ガイドラインの骨格
ペニシリン感受性・ β-ラクタムを血液培養陰性化から6週間。β-ラクタムで治療するときは最初の2週間を併用する(腎障害・があれば併用を避ける)
ペニシリン非感受性(中間・耐性)・ などを4週間、うち最初の2週間を併用。β-ラクタムが使えなければバンコマイシンなどで、期間を6週間へ延ばすことも考える
ペニシリン非感受性(中間・耐性)・ 6週間、を全期間併用する

⚠️ の非では、と日本での期間が違う。 上の表のの推奨はを2週間とするが、日本のガイドラインの本文はの非で全期間(6週間)の併用とする。ただし同ガイドラインのの推奨表の脚注は「ペニシリン耐性( 0.5 µg/mL以上)ならを6週間」と書き、6週間併用の対象を耐性株に絞る書き方になっている1。

⚠️ 同じガイドラインの中で、ペニシリンのの境界が2通りある。 本文はの感受性を 0.12 µg/mL以下、中間を0.25〜2 µg/mL、耐性を4 µg/mL以上とする。一方、の推奨表は感受性を0.12 µg/mL未満、非感受性を中間0.12以上0.5 µg/mL未満・耐性0.5 µg/mL以上と区切る1。 0.5〜2 µg/mLの株は、本文に従えば中間、推奨表に従えば耐性に入るので、どちらの区分で報告された値かを確かめてから治療期間を決める。

⚠️ 腸球菌で「二剤β-ラクタム併用が新しい標準で、併用は古い」と単純化しない。 高度アミノグリコシド耐性でない腸球菌に対しては、アンピシリン(またはアモキシシリン)+セフトリアキソン6週間と、同薬+2週間のどちらもClass I である。二剤β-ラクタム併用が置き換えを迫られるのは高度アミノグリコシド耐性株の場合で、このとき併用は選べない3。二剤β-ラクタム併用が実務で選ばれやすいのは、アミノグリコシドの腎毒性を避けられるためである。

手術

手術適応は次の3本柱で考える。

  1. ・急性逆流による心不全または。
  2. 、膿瘍、、瘻孔、など。
  3. 10 mm以上の疣贅、塞栓既往などに対する。
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='infective endocarditis, IE'>感染性心内膜炎</span>"] --> B["心不全"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='uncontrolled infection'>感染制御不良</span>"]
    A --> D["高い塞栓リスク"]
    B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='early surgery'>早期手術</span>を評価"]
    C --> E
    D --> E
    E --> F["感染組織を十分に除去"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='valve repair'>弁修復</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='valve replacement'>弁置換</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='root replacement'>基部置換</span>を選択"]

手術適応が成立した場合、抗菌薬治療のだけを理由に手術を遅らせない。可能ならを検討し、修復不能な破壊ではを行う。

手術の時期はで区分する。の2023年ガイドラインは、急性期の手術は通常「」=3〜5日以内に行われ、一部は「」=24時間以内を要するとし、いずれも術前の抗菌薬投与期間にかかわらず実施すると述べている3。⚠️ 「24時間以内」と「3〜5日以内」を取り違えない——24時間以内は血行動態が破綻した例に限られる定義であって、やに対する手術の目安ではない。

の2023年ガイドラインの主な適応
緊急(24時間以内) ・の高度な急性弁逆流・狭窄・瘻孔があり、難治性の肺水腫またはを来している場合(Class I)
(3〜5日以内) ①高度な急性弁逆流・狭窄が心不全症状または心エコー上の血行動態不良所見を来している(Class I)/②局所の(膿瘍、、瘻孔、増大する疣贅、、)(Class I)/③適切な抗菌薬治療下でも塞栓を1回以上起こし10 mm以上の疣贅が残る(Class I)/④10 mm以上の疣贅があり、ほかにも手術適応がある(Class I)
または非緊急 真菌またはによる心内膜炎——血行動態に応じて決める(Class I)

⚠️ でもは「考慮すべき」(Class IIa)にとどまる。 適切な抗菌薬治療との制御を行ってなお血液培養が1週間を超えて陽性、または敗血症が持続する場合、および黄色ブドウ球菌・群以外のグラム陰性桿菌による心内膜炎がこれに当たる3。

⚠️ 疣贅の大きさは「大きい・可動性が高い」ではなく数値で判断する。 の2023年ガイドラインが閾値に置くのは10 mm以上である。重度の弁機能障害も臨床的な塞栓の証拠もなくが低い例でも、10 mm以上の疣贅があればを考慮してよい(Class IIb)とされる3。

頭蓋内出血を合併した場合の手術時期

中枢神経合併症を伴う例の手術時期は、チームが決める(Class I)。心不全・・膿瘍・塞栓リスクのいずれも無い例では、十分な抗菌薬治療の後に手術時期を検討することが推奨される(Class I)1。

⚠️ とで扱いが違う。 重度の(昏睡・)を伴わない非出血性では、の適応があれば遅らせずに行うことが推奨される(Class I)。広範な非で全身予後不良が予測されない場合は、安定化と抗菌薬治療を待ってから手術を考慮する(Class IIa)1。

を合併した例では、日本循環器学会の2026年ガイドラインが従来より早い手術を許容する方向へ推奨を改めた。臨床疑問への回答は「適応があれば4週間以内に手術を行ってもよい」であり、⚠️ 推奨の強さは2(弱い推奨)・エビデンスの確実性はC(低い)である——「行うべきである」という強い推奨ではない1。根拠は観察研究ののみで、は存在しない。(6研究・219例、の相対危険 1.09、95%CI 0.46〜2.56)、再出血(7研究・244例、相対危険 1.55、95%CI 0.72〜3.30)、悪化(5研究、相対危険 1.91、95%CI 0.77〜4.76)のいずれも群と有意差がなかった1。⚠️ 同じガイドラインの本文は、がある場合の早期心臓手術は死亡・術後の増加と関連すると述べており、はいずれもで不利な側に振れている。有意差が無いことは安全であることの証明ではない。

推奨表では、合併例での適応がある場合、安定化と画像での血腫増大の無いことを確認したうえで2週間以内に手術を考慮する(Class IIa、C)。血腫の増大がある場合は、少なくとも4週間の抗菌薬治療の後に手術を考慮する(Class IIa、B)1。ここでいうチームは、循環器内科・感染症科・神経内科のと、心臓科・の外科医からなるである1。

💡 国際的な立ち位置の違いを押さえる。 同ガイドラインが引用する他学会の記述では、2015年AHAが「主要なまたはでは弁手術を少なくとも4週間遅らせることが妥当」(Class IIa)、2020年ACC/AHAが「血行動態が安定していれば少なくとも4週間遅らせることを考慮してよい」(Class IIb)、2023年が「の後は可能なら1か月を超えて心臓手術を遅らせることを考慮すべき」(Class IIa)としている1。⚠️ なお、だけを理由に手術を遅らせない。 ・抗凝固薬の即時中止が推奨されるのも、を除くの場合である(Class I)1。

抗血栓療法

⚠️ 塞栓を予防する目的で・抗凝固薬を新たに始めない。 日本循環器学会の2026年ガイドラインは、の患者にを目的としてを新規に開始すること(Class III・No benefit、B)も、を新規に開始すること(Class III・No benefit、C)も推奨しない1。💡 同じ Class III でも根拠の重さが違う。 についてはアスピリンとを比較した無作為化試験で塞栓イベントが減らず、出血合併症がむしろ増える可能性が示されたのに対し、抗凝固薬についてはガイドライン自身が「エビデンスは限られる」と述べており、推奨しない理由は出血リスクが増えうることである1。

