薬理学

薬理学 · B1

血液凝固に作用する薬I:抗血小板薬・線溶薬・止血薬

B1: Drugs influencing blood coagulation I: Antiplatelet agents. Fibrinolytic drugs. Drugs inhibiting bleeding

前提:病態
Core49:薬理遺伝学・薬理ゲノム学:定義と例Core58:薬剤性有害反応:出血Core59:薬剤性有害反応:血栓症
応用トピック
抗血小板療法と適応非ST上昇型急性冠症候群II:治療ST上昇型急性冠症候群II:治療経皮的冠動脈血行再建術(PCI)静脈疾患に対する血管内治療虚血性心疾患(慢性・急性冠症候群)の薬物療法遺伝性血友病A・B急性冠症候群急性期脳虚血の治療
薬剤
C1インヒビター製剤アセチルサリチル酸アブシキシマブアルテプラーゼイカチバントウロキナーゼエカランチドエタムシレートエトラナコゲン デザパルボベクエピネフリンエプタコグ アルファエプチフィバチドエミシズマブオクトコグ アルファカルバゾクロムカングレロルクリオプレシピテートクロピドグレルコンシズマブシアノアクリレートジピリダモールシロスタゾールセベトラルスタットチカグレロルテネクテプラーゼデフィブロチドトラネキサム酸ノナコグ アルファビタミンKフィツシランフィブリンフォームプラスグレルプロトロンビン複合体製剤ベロトラルスタットマルスタシマブレテプラーゼ硝酸銀新鮮凍結血漿ε-アミノカプロン酸

🧠 全体像:「凝固のどこに作用するか」で3大グループに分ける。 A. (血小板を抑える)→①阻害・②(ADP受容体)拮抗・③GPⅡb/Ⅲa拮抗・④(PDE)阻害(↑)の4機序。

B. (血栓を溶かす)→→(↑)でフィブリンを分解する。

C. (出血を止める)→抗線溶・・ビタミンK・。

⚠️エピネフリンは「止血」だが本質は(血管収縮)→ひっかけ。

抗血小板薬

COX阻害(TXA₂↓)

⚠️ の心血管は、現在は年齢層に応じた個別判断とされ、既往のあるとは区別される。 米国は2022年、心血管疾患の既往が無い成人で40〜59歳かつ10年リスク10%以上では正味の利益がわずかで個別判断(C推奨)、60歳以上での新規開始は正味の利益が無いとして推奨しない(D推奨)とした。上表の適応(MI・脳卒中の・ACS)はこのの対象には含まれない1。

P2Y12(ADP受容体)拮抗

不可逆的なと、薬の区別が高頻出。

⚠️ CYP2C19ではのが弱くなる。 CPICの2022年版ガイドラインは、CYP2C19者・ではまたは後の患者で禁忌がない限り通常用量のを避け、またはを用いるべきとしている2。

⚠️ 同じCYP2C19の話が、薬物相互作用としても出る。()の選択で効果が変わる。 米国の処方情報は逐語で「Avoid concomitant use of Plavix with omeprazole or esomeprazole because both significantly reduce the antiplatelet activity of Plavix」と述べており、「減弱しうる」より強い併用回避の要求である3。

💡 ただしを一律に避ける話ではなく、薬剤ごとに程度が違う。 同じ文書はデクスランソプラゾール・ランソプラゾール・の3剤について・より影響が小さいとし、相互作用はで最大、デクスランソプラゾールで最小と述べている3。⚠️ はこの文書に現れないので、「影響が小さい薬」としてこの出典から名指しすることはできない。詳細はの項に置く。

💡 の呼吸困難はで、という機序と関連づけて説明される。 第II相DISPERSE-2試験では呼吸困難が180 mg1日2回群の15.8%に生じ群の6.4%より高頻度であり、赤血球のアデノシン取り込み阻害を介した血中アデノシン濃度上昇が機序として想定されている4。

GPⅡb/Ⅲa拮抗(血小板凝集の最終共通経路)

