薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · B1 Thrombolytics / 血栓溶解薬 · 必修

アルテプラーゼ

alteplase

分類
Thrombolytics / 血栓溶解薬
商品名(日本)
アクチバシングルトパ
商品名(EU)
Actilyse
科目
Pharmacology
トピック
B1: Drugs influencing blood coagulation I: Antiplatelet agents. Fibrinolytic drugs. Drugs inhibiting bleeding
承認適応
脳梗塞急性冠症候群(急性心筋梗塞。英国・日本・米国の3文書とも承認適応)肺血栓塞栓症(急性広範型。英国・米国の承認適応で、日本の電子添文の効能又は効果には無い)
禁忌疾患
脳内出血(非外傷性)大動脈解離
副作用
出血
相互作用
デフィブロチドドナネマブレカネマブ
対象疾患
May-Thurner症候群Paget-Schroetter症候群胸水深部静脈血栓症凍傷動脈血栓塞栓症内頸動脈解離末梢動脈疾患頸部動脈解離
原因となる疾患
コレステロール塞栓症

🧠 全体像:は組換えt-PA()で、フィブリンに結合してから初めてを効率よく活性化する「」が最大の特徴である。全身のを無差別に活性化する系と違い、血栓局所で優先的に働くよう設計されている——とはいえ出血が最大の有害事象であることに変わりはなく、「内の」という一刻を争う適応と、をACSとして投与すると致命的になるという禁忌チェックの両方が試験で問われる中心点になる。⚠️ ただし・・用量・禁忌は、どの国の文書を読むかで変わる——「の適応は3つ」も「4.5時間以内」も日本の電子添文だけを読むと成り立たない。以下、適応・用法・禁忌は→日本(アクチバシン電子添文)→米国(Activase添付文書)の3文書で書き分ける。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 由来・特徴 主な適応
組換えt-PA(フルレングス) 比較的高い ・(+英国・米国では急性肺塞栓症)
t-PA改変体(一部ドメインを欠失) やや低い (が容易)
低い(フィブリン非依存) 血栓塞栓症、閉塞カテーテルの

⭐ 3剤とも「をへ変換してフィブリンを分解する」という最終効果は同じだが、フィブリンへの選択性が高いほど局所で効き全身性のは相対的に抑えられる。 はこの選択性を活かして脳卒中という出血に最も敏感な臓器への使用が確立している。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alteplase'>アルテプラーゼ</span>(組換えt-PA)を投与"] --> B["血栓中のフィブリンに結合"]
    B --> C["フィブリン上で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plasminogen'>プラスミノーゲン</span>を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plasmin'>プラスミン</span>へ効率よく変換"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plasmin'>プラスミン</span>がフィブリンを分解(線溶)"]
    D --> E["血栓が溶解し血流が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='recanalization'>再開通</span>する"]
    A -.->|"フィブリン非存在下では活性が低い"| F["全身性の線溶状態は比較的抑えられる"]
    C --> G["それでも循環血中の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plasminogen'>プラスミノーゲン</span>も一部活性化"]
    G --> H["出血が最大の有害事象になる"]

薬物動態

項目 値・特徴
経路 IV(+)
半減期 初期相約5分、終末相約40分と短い。効果を維持するにはが必要
消失 主に
比較的高いが完全ではなく、大量投与では全身性の線溶状態を来しうる

適応

承認された適応は国で違う

適応 1 日本(アクチバシン電子添文 4.)2 3
最終健常確認から4.5時間以内、画像でを除外したうえで。16歳未満には適応なし 「虚血性急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)」 逐語で “Initiate treatment as soon as possible but within 3 hours after symptom onset.” =3時間以内
発症6時間以内に開始できる例は90分加速レジメン、6〜12時間で開始する例は3時間レジメン 「における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)」 の数値は示さず「発症後できるだけ早く」。死亡率と心不全発症の低下が適応の目的として明記される
(急性) 血行動態が不安定な例に適応あり(死亡率・遠隔期のへの効果は示されていないと明記) に無い 「急性肺塞栓症」の溶解。定義として①葉または複数のの血流を閉塞する急性肺塞栓、②血行動態が不安定な急性肺塞栓(支持療法なしには血圧を保てない例)の2項目が並記されている