⚠️ 「新たに始めない」と「もともと飲んでいる薬をやめる」は別である。 発症前からの適応があった患者では、などの禁忌が無いことを確認したうえで継続する。虚血性があって抗凝固の適応がある患者について継続すべきかどうかは、コンセンサスが得られていないと明記されている1。これに対し、を除くを合併した場合は・抗凝固薬を直ちに中止する(Class I、B。→「を合併した場合の手術時期」)。症候性のやを伴うがあるときも、中止または中断を考慮する1。

💡 ワルファリンを続けるなら、抗菌薬との組み合わせに注意が要る。 抗菌薬によるの変化で()の管理が難しくなるため、必要に応じてヘパリンへの切り替えを考慮する。がある患者や手術予定の患者では、経口抗凝固薬からヘパリンへ切り替えることが適切とされる1。

⚠️ に合併した急性には行わない(Class III・No benefit、B)——のが約20%と高く転帰が悪いためである。一方、の閉塞によるに対しては、速やかなを考慮してもよい(Class IIb、C)。⚠️ 根拠は小規模研究に限られ、の患者はの患者より後の転帰が悪くも多いと報告されている(ただしその研究は、の患者のうちを受けた群と受けなかった群を比較していない)。を行ったときは、回収した血栓の病理学的・微生物学的検査を行う1。

⚠️ 日本のの電子添文では、の扱いが薬剤ごとに違う。 とは〈効能共通〉の禁忌に「の患者」を置き、理由を「血栓剥離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある」としている45。これに対しの電子添文はを禁忌に挙げず、「9.1.1 合併症・既往歴等のある患者」の出血のリスクが高い患者の例示に含めるにとどまる(理由も出血リスク)6。💡 禁忌にしている2剤の理由は出血ではなく疣贅(血栓)の剥離であり、同じ病名が薬剤によって別の理由で別の重みで書かれている。⚠️ この扱いは日本の電子添文に固有のもので、英国SmPCと米国添付文書には3剤とも心内膜炎の記載そのものが無い——実測(全文で endocarditis が0件)は各剤ノートの「禁忌・注意」の節に出典付きで載せてある。したがって、「はに禁忌」とクラスでまとめたり、国を書かずに断定したりしない。

特殊な病態

右心系IE

は全のおよそ5〜10%を占める。素因は、、心臓植込み型電気デバイス、、であり、カテーテル・デバイス関連の感染が最も多い1。⭐ デバイス(・ICD等)のリード・そのものがになる場合は、CIED関連として独立の診断・治療手順(完全の適応とタイミング、再植込みまでの間隔)で扱う——JCS 2026ガイドラインも主要な改訂点としてこの領域への推奨拡大を明記している1。⚠️ が欧米より少ない日本でも、を疑ったら薬物使用歴のを省かない。 ・・のいずれも無く、の弁膜症も伴わない例は “three-noes” と呼ばれる1。

日本ではの病変が最も多く、が進めばを来す。病変は全体としてはまれだが、で頻度の高いに伴って見られるため、や合併から疣贅ができやすい場所を予測して観察する。疣贅はEustachian弁・Thebesius弁・Chiari網にも生じ、が併存することもある。起因菌は黄色ブドウ球菌とが主で、緑膿菌・その他のグラム陰性桿菌・真菌も起こしうる1。

💡 ではの比重がより大きい。 から右房にかけての評価はが優れるが、右室とはのほうが見える場面があるため、両者を組み合わせる。は肺のの評価に有用で、敗血症性とそれに続く形成を検索する1。

⭐ はより予後がよく、薬物治療がほぼ90%の症例で有効である。 手術は、反復するのように内科治療の継続を妨げる合併症があるときに限って考慮される。予後がよい理由として、若年者が多いこと、の血行動態への影響が大動脈弁・より小さいこと、塞栓が肺に限局すること、が少ないこと、が少ないことが挙げられる1。⚠️ ただしのうちは診断の遅れから予後が悪く、高度免疫不全例や真菌感染合併例の予後は極めて不良である1。

ではまず適切な抗菌薬治療を開始し、その治療反応を観察することが推奨される(Class I)。そのうえで、適切な抗菌薬治療を受けている患者について次の場面で手術適応を評価する1。

手術適応(適切な抗菌薬治療下で評価する) Class
反復する肺塞栓の後、遺残疣贅があり人工呼吸を要する呼吸不全 I
病変の併存 I
利尿薬に反応しない急性重症による右心不全 I
反復するの後、20 mm以上の大きな疣贅が遺残 IIa
適切な抗菌薬を1週間以上投与しても持続する菌血症・敗血症 IIa
可能であればではなく形成を選ぶ IIa
手術時のペーシングリードの予防的留置 IIb

疣贅径の閾値は、推奨表が「20 mm以上」、本文の記述が「20 mmを超える」で同一ガイドライン内でも表記が揺れている1。を要する場合はよりを優先する1。

経カテーテル大動脈弁植込み術後の人工弁心内膜炎

に対する経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)の適応が低リスク患者へ広がるにつれ、TAVI後の心内膜炎は増えると見込まれる。TAVI後1年以内のはおよそ0.2〜3.1%(10万人年あたり約200〜3,100)で、この改訂では術は高リスクに位置づけられた。起因菌は黄色ブドウ球菌・腸球菌・が主であり、TAVIやインターベンションの周術期予防では黄色ブドウ球菌と腸球菌をカバーすることが望ましい1。

⚠️ 心内膜炎のそのものは、PARTNER試験でTAVIとの間に有意差がなかった。 ただし発症までの期間はTAVI後のほうが短かった可能性が報告されている1。

💡 TAVI後の心内膜炎で手術がためらわれるのは、そのものの侵襲が大きいからである。 報告されている手術施行率は約0〜33%と非常に低く、ある報告ではTAVI後心内膜炎の53.7%に手術適応があったのに実際に手術されたのは7.3%で、しかも手術による生存の利益は認められなかった1。TAVI前に中〜高(STSスコア4.0%以上)と判定されていた集団では、外科的と再の侵襲・リスクが大きく、抗菌薬による内科治療の継続に対する手術のは示せないと考えられてきた。⚠️ しかし近年TAVIの適応がSTSスコア4.0%未満の低リスク患者へ広がり、TAVI後心内膜炎の患者像も若年・併存症の少ない方向へ変わりうる——選ばれた低リスク例では再が生存を改善しうるため、チームが検討すべきとされる1。推奨は、チームがのリスクを評価して手術適応を決める(Class I、C)、TAVI前に中〜高であった例への再は考慮してよい(Class IIb、C)の2つである1。

人工血管・ステントグラフト感染

に対する置換術や内挿術の後の感染は、発生こそまれ(およそ0.5〜4%)だが死亡率が高い。処置後4か月以内を早期、4か月を超えるものを晩期と分ける定義があり、早期感染は主に周術期感染に由来する——術中の直接感染、からの波及、尿路・呼吸器・歯周など他の周術期感染からの菌血症が経路である。早期はがまだ周囲組織に定着しておらず、画像で術後のと感染を区別しにくい1。

