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Drollerの重症度分類

Droller grading system

別名
出血性膀胱炎重症度分類
臓器系
腎・泌尿器腫瘍
科目
Pathology (Histopathology)
トピック
組織病理 H2-068A:急性出血性膀胱炎組織病理 H2-071A:急性出血性膀胱炎の形態と初期対応
構成:症状
顕微鏡的血尿肉眼的血尿
適用疾患
出血性膀胱炎

🧠 全体像:Drollerのは、の重症度を「血尿がどこまで進んでいるか」という目に見える所見だけで4段階に分ける、きわめて単純な分類である。を必要とせず、ベッドサイドで即座に判定できる点が最大の利点であり、逆に原因(化学的かウイルス性か)を区別できないという限界もそのままここに由来する。

目的と適用場面

内容
目的 の重症度を・・尿路閉塞の有無から4段階に層別化する
対象 ・投与例、例などを来しうる患者全般
使う場面 ベッドサイドでの重症度判定、経過中の悪化・改善の追跡、治療強度(補液量・・手術介入の要否)の判断材料
評価しないもの の原因(化学的毒性かなどの感染性か)の鑑別

構成要素と配点

・の有無・尿路閉塞の有無という3つの所見の組み合わせだけで、を使わずに4段階に評価する1。

grade 所見
1 のみ(なし)
2 (を伴わない)
3 にを伴う
4 による尿路閉塞に伴うを来す

⭐ grade 2以上()は、関連のの一項目としても使われる。 ・grade 2以上の・尿中量>7 log10 copies/mLの3要件に加え、・など他の感染性原因や・腫瘍・尿路などの原因を除外して診断する2。

解釈とカットオフ

grade 対応の目安
1〜2 補液・鎮痛など保存的な管理を中心とする
3 の排出状況・尿路閉塞の徴候を注意深く観察し、など追加介入を検討する
4 尿路閉塞・への介入(カテーテル・、難治例ではやなどの薬物療法)を要する

grade単独では原因を区別できないため、grade 2以上のがあれば、発症時期(終了後48時間以内の早期発症型か、以降の晩期発症型か)と尿中量を合わせて原因を評価する12。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 原因(化学的毒性かウイルス性感染か)を区別できない。 grade 3の患者が薬剤性か晩期の性かは、grade単独では判定できない。関連の診断には、grade 2以上のだけでなく、・尿中量高値・他の感染性/原因の除外が必要である2。発症時期・尿中量・原因薬剤の投与歴を必ず合わせて評価する。

⚠️ 1982年の原著論文は、誘発性に対する(利尿・)の効果を報告した論文であり、grade 1〜4という段階そのものを検証した専用の研究ではない。 検査室横断的な統一基準ではなく、臨床現場で広く踏襲されてきた経験的な分類である点に留意する3。

⚠️ 血尿の程度と全身状態(貧血の進行・輸血の要否など)は必ずしも一致しない。 grade判定だけでなく、・血算などを合わせて重症度を総合的に評価する。

まとめ

  • Drollerのは、・・尿路閉塞の有無からをgrade 1(のみ)〜grade 4(による尿路閉塞と)の4段階に分ける。
  • を必要とせずベッドサイドで判定できる一方、原因(化学的毒性かウイルス性感染か)は区別できない。
  • grade 2以上のは、関連のの一項目としても用いられる。
  • grade判定は発症時期・尿中量・全身状態と合わせて評価し、grade単独で原因やを決めない。

出典

  1. 1.Haemorrhagic Cystitis and Renal Dysfunction (Chapter 51, The EBMT Handbook: Hematopoietic Cell Transplantation and Cellular Therapies, 8th edition)(European Society for Blood and Marrow Transplantation (EBMT)・2024)出血性膀胱炎はDrollerの重症度分類でgrade 1(顕微鏡的血尿)からgrade 4(肉眼的血尿に血餅を伴い尿路閉塞による腎機能障害を来す)まで4段階に分けられること、早期発症型(前処置終了後48時間以内が典型)は薬剤・放射線毒性により頻度3%未満であるのに対し晩期発症型(生着期の2〜4週から移植後2〜3か月)は主にBKポリオーマウイルスによるもので頻度7〜25%であることを確認した閲覧 2026-08-11
  2. 2.ECIL guidelines for the prevention, diagnosis and treatment of BK polyomavirus-associated haemorrhagic cystitis in haematopoietic stem cell transplant recipients(European Conference on Infections in Leukaemia (ECIL-6)・2018)BKポリオーマウイルス関連出血性膀胱炎(BKPyV-HC)の診断には、(i)排尿困難・下腹部痛などの膀胱炎症状、(ii)grade 2以上の肉眼的血尿、(iii)BKウイルス尿中量>7 log10 copies/mLという3要件を組み合わせる必要があること、アデノウイルス・単純ヘルペスウイルス・JCポリオーマウイルス・サイトメガロウイルスなどの他の感染性原因や、出血性疾患・腫瘍・尿路カテーテル留置などの非感染性原因を除外することが適切な診断・管理に必要であることを確認した閲覧 2026-08-11
  3. 3.Prevention of cyclophosphamide-induced hemorrhagic cystitis(Urology・1982)シクロホスファミド誘発性出血性膀胱炎に対し利尿と頻回排尿・カテーテル持続排液による代謝産物の希釈・接触時間短縮を図る対策を導入した結果、重篤な血餅形成性の大量出血が対策前97例中8例(うち4分の3が死亡)から対策後198例中1例へ減少したこと、この文献が後にDrollerの重症度分類(grade 1〜4)の出典として広く引用されるようになったことを確認した閲覧 2026-09-05