⚠️ 「の適応は3つ」と書けるのは英国 Actilyse・米国 Activase についてだけで、日本のは2つである。 国内で肺塞栓症に投与すればになる。⚠️ 逆に、上の3文書のうち3時間というを置くのは米国ラベルだけである。 本ノートが脳卒中について述べる4.5時間は、英国SmPCのと日本の承認用法(および診療指針)の側の数字であって、米国の添付文書には無い。

⭐ 米国にはこの3適応とは別に、同じの低用量製剤 Cathflo Activase(1瓶2 mg)が承認されている。 適応は逐語で “restoration of function to central venous access devices as assessed by the ability to withdraw blood” の1つだけ、禁忌はまたは製剤成分への過敏症だけで、WARNINGS の項は逐語で “None.” である4。上の3適応の禁忌一覧をこの製剤に持ち込まない。

⚠️ ここでいう欧州側の記述は、英国 emc の Actilyse SmPC 1版だけを読んだものである。 SmPC は加盟国ごとに版が違いうるので、「では」と一般化しない。日本の記述もアクチバシン(協和キリン)の電子添文1本で、他社品の記載は確認していない。

💡 承認されたと、診療指針が扱うは別物である。 脳卒中では、発症時刻不明例や4.5〜9時間の一部でも画像を根拠に選択投与しうるという枠組みが指針側にあり、2026年AHA/ASA指針ではまたはを選択できるとされる(この記述の一次資料は本ノートでは確認できていない。のノートを参照)。でも、が120分以内に施行できない場合に発症12時間以内・なしでを行うという運用は指針側の枠組みで、日本の承認用法(発症後6時間以内)とは範囲が違う。

承認適応の外での使いどころ

領域 使いどころ
血管 での
胸膜 ・で不良・が残存する場合、に(DNase)と併用投与するMIST2レジメン( 10 mg+DNase 5 mgをそれぞれ生食50 mLに溶解し1日2回・最大6回投与)
皮膚・末梢 重症。Wilderness Medical Societyの2024年改訂ガイドラインは、グレード3・4の重症に受傷後24時間以内の静注またはを、とくにが使えない場合に推奨する(強い推奨・低品質エビデンス)5

⚠️ は承認された適応ではない。 米国のが挙げる適応は・・急性肺塞栓症の3つで、全文に frostbite の語は出てこない3。への投与はであり、根拠も症例報告・症例集積とで、ヒトのに対するの・対照試験は存在しない5。

⭐ での投与法は脳卒中・心筋梗塞のレジメンとは別物である。 静注なら0.15 mg/kgをしたのち0.15 mg/kg/時を6時間、なら2〜4 mgの後に1 mg/時を24〜48時間投与し、いずれもヘパリン(を含む)を併用するのが典型とされる5。⚠️ 出血の禁忌はでも同じに効く——外傷・最近の手術・最近の脳卒中など出血リスクのある病態では用いず、現場で明らかな外傷がある場合はである5。💡 時間が転帰を決める——投与が1時間遅れるごとにの温存率が28%低下すると報告されており、12時間以内の投与で最も良い転帰が得られるとされる5。

用法・用量

では発症からの・体重に基づく用量計算(一部を、残りを1時間かけて)が厳格に定められている。・肺塞栓症でも適応ごとに規定の投与法がある。

適応 1 日本(電子添文 6.)2 3
0.9 mg/kg、上限90 mg。10%を、残りを60分で 34.8万/kg=0.6 mg/kg、上限3,480万=60 mg。総量の10%を1〜2分でし、残りを1時間で投与 0.9 mg/kg、上限90 mg。10%を1分で、残りを60分で
90分加速:15 mg→30分で50 mg→60分で35 mg(上限100 mg)。3時間:10 mg→1時間で50 mg→2時間で40 mg 29万〜43.5万/kg=0.5〜0.75 mg/kg。総量の10%を1〜2分でし、残りを1時間で投与 体重基準、上限100 mg。加速レジメンは15 mg→最初の30分に50 mg→次の60分に35 mg(67 kg以下は体重換算)
(急性) 2時間で100 mg(10 mgを後90 mgを2時間。65 kg未満は1.5 mg/kgまで) なし 2時間で100 mgを