  • 感染を疑ったら必ず血液培養を、抗菌薬開始前に採る。感染の17%は血液培養が陰性で、抗菌薬の先行投与や採血量不足がその理由とされる。強く疑うのに陰性なら、に周囲の液体を穿刺して培養してもよい。
  • 造影CTが最初ので、・・瘤形成・周囲軟部組織の変化・液体貯留・ガス・膿瘍・・隣接腸管の壁肥厚・瘻孔を描出する。⚠️ 術直後はガスや液体貯留が正常でもみられるが、6〜8週を超えて残るガスは感染を示唆する。
  • は感染の診断で95%・80%と報告されるが、造影CTに対する利点は乏しく、造影CTが行えないときの代替である。
  • /は造影CTでが出ないときに有用で、感度95%・特異度80%との報告がある。💡 術後炎症は線状・びまん性・均一な集積、感染は限局した斑状の集積という違いで見分ける。
  • 治療は抗菌薬と、を含む感染組織のできる限りの除去である。期間は標準化されていないが、心内膜炎に準じて感染組織をすべて除去した後4〜6週間とすることが多い。手術が行えない場合は生涯にわたる抑制的抗菌薬投与を考慮する。リファンピシン浸漬(主にグラム陽性菌に有効では約11%。・グラム陰性菌・真菌への効果は限定的)や被覆が用いられる1。

予防とフォロー

抗菌薬予防をあらゆる処置へ一律に行わない。米国心臓協会の2021年科学的声明が対象とするのは、下表の患者群が歯肉組織の操作・歯根尖部の操作・口腔粘膜の穿孔を伴う歯科処置を受ける場合である7。

予防投与を提案する基礎心疾患 内訳
または心臓に用いた 、経カテーテル植込み、人工リング・クリップなどのデバイスを用いた、および植込み型人工心臓
の既往 初発・・再発を問わない
未修復の(短絡術・導管を含む)/またはデバイスで完全修復した後6か月以内(外科・経カテーテルを問わない)/人工・人工デバイスの部位またはその近傍に遺残欠損がある修復後/外科的または経カテーテル的な・導管の留置(Melody弁・Contegra導管など)
後に弁膜症を生じた患者

⚠️ 「心臓にが入っていれば予防投与」ではない。 同じ声明は、ペースメーカ・などの植込み型電子デバイス、完全閉鎖が得られた中隔欠損閉鎖デバイス、透析用を含む末梢血管・、その他の血管、脳室心房短絡、、プレジェットを予防投与の対象外として明示的に挙げている7。

対象患者では、処置の30〜60分前にアモキシシリン2 g(小児50 mg/kg)をする。経口できなければアンピシリン2 gまたは/セフトリアキソン1 gを筋注・静注し、ペニシリンアレルギーでは2 g、アジスロマイシン/500 mg、ドキシサイクリン100 mgを用いる7。⚠️ 2021年の改訂でクリンダマイシンは予防投与の選択肢から外れた——単回投与でもClostridioides difficile感染を含む重篤な有害事象がほかの薬剤より多いためである7。うっかり投与し忘れた場合は処置後2時間以内までなら投与してよい7。

⚠️ ペニシリンアレルギーだからといって、セファロスポリンを一律に代替としてよいわけではない。 2021年の声明には2022年4月付の訂正が出ており、Table 5のうちペニシリン・アンピシリンにアレルギーがある患者の経口の行()にも、経口不能の行(/セフトリアキソン)と同じ脚注が加えられた。その脚注は、ペニシリンまたはアンピシリンでアナフィラキシー・・蕁麻疹の既往がある患者にはセファロスポリンを用いないという内容である8。💡 同じ「ペニシリンアレルギー」でも、アナフィラキシー・・蕁麻疹の既往があるかどうかで選べる薬が変わる——これらの既往がある場合、Table 5に残る経口の選択肢はアジスロマイシン・またはドキシサイクリンになる。この訂正は用量・対象患者群・対象手技には及んでいない8。

⭐ この声明が最も強調しているのは抗菌薬ではなくである。 Viridans群レンサ球菌による菌血症は歯科処置よりもや歯磨きといった日常行為で起こることのほうがはるかに多く、歯科処置前の予防投与が100%有効だったとしても防げる症例はごくわずかにすぎない、というのが対象を絞る根拠である。良好なの維持と定期的な歯科受診のほうが重要とされ、歯科医療を受けられる環境であれば年2回の歯科検診が提案されている7。⚠️ この文書は診療ガイドラインではなく科学的声明で、推奨は “recommended” ではなく “suggested”(提案する)という語で書かれている——予防投与の是非は患者と医療者のに委ねられる部分が大きい7。

💡 欧州は「高リスク患者に限る」点では米国と同じだが、対象手技はやや広い。 の2023年ガイドラインは、の既往、外科的に植え込まれたおよびに用いたあらゆる材料、経カテーテルで植え込まれた大動脈弁・、未治療のと短絡・導管などのを残す修復後(遺残欠損もも無い外科修復後は術後6か月間のみ)、の患者に歯科処置前の予防投与を推奨し(Class I)、経カテーテル・形成術後はClass IIa、後はClass IIbとする。さらに高リスク患者が呼吸器・消化管・泌尿生殖器・皮膚・のを受ける場合の全身的予防投与をClass IIbとして残しているため、「欧米では歯科処置以外に予防投与はしない」という要約は正確ではない3。

⚠️ 日本の適応は欧米より広い。 日本循環器学会の2026年ガイドラインは「高リスク群に限定する欧米のガイドラインと異なり、日本のガイドラインは高リスク群と群の双方に予防投与を推奨する」と明記している1。

⚠️ ただし高リスク群と群で推奨の強さは同じではない。 同ガイドラインの臨床疑問への回答は、の前の予防投与について、高リスク群では推奨の強さ1(強い推奨)・エビデンスの確実性B(中)、群では推奨の強さ2(弱い推奨。「投与することを提案する」)・エビデンスの確実性D(非常に低い)である1。群への推奨を支えているのは、欧米で適応が絞られた後のの変化を追った観察研究であり、は倫理的・実際的にほぼ不可能とされている1。

リスク群 該当する心疾患 歯科・口腔外科処置での予防投与
高リスク 術後(経カテーテル弁・・弁を含む)、輪を用いた後、既往、未修復の複雑、で修復し遺残病変のある、体肺短絡術後、 Class I
を含む大半の、後天性弁膜症、、逆流を伴う Class IIa
ペースメーカ・ICDなどの心臓植込み型電気デバイス(リードレスペースメーカ・皮下植込み型ICDは除く)、後の弁変性 Class IIb
低リスク (単独)※、後6か月以上で遺残短絡のない・・、後、逆流のない、生理的・機能性、弁機能障害を残さない・の既往 Class III(No benefit)

⚠️ この表は「基礎心疾患」の分類であって、期間限定で予防投与が推奨される場面を含んでいない。 同ガイドラインは、経カテーテルの後は6か月間、とともに予防的抗菌薬投与を推奨する(デバイス感染が6か月を超えて生じることはまれである一方、閉鎖デバイス留置例で歯科治療後のが報告されているため、後はの指導を強調すべきとされる)。閉鎖デバイスの植込み後も6か月間は予防投与が推奨され、6か月を超える定期的な予防投与は推奨されない1。※ 低リスクに置かれた単独のにも但し書きがある——同表の脚注は、も一般人口よりのリスクが高いとする報告があると明記している1。

