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Symptoms · Published

異常子宮出血

Abnormal uterine bleeding

別名
AUB不正出血
臓器系
生殖・産婦人科腫瘍
科目
GynecologyPathophysiology
トピック
婦人科 04:機能性子宮出血(現在の排卵障害関連異常子宮出血)婦人科 22:子宮体癌の症候・徴候・検診病態生理 I-26:更年期移行期と閉経
関連疾患
骨盤内炎症性疾患子宮体癌子宮内膜ポリープ子宮頸癌多嚢胞性卵巣症候群平滑筋肉腫卵巣癌卵巣機能性嚢胞・良性腫瘍淋菌感染症
起因薬
デソゲストレルドロスピレノンノルエチステロンメドロキシプロゲステロン酢酸エステルレボノルゲストレル

🧠 全体像:「」という患者の訴えは、量の異常()と、周期・タイミングの異常(不規則な出血)という性質の異なる2つの軸を含んでいる。本ノートは後者——いつ出血するかという軸——に絞る。FIGOはこの軸を「頻度」「規則性」「持続期間」「」「」という用語に整理し、原因は構造的・非構造的の両面からで体系化した。量そのものの異常はに譲り、ここでは「どの周期パターンがどの原因群を示唆するか」という臨床的な絞り込みを扱う。

用語の整理:タイミングで捉える異常子宮出血

患者の「生理が乱れている」という訴えは、正常月経の基準(周期24〜38日、周期間のばらつきが年齢別基準内、持続8日以内)のどの軸から外れているかで、示す病態が変わる。

用語 定義 示唆すること
周期24日未満 を疑う
周期38日超 を疑う
周期のばらつきが年齢別基準を超える
間が8日を超える 構造的病変または内膜性の異常
月経と月経の間に生じる出血 排卵期の生理的出血(周期性)と、による不定期出血を区別する
から12か月以上経ってからの出血 量にかかわらず常に異常。の除外が最優先

💡 かつての「」「」といった曖昧な用語は、量とタイミングを混同していた。現在はこの表のように軸を分けて記述することで、原因の絞り込みが体系的になる。

PALM-COEIN分類:構造的原因と非構造的原因

区分 原因 タイミングの手がかり
P:ポリープ 規則周期の中での
A: 規則周期での
L: (特に 規則周期を保つことが多い
M:悪性・過形成 、持続する不整な出血
C:凝固異常 など 直後からの持続的な
O: (PMOS・など) ・予測不能なタイミング
E: 機構の異常(排卵は保たれる) 規則周期を保つ
I:医原性 、抗凝固薬、IUDなど 服薬・処置の時期と一致する
N: 上記に当てはまらないもの

⭐ タイミング軸から見ると、周期が不整・予測不能ならO()を疑い、規則周期を保ったまま出血するならPALM・E・Cのいずれかを疑うという大まかな振り分けができる。量そのものの評価やのスクリーニングとしての意義はで扱う。

⚠️見逃してはいけないパターン

  • から12か月以上経過してからの出血は、量が少量・一過性でも常に異常であり、を除外する評価を省略しない。
  • 妊娠可能年齢での急な周期変化:まず妊娠検査を行い、流産・など妊娠関連の病態を除外する。
  • 性交後出血・周期にな持続出血を含む)を疑い、直近の細胞診が陰性でも・生検を検討する。
  • 血行動態が不安定な急性大量出血:原因検索より先に気道・循環の安定化を優先する。

鑑別の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='abnormal uterine bleeding'>不正出血</span>:周期・タイミングの異常"] --> B{"閉経後か"}
    B -->|"はい"| C["量にかかわらず<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endometrial cancer'>子宮体癌</span>の除外評価へ"]
    B -->|"いいえ"| D["妊娠検査"]
    D -->|"陽性"| E["妊娠関連の原因を評価"]
    D -->|"陰性"| F{"周期は規則的か"}
    F -->|"不整・予測不能"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='AUB-O'>排卵障害</span>を想定し内分泌評価"]
    F -->|"規則的だが周期外に出血"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='PALM'>構造的病変</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cervical lesion'>子宮頸部病変</span>を評価"]
    F -->|"規則的で量のみ多い"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heavy menstrual bleeding (menorrhagia)'>過多月経</span>の枠組みで評価"]

まとめ

  • 」は量の異常と、周期・タイミングの異常という別軸を含む。本ノートはタイミング軸(頻度・規則性・)に絞る。
  • (P・A・L・M)と(C・O・E・I・N)に整理する。タイミングでは、はO()、規則周期を保つ出血はPALM・E・Cを示唆する。
  • は量にかかわらず常に異常で、の除外評価を最優先する。
  • 妊娠可能年齢では常に妊娠検査を先行させ、性交後出血・周期にな出血はを疑う。
  • 急性大量出血で血行動態が不安定な場合は、原因検索より先に安定化を優先する。