⚠️ 脳卒中の用量は、上の3文書のうち日本だけが 0.6 mg/kg・上限60 mg で、英国・米国は 0.9 mg/kg・上限90 mg である。 体重換算の数字を国をまたいで覚えると1.5倍の過量になる。日本の電子添文はで規定しており、 1 mg=58万である(0.6 mg/kg=34.8万/kg、60 mg=3,480万)。

実際の投与は適応・体重・で厳密に決まっているため、施設のプロトコルと自国の添付文書で必ず確認する。

禁忌・注意

⚠️ 禁忌は適応ごとに書き分けられている。平坦に1行へ並べてはいけない。 上の3文書はいずれも禁忌を適応ごとの見出しに分けて置いている——英国SmPCと日本の電子添文は「全適応に共通の禁忌」+「その適応にだけ掛かる追加の禁忌」、米国は 4.1()と 4.2(・肺塞栓症)の2本立てである。平坦化すると、心筋梗塞の適応にだけ掛かる項目を脳卒中へ、脳卒中の適応にだけ掛かる項目を心筋梗塞へ持ち込むことになる。

区分 1 日本(電子添文 2.)2 3
全適応に共通 過敏症/6か月以内の重大な・・顕在するもしくは最近の重篤な出血/中枢神経系の損傷の既往(腫瘍・動脈瘤・頭蓋内または脊髄の手術)/10日以内の分娩、圧迫できない血管の穿刺/重度の制御不良の高血圧/・//活動性の潰瘍性消化管疾患・・動脈瘤・/出血リスクを高める腫瘍/重度の肝疾患/3か月以内の大手術・重大な外傷 2.1 ナトリウム投与中/2.2 出血している患者(・消化管出血・尿路出血・・喀血)/2.3 重篤な肝障害/2.4 /2.5 本剤成分への過敏症 共通の見出しを置かず、4.1 と 4.2 に分けて列挙する
の追加 軽微な神経症状または開始前に急速に改善している症状/臨床的に重症( 25超など)/の既往または疑い/で/を示唆する症状(正常でも)/有効な抗凝固( 1.7超)/48時間以内のヘパリンで延長/脳卒中既往かつ糖尿病/3か月以内の脳卒中/血小板10万/mm³未満/収縮期185 mmHg超もしくは拡張期110 mmHg超、または慎重な管理でもこの限度未満へ下げられないとき(逐語 “systolic blood pressure > 185 mm Hg or diastolic BP > 110 mm Hg, or when BP cannot be reduced below these limits by careful management”)/血糖50 mg/dL未満または400 mg/dL超 2.6 の疑い/2.7 を起こすおそれの高い患者(治療後も収縮期185 mmHg以上または拡張期110 mmHg以上、血糖400 mg/dL超、で広範な、偏位などの、の既往・・・動脈瘤、3か月以内の、3か月以内の頭蓋内または脊髄の手術・傷害)/2.8 21日以内の消化管・尿路出血、14日以内の大手術、血小板10万/mm³以下/2.9 1.7超または延長/2.10 血糖50 mg/dL未満/2.11 発症時の 4.1 現在の//活動性の内出血/3か月以内の頭蓋内または脊髄の手術・重度の/出血リスクを高める(腫瘍・・動脈瘤)/出血素因/現在の重度の
・肺塞栓症の追加 または原因不明の脳卒中の既往/6か月以内の・(4.5時間以内の現在の発作は除く)/有効な経口抗凝固(で 1.3超) 2.12 の既往・・・動脈瘤、3か月以内の、3か月以内の頭蓋内または脊髄の手術・傷害、21日以内の消化管・尿路出血、14日以内の大手術/2.13 重篤な高血圧症(この適応にだけ掛かる) 4.2 活動性の内出血/最近の脳卒中の既往/3か月以内の頭蓋内または脊髄の手術・重度の/出血リスクを高める/出血素因/現在の重度の。そのものは4.2に無い(4.1にだけある)

