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Drug Atlas · B1 Hemostatics / 止血薬 · 必修

エタムシレート

etamsylate

分類
Hemostatics / 止血薬
商品名(EU)
Dicynone
科目
Pharmacology
トピック
B1: Drugs influencing blood coagulation I: Antiplatelet agents. Fibrinolytic drugs. Drugs inhibiting bleeding
禁忌疾患
急性ポルフィリン症
副作用
頭痛低血圧悪心皮疹

🧠 全体像など)ともとも異なる・その他」グループに属し、にも系にも作用しない。を安定化し血小板のを改善するという、いわば血管そのものへ働きかける機序を持つ。この機序の違いが、が主体ではない「毛細血管性のにじむような出血」というな適応につながっている。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 機序 位置づけ
の安定化+改善 性のに用いる
フィブリンマトリックスを局所供給 物理的なへの直接留置のみ
エピネフリン α作用による血管収縮 ⚠️本質はは副次的効果に過ぎない

は凝固因子にも系にも作用しない、数少ない「血管壁そのもの」に働くである。 そのため凝固異常の(PT・APTTなど)には影響を与えず、毛細血管の脆弱性が主体の出血(など)に位置づけられる。

機序

の内皮細胞間結合を安定化させるとともに、血小板の能を高めることで毛細血管性の出血を軽減する。凝固因子や系には作用しないため、全身の凝固能・線溶能そのものは変化させない。

適応

の予防・治療。として使われてきたが、直接比較したRCTでは平均流量を有意に減少させず、同時に比較されたメフェナム酸(20%減)・(54%減)に劣る結果だった1予防という歴史的な適応もあるが、Cochraneレビューは出血の重症度自体は減らすものの・2歳時点のは改善せず、ルーチン使用は推奨できないしている2

⚠️ 日本ではカルバゾクロム(商品名アドナ)が同じ「を安定化する」という機序枠で承認されており、しばしば混同される。 しかしとカルバゾクロムは別の化合物であり、日本で承認・流通しているのはカルバゾクロムの方である3

用法・用量

PO/IV/IM。実際の用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛悪心
注意 皮疹低血圧
重篤・まれ 過敏反応

まとめ

  • 凝固因子にも系にも作用しない、の安定化+改善による
  • 適応は毛細血管性のにじむような出血に限られ、による出血には無効。
  • PT・APTTなど凝固に影響を与えない点がとの違い。
  • (物理的)・エピネフリン(本質は)とともに「・その他」グループを構成する。
  • エビデンスは乏しい。 ではRCTで有効性を示せず、のIVH予防でも出血の重症度は減らせるが死亡率・は改善しないため、いずれもルーチン使用は推奨されていない。
  • 日本で承認されている類似薬はカルバゾクロム(アドナ)であり、とは別の化合物である。

出典

  1. 1.Ethamsylate for the prevention of morbidity and mortality in preterm or very low birth weight infants(Cochrane Database of Systematic Reviews・2010)未熟児のIVH(脳室内出血)はグレード問わず有意に減少させるが、新生児死亡率・2歳時点の神経発達予後は改善せず、ルーチン使用は推奨できないと結論閲覧 2026-08-03
  2. 2.Treatment of menorrhagia during menstruation: randomised controlled trial of ethamsylate, mefenamic acid, and tranexamic acid(BMJ・1996)エタムシレートは平均月経血流量を減少させず、メフェナム酸(20%減)・トラネキサム酸(54%減)と比べて有効性が乏しいことを確認閲覧 2026-08-03
  3. 3.アドナ(アドナ錠10mg 他)添付文書(KEGG MEDICUS(日本の医療用医薬品添付文書)・2025)日本で承認されている類似の毛細血管系止血薬「アドナ」の一般名がカルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物であり、エタムシレートとは別の化合物であることを確認閲覧 2026-08-03