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Disease Atlas · 神経 · 先天性疾患

前方仙骨髄膜瘤

Anterior sacral meningocele

別名
仙骨前髄膜瘤前仙骨部髄膜瘤anterior sacral meningocele
臓器系
神経消化器
科目
NeurologyMicroscopic Anatomy and Embryology (Embryology)
トピック
神経内科 G3-20:脊椎・脊髄の形成異常発生学 17.6:中枢神経系:臨床
鑑別疾患
神経腸管嚢胞水卵管症脊索腫仙尾部奇形腫
合併症
細菌性髄膜炎
関連疾患
Currarino症候群Marfan症候群脊髄係留症候群尾部退行症候群
症状
便秘頭痛腰痛骨盤痛月経困難症失禁
元疾患
硬膜拡張症

🧠 全体像:は、の欠損部(または拡大した)からが骨盤内へ脱出する病変である1。骨盤内には「便秘とを起こす」がいくらでもあるので、画像上はにもにも前腫瘍にも見える。だからこの疾患の臨床的な核はただ一つ、⚠️ 「刺してはいけない」である。中身は腫瘍でも膿でもなくと直に続く髄液なので、経腟的・経直腸的な吸引は感染と再発の危険から有害であることが示されている2。のを「まず腫瘍と思って刺す」ことが、この疾患を学ぶ最大の理由である。

病態と成因

とは、硬膜とくも膜が部を通って髄液とともに膨隆したもので、神経組織を含むとも、髄膜を伴わない(多くは外傷後・医原性)とも別である2。は2通りある。

型 機序
先天性 期の異常によりに欠損が生じ、そこからが脱出する2。のを伴う
結合組織疾患に伴うもの ・・で、脆弱な硬膜と骨に髄液拍動が反復して壁を進行性に侵食する2。から脱出し、を伴わないこともある3

💡 なぜ「」なのか。 起立位ではの尾側ほど髄液圧が高くなるため、硬膜が押し出されるのは最も低い部位、すなわちになる2。同じ理屈で、いったんできた嚢は髄液拍動により自然に縮まない——文献にの報告はない2。

臨床像

⭐ 皮膚所見も後方のも伴わないため、外からは分からない。 多くは無症候か軽微な症状にとどまり、・・の際に見つかる1。症候化するのは嚢が増大して周囲を圧迫したときである。

  • 圧迫症状:慢性の便秘・、(頻尿・尿閉・失禁)、・、と、の圧迫による下肢の痛み・筋力低下2。
  • ⭐ 体位・で変わる頭痛。 頭蓋内圧が間欠的に変化するため、や(排便・咳)に関連した頭痛が症例の10〜15%に報告されている(症例報告に付された文献レビューの記載である)2。「排便でひどくなる頭痛と骨盤内」が揃えば、この疾患を思い出す。
  • 症状が出るのは10歳代から20歳代(原文の “the second or third decades of life”)、すなわちが多く、白人女性に多いとされる1。婦人科・産科の外来が最初の窓口になりやすい。
  • 直腸への:まれに、嚢胞の持続的圧迫と髄液の拍動が肛門直腸部のびらんとを作り、肛門から髄液が漏れる(rectorrhea)。この状態では腸内細菌が瘻孔を通って髄液を汚染し、に至りうる1。

妊娠

増大する子宮がを圧迫し、による頭痛、嚢の破裂とそれに続く髄膜炎(最も危険な合併症)、そして分娩の閉塞を起こしうる3。分娩方法と時期は個別に決め、経過観察と患者への説明を欠かさない。

