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Drug Atlas · A11 Opioids / オピオイド · 必修

メタドン

methadone

分類
Opioids / オピオイド
商品名(日本)
メサペイン
科目
Pharmacology
トピック
A11: Opioids
禁忌疾患
イレウス・腸閉塞
副作用
便秘傾眠
相互作用
リファンピシン
解毒薬
ナロキソン
対象疾患
精神作用物質使用症(アルコール以外)
原因となる疾患
心室性不整脈(心室頻拍・心室細動)

🧠 全体像でありながら、NMDA受容体と極端に長くの大きい半減期という2つの異質な性質を併せ持つ。この2つがそれぞれ「痛にも効く」「1日1回でを抑えられる」という強みと、「が難しくQT延長で不整脈を起こす」という弱みの両方を生んでいる。オピオイドのなかで最も的にクセが強い薬という位置づけになる。

薬効群の中での位置づけ

)に分類されるが、モルヒネなどの「素直な」とはが根本的に異なる。他のが半減期数時間で切れるのに対し、半減期が長くも極めて大きい(8〜60時間以上)ため、鎮痛効果のと体内からの消失時間が一致しない。この乖離が、他のオピオイドにはない独自のパターン(鎮痛が切れたと感じて追加投与した結果、体内では前回投与分がまだ残っており蓄積する)を生む。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='methadone'>メタドン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mu-opioid receptor'>μオピオイド受容体</span>に結合"] --> B["Gi/o蛋白質活性化<br>→cAMP↓、鎮痛・呼吸抑制・便秘"]
    A --> C["NMDA受容体を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='non-competitive'>非競合的</span>に拮抗"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='central sensitization'>中枢感作</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='wind-up phenomenon'>ワインドアップ現象</span>)を抑制"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neuropathic pain'>神経障害性疼痛</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='opioid tolerance'>オピオイド耐性</span>の<br>形成そのものを抑えうる"]
    A --> F["心筋の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hERG potassium channel'>hERGカリウムチャネル</span>を阻害"]
    F --> G["QT延長→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='torsades de pointes'>トルサード・ド・ポワント</span>のリスク"]

💡 NMDAが「がつきにくい」という特徴を生む。 慢性疼痛でオピオイドを長期使用すると(NMDA受容体を介した・耐性形成)が進むが、自体がNMDA受容体を止めるため、他のオピオイドで効果が減弱してきた患者への切り替えで有用性が高い。

薬物動態

項目 値・特徴
約70〜90%と高い
分布 高い脂溶性。組織へのが大きく蓄積しやすい
代謝 CYP3A4・CYP2D6などで代謝(多経路)。・薬物相互作用の影響を強く受ける
排泄 主に糞便中排泄(腎不全でも比較的使いやすい)
半減期 約8〜60時間以上と極めて長くが大きい。鎮痛の(数時間)と血中からの消失時間が一致しない

鎮痛効果のより半減期の方がずっと長い、というズレがを難しくする。 効果が切れたように感じて増量を続けると、消失していない分が蓄積し数日後に遅発性の呼吸抑制を起こしうる。導入・増量は数日単位でゆっくり行うのが原則になる。

適応

領域 使いどころ
(アルコール以外)(1日1回投与でを抑える)
慢性疼痛 他のオピオイドで効果不十分な(NMDAを活かす)

用法・用量

では、専門の管理下で少量から開始し数日単位でゆっくり漸増する。 慢性疼痛での導入も同様に緩徐に行い、他オピオイドからの切り替えでは換算比がに変化するため単純な等価換算表をそのまま使わない。実際の用量は適応・年齢・体重・肝腎機能・QT延長リスクで大きく変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌イレウス・腸閉塞の誘因・増悪因子となる)
  • ⚠️ QT延長のリスクが他のオピオイドより高い。 導入前後の心電図評価、他のQT延長薬・電解質異常(低K・低Mg)との併用に注意する
  • CYP3A4・CYP2D6を介した相互作用が多い。 (リファンピシンなど)で血中濃度低下・、阻害薬で血中濃度上昇・QT延長のリスクが変動する
  • 半減期が長いため、増量は数日単位の間隔を空けて慎重に行う(急速な増量は遅発性の呼吸抑制を招く)

副作用

頻度 内容
高頻度 便秘傾眠、発汗
重篤・まれ QT延長・、遅発性の呼吸抑制(蓄積による)、依存

まとめ

  • だが、NMDA受容体と極端に長くの大きい半減期という2つの異質な性質を持つ。
  • NMDA拮抗はへの有用性を生むが、チャネル阻害はQT延長・のリスクを生む。
  • 鎮痛のより半減期がずっと長いため、増量を急ぐと蓄積し遅発性の呼吸抑制を起こしうる。導入・増量は数日単位で慎重に行う。
  • の柱の一つで、と並んでを1日1回投与で抑えられる。
  • CYP3A4・CYP2D6を介した相互作用が多く、他薬剤の追加・中止時にQT延長やの変動に注意する。