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Drug Atlas · B16 Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬 · 必修

ノルエチステロン

norethisterone

分類
Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬
商品名(日本)
ノアルテン
商品名(EU)
Primolut N
科目
Pharmacology
トピック
B16: Progestins and antiprogestins. Contraceptives
禁忌疾患
乳癌深部静脈血栓症
副作用
異常子宮出血血栓塞栓症
対象疾患
異常子宮出血(機能性子宮出血)子宮内膜症・子宮腺筋症

🧠 全体像骨格を持つ古典的な合成で、避妊薬の成分としてよりも「月経をコントロールする」としての顔が実は強い薬である。の急性期止血、の子宮内膜保護、そして旅行や試験前に月経をに遅らせる「まで、周期そのものを操作する用途が中心になる。由来ゆえに弱いアンドロゲン作用を併せ持ち、これがのような「アンドロゲン作用が少ない/ない」世代のとの立ち位置の違いになる。

薬効群の中での位置づけ

は化学構造上の由来でも分類できる。

構造系統 代表薬 特徴
弱いアンドロゲン作用。ごく一部がへ代謝される
、より選択的) アンドロゲン作用は世代が進むほど弱まる
(プロゲステロン骨格) アンドロゲン作用はほぼない
誘導体 抗アンドロゲン+
ステロイド性抗アンドロゲン 強いが主作用

「月経を止血する」「月経を遅らせる」という2つの使い方は、避妊とは独立した適応として押さえる。 の急性期には高用量を短期集中投与して子宮内膜を安定化させ、には排卵後から予定日をまたいで内服を続けることで内膜の脱落を先延ばしにする——どちらもゴナドトロピン抑制より子宮内膜へのを利用した使い方である。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='norethisterone'>ノルエチステロン</span>を投与"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='progesterone receptor (PgR/PR)'>プロゲステロン受容体</span>(PR)を作動"]
    B --> C["ゴナドトロピン抑制→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ovulation suppression'>排卵抑制</span>(避妊)"]
    B --> D["子宮内膜の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='secretory phase'>分泌期</span>様変化・安定化"]
    D --> E["高用量短期投与→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='heavy menstrual bleeding (menorrhagia)'>過多月経</span>の急性止血"]
    D --> F["排卵後から予定日超えて継続投与→内膜の脱落を先延ばし(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='menstrual cycle shifting'>月経移動</span>)"]
    A --> G["弱い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='androgen receptor'>アンドロゲン受容体</span>部分作動"]
    A --> H["ごく一部が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ethinylestradiol'>エチニルエストラジオール</span>へ代謝<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='therapeutic dose'>治療用量</span>では臨床的意義は乏しい)"]

💡 の原理は「黄体を人工的に延命させる」ことに近い。 排卵後に内服を始めて予定の月経日を越えて継続すると、子宮内膜はの作用下で安定したまま維持され、服用を止めた数日後にとして月経が来る。排卵前から始めても効果が乏しいため、開始タイミングが重要になる。

薬物動態

項目 値・特徴
経口吸収 良好
代謝 。ごく一部がへ変換される(では臨床的影響は小さいとされる)
半減期 比較的短い(数時間〜約8時間程度)ため、・止血目的では1日複数回投与が必要になる

適応

領域 使いどころ
月経関連 の急性期止血、(旅行・試験・行事前にに月経を遅らせる)
疼痛の初期治療(・他のと並ぶ選択肢)
エストロゲン療法における子宮内膜保護の成分
避妊 の成分

用法・用量

:予定月経日の約3日前から1回5 mgを1日3服開始し、月経を遅らせたい期間継続する(内服中止後2〜3日でが起こる)。の急性期止血:1回5 mgを1日3回、5〜10日間程度の短期集中投与で子宮内膜を安定化させる。HRT・避妊:周期または連日投与のレジメンに従う。実際の用法・用量は適応・年齢・体重・肝腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:妊娠、原因不明の性器出血(評価未了の場合)、活動性のなどの血栓塞栓症、腫瘍(乳癌など)
  • ⚠️ 弱いアンドロゲン作用を持つため、・脂性肌の悪化やコレステロールプロファイルへの影響が、を持つ等より出やすい
  • エストロゲン併用時(HRT・COC成分として)は血栓塞栓症リスクがエストロゲン側の寄与でされる

副作用

頻度 内容
高頻度 、気分変化
注意 体重変化、・脂性肌の悪化(アンドロゲン作用による)
重篤・まれ (エストロゲン併用時に増強)

まとめ

  • 骨格()由来の古典的。弱いアンドロゲン作用を持つ。
  • 避妊よりもの急性止血・・子宮内膜保護といった「周期を操作する」用途で際立つ。
  • は排卵後から予定日を越えて内服を続け、黄体を人工的に延命させることで内膜の脱落を先延ばしにする。
  • ごく一部がへ代謝されるが、では臨床的意義は乏しいとされる。
  • アンドロゲン作用があるため、への影響は等より目立ちやすい。
  • 半減期が短いため、止血・目的では1日複数回投与が必要。