💡 の「・」は、弁機能障害の有無で扱いが違う。 本改訂でにとどまるのは有意な弁機能障害を伴う・であって、弁機能障害の無い例については根拠が不十分とされている(表ではだけが「逆流を伴う」=中等度/「逆流のない」=低リスクと明示的に分かれる)。の経カテーテル的edge-to-edge(M-TEER)後のはまれだが予後が悪く、根拠が限られるため低リスクには分類せず個別に判断するとされている1。

処置の側は4段階に分かれる。Class I(推奨)は、出血を伴う侵襲的な歯科処置(、、手術、スケーリング、治療)・・・や心臓デバイスの植込み(経カテーテル弁植込みを含む)。Class IIa(考慮すべき)は、⭐ 巣に対する——、感染部位の内視鏡的検査・治療(胆道閉塞を含む)、および(とくに例)。⚠️ Class IIb(考慮してよいが、高リスク群には投与すべき)は範囲が広く、上部・、、、胆道手術、尿道拡張・経腟分娩・腟式・・・の挿入と、・、皮膚切開(とくに例)、気管支鏡、・生検を含む。Class III(No benefit)は、非感染部位への・矯正処置・(感染していない)、・、への挿入、、挿入・経尿道内視鏡(膀胱尿道鏡・腎)、中心静脈カテーテル挿入である。💡 「歯科以外には要らない」と単純化しない——消化管・泌尿生殖器の処置の多くはClass IIbであって「不要」ではない。前版がClass IIbとしていた長期留置中心静脈カテーテルへの定期的な予防投与は、根拠不十分としてこの改訂で削除された1。

レジメンは処置1時間前にアモキシシリン2 gを単回経口(小児は50 mg/kg、最大2 g)。β-ラクタムアレルギーではクリンダマイシン・・アジスロマイシン、経口できなければアンピシリン・・セフトリアキソン・クリンダマイシンを用いる1。

⚠️ クリンダマイシンの扱いが日米で分かれている。 日本のガイドラインはβ-ラクタムアレルギー時と経口不能時の選択肢にクリンダマイシンを残している1のに対し、米国心臓協会の2021年声明は、単回投与でもClostridioides difficile感染を含む重篤ながほかの薬剤より多いことを理由に、これを予防投与の選択肢から外している7。どちらの文書を参照しているかで選ぶ薬が変わる。

治療後も再発、新規弁機能障害、心不全、を追跡する。

まとめ

  • 疣贅から、、免疫現象が生じる。
  • 診断は抗菌薬前の複数血液培養と心エコーを軸に、多画像を組み合わせる。
  • 2023 Duke-ISCVID基準の血液培養のは、典型菌なら別々の2セット以上、非典型菌なら3セット以上の陽性で満たす。があるとなどが典型菌に加わり、病理学的基準を満たせば臨床基準によらずとなる2。
  • 歯科処置前の予防投与では、ペニシリン・アンピシリンでアナフィラキシー・・蕁麻疹の既往がある患者にセファロスポリンを用いない8。
  • 治療は起因菌別抗菌薬と、心不全・・に対する判断である。
  • 急性期の手術は原則3〜5日以内の、・を伴う例だけが24時間以内の緊急である。疣贅径の閾値は10 mm3。
  • アミノグリコシドはのブドウ球菌性心内膜炎には推奨されず、リファンピシンはなど異物が関与する例に限り有効な抗菌薬治療を3〜5日行った後に開始する3。
  • を合併した例では、適応があれば4週間以内の手術を行ってもよい(弱い推奨・確実性は低い)。血腫増大が無ければ安定化を確認して2週間以内、増大があれば4週間以上の抗菌薬治療の後に考慮する1。
  • は全体の5〜10%で、カテーテル・デバイス関連が最多。予後はよりよく薬物治療がほぼ90%で有効だが、デバイス関連例と真菌合併例は予後不良である1。
  • TAVI後の心内膜炎はの侵襲が大きく手術率が低いが、低リスク患者へ適応が広がるなかで選ばれた例では再を検討する(Class IIb)1。
  • は「新規開始」と「継続」を分けて考える。を目的とした・抗凝固薬の新規開始はいずれもClass III(No benefit)、に合併した急性へのも同じくClass IIIだが、発症前から適応があった抗凝固は禁忌が無ければ継続する1。⚠️ 日本の電子添文ではが・の禁忌(理由は出血ではなく疣贅の剥離)だがでは禁忌ではない——クラスでまとめない456。
  • 予防投与の対象は日本のほうが広い。高リスク群は強い推奨、群は弱い推奨(提案)である1。
  • ・デバイス関連例は専門チームで評価する。