PDE阻害

線溶薬

いずれもをに変換してフィブリンを分解する。最大の有害事象は出血である。

💡 はでの代替として位置づけられるようになった。 欧州脳卒中機構(ESO)は2023年、発症4.5時間以内ので0.25 mg/kgを0.9 mg/kgの安全かつ有効な代替として使ってよいとし、大血管閉塞があり経静脈血栓溶解の適応がある発症4.5時間以内の例では、0.9 mg/kgより0.25 mg/kgを推奨した(中等度のエビデンス・強い推奨)5。⚠️ この推奨の対象は「経静脈血栓溶解の適応がある」大血管閉塞例であって、「の適応がある」例ではない(原文は同じ推奨に「経静脈血栓溶解がを遅らせてはならない」と付す)。

線溶薬の禁忌——適応ごとに書き分けられている

⚠️ 「の禁忌」を1行に平坦化してはいけない。 の文書はいずれも禁忌を適応ごとの見出しに分けて置いている——英国SmPCは3適応共通の禁忌に「・急性肺塞栓症の追加禁忌」「の追加禁忌」を重ねる構造6、日本の電子添文は〈効能共通〉〈虚血性急性期〉〈〉の3見出しに分かれ「重篤な高血圧症」はにだけ掛かる7、米国は 4.1()と 4.2(・肺塞栓症)の2本立てで、「現在の」「」が挙がるのは 4.1 だけである8。平坦化すると、片方の適応にだけ掛かる禁忌をもう片方へ持ち込むことになる。

⭐ ので押さえるべき禁忌は、診療ガイドラインの側にある。 日本循環器学会のガイドライン2018年改訂版は禁忌7項目として、①の既往、②6か月以内の、③頭蓋内新生物・、④最近の主要外傷・手術・、⑤1か月以内の消化管出血、⑥活動性出血、⑦逐語で “Known or suspected aortic dissection”(既知または疑われる)を挙げる9。⚠️ をとしてを投与すると致命的になるため、これが禁忌チェックの核心である。

⚠️ 制御不良の重症高血圧は「禁忌」か「」かが文書で割れる。 英国SmPC 4.3 は “severe uncontrolled arterial hypertension” を3適応共通の禁忌に置く6が、同じ日本循環器学会のガイドラインは “Uncontrolled severe hypertension (blood pressure ≥180/110 mmHg)” を相対的禁忌の4番目に置いている9。どちらかに寄せず、文書ごとに読む。

⭐ 脳卒中の血栓溶解では血圧の線が2本ある。 投与前は収縮期185 mmHg未満・拡張期110 mmHg未満へ下げ、投与中と投与後24時間は収縮期180 mmHg・拡張期105 mmHgを超えないよう管理する67。⚠️ 185/110 は単純な閾値ではない——英国SmPCの禁忌は “or when BP cannot be reduced below these limits by careful management” まで含めた文で、適切なを行っても下がらないことが条件に組み込まれている6。⚠️ また血栓溶解後24時間以内は・抗凝固薬を開始しない67。

⚠️ ・用量・は国で違う。1つの文書で「の適応はこうだ」と覚えない。

項目 日本(アクチバシン電子添文) 米国(Activase 添付文書)
の 最終健常確認から4.5時間以内6 発症後4.5時間以内7 逐語 “within 3 hours after symptom onset”8
脳卒中の用量 0.9 mg/kg(上限90 mg)6 0.6 mg/kg(上限60 mg)7 0.9 mg/kg(上限90 mg)8
肺塞栓症 にある6 に含まれない7 にある8

💡 禁忌・用量の詳細はの項に置く。 ここでは「適応ごとに書き分けられている」「国で違う」という構造だけを持ち帰ればよい。

止血薬

抗線溶薬→プラスミンを抑える

⭐ は外傷・で死亡を減らすが、投与のタイミングが効果を左右する。 40か国274施設・20,211例のCRASH-2試験では、受傷1時間以内の投与は出血による死亡の0.68、1〜3時間では0.79と有意に低下させた一方、受傷3時間以降の投与では1.44とむしろ増加した10。21か国193施設・20,060例のWOMAN試験()でも出血による死亡は群で有意に減少し(1.5% vs 1.9%)、分娩後3時間以内の投与でより大きな効果(1.2% vs 1.7%)を認めた11。「早いほど良く、遅いと無効・有害でありうる」というは外傷・のいずれにも共通する。