⚠️ 刺してはいけない

本項が臨床の核である。

  • 経直腸的・経腟的な吸引は過去に用いられたが、感染と再発の危険から有害であることが示されている2。⚠️ 出典の言い方をそのまま押さえる。 原文は経直腸・経腟的吸引が “have proven detrimental”(有害と判明した)と述べるにとどまり、「」という語は使っていない。また本ノートが引く4本の出典は、いずれもこの腫瘤の生検には触れていない。ただし中身がと直に続く髄液である以上、経路を問わず針を入れれば同じ危険が生じるので、実務上は穿刺も生検も禁忌として扱う。
  • 実例がある。の42歳女性で、が骨盤内の嚢胞性病変をと読み、吸引が行われた。吸引のたびに重度の頭痛が生じたが片頭痛と解釈され、3回目の吸引の後に敗血症となった。で造影される左と、それに交通するガスを含む嚢胞——すなわち感染したと膿瘍が描出された4。
  • ⚠️ 吸引直後の頭痛は「合併症の」である。 から髄液を抜いたのだから、低髄液圧による頭痛が出るのは当然の帰結であり、片頭痛として流してはならない。
  • ⚠️ 経腟的手技は半清潔にとどまるという不利がある4。と直に続く腔へ、非の経路から針を入れることの意味を考える。

⭐ したがって「骨盤内のに手を出す前に」が原則である。 に後方に位置する骨盤内嚢胞性病変、あるいは本症と関連する基礎疾患(など)がある場合には、経腟的ドレナージの前にを検討すべきである4。

💡 感染してしまった場合の抜き方も、前からではなく後ろからである。 上の症例は最終的にの後方経的ドレナージで治療され回復した。感染したに対しては従来すべてによるドレナージが行われており、低侵襲の経ドレナージでの治療は本報告が最初とされる4。⚠️ 1例の報告であって確立した術式ではないが、「同じ嚢に触れるのでも、経腟という半清潔な前方の経路と、清潔野を作れる後方の経路では意味が違う」という原則を示している。

診断

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='digital rectal examination, DRE'>直腸診</span>または画像で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='presacral mass'>仙骨前腫瘤</span>を認めた"] --> B["単純X線・3D <span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sacrum'>仙骨</span>を見る"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='scimitar sacrum'>三日月状仙骨</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sacrum'>仙骨</span>前縁の鎌状の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone defect'>骨欠損</span>)があるか"}
    C -->|"あり"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anterior sacral meningocele'>前方仙骨髄膜瘤</span>を強く疑う"]
    C -->|"なし"| E["否定できない(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bone defect'>骨欠損</span>を伴わない型がある)"]
    D --> F["骨盤・脊髄<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span>を撮る"]
    E --> F
    F --> G{"嚢胞は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thecal sac'>硬膜嚢</span>と連続し髄液と同じ信号か"}
    G -->|"連続する"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anterior sacral meningocele'>前方仙骨髄膜瘤</span>と診断<br>穿刺・生検を行わない"]
    G -->|"連続しない"| I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='teratoma'>奇形腫</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurenteric cyst'>神経腸管嚢胞</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='enteric duplication cyst'>腸管重複嚢胞</span>などを考える"]
    H --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='low-lying conus medullaris'>低位円錐</span>・肥厚した<span class='jp-term jp-term-diagram' title='filum terminale'>終糸</span>の有無を同じ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='magnetic resonance imaging'>MRI</span>で評価する"]
検査 見るもの
単純X線・3D 。前縁が鎌状に欠ける像。⚠️ 「症例の50%に見られる、本症にな所見」とされるが、この50%が何例中の割合かは出典に書かれていない——症例報告に付された文献レビューが6本の先行文献をまとめて引いた記載であり、母集団は示されていない1
骨盤・脊髄 診断の中心。・の髄液と同じ信号を示し、・と区別できる2。大きさ・形・周囲臓器との関係も同時に分かる
嚢胞とのを最もよく示す1
同じで併せて見るもの ・肥厚した脂肪性といったの合併1

