薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · B1 Hemostatics / 止血薬

ノナコグ アルファ

nonacog alfa

分類
Hemostatics / 止血薬
商品名(日本)
ベネフィクス
商品名(EU)
BeneFIX
科目
Pharmacology
トピック
B1: Drugs influencing blood coagulation I: Antiplatelet agents. Fibrinolytic drugs. Drugs inhibiting bleeding
副作用
皮疹
対象疾患
血友病A・B

🧠 全体像:( )は組換え製剤で、血友病B(欠乏、別名)に対する補充療法の中心薬である。(・血友病A)と機序・臨床像の骨格は共通するが、血友病Bは血友病全体の15〜20%と少数派であり、さらに製剤に特有の免疫学的合併症(アナフィラキシー・)を持つ点が血友病Aとの違いとして試験で問われやすい。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 補充する因子 頻度
組換え 血友病A 約80〜85%
組換え 血友病B() 約15〜20%
活性型第Ⅶ因子(rFVIIa) インヒビター保有血友病の出血 として両病型に共通して使う

⭐ が有効なのは軽症血友病A(放出作用)に限られ、血友病Bには無効。 は内皮からの放出で増やせる因子ではないため、血友病Bの出血には常に()またはが必要になる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='factor IX'>第Ⅸ因子</span>遺伝子(F9)変異により血友病Bを発症"] --> B["活性化<span class='jp-term jp-term-diagram' title='factor IX'>第Ⅸ因子</span>が不足"]
    B --> C["活性化<span class='jp-term jp-term-diagram' title='factor VIII'>第Ⅷ因子</span>との複合体(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tenase complex'>テナーゼ複合体</span>)が形成できない"]
    C --> D["第Ⅹ因子の活性化が非効率になり<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thrombin generation'>トロンビン産生</span>が不足"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='platelet plug'>血小板血栓</span>は形成されるが安定した<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibrin mesh'>フィブリン網</span>ができない"]
    E --> F["深部での出血遷延・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='delayed rebleeding'>遅発性再出血</span>"]
    G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nonacog alfa'>ノナコグ</span>(組換え<span class='jp-term jp-term-diagram' title='factor IX'>第Ⅸ因子</span>)を補充"] --> B

血友病A・Bはいずれも同じ(活性化+活性化)を構成する一方の因子が欠けるという点で対称的であり、臨床像(は保たれが障害される深部出血パターン)も共通する。

適応

血友病B(欠乏)の出血の治療・予防(周術期を含む)。重症例では出血前からのを行う。

用法・用量

体重・目標因子活性・製剤回収率から単位/kgで用量を計算する。WFHの第3版は推奨の付記で、従来の目標1 IU/dL(1%)では出血リスクが残るため、多くの臨床医がより高い(3〜5%超、またはそれ以上)を目指すようになったと述べ、投与量・回数とのを踏まえて個別化するとしている1。実際の用量・は重症度・出血部位・製剤で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:ハムスター蛋白などへの過敏症
  • ⚠️ インヒビター(に対する抗体)発生時のでは、製剤に対するアナフィラキシーやのリスクがあり、血友病Aより慎重な適応判断を要する
  • インヒビター陽性のには(rFVIIa)などのを用いる
  • はを増やす作用を持たないため無効

副作用

頻度 内容
注意 過敏症・、皮疹
重篤・まれ インヒビター(に対する抗体)発生、血栓症

まとめ

  • 組換え製剤。血友病B(、欠乏)に対する補充療法の中心薬で、血友病全体の約15〜20%を占める。
  • 血友病Aと臨床像・機序の骨格は共通するが、頻度は少数派である。
  • は血友病Bには無効(を増やす作用がないため)。
  • インヒビター発生時のでは、製剤特有のアナフィラキシー・リスクに注意する。
  • (・血友病A)と対の関係にあり、(rFVIIa)はどちらのインヒビター陽性例にも使えるである。

出典

  1. 1.WFH Guidelines for the Management of Hemophilia, 3rd edition(World Federation of Hemophilia・2020)Wayback保存のWFH公式PDF(www1.wfh.org、184頁)で確認した。推奨の付記(REMARK)で、従来はトラフ値1 IU/dL(1%)が十分な目標とされたが1%では出血リスクが残るため、多くの臨床医はより高いトラフ値(3〜5%超、またはそれ以上)を目標とするのを好むようになったと述べ、高いトラフ値は投与量・投与回数の増加を伴うので個々の活動・生活・薬物動態に合わせて個別化するとしていること(推奨本文が目標値を改訂したのではない)。閲覧 2026-09-24