⚠️ の「」は、としては国で分かれ、使い方としては予防に限られる。 上の一覧のうちを挙げているのは、上の区分を欧州(英国SmPC)から採っているためである——英国SmPCは経口剤の効能に「遺伝性血管神経性浮腫」と「重度の」を挙げ、前立腺・膀胱手術、、、前房出血の、血友病患者の管理と並べている(注射剤のSmPCにはこの2つが無く、経口剤にのみ置かれている)12。一方日本の電子添文は、局所による異常出血としてを挙げるが、は効能に含まれない13。逆に、日本の電子添文にしかないもある——湿疹およびその類症・蕁麻疹・・中毒疹における紅斑・腫脹・そう痒、扁桃炎・炎における・発赤・充血・腫脹、における口内痛と口内粘膜で、いずれも英国SmPCの効能(4.1)には無い1312。国差は「日本に無いもの」だけでなく「日本にしか無いもの」の両方向に出る。片方の国の添付文書は、もう片方に何が無いかの証拠にはならないので、両方を並べて読む。

⚠️ そのうえで、では「起きている発作を止める薬」ではない。 2026年の国際/カナダ版ガイドラインは、推奨4(エビデンスLow・強い推奨)でとを急性発作の治療に用いるべきでないとする(欠損型の発作で有効性が示されていないため)。は静注の(血漿由来または遺伝子組換え)が推奨で(推奨26、Low・強い推奨)、は他に治療が入手できない場合に限る(1回25 mg/kgを1日2〜3回、最大1日3〜6 g、処置の5日前から2〜5日後まで)。長期予防の第一選択も・ドニダロルセン・・・血漿由来へ移り(推奨32、コンセンサス・強い推奨)、アンドロゲンとは第一選択から外れた。⚠️ ただし原文は続けて「以前に効果が得られていた患者や、にアクセスできない患者では考慮しうる」「を検討する前にアンドロゲンやを試す必要はない」とも述べており、「第一選択から外れた」は「使ってはいけない」ではない(長期予防での用量は1日30〜50 mg/kgを2〜3回分割、最大1日6 g)14。

⚠️ は「」であると同時に、できた血栓を溶かせなくする薬でもある。適応だけで覚えない。 英国SmPC(経口剤)の禁忌は、①過敏症、②重度の( 500 μmol/L 超。蓄積のおそれ)、③活動性の血栓塞栓症、④静脈またはの既往、⑤に続発する、⑥痙攣の既往の6項目である12。⑥について SmPC 4.4 は、の治療に伴う痙攣の報告があり、心臓手術ではその大半が高用量の静注後に報告されたと述べている(禁忌の根拠をこの報告に帰しているわけではない)。

凝固因子製剤(補充療法)

💡 は・製剤そのものではなく、内因性の放出を促す薬である。 ・軽症血友病Aでは、実際の出血・処置に使う前に反応性を確認する事前試験(DDAVP challenge test)を行ったうえで用いるべきとされている15。頻回投与では放出源が枯渇し反応性が低下する()ため、大手術や重症出血には向かない。

💡 「因子を補う」「因子の代わりに働く」「因子を出させる」は別の戦略である。 補充(・・)、機能の代替()、内因性の放出()で、インヒビターがあるときに使えるかどうかが分かれる。

⭐ ワルファリンによる大出血の中和では、とビタミンKは「どちらか」ではなく「両方」である。 製剤が補うのは今この瞬間に足りない凝固因子で、半減期の短い第Ⅶ因子が消えれば再びが上がる。ビタミンKは肝での産生そのものを回復させるが効果発現に数時間を要する。中和の推奨の強さと確実性はCore58:薬剤性:出血に置く。

ビタミンK(凝固因子の補因子)

  • ビタミンK — 因子Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ(+/S)のγの補因子|適応:ワルファリン過量の拮抗・欠乏・新生児予防