⚠️ は、今回読んだ3つの添付文書のどの禁忌欄にも載っていない。 英国SmPC・米国添付文書はどちらも全文に aortic・dissection の語が0件で13、日本の電子添文は禁忌ではなく「1. 」の1.3に、虚血性急性期の適応について「胸部の悪化あるいは破裂を起こし死亡に至った症例が報告されているため……適応を十分に検討すること」と置いている2。⭐ それでもが禁忌チェックの核心であるのは、のについて日本循環器学会のガイドライン2018年改訂版が禁忌7項目の7番目に “Known or suspected aortic dissection” を挙げているからである6。frontmatter の禁忌疾患はこの診療ガイドラインの記述が支えており、添付文書の禁忌欄が支えているわけではない。

⚠️ 制御不良の重症高血圧は、文書では禁忌だが、同じ日本循環器学会のガイドラインではである。 英国SmPC 4.3 は3適応共通の禁忌に、米国は 4.1・4.2 の両方に “Current severe uncontrolled hypertension” を置き、日本はの 2.13「重篤な高血圧症」として置く。一方 JCS 2018 は “Uncontrolled severe hypertension (blood pressure ≥180/110 mmHg)” をの4番目に挙げる6。

⚠️ 脳卒中のでは、投与前に収縮期185 mmHg未満・拡張期110 mmHg未満へ下げ、投与中と投与後24時間は収縮期180 mmHg・拡張期105 mmHgを超えないよう管理する。 185/110 は英国SmPC 4.3 の脳卒中の追加禁忌と日本の電子添文 2.7 が引く線、180/105 は英国SmPC 4.4 の監視基準(超えたら静注を推奨)と日本の 8.6 が引く線である12。⭐ 185/110 は単純な閾値ではなく、英国・日本とも「しても下がらないとき」が禁忌の条件に組み込まれている——英国は “or when BP cannot be reduced below these limits by careful management”、日本の 2.7 は「投与前に適切な治療を行っても、が185mmHg以上又はが110mmHg以上の患者」である12。⚠️ 米国の添付文書は、禁忌欄(4)にも欄(5)にもこの2つの数値を置いていない——5.1 が挙げるのは全で出血リスクが高まる状況としての “systolic BP above 175 mm Hg or diastolic BP above 110 mm Hg”、すなわち 175/110 である3。⚠️ ただし「文書に無い」わけではない。 全文を数えると 180/105 は0件だが、185/110 は 14.1 CLINICAL STUDIES に1度だけ現れ、逐語は “Blood pressure was actively controlled (185/110 mm Hg or lower) for 24 hours.” である3。⭐ これは承認の根拠となった2つの試験のプロトコルが定めたを記述したものであって、この添付文書が処方者に課している禁忌・監視の基準ではない。 「数値が文書に出てくる」ことと「その文書がその数値を基準として定めている」ことは別である。

  • 静注療法と()の両方に適格な場合、静注療法の反応を待ってを遅らせない
  • 投与後24時間以内は抗凝固薬・・を控える。英国SmPC 4.4 は「血栓溶解後24時間以内にによる治療を開始しない」とし、日本の電子添文 8.7 は24時間以降も画像所見での有無を確認したうえで標準的治療を実施するとしている12
  • 英国SmPCでは16歳未満のは適応外で、16歳以上の青年期でも個別に利益とリスクを比較したうえで成人と同じ用法で治療する1

副作用

頻度 内容
高頻度 出血(・粘膜出血など)
注意 。・の治療中および終了後2時間までに観察され、多くの症例で阻害薬が併用されていた3
重篤・まれ 、重大な全身出血、

