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Drug Atlas · B16 Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬 · 必修

ウリプリスタル酢酸塩

ulipristal acetate

分類
Sex hormones & modulators / 性ホルモン関連薬
商品名(EU)
ellaOne
科目
Pharmacology
トピック
B16: Progestins and antiprogestins. Contraceptives
副作用
腹痛頭痛悪心
対象疾患
子宮筋腫

🧠 全体像であり、組織によって作動性・拮抗性の性質を変える。同じ分子でも「単回30 mgの薬」と「連日5 mgを長期投与する治療薬」ではリスクの重さがまったく違うという点が、この薬を理解するうえで最も重要になる。としての単回投与は現在も広く使われる一方、長期投与を要するの適応は重篤な肝障害の報告を受けて欧州で使用制限がかかり、2024年には製造販売元が欧州市場から自主撤退した——同一成分でも用法によって安全性プロファイルが大きく異なることを学ぶ好例である。

薬効群の中での位置づけ

/SPRM 受容体への作用 臨床的な性質 適応
PR選択的モジュレーター(SPRM) 組織によって作動性・拮抗性が変わる。子宮内膜・組織では的に働く (現在は使用が大きく限定)
PR拮抗(完全)+GR拮抗 一貫した拮抗薬 の高

薬としてはと比較されることが多い。

有効 間際での有効性 体重・BMIの影響
性交後120時間まで 開始後でも排卵を遅延・抑制できる 高BMIで効果は落ちるが、ほど早期に落ちない
性交後72時間まで が始まると無効 より低いBMIから効果低下が始まるとされる

「排卵直前でも効く」がの最大の強み。 が始まってしまうと排卵を止められないが、SPRMである間際でも効果を発揮できるため、の長さ(120時間)と合わせて全体的な避妊失敗率がより低いとされる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ulipristal acetate'>ウリプリスタル酢酸塩</span>を投与"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='progesterone receptor (PgR/PR)'>プロゲステロン受容体</span>(PR)を選択的に修飾"]
    B --> C["視床下部・下垂体で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='LH surge'>LHサージ</span>を遅延・抑制"]
    C --> D["排卵の遅延・抑制(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='emergency contraception'>緊急避妊</span>としての主機序)"]
    B --> E["子宮内膜・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='uterine fibroids (leiomyoma)'>子宮筋腫</span>組織のPRに対しては<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='antiproliferative'>抗増殖</span>的に作用"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='uterine fibroids (leiomyoma)'>子宮筋腫</span>の縮小(長期投与時)"]

💡 「モジュレーター」という名前どおり、組織ごとに顔を変える。 への作用は主に拮抗的(排卵を抑える)だが、子宮内膜や筋腫組織では細胞増殖を抑える方向に働く。このがSPRMというの定義そのものであり、完全拮抗薬であるとの的な違いになる。

薬物動態

項目 値・特徴
代謝
半減期 約32〜38時間
相互作用の方向 CYP3A4リファンピシンなど)で効果減弱、CYP3A4阻害薬で血中濃度上昇

適応

領域 使いどころ
無防備な性交・避妊失敗後、性交後最大120時間以内
症状を伴うの治療(現在はEUで使用が大きく制限されている。下記「禁忌・注意」参照)

用法・用量

:単回30 mgを、性交後できるだけ早く(120時間以内)内服する。:かつては1回5 mgを1日1回、複数コースに分けて投与するレジメンが用いられたが、重篤な肝障害の報告を受けて適応・投与継続の可否は現地の・入手可能性に強く左右される状態にある。実際の用法・用量・入手可能性は施設のプロトコル・添付文書・現地の承認状況で確認する。

禁忌・注意

  • ⚠️ 適応(5 mg長期投与)は重篤な肝障害のリスクが指摘され、が2018年に月1回以上の肝を推奨、2020年には「手術が適さない、または無効だった閉経前女性」への使用制限を勧告した。製造販売元は2024年に欧州市場から本適応の製品を自主撤退させている。 一方、としての単回30 mg投与はこの長期・高用量投与とはリスクの性質が異なり、通常の使用で同等の肝毒性は問題にならない
  • 禁忌:妊娠、原因不明の性器出血、過敏症
  • ⚠️ 服用後すぐにホルモン避妊(含有製剤)を再開すると、がSPRMとしての作用と拮抗し、の効果自体を弱める可能性がある。 服用後は一定期間、などの非ホルモン的な追加避妊を併用することが推奨される
  • 高BMI・高体重ではとしての有効性が低下しうる。最も体重の影響を受けにくい選択肢はである

副作用

頻度 内容
高頻度 頭痛悪心、月経不順
注意 腹痛、めまい、疲労感
重篤・まれ 重篤な肝障害(適応での長期・高用量投与時に報告。の単回投与では稀)

まとめ

  • 。組織によって作動性・拮抗性の性質を変える点が(完全拮抗)との違い。
  • としては性交後120時間まで有効で、開始後でも排卵を遅延・抑制できる点が(〜72時間、後は無効)に対する優位性。
  • への長期・高用量投与(5 mg連日)は重篤な肝障害のリスクが指摘され、欧州では使用が大きく制限・市場撤退に至っている。同一成分でも用法用量でリスクプロファイルが大きく異なる代表例。
  • 服用後すぐの含有避妊薬再開は、SPRMとしての効果を弱めうるため注意する。
  • 高BMI・高体重でとしての有効性が低下するが、ほど早期には低下しない。