出典

  1. 1.JCS 2026 Guideline on the Management of Infective Endocarditis(Circulation Journal(日本循環器学会)・2026)全文PDF(J-STAGE)で確認。本ガイドラインは診断基準として2023 Duke-ISCVID基準を採用し(デバイス関連IEの増加により適切と判断)、ESCの2023年ガイドラインが導入した「2023 ESC modified Duke criteria」とは別物であるとしてTable 6で両者の相違を対比している(ISCVIDのみが術中直視所見を大基準に持ち、ESC側はWBC SPECT/CTを画像大基準に残し、追加された血管現象もISCVIDが脳膿瘍・脾膿瘍、ESCが血行性の骨関節合併症と異なる)。予防投与については「高リスク群に限定する欧米のガイドラインと異なり、日本のガイドラインは高リスク群と中等度リスク群の双方に予防投与を推奨する」と明記し、Table 37で高リスク群(人工弁置換術・経カテーテル弁置換術後、人工弁輪を用いた弁形成術後、IE既往、未修復の複雑チアノーゼ性先天性心疾患、人工材料で修復し遺残病変のある先天性心疾患、体肺短絡術後、補助人工心臓)をClass I、中等度リスク群のうち二尖弁を含む大半の先天性心疾患・後天性弁膜症・閉塞性肥大型心筋症・逆流を伴う僧帽弁逸脱をClass IIa、ペースメーカ・ICDなどの心臓植込み型電気デバイスと心移植後の弁変性をClass IIb、低リスク群をClass III(No benefit)とする。Table 38の処置別では、出血を伴う侵襲的歯科処置・扁桃摘出術・アデノイド切除術・人工弁や心臓デバイスの植込みがClass I、上部消化管内視鏡や気管支鏡がClass IIb(ただし高リスク群には投与すべき)、経食道心エコー・尿道カテーテル挿入・膀胱尿道鏡・中心静脈カテーテル挿入・非感染部位への浸潤麻酔・矯正処置がClass III。前版がClass IIbとしていた長期留置中心静脈カテーテルへの定期的予防投与は根拠不十分として今回削除された。予防投与のレジメンは処置1時間前のアモキシシリン2 g単回経口(小児は50 mg/kg、最大2 g)で、β-ラクタムアレルギーではクリンダマイシン・クラリスロマイシン・アジスロマイシン、経口不能ならアンピシリン・セファゾリン・セフトリアキソン・クリンダマイシン。⚠️ Table 38 には Class IIa の行があり、局所感染巣に対する侵襲的処置(膿瘍ドレナージ、胆道閉塞を含む感染部位の内視鏡的検査・治療)と経尿道的前立腺切除術(とくに人工弁例)が該当する(LOE C)。Class IIb は上部・下部消化管内視鏡、食道静脈瘤硬化療法、食道拡張術、胆道手術、尿道拡張、経腟分娩、腟式子宮全摘、掻爬、人工妊娠中絶、子宮内避妊具の挿入・抜去、心臓カテーテル検査、経皮的血管形成術、皮膚切開、気管支鏡、骨髄穿刺・生検を含み、Class III には非感染部位からの浸潤麻酔・矯正処置・根管治療、喉頭鏡・気管挿管、鼓膜穿孔へのチューブ挿入、経食道心エコー、尿道カテーテル挿入・経尿道内視鏡、中心静脈カテーテル挿入が並ぶ。Table 37 の脚注Eは中等度リスクの心臓植込み型電気デバイスの行について「Excludes leadless pacemakers and implantable cardioverter defibrillators (ICDs)」と圧縮して書いているが、⚠️ これを字義どおりに読むとICD全体が除外されることになり同じ行の記載と矛盾する。本文2.1.4は「The implantation of a leadless pacemaker and subcutaneous ICD in a patient with repetitive PVE has been reported. Thus, these 2 devices are categorized into a different directory from other CIEDs.」であり、除外されるのはリードレスペースメーカと皮下植込み型ICDの2デバイスである(本文2.2.2はリードレスペースメーカで菌血症がその後のIEを起こさなかったこと、皮下植込み型ICDで植込み部位の局所感染はあってもIEには至らなかったことを根拠に挙げる)。⚠️ 2026-09-07に前回未反映だった Table 37 の脚注Aと本文2.1.3の以下も確認した——経カテーテル心房中隔欠損閉鎖術の後は6か月間、抗血小板薬とともに予防的抗菌薬投与が推奨されること(デバイス感染が6か月を超えて生じることはまれだが、心房中隔欠損閉鎖デバイス留置例で歯科治療後のIEが報告されているため閉鎖術後は口腔衛生を強調すべきとする)、左心耳閉鎖デバイス植込み後も6か月間は予防的抗菌薬投与が推奨され6か月を超える定期的な予防投与は推奨されないこと、脚注Fが「Reports indicate that ASD (secondary type) also carries a higher risk of IE than the general population」として低リスク群に置いた単独の二次孔型心房中隔欠損にも但し書きを付けていること、経カテーテル僧帽弁edge-to-edge修復(M-TEER)は根拠が限られるため低リスクに分類せず個別に判断するとしていること、二尖弁・僧帽弁逸脱は「有意な弁機能障害を伴うもの」が中等度リスクにとどまり弁機能障害の無い例については根拠が不十分とされていることを確認した。2026-09-07に同じJ-STAGE全文PDFを再取得し、本改訂の「Major Changes in This Revision」12項目のうち未反映だった4項目を原文から確認した。①右心系IE(本文 III-4)——全IEのおよそ5〜10%、素因は先天性心疾患・留置カテーテル・心臓植込み型電気デバイス・免疫不全・静注薬物使用でカテーテルおよびデバイス関連が最多、これらと左心系弁膜症をいずれも欠く例を "three-noes" IE と呼ぶこと、日本では三尖弁病変が最多で肺動脈弁病変は心室中隔欠損に伴うこと、疣贅はEustachian弁・Thebesius弁・Chiari網にも生じ左心系IEの併存もあること、起因菌は黄色ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌が主で緑膿菌・他のグラム陰性桿菌・真菌もありうること、経胸壁心エコーの比重が左心系より大きくCTで敗血症性肺梗塞と肺膿瘍を検索すること、"Drug therapy is effective in nearly 90% of cases" で予後は左心系より良いがデバイス関連IEは診断の遅れで予後が悪く高度免疫不全例と真菌合併例は極めて不良であること、Table 50 の手術適応がClass I 3項目(反復性肺塞栓後の遺残疣贅による人工呼吸を要する呼吸不全、左心系病変の併存、利尿薬不応の急性重症三尖弁逆流による右心不全)・Class IIa 3項目(反復性敗血症性肺塞栓後の20 mm以上の遺残三尖弁疣贅、適切な抗菌薬1週間以上での持続菌血症および敗血症、可能なら弁置換でなく弁形成)・Class IIb 1項目(三尖弁手術時の心外膜ペーシングリードの予防的留置)であること。⚠️ 疣贅径はTable 50が「≥20 mm」、本文4.4が「>20 mm」で同一文書内に揺れがある。②頭蓋内出血合併例の手術時期——CQ2の推奨は "surgery may be performed within 4 weeks if indicated" で推奨の強さ2(弱い推奨)・エビデンスの確実性C(低い)、無作為化比較試験は無く観察研究のみで、院内死亡6研究219例の相対危険1.09(95%CI 0.46〜2.56)・再出血7研究244例の相対危険1.55(0.72〜3.30)・神経学的悪化5研究の相対危険1.91(0.77〜4.76)といずれも有意差なし。⚠️ 発生率の実数は本文と Table CQ2-6 で食い違う(院内死亡は本文15.0%対16.4%、表15.4%対16.5%)ため本ノートには相対危険のみを書いた。本文3.2.1は "when intracranial hemorrhage is present, early cardiac surgery is associated with higher mortality and postoperative neurological complications" と述べており、CQ2の結論と緊張関係にある。Table 35 は、頭蓋内出血合併例で早期手術の適応がある場合、神経学的安定化と画像上の血腫増大が無いことを確認して2週間以内に手術を考慮する(IIa C)、血腫増大がある場合は少なくとも4週間の抗菌薬治療の後に考慮する(IIa B)とし、手術時期はIEチーム(循環器・感染症・神経内科と心臓血管外科・脳神経外科)が決める(I B)。Table 17 は微小出血を除く頭蓋内出血で抗血小板薬・抗凝固薬の即時中止を推奨(I B)し、本文は微小出血だけを理由に手術を遅らせないとする。CQ2のJ節は他学会の記述として2015年AHA(少なくとも4週間遅らせるのが妥当。IIa B)、2020年ACC/AHA(血行動態が安定していれば少なくとも4週間遅らせることを考慮してよい。IIb B-NR)、2023年ESC(可能なら1か月を超えて遅らせることを考慮すべき。IIa C)を引いている。