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Symptoms · Published

過多月経

Heavy menstrual bleeding

別名
menorrhagia
臓器系
生殖・産婦人科血液
科目
Internal MedicinePediatricsGynecology
トピック
内科学 H-12:フォン・ヴィレブランド病内科学 H-18:ITP小児科 1-04:出血性疾患と免疫性血小板減少症婦人科学 28:子宮内膜症と子宮腺筋症
関連疾患
フォン・ヴィレブランド病異常子宮出血(機能性子宮出血)血友病A・B子宮筋腫子宮内膜症・子宮腺筋症免疫性血小板減少症
スコア
出血評価ツール(ISTH-BAT)

🧠 全体像は「月経の出血量そのものが多い」という訴えであり、周期・タイミングの異常(で扱う)とは別の軸である。臨床的な意義は二重で、一つは「どこから過多と判定するか」という定義の問題、もう一つはそのものが全身性のを疑う入り口になるという点にある。

定義:出血量をどう「過多」と判定するか

古典的には、総経血量が1周期あたり80mL以上、または間が8日以上続くことを(menorrhagia)の基準としてきた。この閾値は、のリスクが有意に上昇する量として研究上設定されたものである。

しかし出血量を直接測定する方法(など)は日常診療では非現実的であり、現行の実務的な定義は患者本人の身体的・・情緒的・物質的な生活の質(QOL)を損なうかどうかを基準に置き換わっている。

での指標 過多を示唆する目安
生理用品の交換頻度 1〜2時間ごとの交換が必要
直径2.5cm超のを繰り返し認める
夜間の対応 夜間の交換が必要、複数の生理用品を重ねて使う
8日を超えて持続する
生活への影響 出血を理由に外出・仕事・学業を控える

出血性疾患のスクリーニングとしての意義

は、直後からの持続的な・分娩・手術後の・易出血、の出血歴を伴う場合、全身性の(特に)の診断契機になり得る。(血小板・)の異常は・点状出血など粘膜出血が主体になりやすく、を来す(凝固因子)障害とは出血パターンが異なる(→)。病歴の定量化にはが有用である。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heavy menstrual bleeding (menorrhagia)'>過多月経</span>の訴え"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='menarche'>初経</span>後からの持続、易出血徴候、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bleeding disorder'>出血性疾患</span>の家族歴があるか"}
    B -->|"あり"| C["血算・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ferritin'>フェリチン</span>に加え凝固スクリーニング(PT・APTT・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='von Willebrand factor (vWF)'>von Willebrand因子</span>)を追加"]
    B -->|"なし"| D["婦人科的原因(構造的病変・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ovulatory dysfunction'>排卵障害</span>)の評価を優先"]
    C --> E["異常があれば血液専門科と評価"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='abnormal uterine bleeding, AUB'>異常子宮出血</span>の枠組みで周期性を確認"]

PALM-COEIN分類の中での位置づけ

の原因は全体に及ぶが、規則周期を保ったまま量だけが多い場合は(特にA:、L:)またはE()、周期そのものが不整で時に多量になる場合はO()、直後から持続する多量出血はC(凝固異常)を示唆する。分類全体の枠組みと、周期・タイミングの異常についてはを参照。

⚠️見逃してはいけないもの

  • 急性の大量出血で血行動態が不安定、または高度貧血症状(、めまい、失神)を伴う場合は、原因検索より先に、血算、血液型・を含む安定化を優先する。
  • 思春期の直後からの高度なは、のスクリーニングを婦人科的原因の検索と並行して行う。婦人科評価が終わってから検討すると診断が遅れる。

まとめ

  • は出血「量」の異常であり、周期・タイミングの異常()とは別の軸で評価する。
  • 定義は1周期あたり80mL以上・8日以上の持続だが、実務上は患者のQOLへの影響を基準にした(交換頻度、、夜間対応、生活への支障)で判定する。
  • は全身性の、特にのスクリーニング契機になる。直後からの持続、易出血徴候、家族歴があれば凝固スクリーニングを追加する。
  • は粘膜出血(を含む)が主体で、異常の深部出血とはパターンが異なる。
  • の中では、規則周期での過多はPALM・E、での過多はO、直後からの持続はCを示唆する。
  • 急性大量出血によるは、原因検索より先に安定化を優先する。