まとめ

  • 組換えt-PA。フィブリンに結合してから効率よくを活性化する、比較的の高い。
  • の。と用量は国で違う——英国SmPCと日本の電子添文は4.5時間以内、米国ラベルは3時間以内。用量は英国・米国が0.9 mg/kg(上限90 mg)、日本が0.6 mg/kg(上限60 mg)である。厳格な(投与前185/110未満、投与中・投与後24時間は180/105以下)と出血禁忌チェックが試験の頻出ポイント。
  • の数も国で違う。 英国・米国は・急性肺塞栓症・の3つ、日本は虚血性急性期(4.5時間以内)と(6時間以内)の2つで、肺塞栓症は国内のに無い。
  • では、が120分以内にできない場合の代替という位置づけは診療指針側の枠組みで、承認された(日本は6時間以内、英国SmPCは加速レジメン6時間以内・3時間レジメン6〜12時間)とは範囲が違う。
  • 禁忌は適応ごとに書き分けられている。英国SmPCと日本の電子添文は「全適応共通」と「この適応だけの追加」に分かれ、米国は 4.1 と 4.2 に分かれる。日本の「重篤な高血圧症」はの適応にだけ、米国の「現在の」は脳卒中(4.1)にだけ掛かる。
  • をACSとして投与すると致命的出血を招くため、鑑別が禁忌チェックの核心になる。ただしを「禁忌」と書いているのはJCS 2018年改訂版の側で、今回読んだ英国・日本・米国いずれの添付文書の禁忌欄にも無い(日本は「1.3 」に置く)。
  • ではと併用するMIST2レジメンが・の不良例に確立している。
  • ⚠️ 重症への投与は(米国の添付文書が挙げる適応は脳卒中・心筋梗塞・肺塞栓症の3つで、全文に frostbite の語は0件)。WMS 2024年版はグレード3・4に受傷後24時間以内のを、とくにが使えない場合に推奨し、投与法も脳卒中のレジメンとは別に定められている。
  • (半減期が長く向き)、(フィブリン非選択性)と機序・使い分けを対比して覚える。