局所止血・その他

  • — を供給|適応:手術部位の
  • — 安定・改善|適応:
  • エピネフリン — α作用による血管収縮で|⚠️本質は(アナフィラキシー)=ひっかけ

⭐ 高頻度ポイント:アスピリン=不可逆的阻害(の間効く)、拮抗薬の(・=)と(・)、はCYP2C19でも、・併用でも効果が落ちる、GPⅡb/Ⅲa=凝集の(・)。:発症4.5時間以内のの経静脈血栓溶解はか(欧州脳卒中機構2023は大血管閉塞例でを優先する強い推奨。⚠️と用量は国で違い、米国ラベルは3時間・日本の用量は0.6 mg/kg)。の禁忌にはが入る(JCS 2018)。:=抗線溶(手術・・など。外傷はどちらの国の添付文書にもが無くCRASH-2に基づく使用。日本の電子添文は湿疹・蕁麻疹・・中毒疹、扁桃炎・炎、の症状にも適応をもつ。は予防目的に限り、急性発作の治療には用いない)、ビタミンK+=ワルファリン拮抗(併用が前提)、=Ⅷ(血友病A)/=Ⅸ(血友病B)/=rFVIIa/=Ⅷ因子の機能を代替(インヒビターがあっても働く)。⚠️エピネフリンは(は血管収縮の副次的効果)→ひっかけ。

📋 まとめ表

薬剤 分類 機序 適応・注意
アスピリン ・ 不可逆的阻害→TXA₂↓ MI・脳卒中の・の間効く
・ ・不可逆的拮抗 ACS・後。CYP2C19機能低下・/併用で減弱
・ ・不可逆的拮抗 を行うACS
・ 可逆的拮抗(経口) ACS・呼吸困難(アデノシン↑)
・ 可逆的拮抗(静注・速効) 中
・GPⅡb/Ⅲa 抗GPⅡb/Ⅲaモノクローナル抗体 補助
・GPⅡb/Ⅲa GPⅡb/Ⅲa拮抗(ペプチド) ACS・
・PDE PDE阻害+アデノシン取込み↓→↑ ・
・PDE-3 PDE-3阻害(+)
組換えt-PA→↑ ・肺塞栓症・(・用量・適応は国で違う)
t-PA改変体→↑(一回) (の代替)・
t-PA改変体→↑
活性化 血栓塞栓症・閉塞カテーテル
止血・抗線溶 のを遮断 手術・・(外傷はではなくCRASH-2に基づく使用)/は予防目的に限る(急性発作には用いない)
止血・抗線溶 活性化を阻害 出血
止血・凝固因子 組換え 血友病A
止血・凝固因子 組換え 血友病B
止血・凝固因子 活性型第Ⅶ因子(rFVIIa) インヒビターあり血友病
止血・凝固因子 Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹをまとめて補充 ワルファリンによる生命を脅かす出血(静注ビタミンKと併用)
止血・因子機能の代替 Ⅸa因子とⅩ因子を橋渡しする 血友病A(インヒビターの有無を問わない)
止血・間接因子放出 作動→・放出 軽症血友病A・1型(反応性を事前確認)
ビタミンK 止血・補因子 因子Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹのγ ワルファリン拮抗・新生児予防
止血・局所 供給 手術部位の
止血・その他 安定・
エピネフリン 止血⚠️(アドレナリン作動) α作用で血管収縮 ・本質はアナフィラキシー薬

