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Drug Atlas · B1 Thrombolytics / 血栓溶解薬 · 必修

レテプラーゼ

reteplase

分類
Thrombolytics / 血栓溶解薬
商品名(EU)
Rapilysin
科目
Pharmacology
トピック
B1: Drugs influencing blood coagulation I: Antiplatelet agents. Fibrinolytic drugs. Drugs inhibiting bleeding
禁忌疾患
中枢神経系腫瘍(成人・小児)脳卒中の既往大動脈解離感染性心内膜炎消化性潰瘍
副作用
低血圧出血

🧠 全体像(組換えt-PA)から一部のドメイン(フィンガー・EGF・クリングル1)を除去した改変体で、分子を小さくした代わりに半減期を延ばし、ではなく2回のだけで完結できるようにした薬である。よりやや低下しており、この「投与の簡便さ」と「選択性のわずかな低下」というが、脳卒中には使わずSTEMIに限定される理由の理解につながる。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 分子設計 投与法 主な適応
組換えt-PA(フルレングス) +1時間 ・広範囲PE・STEMI
t-PAの一部ドメインを欠失させた改変体 を2回、間隔をあけて投与するのみ に限定

が脳卒中に使われないのは、よりやや低く出血リスクの観点で優位性がない一方、STEMIでは「の手間を省ける」という実務上の利点がそのまま評価されるためと理解すると位置づけが整理できる。

💡 現行のSTEMI治療でを含む)が占める位置は縮小している。 2023年ESC指針ではが診断から120分以内に実施できる場合はそちらを一貫して優先し、は120分以内のPCIが実施できない場合の代替という位置づけである1。薬剤選択でもフィブリン特異的薬剤()が好まれ、なかでも単回で済むは、体重換算量投与で加速投与と30日死亡率が同等でありながら、脳外出血・輸血の点でより安全とされ、病院前投与のしやすさでも優位とされる1を行った場合は、成功しても待たずにPCI施設へ搬送し、2〜24時間以内にを行う「pharmaco-invasive戦略」が現行の標準である。

機序

と同じくへ変換しフィブリンを分解するが、フィンガー・EGF・を欠くためフィブリンへのよりやや低い。その代わり血漿からの消失が遅く半減期が長いため、を要さずだけで治療域の血中濃度を保てる。

薬物動態

項目 値・特徴
経路 IV(2回、間隔をあけて投与)
半減期 より長い
よりやや低い

適応

持続性ST上昇または新規を伴う(AMI/STEMI)で、発症12時間以内のに限られる2と異なり脳卒中・PEには適応がない。

用法・用量

10単位をゆっくり静注し、30分後に2回目の10単位を追加投与する「二段階21を要さない点がとの実務上の違いである。再を防ぐため、投与前後にヘパリン・を併用する。実際の用量計算・間隔は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 出血
注意 低血圧
重篤・まれ を含む重大出血

まとめ

  • の一部ドメインを欠失させた改変体。はやや低いが半減期が長い。
  • 10単位+10単位(30分あけて)の二段階だけで完結し、を要さない実務上の簡便さが特徴。
  • 適応は発症12時間以内のに限定され、脳卒中・PEには使わない。
  • 現行のESC指針ではが120分以内に可能ならそちらを優先し、は代替の位置づけ。フィブリン特異的薬剤(等)が好まれる。
  • 禁忌はより広く、・消化性潰瘍・脳卒中の既往なども含む。

出典

  1. 1.Rapilysin, INN-reteplase — Summary of Product Characteristics(European Medicines Agency)適応は「発症12時間以内の持続性ST上昇または新規左脚ブロックを伴う急性心筋梗塞の血栓溶解療法」。用法は10単位のボーラスを静注し30分後に2回目の10単位を投与する二段階ボーラス。禁忌は本剤過敏症のほか、出血性素因、経口抗凝固薬投与中、頭蓋内腫瘍・動静脈奇形・動脈瘤、出血リスクの高い腫瘍、脳血管障害の既往、最近(10日以内)の心マッサージ、重症コントロール不良高血圧、活動性消化性潰瘍、門脈圧亢進(食道静脈瘤)、重度肝腎機能障害、急性膵炎・心膜炎・細菌性心内膜炎、3か月以内の重大な出血・外傷・手術(冠動脈バイパス術、頭蓋内/脊椎手術・外傷、分娩、臓器生検、圧迫不能な血管の穿刺を含む)閲覧 2026-08-03
  2. 2.2023 ESC Guidelines for the management of acute coronary syndromes(European Society of Cardiology・2023)線溶療法(fibrinolysis)は診断から120分以内に一次PCIを実施できない場合の代替に位置づけられる。フィブリン特異的薬剤が好まれ、テネクテプラーゼは単回のボーラスで加速投与tPAと30日死亡率で同等、かつ非脳出血・輸血の点でより安全とされる。レテプラーゼの用量は10単位+10単位を30分あけて静注(Table S10)。線溶療法の絶対禁忌には既往の頭蓋内出血・原因不明の脳卒中、6か月以内の虚血性脳卒中、中枢神経系の障害・腫瘍・動静脈奇形、1か月以内の大きな外傷/手術/頭部外傷、1か月以内の消化管出血、既知の出血性疾患、大動脈解離、24時間以内の非圧迫可能部位の穿刺が含まれる(Table S11、2017年STEMI指針から改変)閲覧 2026-08-03