③TAVI後の人工弁心内膜炎——TAVI後1年以内のIE発生率は約0.2〜3.1%(10万人年あたり約200〜3,100)で本改訂は経カテーテル弁置換術を高リスクに位置づけ、起因菌は黄色ブドウ球菌・腸球菌・コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が主でTAVIおよび構造的心疾患インターベンションの周術期予防はこの2群をカバーすることが望ましいこと、PARTNER試験で人工弁心内膜炎の発生率はTAVIと外科的大動脈弁置換術で有意差が無かったが発症までの期間はTAVI後のほうが短かった可能性があること、報告されている手術施行率が約0〜33%と低く、ある報告では53.7%に手術適応があったが実際の手術は7.3%で生存の利益は認められなかったこと、TAVI前にSTSスコア4.0%以上の中〜高リスクと判定された集団では手術の優越性を証明できないとされてきたがSTSスコア4.0%未満への適応拡大で患者像が変わりうるため選ばれた低リスク例では開胸再弁置換が生存を改善しうること、Table 47 の推奨がIEチームによる再手術リスク評価と手術適応の決定(I C)およびTAVI前中〜高手術リスク群への再弁置換の考慮(IIb C)の2項目であること。④人工血管・ステントグラフト感染(本文 V-7)——発生は約0.5〜4%とまれだが死亡率が高いこと、処置後4か月以内を早期・4か月超を晩期とする定義があり早期は主に周術期感染に由来し画像で術後炎症と区別しにくいこと、血液培養は抗菌薬開始前に必ず採取し人工血管感染の17%が陰性であること、造影CTが初期モダリティで術後6〜8週を超えて残るガスは感染を示唆すること、MRIの陽性的中率95%・陰性的中率80%、18F-FDG PET/CTの感度95%・特異度80%で炎症は線状びまん性均一・感染は限局した斑状の集積であること、治療は抗菌薬と感染組織およびグラフトの可及的除去で期間は人工弁心内膜炎に準じ全除去後4〜6週間程度が多く、手術不能例では生涯の抑制的抗菌薬投与を考慮し、リファンピシン浸漬グラフト(グラム陽性菌に主に有効・再感染約11%でMRSA・グラム陰性菌・真菌への効果は限定的)と大網被覆が用いられること。加えて予防投与のCQ1の推奨が、高リスク群で推奨の強さ1・確実性B、中等度リスク群で推奨の強さ2・確実性Dと段階が分かれていること、Table 38 のClass Iに「感染根管治療」が含まれClass IIIに(感染を伴わない)「根管治療」が含まれること、Table 39 が歯科処置後の菌血症発生率を抜歯18〜100%・親知らず抜歯55%・スケーリング8〜79%・歯周外科36〜88%・感染根管治療42%・ラバーダム装着29%・歯磨き23%・咀嚼38%と示していること、本文 I-1 が「非細菌性血栓性心内膜炎は弁膜症や先天性心疾患に伴う異常血流と人工弁・ペースメーカ等の異物の存在から生じ、IEの重要な素因である。歯科・耳鼻咽喉科・産婦人科・泌尿器科の処置による一過性菌血症が非細菌性血栓性心内膜炎の部位への細菌の付着と増殖を招き疣贅を形成する。したがってIEは基礎に構造的心疾患を持つ患者にしばしば見られるが、黄色ブドウ球菌のように毒力の強い菌ではそれまで正常であった弁にも起こりうる」と述べていることを確認した。2026-09-14にJ-STAGEの全文PDFを再取得し、Table 17(感染性心内膜炎の中枢神経合併症の管理)の7行と本文3.2.3aを逐語で確認した。Table 17 は①微小出血を除く頭蓋内出血を伴うIEで抗血小板療法・抗凝固療法の即時中止を推奨(I・B)、②破裂した感染性動脈瘤・大きな未破裂動脈瘤・適切な抗菌薬治療下でも増大する動脈瘤に外科的または血管内治療を推奨(I・C)、③適切な抗菌薬治療下で増大しない小さな未破裂感染性頭蓋内動脈瘤は保存的治療を推奨(I・C)、④主幹動脈閉塞による脳梗塞を合併した場合は速やかな血栓回収療法を考慮してもよい(IIb・C)、⑤IE患者で塞栓予防を目的とした抗血小板療法の新規開始は推奨しない(III No benefit・B)、⑥IEに合併した急性脳梗塞への静注血栓溶解療法は推奨しない(III No benefit・B)、⑦IE患者で塞栓予防を目的とした抗凝固療法の新規開始は推奨しない(III No benefit・C)の7項目である。本文3.2.3aの逐語は「For patients who were eligible for anticoagulant therapy prior to symptom onset, anticoagulant therapy should be continued after confirming the absence of contraindications such as intracranial hemorrhage.」「For patients with ischemic cerebrovascular disease who have an indication for anticoagulation, there is no consensus as to whether to continue anticoagulation.」「When oral warfarin therapy is necessary, changes in the intestinal flora due to antimicrobial therapy may make it difficult to control the international normalized ratio of prothrombin time. Therefore, switching to heparin should be considered as needed.」「For patients with intracranial hemorrhage or those scheduled for surgery, switching from oral anticoagulants to heparin is appropriate.」「New antiplatelet therapy is not recommended for IE because a randomized trial comparing aspirin with placebo showed no reduction in embolic events and a possible increase in bleeding complications.」「Evidence is limited for anticoagulation therapy, but its initiation is likewise not recommended due to the potential increased bleeding risk.」「Intravenous thrombolysis for acute ischemic stroke complicating IE is not recommended due to the high incidence of intracranial hemorrhage (∼20%) and poor outcomes.」であり、血栓回収療法については「Evidence for mechanical thrombectomy in large vessel occlusion due to vegetations is limited to small studies」「Compared with non-IE patients, IE patients have worse outcomes and experience more intracranial hemorrhaging after reperfusion therapy. However, that study did not compare outcomes between IE patients who received reperfusion therapy and those who did not.」と限界が明記されている。回収した血栓は病理学的・微生物学的検査に供するとされる。2026-09-27に同じJ-STAGE全文PDFを再取得し、本文3.1.1(緑色レンサ球菌・Streptococcus gallolyticus群)と Table 24・25 を確認した。本文はペニシリンGの感受性を「susceptible, MIC ≤0.12 μg/mL; intermediate, 0.25–2 μg/mL; and resistant, ≥4 μg/mL」とし、自己弁は血液培養陰性化から4週間、β-ラクタムとゲンタマイシンの併用で2週間に短縮できる条件を「1. Vegetation size is ≤10 mm. 2. There are no embolic symptoms or distant infection sites. 3. There is no indication for surgery. 4. There is no conduction block. 5. There is no hepatic or renal impairment.」の5つとし、人工弁は6週間で最初の2週間ゲンタマイシン併用、非感受性株は自己弁で最初の2週間ゲンタマイシン併用・人工弁で「gentamicin combination therapy administered throughout」とする。⚠️ Table 24 は区分を「Penicillin-susceptible (MIC <0.12 μg/mL)」「intermediate resistance 0.12 μg/mL≤MIC<0.5 μg/mL; resistant MIC ≥0.5 μg/mL」と本文と異なる境界で書き、Table 25 の脚注Fは「For penicillin resistance (MIC ≥0.5 μg/mL), gentamicin combination therapy should be administered for 6 weeks」とする。閲覧 2026-09-27