⚠️ だけでは決められない。 もも、骨盤内のに終わる嚢胞性構造として写るため、超音波像だけで区別することは非常に難しい4。

鑑別──仙骨前腫瘤の中身を決める

⭐ 「前に腫瘤がある」で止めない。 何であるかによって、次にすべきことが生検にも禁忌にも入れ替わる。

病変 見分ける手がかり 生検・穿刺
で髄液と同じ信号を示し、と連続する。を伴う。・体位で変わる頭痛 ⚠️ 刺さない。経直腸・経腟的吸引は感染と再発の危険から有害と示されている。・・髄膜炎24
嚢胞とが混在し、石灰化・脂肪を含む。と連続しない。がありうるため組織診断の意義が大きい 適応がある(ただしを先に除外してから)
と同じ層構造(の粘膜との筋層)を持つ嚢胞。と連続しない 切除が基本
内胚葉由来の上皮に裏打ちされた嚢胞。椎体のを伴うことがある 切除が基本
由来の腫瘍では好発部位。を伴う 経路の播種を避ける配慮が要る
・ 付属器由来。ただし超音波だけではと区別できない4 を除外していない段階で経腟的に刺さない

💡 鑑別の順番が安全の順番でもある。 「刺してはいけないもの」を先に外すために、でとのを見るというただ一つの所見に判断を集約させる。

合併する病態

治療

適応

状況 方針
無症候で増大しない 保存的に管理してよい。ただしの報告は無く、・髄膜炎という生命を脅かす合併症が記載されているため、定期的な臨床評価と画像による経過観察を行い、将来の手術の可能性を説明しておく2
症候化した/増大している 手術適応2。が原則として必要である1
・髄膜炎を来した 感染を制圧してから手術。生命を脅かす髄膜炎や高度の汚染では前方到達法が必要になりうる1

目的と術式

⭐ 手術の目的は嚢を取り去ることではなく、「髄液の交通を絶つ」ことである。 のと脱出嚢の交通を閉じれば、嚢は時間とともに縮小する12。

  • 後方(矢状)到達法が一般的。からに及ぶとでに到達し、嚢をドレナージしたうえでとの交通孔を閉鎖する(茎部=ostium の・切離)。合併症のない例では安全とされ、髄膜炎の既往がある例でも感染を制圧したうえで通常成功する1。同じ到達法で脊髄の係留解除・肛門直腸瘻の閉鎖・の摘出といった併存病変も一度に扱える2。
  • 前方(経腹)到達法は、巨大な嚢がを圧迫していてを要する場合に選ばれる2。神経外科・大腸外科・泌尿器科を含む多職種の手術になる。生命を脅かす髄膜炎や高度の汚染に対しても前方到達法が必要になりうる1。
  • があればによる係留解除を併せて行う1。
  • ⚠️ 術後の最大の懸念はである2。手術の危険には、遷延するのほか腹腔内臓器損傷・感染・損傷・再発がある。

⚠️ ここまでの術式の推奨は、症例報告とそれに付された文献レビューに基づく。 まれな疾患で前向き研究も到達法どうしを比べた研究も存在せず、「後方が標準/巨大例は前方」という整理は症例の集積から読み取られた傾向である。個々の判断は嚢の大きさ・骨盤内圧迫の程度・感染の有無・併存病変(、瘻孔)で決まり、術式を先に決めて当てはめる性質のものではない。

まとめ

  • は、の欠損部または拡大したからが骨盤内へ脱出する病変で、中身はと直に続く髄液である。
  • ⚠️ 経腟的・経直腸的な吸引は感染と再発の危険から有害と示されており、実務上は穿刺も生検も禁忌として扱う。だけではと区別できないため、骨盤内に手を出す前にを撮る。
  • 皮膚所見も後方のも伴わず、多くは無症候か軽微な圧迫症状にとどまる。・体位で変わる頭痛が10〜15%に報告される。症候化するのは10歳代から20歳代()が多い。
  • 単純X線のは50%に見られるとされるが、を伴わない型があるので無いことは否定の根拠にならない。診断はでとのを見て決める。
  • ⚠️ 本項の数値(50%・10〜15%)は、いずれも症例報告に付された文献レビューが先行文献をまとめて引いた記載で、何例中の割合かは出典に書かれていない。まれな疾患であり前向きコホートは無いので、この精度で読む。術式の推奨も同じ根拠水準にある。
  • の三徴の第3要素「」の中身として最も代表的なもので(他に・がある)、・・にも伴う。の合併を同じで評価する。
  • はしない。症候化・増大例は手術適応で、目的は嚢の摘出ではなく髄液の交通を絶つことにある。一般的なのは後方到達法で、巨大例や骨盤内を要する例では前方経腹到達法を選ぶ。