出典

  1. 1.Aspirin Use to Prevent Cardiovascular Disease: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement(US Preventive Services Task Force(JAMA)・2022)心血管疾患の既往が無い成人において、40〜59歳かつ10年心血管リスク10%以上での低用量アスピリン開始は正味の利益がわずかで個別判断とし(C推奨)、60歳以上での新規開始は正味の利益が無いとして推奨しない(D推奨)とした一次予防の推奨であり、本ノートの低用量アスピリン適応(MI・脳卒中の二次予防・ACS)とは対象が異なることを確認した。閲覧 2026-08-27
  2. 2.Clinical Pharmacogenetics Implementation Consortium Guideline for CYP2C19 Genotype and Clopidogrel Therapy: 2022 Update(Clinical Pharmacology & Therapeutics・2022)CYP2C19中間代謝者・低代謝者では、急性冠症候群またはPCI後の患者で禁忌がない限り通常用量のクロピドグレルを避け、プラスグレルまたはチカグレロルを用いるべきとしたこと(2022年版で中間代謝者への推奨強度を「中等度」から「強い推奨」へ格上げ)を確認した。閲覧 2026-08-27
  3. 3.PLAVIX (clopidogrel) tablets, for oral use — Prescribing Information(Sanofi-Aventis U.S. / DailyMed(U.S. FDA)・2025)全文で確認した。6.1項は、CURE試験(クロピドグレル+アスピリン対プラセボ+アスピリン)とCAPRIE試験(クロピドグレル対アスピリン)のいずれについても、クロピドグレル群でより高頻度に報告された出血として鼻出血を挙げている。プロトンポンプ阻害薬については逐語で「Avoid concomitant use of Plavix with omeprazole or esomeprazole because both significantly reduce the antiplatelet activity of Plavix」と併用回避を求める。⚠️ ただし一律の禁止ではなく段階がある。逐語で「Dexlansoprazole, lansoprazole, and pantoprazole had less effect on the antiplatelet activity of Plavix than did omeprazole or esomeprazole」「the interaction was highest with omeprazole and least with dexlansoprazole」とあり、名指しされている代替はデクスランソプラゾール・ランソプラゾール・パントプラゾールの3剤で、ラベプラゾールはこの文書には現れない。枠組み警告はCYP2C19の機能喪失型アレルを2つもつ患者での抗血小板効果の減弱を扱う。閲覧 2026-09-05
  4. 4.Ticagrelor: The First Reversibly Binding Oral P2Y12 Receptor Antagonist(Cardiovascular Therapeutics・2009)チカグレロルはP2Y12受容体に可逆的に結合しクロピドグレルなど不可逆的なチエノピリジン系と異なり薬物濃度の低下とともに効果が消退すること、第II相DISPERSE-2試験で呼吸困難がチカグレロル180 mg1日2回群の15.8%に生じクロピドグレル群の6.4%より高頻度であったこと、機序として赤血球のアデノシン取り込み阻害による血中アデノシン濃度上昇が想定されていることを確認した。閲覧 2026-08-27
  5. 5.European Stroke Organisation (ESO) expedited recommendation on tenecteplase for acute ischaemic stroke(European Stroke Organisation・2023)発症4.5時間以内の急性虚血性脳卒中に対し、テネクテプラーゼ0.25 mg/kgをアルテプラーゼ0.9 mg/kgの安全かつ有効な代替として用いてよいこと(中等度のエビデンス・強い推奨)、大血管閉塞があり経静脈血栓溶解の適応がある発症4.5時間以内の例ではアルテプラーゼ0.9 mg/kgよりテネクテプラーゼ0.25 mg/kgを推奨したこと(同じく中等度のエビデンス・強い推奨。原文の限定は who are eligible for intravenous thrombolysis であって血栓回収療法の適応ではなく、同じ推奨に Intravenous thrombolysis should not delay mechanical thrombectomy が付く)を確認した。閲覧 2026-08-27
  6. 6.Actilyse 50 mg powder and solvent for solution for injection and infusion — Summary of Product Characteristics (SmPC)(Boehringer Ingelheim Limited(electronic medicines compendium, UK。10. Date of revision of the text は 04/2026)・2026)全文を取得して確認した。4.1 の適応は、発症6時間以内に開始できる急性心筋梗塞(90分加速レジメン)と6〜12時間で開始する急性心筋梗塞(3時間レジメン)、血行動態が不安定な急性広範型肺塞栓症、最終健常確認から4.5時間以内の急性虚血性脳卒中の3疾患である。4.2 の脳卒中の用量は逐語で "The recommended total dose is 0.9 mg alteplase/kg body weight (maximum of 90 mg)"。