  2. 2.The 2023 Duke-International Society for Cardiovascular Infectious Diseases Criteria for Infective Endocarditis: Updating the Modified Duke Criteria(Duke University / International Society for Cardiovascular Infectious Diseases (ISCVID)・2023)修正Duke基準(2000年版)から2023年Duke-ISCVID版への改訂点(心臓手術中の直視所見という大基準の追加、心臓CT・18F-FDG PET/CTの大基準への組み込み、血液培養の採血間隔・別々の静脈穿刺という要件の撤廃)を確認した。⚠️ 原文は "complex requirements for blood cultures specifying the timing and the need for separate venipunctures should be discontinued" および "it is no longer required by the Duke Criteria" であり、簡略化ではなく要件そのものの撤廃である(別穿刺部位は best practice として引き続き推奨される)。2026-09-07にPMC10681650のHTML全文を再取得し、Table 1 と Table 2 から次を追加確認した。判定は確診=大基準2つ/大基準1つ+小基準3つ/小基準5つ、疑診=大基準1つ+小基準1つ/小基準3つ。小基準は7領域——A. 素因(IE既往、人工弁、弁形成術の既往、先天性心疾患、病因を問わず軽度を超える弁逆流または狭窄、血管内に留置された心臓植込み型電気デバイス、閉塞性肥大型心筋症、注射薬物使用)、B. 発熱("Documented temperature greater than 38.0 °C")、C. 血管現象(動脈塞栓、敗血症性肺梗塞、脳膿瘍または脾膿瘍、感染性動脈瘤、頭蓋内出血、結膜出血、Janeway病変、化膿性紫斑)、D. 免疫学的現象(リウマトイド因子陽性、Osler結節、Roth斑、免疫複合体性糸球体腎炎)、E. 大基準に届かない微生物学的所見、F. 画像(人工弁・上行大動脈グラフト・デバイスリード等の植込みから3か月以内のFDG-PET/CT異常集積)、G. 身体所見("New valvular regurgitation identified on auscultation if echocardiography is not available. Worsening or changing of preexisting murmur not sufficient")。本文は、素因に経カテーテル弁植込み/弁形成やCIEDリードなどの人工物とIE既往が加わったこと、血管現象に脳膿瘍・脾膿瘍が加わったこと、免疫学的現象の糸球体腎炎に実務的定義が与えられたことを改訂点として挙げ、植込み後3か月以内のFDG-PET/CTは術後炎症との鑑別データが揃うまで小基準にとどめると述べる。閲覧 2026-09-07
  3. 3.2023 ESC Guidelines for the management of endocarditis(European Society of Cardiology (ESC)・2023)⚠️ 誌上版(academic.oup.com)は2026-09-07時点でも403で取得できず、Unpaywallが示すMilano-Bicocca大学(boa.unimib.it)・Leiden大学・Rijeka大学のリポジトリ版もCloudflareのbot判定で取得できなかった。以下はESC公式サイト(escardio.org のガイドライン頁)が配布する2つの公式派生文書、すなわち Essential Messages のPDFと Official ESC Guidelines slide set(推奨表をClass・Levelごと逐語収録した119枚のPPTX)で確認した内容である。①手術時期——Essential Messages に "While surgery during the acute phase of IE is usually performed on an urgent basis (i.e. the patient undergoes surgery within 3–5 days), some cases require emergency surgery (i.e. within 24 h), irrespective of the pre-operative duration of antibiotic treatment." とあり、urgent=3〜5日以内、emergency=24時間以内である。推奨表では emergency は「難治性の肺水腫または心原性ショックを来す高度な急性弁逆流・狭窄・瘻孔」(Class I)に限られ、urgent は心不全症状または心エコー上の血行動態不良、局所感染制御不良(膿瘍・仮性動脈瘤・瘻孔・増大する疣贅・人工弁離開・新規房室ブロック)、適切な抗菌薬治療下での塞栓後に残る10 mm以上の疣贅、10 mm以上の疣贅かつ他の手術適応(いずれもClass I)に当たる。持続菌血症(1週間超)・持続敗血症、および黄色ブドウ球菌ないし非HACEKグラム陰性桿菌による人工弁心内膜炎は Class IIa(should be considered)、重度の弁機能障害も塞栓の臨床的証拠も無く手術リスクが低い10 mm以上の疣贅は Class IIb。真菌・多剤耐性菌によるIEは血行動態に応じて urgent or non-urgent。⚠️ 本ガイドラインが用いる第3の区分は non-urgent であって elective ではなく、これら2つの公式文書からは「抗菌薬を1〜2週間先行させた待機的手術」という定義を確認できなかったため、本ノートからその記述を外した。②口腔レンサ球菌とStreptococcus gallolyticus群——ペニシリン感受性株にはペニシリンG・アモキシシリン・セフトリアキソンを自己弁4週間/人工弁6週間(Class I)、β-ラクタムアレルギーではバンコマイシンを同期間。合併症のない自己弁例で腎機能が正常ならゲンタマイシン併用の2週間治療も可(人工弁には適用しない)。ペニシリンへの感受性低下・耐性株では上記β-ラクタム(自己弁4週間・人工弁6週間)にゲンタマイシン2週間を併用。③腸球菌——高度アミノグリコシド耐性でない株ではアンピシリンまたはアモキシシリンにセフトリアキソンを6週間、あるいはゲンタマイシンを2週間併用する「いずれも」Class I であり、二剤β-ラクタム併用が単独の第一選択ではない。高度アミノグリコシド耐性株では二剤β-ラクタム併用6週間。β-ラクタム耐性のE. faecium にはバンコマイシン6週間+ゲンタマイシン2週間、バンコマイシン耐性株にはダプトマイシン+β-ラクタム(アンピシリン・エルタペネム・セフタロリン)またはホスホマイシン。④ブドウ球菌——メチシリン感受性の自己弁例は(フル)クロキサシリンまたはセファゾリン4〜6週間のみ、人工弁例はこれにリファンピシン6週間以上とゲンタマイシン2週間を加える。メチシリン耐性の自己弁例はバンコマイシン4〜6週間、人工弁例はバンコマイシン+リファンピシン6週間以上+ゲンタマイシン2週間。Essential Messages は "Aminoglycosides are not recommended in staphylococcal NVE"、"Rifampin should be used only in IE involving foreign material, such as PVE, after 3–5 days of effective antibiotic therapy"、ダプトマイシンは10 mg/kg 1日1回で第2の抗菌薬(β-ラクタム、アレルギー時はホスホマイシン)と併用と明記する。⑤経験的治療——市中発症の自己弁IEおよび術後12か月以上の人工弁IEにはアンピシリン+セフトリアキソン、またはアンピシリン+(フル)クロキサシリン+ゲンタマイシン(Class IIa)、術後12か月未満の人工弁IEと院内・医療関連IEにはバンコマイシンまたはダプトマイシン+ゲンタマイシン+リファンピシン(Class IIb)。⑥予防投与——IE既往、外科的に植え込んだ人工弁と弁形成に用いたあらゆる材料、経カテーテル植込みの大動脈弁・肺動脈弁、未治療のチアノーゼ性先天性心疾患および術後に姑息的短絡・導管その他の人工物が残る例(遺残欠損も人工弁も無い外科修復後は術後6か月間のみ)、補助人工心臓がClass I、経カテーテル僧帽弁・三尖弁形成術後がClass IIa、心移植後がClass IIb、それ以外の低リスク患者は推奨しない(Class III)。高リスク患者が呼吸器・消化管・泌尿生殖器・皮膚・筋骨格系の侵襲的処置を受ける場合の全身的予防投与はClass IIbとして残っている。歯科処置前のレジメンは処置30〜60分前の単回投与でアモキシシリン2 g経口ほか。⑦2023 ESC modified Duke criteria の分類は、確診=大基準2つ/大基準1つ+小基準3つ以上/小基準5つ、疑診=大基準1つ+小基準1〜2つ/小基準3〜4つ、で(2026-09-24、公開PDF版の表10で「3–4 minor criteria」を確認)、画像の大基準に WBC SPECT/CT を含む。⚠️ 2025年1月付の訂正(Correction to: 2023 ESC Guidelines…, Eur Heart J 2025;46:1082, doi 10.1093/eurheartj/ehae877)が存在するが、本文が取得できず内容は未確認である。閲覧 2026-09-07