出典

  1. 1.Anterior sacral meningocele complicated by rectothecal fistula and rectorrhea: A Case report and review of the literature(Surgical Neurology International(Rahimizadeh A, Ehteshami S, Rahimizadeh A, Karimi M)・2020)Europe PMC(PMC7265423)で全文を閲覧。症例報告に文献レビューを付した論文で、症例は1例、rectothecal fistula を伴う既報は本例を含めて7例である。前方仙骨髄膜瘤が仙骨前壁の欠損部から硬膜が脱出するまれな先天奇形であること、白人女性に多く「the second or third decades of life(=10歳代から20歳代、妊娠可能年齢)」に症状が出ることが多いこと、Currarino三徴の一部でありうる(may be a part of)とされ、仙骨形成不全・肛門直腸奇形と共存しうること、子宮重複・類上皮嚢胞・類皮嚢胞・脂肪腫・奇形腫の合併があること、皮膚所見や後方の二分脊椎を通常伴わないため無症候か軽微な症状(便秘・排尿障害・月経困難、直腸や膀胱や女性生殖器の圧迫所見)にとどまる患者が多く、多くは骨盤超音波・腰仙椎MRI・試験開腹の際に偶然発見されること、まれに嚢胞の持続的圧迫と髄液の拍動が肛門直腸部のびらんと瘻孔形成を招き髄液が肛門から漏れること(rectorrhea)、その場合に腸内細菌が瘻孔を通って髄液を汚染し細菌性髄膜炎に至りうること、単純X線での「scimitar sacrum(三日月状仙骨)」について原文が "the scimitar sacrum, seen in 50% of cases, is the pathognomonic finding for ASM.[1,3-8]" と述べており、この50%には母集団(何例中か)が示されず先行6文献をまとめて引いた記載であること、嚢胞と硬膜嚢の連続性はCT脊髄造影で最もよく示されること、MRIでは低位円錐や肥厚した脂肪性終糸といった脊髄係留の合併も評価できること、外科的治療が原則として必要であり手術の目的が硬膜嚢のくも膜下腔と脱出嚢の交通を絶つことにあること、合併症のない例では後方経仙骨到達法による髄膜瘤茎部の閉鎖が安全であり髄膜炎の既往がある例でも感染を制圧したうえでの後方到達法が通常成功すること、低位円錐があれば終糸切離による係留解除を要すること、生命を脅かす髄膜炎や高度の汚染に対しては前方到達法が必要になりうることを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.Successful Management of Multiple Giant Anterior Sacral Meningoceles Through an Anterior Approach in a Patient With Marfan Syndrome: A Case Report and Literature Review(Cureus(Choucha A, Tomczak S, Norri N, Hardwigsen J, Dufour H)・2024)全文を閲覧。症例報告に文献レビューを付した論文である。