4.3 は3適応共通の禁忌に続けて "Additional contraindications in acute myocardial infarction and acute massive pulmonary embolism" と "Additional contraindications in acute ischaemic stroke" を別項に置く構造で、"severe uncontrolled arterial hypertension" は共通の禁忌、血圧の数値を伴う項目は脳卒中の追加禁忌にだけ挙がり、その逐語は条件節まで含めて "systolic blood pressure > 185 mm Hg or diastolic BP > 110 mm Hg, or when BP cannot be reduced below these limits by careful management" である(単純な閾値ではなく、慎重な管理でも下げられないことが条件に組み込まれている)。全文に aortic・dissection の語は0件である。4.4 は投与中と投与後24時間の血圧監視を求め、逐語で "an intravenous antihypertensive therapy is recommended if systolic BP > 180 mm Hg or diastolic BP > 105 mm Hg"、さらに "treatment with platelet aggregation inhibitors should not be initiated within the first 24 hours following thrombolysis with alteplase" と述べる。閲覧 2026-09-22
  7. 7.アクチバシン注600万/アクチバシン注1200万/アクチバシン注2400万 電子添文(協和キリン株式会社(PMDA 電子添文。作成又は改訂年月は2024年5月改訂・第2版)・2024)全文を取得して確認した。4. 効能又は効果は「虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)」と「急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)」の2つだけで、肺塞栓症は国内の承認適応に含まれない。6. 用法及び用量は前者が体重1 kg当たり0.6 mg/kg・上限60 mg、後者が0.5〜0.75 mg/kgである。2. 禁忌は〈効能共通〉2.1〜2.5、〈虚血性脳血管障害急性期〉2.6〜2.11、〈急性心筋梗塞〉2.12〜2.13の3つの見出しに分かれ、「重篤な高血圧症」(2.13)は急性心筋梗塞の適応にだけ掛かる。2.7 は降圧治療後も収縮期185 mmHg以上又は拡張期110 mmHg以上を禁忌とし、8.6 は投与中及び投与後の血圧を収縮期180 mmHg以下・拡張期105 mmHg以下に保つよう求める。8.7 は投与後24時間以内の抗凝固薬・抗血小板薬・血栓溶解剤の投与を避けるとしている。閲覧 2026-09-22
  8. 8.ACTIVASE (alteplase) for injection, for intravenous use — Prescribing Information(Genentech, Inc.(DailyMed, 米国。Highlights 末尾に印刷された改訂表示は Revised: 9/2022)・2022)現行SPLの全文を取得して確認した。1 INDICATIONS AND USAGE が挙げる適応は急性虚血性脳卒中、急性心筋梗塞、急性広範型肺塞栓症の3つである。急性虚血性脳卒中の項は逐語で "Initiate treatment as soon as possible but within 3 hours after symptom onset." と述べ、米国ラベルが定める時間窓は3時間である。2.1 の用量は 0.9 mg/kg(上限90 mg)。4 CONTRAINDICATIONS は 4.1 Acute Ischemic Stroke と 4.2 Acute Myocardial Infarction or Pulmonary Embolism に分かれ、"Current intracranial hemorrhage" と "Subarachnoid hemorrhage" が挙がるのは 4.1 だけである。どちらの一覧にも大動脈解離は無く、文書全文に aortic・dissection の語は0件である。5.1 は全承認適応で出血リスクが高まる状況の一覧に "Hypertension: systolic BP above 175 mm Hg or diastolic BP above 110 mm Hg" を置く。閲覧 2026-09-22
  9. 9.JCS 2018 Guideline on Diagnosis and Treatment of Acute Coronary Syndrome(Circulation Journal 83(5):1085-1196(日本循環器学会)・2019)版年は2018年(急性冠症候群ガイドライン2018年改訂版)、誌上公開は Circulation Journal 83巻5号1085-1196頁で、J-STAGE のPDF全文を取得して確認した。2.2 Contraindications to Fibrinolysis は絶対的禁忌7項目を番号付きで挙げ、7番目が逐語で "Known or suspected aortic dissection" である(1〜6は頭蓋内出血の既往、6か月以内の脳梗塞、頭蓋内新生物・動静脈奇形、最近の主要外傷・手術・頭部外傷、1か月以内の消化管出血、活動性出血)。同じ節の相対的禁忌も7項目で、4番目は逐語で "Uncontrolled severe hypertension (blood pressure ≥180/110 mmHg)"——制御不良の重症高血圧はこのガイドラインでは絶対的禁忌ではなく相対的禁忌に置かれている。閲覧 2026-09-22
  10. 10.The importance of early treatment with tranexamic acid in bleeding trauma patients: an exploratory analysis of the CRASH-2 randomised controlled trial(The Lancet(CRASH-2 trial collaborators)・2011)40か国274施設・20,211例を対象としたCRASH-2試験の探索的解析で、受傷1時間以内のトラネキサム酸投与は出血による死亡のリスク比0.68、1〜3時間では0.79といずれも有意に低下させた一方、受傷3時間以降の投与ではリスク比1.44とむしろ増加したことを確認した。閲覧 2026-08-27
