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Microbe Atlas · 細菌

Enterococcus faecalis

分類
G+ 球菌 / Gram+ cocciEnterococcus
性状
Gram陽性 (G+)球菌 Cocci
科目
Medical Microbiology
トピック
2/5: Streptococcus agalactiae, Enterococcus genus
自然耐性薬
セフトリアキソンセフォタキシムセフタジジムセフェピムスルファメトキサゾール+トリメトプリム
原因となる疾患
Caroli病感染性心内膜炎急性胆管炎産褥敗血症・産褥感染前立腺炎胆石症特発性細菌性腹膜炎尿路感染症腹膜炎・消化管穿孔
作用する薬剤
アモキシシリンアンピシリンイミペネムシラスタチンオリタバンシンゲンタマイシンダプトマイシンテイコプラニンニトロフラントインバンコマイシンピペラシリンホスホマイシンリネゾリド

🧠 全体像は毒素で攻めるのではなく、「どこでも生きられる強靭さ」だけで感染を起こす菌として読む。高塩濃度・胆汁・広い温度域に耐える生存力の強さは、そのままへの種としてのという臨床上の落とし穴に直結する——などで広域セファロスポリンを経験的に使うと腸球菌だけが生き残り、後からとして顕在化する。E. faecalisはの8〜9割を占める主要種で、E. faeciumに比べると耐性は軽度である。

微生物学的な特徴

、短い連鎖またはペアで配列する。で、溶血はα・β・γのいずれもとりうる(多くは=溶血なし)——属レベルの鑑別試験の全体像はのページの対応表を参照。

項目 内容
6.5% NaCl(高温下でも)に耐える
耐性——胆道に定着・感染しうる
陽性(で黒〜暗褐色に呈色)
陽性

病原性の仕組み

  • 特別な外毒素・莢膜を持たず、生育の容易さと環境耐性そのものが病原性因子——を形成し、カテーテル・などの異物表面に定着する
  • 腸内細菌科と異なり、天然の多剤耐性を背景に院内感染で選択されやすい:グラム陽性菌としては黄色ブドウ球菌に次いで院内感染の頻度が高い

感染経路と疫学

  • 、尿道、に常在し、として発症することが多い
  • カテーテル・などの異物留置、腹腔内・胆道の手術操作がになる
  • 広域セファロスポリンの使用歴は腸球菌感染のリスクを上げる(により選択されるため)

起こす疾患

疾患 機序
尿路感染症 カテーテル関連が多い
関連。緩徐な経過をとることが多い
胆汁に耐性のため胆道に定着・感染しうる
腹膜炎・消化管穿孔 の混合菌の一つ
前立腺炎 尿道からの
の起因菌の一つ

診断

  • 血液寒天培地で灰色のつやのあるコロニー、溶血像は一定しない
  • での、6.5% NaClでの発育でと確定する
  • 尿・胆汁からの検出はの混入の可能性があり、臨床像・複数菌の有無と合わせて解釈する

治療と予防

⚠️ に種としてを持つへの親和性が低いため)。セファロスポリン主体のは腸球菌をカバーしないため、などで広域セファロスポリンを使うと腸球菌が選択されて後から顕在化する。も試験管内では感性に見えることがあるが、菌が環境中の葉酸を利用できるためでは無効である。

まとめ

  • の主要種(8〜9割)。、高塩濃度・という強靭さが病原性の背景。
  • に種としてを持つ——広域セファロスポリンの使用は腸球菌を選択してしまう。
  • カテーテル・など異物関連感染、胆道感染、が主な臨床像。
  • 第一選択はアンピシリン。重症感染ではアンピシリン+の併用でを狙う。
  • E. faeciumよりアンピシリン感受性・バンコマイシン感受性を保つ株が多く、全体として耐性は軽度。