髄膜瘤が骨欠損部を通る髄液を含む髄膜の膨隆であり、神経組織を含む脊髄髄膜瘤や髄膜を伴わない偽性髄膜瘤とは区別されること、前方仙骨髄膜瘤が主として神経線維腫症1型・Ehlers-Danlos症候群・Currarino症候群・Marfan症候群といった結合組織疾患に伴うこと、孤発例では神経管形成期の異常により仙骨前壁の欠損が生じたものと考えられること、Marfan症候群では脆弱な硬膜と骨に対する髄液拍動の反復が仙骨壁の進行性の侵食を起こすこと、起立位では脊柱管尾側の髄液圧が最も高くなるため仙骨部が最も侵されやすいこと、若年例は小さく通常無症候であるが増大すると尿路・直腸・子宮・仙骨神経根を圧迫して下部尿路症状・慢性便秘・月経不順・下肢の痛みや筋力低下を来すこと、頭蓋内圧の間欠的変化により起立性頭痛やValsalva手技に関連した頭痛が症例の10〜15%に報告されること、診断はMRIにより行い脊髄髄膜瘤や偽性髄膜瘤と鑑別できること、無症候例は保存的に管理できるが自然退縮の報告は無く瘻孔形成や髄膜炎といった生命を脅かす合併症が記載されているため定期的な臨床評価と画像による経過観察を要すること、症候化した場合や増大する病変の合併症予防のために手術適応となること、手術の目的が髄膜瘤を仙骨くも膜下腔の循環から隔離し骨盤内臓器の圧迫を解除すること(症例により脊髄の係留解除や併存病変の治療)であること、経直腸的・経腟的な吸引は過去に用いられたが感染と再発の危険から有害であることが示されていること、後方矢状到達法が一般的で巨大例で骨盤内圧迫の解除を要する場合に前方経腹到達法が選ばれること、術後の髄液漏が最大の懸念であることを確認した閲覧 2026-09-02
  3. 3.Bilateral anterior sacral meningoceles in pregnancy without sacral anomaly: a case report of a rare clinical entity(Archives of Gynecology and Obstetrics(Oelgeschläger C, Berg C, Grüttner B, Groten T, Weber EC)・2026)全文を閲覧。前方仙骨髄膜瘤が仙骨の骨欠損を伴う先天性のものと、結合組織疾患により仙骨孔から髄膜が脱出する後天性のものに分かれること、妊娠では増大する子宮により髄膜瘤が圧迫されて頭蓋内圧が上昇し頭痛を来すこと、髄膜瘤の破裂とそれに続く髄膜炎が最も危険な合併症であること、分娩の閉塞(obstructed labor)が起こりうることを確認した。本症例は仙骨の骨欠損を伴わない両側性の前方仙骨髄膜瘤を持つ32歳初産婦で、妊娠中は無症候のまま経腟超音波とMRIで経過観察され、38週での予定帝王切開が計画されたが、42週に分娩閉塞の状態で受診し緊急帝王切開に至り健児を得たものである閲覧 2026-09-02
  4. 4.Transvaginal ultrasound-guided aspiration of an anterior sacral meningocele masquerading as a hydrosalpinx, resulting in abscess formation(BJR Case Reports(Jawad S, Ejindu V, Johnson D, et al.)・2017)全文を閲覧。Marfan症候群の42歳女性で、月経困難症と左骨盤痛を主訴に経腟超音波を行ったところ骨盤内の嚢胞性管状病変を認め水卵管症と解釈されたこと、経腟超音波ガイド下吸引を2回行い、いずれの後にも重度の前頭部頭痛が生じて緊急入院となったが片頭痛と判断されたこと、3回目の吸引の後に敗血症となり骨盤痛と背部痛が増悪し、CTで造影される左前方仙骨髄膜瘤とそれに交通するガスを含む仙骨嚢胞が描出され感染した髄膜瘤と膿瘍の所見であったこと、水卵管症や付属器病変は認められなかったこと、前方仙骨髄膜瘤と水卵管症はいずれも骨盤内の盲端に終わる嚢胞性構造として写るため経腟超音波だけで区別することが非常に難しいこと、経腟的な手技は半清潔にとどまるという不利があること、非典型的に後方に位置する骨盤内嚢胞性病変や本症と関連する基礎疾患がある場合には経腟的なドレナージの前にMRIを検討すべきであること、本例が最終的にCTガイド下の後方経仙骨的ドレナージで治療され回復したことを確認した閲覧 2026-09-02