出典

  1. 1.Actilyse 50 mg powder and solvent for solution for injection and infusion — Summary of Product Characteristics (SmPC)(Boehringer Ingelheim Limited(electronic medicines compendium, UK。10. Date of revision of the text は 04/2026)・2026)全文を取得して確認した。4.1 の適応は、発症6時間以内に開始できる急性心筋梗塞(90分加速レジメン)と6〜12時間で開始する急性心筋梗塞(3時間レジメン)、血行動態が不安定な急性広範型肺塞栓症、最終健常確認から4.5時間以内の急性虚血性脳卒中の3疾患である。4.2 の脳卒中の用量は逐語で "The recommended total dose is 0.9 mg alteplase/kg body weight (maximum of 90 mg)" で、10%をボーラス、残りを60分で持続投与する。肺塞栓症は2時間で100 mg(65 kg未満は1.5 mg/kgまで)。4.3 は3適応共通の禁忌に続けて "Additional contraindications in acute myocardial infarction and acute massive pulmonary embolism" と "Additional contraindications in acute ischaemic stroke" を別項に置く構造で、"severe uncontrolled arterial hypertension" は共通の禁忌、血圧の数値を伴う項目は脳卒中の追加禁忌にだけ挙がり、その逐語は条件節まで含めて "systolic blood pressure > 185 mm Hg or diastolic BP > 110 mm Hg, or when BP cannot be reduced below these limits by careful management" である(単純な閾値ではなく、慎重な管理でも下げられないことが条件に組み込まれている)。全文に aortic・dissection の語は0件である。4.4 は投与中と投与後24時間の血圧監視を求め、逐語で "an intravenous antihypertensive therapy is recommended if systolic BP > 180 mm Hg or diastolic BP > 105 mm Hg"、さらに "treatment with platelet aggregation inhibitors should not be initiated within the first 24 hours following thrombolysis with alteplase" と述べる。急性虚血性脳卒中の治療は16歳未満には適応がなく、16歳以上の青年期は個別に利益とリスクを比較する。閲覧 2026-09-17
  2. 2.アクチバシン注600万/アクチバシン注1200万/アクチバシン注2400万 電子添文(協和キリン株式会社(PMDA 電子添文。作成又は改訂年月は2024年5月改訂・第2版)・2024)全文を取得して確認した。4. 効能又は効果は「虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)」と「急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)」の2つだけで、肺塞栓症は国内の承認適応に含まれない。6. 用法及び用量は前者が体重1 kg当たり34.8万国際単位(0.6 mg/kg)・上限3,480万国際単位(60 mg)、後者が29万〜43.5万国際単位(0.5〜0.75 mg/kg)で、いずれも総量の10%を1〜2分で急速投与し残りを1時間で投与する(注記にアルテプラーゼ1 mgは58万国際単位とある)。2. 禁忌は〈効能共通〉2.1〜2.5、〈虚血性脳血管障害急性期〉2.6〜2.11、〈急性心筋梗塞〉2.12〜2.13の3つの見出しに分かれ、「重篤な高血圧症」(2.13)は急性心筋梗塞の適応にだけ掛かる。大動脈解離は2. 禁忌には無く、1. 警告の〈虚血性脳血管障害急性期〉に1.3として「胸部大動脈解離の悪化あるいは胸部大動脈瘤破裂を起こし死亡に至った症例が報告されているため……適応を十分に検討すること」と置かれている。2.7 は降圧治療後も収縮期185 mmHg以上又は拡張期110 mmHg以上を禁忌とし、8.6 は投与中及び投与後の血圧を収縮期180 mmHg以下・拡張期105 mmHg以下に保つよう求める。8.7 は投与後24時間以内の抗凝固薬・抗血小板薬・血栓溶解剤の投与を避け、24時間以降は画像所見で頭蓋内出血の有無を確認したうえで標準的治療を実施するとしている。閲覧 2026-09-17
  3. 3.ACTIVASE (alteplase) for injection, for intravenous use — Prescribing Information(Genentech, Inc.(DailyMed, 米国。Highlights 末尾に印刷された改訂表示は Revised: 9/2022)・2022)現行SPL(setid c669f77c-fa48-478b-a14b-80b20a0139c2、labeler は Genentech, Inc.、Highlights に Initial U.S. Approval 1987、Highlights 末尾に印刷された改訂表示は Revised: 9/2022)の全文を取得して確認した。1 INDICATIONS AND USAGE が挙げる適応は急性虚血性脳卒中、急性心筋梗塞(死亡率と心不全発症の低下)、急性広範型肺塞栓症の3つで、**全文に frostbite の語は0件**であり、凍傷は米国の承認適応に含まれない。急性虚血性脳卒中の項は逐語で "Initiate treatment as soon as possible but within 3 hours after symptom onset." と述べ、米国ラベルが定める時間窓は3時間である。2.1 の用量は 0.9 mg/kg(上限90 mg)で10%を1分でボーラス、残りを60分。