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Symptoms · Published

顕微鏡的血尿

Microscopic hematuria

臓器系
腎・泌尿器
科目
UrologyInternal Medicine
トピック
泌尿器科学 N-11:血尿内科学 N-03:腎疾患の鑑別診断
関連疾患
IgA腎症アルポート症候群ナットクラッカー症候群感染性心内膜炎腎細胞癌

🧠 全体像:血尿そのものの枠組みは 血尿 にある。に固有の問題は、ほとんどが他の目的の尿検査で見つかることである。つまり患者は困っていない。そこで問いは「原因は何か」ではなく、この所見をどこまで追うかになる。追わなければ悪性腫瘍と糸球体疾患を見逃し、追いすぎれば・造影剤・・不安を無償で配ることになる。答えは——全員に同じ精査をしないことにある。

試験紙陽性は顕微鏡的血尿ではない

⚠️ 尿沈渣を鏡検して赤血球を数えて初めて定義される。試験紙の陽性だけでは診断名にならず、そのまま画像検査へ進んではいけない。試験紙はヘモグロビンとにも陽性になる(血尿 参照)。

⭐ 広く用いられる定義は尿沈渣であたり赤血球3個以上である。ただしこれは適切に採取された検体での話で、採取条件が悪ければ数字に意味はない。を用い、女性ではを外す。

追う前に、持続することを確かめる

⚠️ 一過性のはありふれている。要因を取り除いて再検し、消えないことを確認してから精査を始める。

一過性要因 対応
月経・性器出血の混入 月経終了後に再検
激しい運動 数日の安静後に再検
性交渉 数日空けて再検
尿路感染症 治療し、治癒後に再検して消失を確認
操作後の一定期間を置いて再検

💡 一方で、再検で陰性化しても「一度陽性だった」記録は残すの既往と同じく、後にリスクを見積もるときの情報になる。

どこまで追うかを決める

⭐ 精査の強度は、尿路悪性腫瘍ので決める。層別化に使うのは年齢、性別、喫煙歴、赤血球の数、の既往、などの既往である。閾値はガイドラインごとに異なり改訂も続いているので、個々の数値ではなく「に応じて強度を変える」という原則を使う。

おおまかな進め方
低い(若年・非喫煙・赤血球ごく少数・危険因子なし) 画像とを一律には行わない。患者と相談のうえ経過観察とし、期間を決めて尿検査を再検する
中間 と腎の超音波を行う
高い(高齢・喫煙歴が多い・赤血球が多い・の既往) で上部・下部尿路を評価する

⚠️ 低リスク例に画像検査を繰り返さない。 、造影剤腎障害、の追跡、費用と不安が積み上がるのに対し、見つかるものはほとんどない。

⚠️ 初回の精査が陰性だった持続性を、無期限に画像で追わない。 再評価の引き金は年数ではなく、の出現、刺激症状の新規発症、リスク因子の変化である。

糸球体疾患の顔をしていないか

⭐ 泌尿器科的な検索と並行して、腎臓内科に渡すべき所見がないかを毎回確認する。ここを見ないと、検索陰性というだけが残って進行性の糸球体疾患が放置される。

所見 意味
糸球体からの出血
有意な蛋白尿(アルブミン優位) 。単独の血尿より予後が悪い
eGFR低下、高血圧 進行性の腎障害
難聴・、若年腎不全の家族歴 遺伝性の

💡 蛋白尿を伴わない孤立性でも、IgA腎症のことがある。経過観察で追うのは血尿の量ではなく、蛋白尿の出現・血圧・eGFRの推移である。

まとめ

  • は沈渣の鏡検で定義される。試験紙陽性だけで精査を始めない。
  • 一過性要因を取り除いて再検し、持続を確認してから精査に入る。
  • 精査の強度は尿路悪性腫瘍ので決める。全員に同じ検査をしない。
  • 低リスクでは画像検査を繰り返さない。得られるものより害が上回る。
  • 初回陰性後は年数ではなく、・新規症状・リスク変化で再評価する。
  • ・蛋白尿・eGFR低下・高血圧があれば腎臓内科へ渡す。
  • 経過観察で追うのは血尿の量ではなく、蛋白尿・血圧・eGFRの推移である。