  4. 4.リクシアナ錠15mg/リクシアナ錠30mg/リクシアナ錠60mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2025)2025年11月改訂(第8版)。感染性心内膜炎の側から直接Xa阻害薬の規制上の扱いを確かめるために本文を取得した。「2. 禁忌」〈効能共通〉は2.1過敏症の既往・2.2出血している患者・2.3急性細菌性心内膜炎の3項目で、2.3の逐語は「急性細菌性心内膜炎の患者[血栓剥離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある。]」である——**禁忌の理由が出血ではなく血栓(疣贅)の剥離**である点が他の2項目と性格を異にする。適応別にはCLcr 15 mL/min未満の腎不全と凝血異常を伴う肝疾患(心房細動・静脈血栓塞栓症・慢性血栓塞栓性肺高血圧症)、CLcr 30 mL/min未満の高度腎機能障害(下肢整形外科手術)が加わる閲覧 2026-09-14
  5. 5.イグザレルト錠10mg/イグザレルト錠15mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2026)2026年3月改訂(第10版、再審査結果)。感染性心内膜炎の側から直接Xa阻害薬の規制上の扱いを確かめるために本文を取得した。「2. 禁忌」〈効能共通〉の2.11が逐語で「急性細菌性心内膜炎の患者[血栓はく離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある。]」であり、エドキサバンの電子添文2.3と同じ項目・同じ理由(送り仮名だけが「剥離」と「はく離」で異なる)を置いていることを確認した閲覧 2026-09-14
  6. 6.エリキュース錠2.5mg/エリキュース錠5mg 電子添文(医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2026)2026年3月改訂(第9版)。感染性心内膜炎の側から直接Xa阻害薬の規制上の扱いを確かめるために本文を取得した。「2. 禁忌」〈効能共通〉は過敏症の既往・臨床的に問題となる出血症状・血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患の3項目で、**細菌性心内膜炎は禁忌に挙がらない**(適応別に加わるのは腎機能の基準だけ)。細菌性心内膜炎が現れるのは「9.1.1 合併症・既往歴等のある患者」の〈出血のリスクが高い患者〉の例示(先天性あるいは後天性出血性疾患、活動性の潰瘍性消化管疾患、細菌性心内膜炎、血小板減少症、血小板疾患、活動性悪性腫瘍、出血性脳卒中の既往、コントロール不良の重度の高血圧症、脳・脊髄・眼科領域の最近の手術歴等)の中だけで、理由は「出血の危険性が増大するおそれがある。」である閲覧 2026-09-14
  7. 7.Prevention of Viridans Group Streptococcal Infective Endocarditis: A Scientific Statement From the American Heart Association(American Heart Association (AHA)・2021)ahajournals.org は直接curl・WebFetch・ブラウザのいずれでもCloudflareのbot判定で403、Unpaywallは oa_status: bronze・has_repository_copy: false でリポジトリ版が無い。Internet Archive の2024-04-26スナップショット(web.archive.org 経由の doi/pdf)から誌上版PDF(Circulation. 2021;143:e963–e978)を取得し全文(pdftotext、1,401行)で確認した。Table 3 が挙げる予防投与の対象は6項目ではなく、〈人工弁または人工材料〉として人工弁の存在・経カテーテル人工弁植込み・人工リング/クリップ等のデバイスを用いた弁形成・左室補助人工心臓および植込み型人工心臓、〈IEの既往(初発・再燃・再発)〉、〈先天性心疾患〉として未修復のチアノーゼ性CHD(姑息的短絡と導管を含む)・人工材料またはデバイスで完全修復した後の6か月間(外科・経カテーテルを問わない)・人工パッチや人工デバイスの部位またはその近傍に遺残欠損がある修復後・外科的または経カテーテル的な肺動脈弁ないし導管の留置(Melody弁、Contegra導管など)、〈心移植後に弁膜症を生じた患者〉である。同じ Table 3 は予防投与を行わない対象として、ペースメーカ等の植込み型電子デバイス、完全閉鎖が得られた中隔欠損閉鎖デバイス、透析用を含む末梢血管グラフト・パッチ、冠動脈ステントその他の血管ステント、脳室心房短絡、下大静脈フィルター、プレジェットを明示的に列挙している。Table 4 の対象手技は "All dental procedures that involve manipulation of gingival tissue or the periapical region of teeth or perforation of the oral mucosa"。Table 5 の表題は "Antibiotic Regimens for a Dental Procedure Regimen: Single Dose 30 to 60 Minutes Before Procedure" で、経口はアモキシシリン成人2 g・小児50 mg/kg、経口不能ならアンピシリン2 g筋注/静注またはセファゾリン/セフトリアキソン1 g、ペニシリンアレルギーではセファレキシン2 g・アジスロマイシンまたはクラリスロマイシン500 mg・ドキシサイクリン100 mg。同表は "Clindamycin is no longer recommended for antibiotic prophylaxis for a dental procedure." と注記し、本文は単回投与でもClostridioides difficile感染を含む重篤な反応が他剤より多いことを理由に挙げる。投与し忘れた場合は処置後2時間以内まで投与可。⚠️ 本文書は診療ガイドラインではなく科学的声明であり、Table 3・4・6 の見出しと推奨文はいずれも suggested(提案する)で書かれていて recommended ではない。Table 6 は、VGS IE は歯科処置よりも咀嚼や歯磨きによる一過性菌血症で生じることのほうがはるかに多く、歯科処置前の予防投与が100%有効でも防げる症例はごくわずかであること、2007年の文書以降に低・中等度・高リスクいずれの群でもVGS IEの頻度・罹病率・死亡率が増えたという説得力のある証拠は無いこと、生涯のIE罹患リスクが高いというだけでは予防投与を提案しないこと、良好な口腔衛生と歯科医療への定期的アクセスのほうが重要で、歯科医療を受けられる環境なら年2回の歯科検診を提案することを挙げる。閲覧 2026-09-07
  8. 8.Correction to: Prevention of Viridans Group Streptococcal Infective Endocarditis: A Scientific Statement From the American Heart Association(American Heart Association (AHA)・2022)2021年科学的声明(Circulation 2021;143:e963–e978, doi 10.1161/CIR.0000000000000969)に対する2022年4月26日付の訂正(Circulation 2022;145:e868)。ahajournals.org は直接curl・WebFetchのいずれもCloudflareのbot判定で403のため、Internet Archive の2023-07-29スナップショット(web.archive.org 経由)から訂正本文と再掲されたTable 5の全体を取得して確認した。訂正内容は、原著e973ページのTable 5、2列目〈Agent〉の3行目〈Allergic to penicillin or ampicillin—oral〉のセファレキシン欄に、既存のアスタリスクに続けてダガー記号を追加したことである。ダガーの脚注は〈Cephalosporins should not be used in an individual with a history of anaphylaxis, angioedema, or urticarial with penicillin or ampicillin.〉で、訂正前はペニシリンアレルギーかつ経口不能の行のセファゾリン/セフトリアキソンにだけ付いていた。アスタリスクの脚注(成人・小児で同等用量の他の第1・第2世代経口セファロスポリンでもよい)は変更されていない。再掲されたTable 5の用量とクリンダマイシンを歯科処置の予防投与に推奨しない旨の注記は原著から変わっておらず、訂正は予防投与の対象患者群や対象手技には及んでいない。閲覧 2026-09-08