2.2 の急性心筋梗塞は体重基準で上限100 mg(加速レジメンは15 mgボーラス→最初の30分に50 mg→次の60分に35 mg)、2.3 の肺塞栓症は2時間で100 mg。4 CONTRAINDICATIONS は 4.1 Acute Ischemic Stroke と 4.2 Acute Myocardial Infarction or Pulmonary Embolism に分かれ、"Current intracranial hemorrhage" と "Subarachnoid hemorrhage" が挙がるのは 4.1 だけである。どちらの一覧にも大動脈解離は無く、文書全文に aortic・dissection の語は0件である。5.1 は全承認適応で出血リスクが高まる状況の一覧に "Hypertension: systolic BP above 175 mm Hg or diastolic BP above 110 mm Hg" を置く。⚠️ 禁忌欄(4)と警告欄(5)には 185/110 も 180/105 も無いが、これは「文書全体に無い」ことではない——2026年9月17日に全文を取得して数えると 180/105 は0件である一方、185/110 は1件あり、14.1 CLINICAL STUDIES の急性虚血性脳卒中の2試験の記述に逐語で "Blood pressure was actively controlled (185/110 mm Hg or lower) for 24 hours." として現れる(試験プロトコルの血圧管理の記述であって、この添付文書が定める禁忌・監視の基準ではない)。5.2 は血管浮腫が急性虚血性脳卒中・急性心筋梗塞の治療中および点滴後2時間まで観察され、多くの症例でACE阻害薬が併用されていたと述べる。閲覧 2026-09-17
  4. 4.CATHFLO ACTIVASE- alteplase injection, powder, lyophilized, for solution(Genentech, Inc.(DailyMed, 米国。本文に印刷された改訂表示は Revised: 02/2019)・2019)全文を取得して確認した(setid 91ecdef2-95ff-42dd-a31c-c8a09cab3ad9、labeler は Genentech, Inc.)。INDICATIONS AND USAGE は逐語で "Cathflo Activase (Alteplase) is indicated for the restoration of function to central venous access devices as assessed by the ability to withdraw blood." の1適応だけである。CONTRAINDICATIONS はアルテプラーゼまたは製剤成分への過敏症のみ、WARNINGS の項は逐語で "None." と書かれている。1瓶はアルテプラーゼ2 mg(10%のオーバーフィルを含み実測2.2 mg)で、Activase(setid c669f77c-fa48-478b-a14b-80b20a0139c2)とは別製品・別のSPLであり、急性虚血性脳卒中・急性心筋梗塞・急性広範型肺塞栓症の3適応はこの文書には無い。閲覧 2026-09-17
  5. 5.Wilderness Medical Society Clinical Practice Guidelines for the Prevention and Treatment of Frostbite: 2024 Update(Wilderness Medical Society (McIntosh et al., Wilderness Environ Med 35:183-197)・2024)誌上版の全文を取得して確認した(journals.sagepub.com は素のcurlもWebFetchも403だが、Internet Archiveに保存された2025-06-20の全文ページを id_ 付きURLで取得できた)。血栓溶解療法の推奨は逐語で "We suggest IV or intra-arterial tPA for the treatment of severe frostbite (Cauchy Grade 3 and 4) within 24 h of injury, especially if iloprost is not available." で、格付けは "Strong recommendation, low-quality evidence"。用量は静注が0.15 mg/kgボーラス後0.15 mg/kg/時を6時間+ヘパリン3〜5日、動注は2〜4 mgボーラス後1 mg/時を24〜48時間+ヘパリンまたは低分子ヘパリン。ヒトの凍傷では無作為化比較試験も対照試験も存在せず(根拠は症例報告・症例集積と後ろ向き研究)、外傷・最近の手術・最近の脳卒中など出血リスクのある病態では禁忌であること、現場で明らかな外傷がある場合は絶対禁忌であること、遅延1時間ごとに指趾温存率が28%低下すると報告されていること、12時間以内の投与で転帰が最も良いことを述べている。閲覧 2026-09-16
  6. 6.JCS 2018 Guideline on Diagnosis and Treatment of Acute Coronary Syndrome(Circulation Journal 83(5):1085-1196(日本循環器学会)・2019)版年は2018年(急性冠症候群ガイドライン2018年改訂版)、誌上公開は Circulation Journal 83巻5号1085-1196頁で、J-STAGE のPDF全文を取得して確認した。2.2 Contraindications to Fibrinolysis は絶対的禁忌7項目を番号付きで挙げ、7番目が逐語で "Known or suspected aortic dissection" である(1〜6は頭蓋内出血の既往、6か月以内の脳梗塞、頭蓋内新生物・動静脈奇形、最近の主要外傷・手術・頭部外傷、1か月以内の消化管出血、活動性出血)。同じ節の相対的禁忌も7項目で、4番目は逐語で "Uncontrolled severe hypertension (blood pressure ≥180/110 mmHg)"——制御不良の重症高血圧はこのガイドラインでは絶対的禁忌ではなく相対的禁忌に置かれている。閲覧 2026-09-17