  11. 11.Effect of early tranexamic acid administration on mortality, hysterectomy, and other morbidities in women with post-partum haemorrhage (WOMAN): an international, randomised, double-blind, placebo-controlled trial(Lancet・2017)21か国193施設・20,060例を対象としたRCT(WOMAN試験)で、トラネキサム酸群は出血による死亡が有意に減少し(1.5% vs 1.9%、RR 0.81)、分娩後3時間以内に投与された群でより大きな効果(1.2% vs 1.7%、RR 0.69)を認めたことを確認した。閲覧 2026-08-27
  12. 12.Tranexamic Acid Tillomed 500 mg film-coated Tablets — Summary of Product Characteristics(Tillomed Laboratories(英国, electronic Medicines Compendium)・2026)英国SmPC本文(emc)で確認した。経口剤の効能(4.1)は、線溶亢進・フィブリノゲン溶解亢進による出血またはそのリスクへの短期使用と、局所線溶亢進として前立腺・膀胱手術、過多月経、重度の鼻出血、子宮頸部円錐切除、外傷性前房出血の再出血予防、遺伝性血管神経性浮腫、血友病患者の抜歯管理を挙げる。遺伝性血管神経性浮腫では1回2〜3錠を1日2〜3回とし、発症を自覚できる患者は間欠投与、それ以外は継続投与とする(4.2)。禁忌(4.3)は過敏症、重度の腎機能障害(血清クレアチニン 500 μmol/L 超、蓄積のおそれ)、活動性の血栓塞栓症、静脈または動脈血栓症の既往、消費性凝固障害に続発する線溶亢進、痙攣の既往の6項目である。注射剤のSmPC(Cyklokapron)には遺伝性血管神経性浮腫・鼻出血の記載がなく、経口剤にのみ置かれている点も同一コーパスの薬剤ノートの記載と一致する閲覧 2026-09-07
  13. 13.トランサミン錠250mg/トランサミン錠500mg/トランサミンカプセル250mg/トランサミン散50% 電子添文(2023年1月改訂 第1版)(第一三共株式会社 / 医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2023)PMDAの電子添文本文(view=body)で確認した。効能又は効果は、全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病・再生不良性貧血・紫斑病等、及び手術中術後の異常出血)、局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血(肺出血・鼻出血・性器出血・腎出血・前立腺手術中術後の異常出血)、湿疹およびその類症・蕁麻疹・薬疹中毒疹における紅斑腫脹そう痒、扁桃炎咽喉頭炎における咽頭痛等、口内炎における口内痛とアフタであり、鼻出血が承認適応に含まれる一方で遺伝性血管性浮腫は効能に含まれないことを確認した閲覧 2026-09-07
  14. 14.The International/Canadian hereditary angioedema guideline(Canadian Hereditary Angioedema Network (CHAEN/RCAOH)・2026)Europe PMCの全文(PMC13123228)で確認した。推奨4は「Attenuated androgens and tranexamic acid should not be used for the acute treatment of attacks」(Level of Evidence Low、Strength of Recommendation Strong)で、理由はC1インヒビター欠損によるHAE発作の急性期治療で有効性が示されていないことである。短期予防は推奨26「Intravenous pdC1INH or rhC1INH should be used for short-term prophylaxis」(Low、Strong)で、本文は抗線溶薬について1回25 mg/kgを1日2〜3回・最大1日3〜6 g・処置の5日前から2〜5日後までとしたうえで「Antifibrinolytic agents should be used only if other therapies are not available」と限定する。長期予防は推奨32「Berotralstat, donidalorsen, garadacimab, lanadelumab, or pdC1INH could be used as first-line therapy for long-term prophylaxis」(Consensus、Strong)で、本文は「While androgens and antifibrinolytics are no longer recommended as first-line options for LTP, they may be considered for patients who have previously benefitted from their use or who face barriers to accessing first-line therapies」「It should not be necessary for patients to try androgens or antifibrinolytics before considering first-line treatments」と続け、長期予防でのトラネキサム酸の用量を1日30〜50 mg/kgの2〜3回分割、最大1日6 gとする。すなわち急性発作の治療には用いないが、予防では第一選択から外れたにとどまり禁止ではない閲覧 2026-09-07
  15. 15.ASH ISTH NHF WFH 2021 guidelines on the management of von Willebrand disease(ASH/ISTH/NHF/WFH・2021)von Willebrand病および軽症血友病Aでは、デスモプレシンを実際の出血・処置の場面で使う前に反応性を確認する事前試験(DDAVP challenge test)を行ったうえで治療に用いるべきとしたことを確認した。閲覧 2026-08-27