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Drug Atlas · B28 Other / その他

ポマリドミド

pomalidomide

分類
Biologics & immunomodulators / 生物学的製剤Antineoplastics / 抗腫瘍薬
商品名(日本)
ポマリスト
商品名(EU)
Imnovid
科目
Pharmacology
トピック
B28: Immunopharmacology I (cytotoxic agents)
承認適応
多発性骨髄腫
副作用
便秘末梢神経障害血栓塞栓症
監視検査値
絶対好中球数血小板数
影響検査値
好中球減少血小板減少
相互作用
シプロフロキサシン

🧠 全体像に続く第3世代ので、同じcereblon(CRBN)依存の基質分解機序をさらに強めた薬である。再発・難治性の、とりわけ抵抗性となった患者を主対象とし、併用を基本にへ組み込まれる。系共通の強い催奇形性共通のリスクを受け継ぐ一方、末梢神経障害はより少なく、代わりに好中球減少がの中で際立って高頻度という副作用の違いが理解の軸になる。

薬効群の中での位置づけ

世代 代表薬 ・位置づけ
第1世代 CRBN結合能は弱くTNF-α mRNA分解も併せ持つ。末梢神経障害・傾眠が目立ち、では代替薬
第2世代 CRBN親和性が上がりIkaros/Aiolos分解効率が向上。導入・維持療法の中心
第3世代 CRBN親和性・分解効率がさらに高く、抵抗性のにも活性。の主力

世代が進むごとにCRBNとの結合が強まり抗が強まる一方、催奇形性という核心的リスクは3剤とも共通して受け継いでいる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pomalidomide'>ポマリドミド</span>がcereblon(CRBN)に結合"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ubiquitin ligase complex'>ユビキチンリガーゼ複合体</span>の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='substrate recognition site'>基質認識部位</span>を変化させる"]
    B --> C["Ikaros・Aiolosが<br>新たな基質として認識される"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ubiquitination'>ユビキチン化</span>→分解"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='myeloma cell'>骨髄腫細胞</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='survival signal'>生存シグナル</span><br>(IRF4・MYC経路)遮断"]
    D --> F["T/NK細胞が活性化し<br>抗腫瘍免疫が増強"]
    A --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='angiogenic factor'>血管新生因子</span>の産生抑制"]

💡 との違いは「同じ標的への結合の強さ」にある。 置換基の違いによりCRBNとIkaros/Aiolos分解効率がより高いとされ、抵抗性のにも活性を示す。第III相MM-003試験は、既治療の455例で+低用量と高用量単独を比較し、無増悪・ともに群が有意に優れることを確認した1

薬物動態

項目 値・特徴
吸収 後速やかに吸収される
代謝 CYP1A2・CYP3A4によると、酵素を介さない加水分解の双方で消失する
相互作用 喫煙はCYP1A2誘導で曝露を下げるため禁煙が望ましく、強いCYP1A2阻害薬併用時は減量を要する2
排泄 透析非依存の腎機能低下では原則減量不要で、主体のと異なる。透析依存の腎不全・重度肝障害では減量する2

適応

領域 使いどころ
血液腫瘍 を含むがあり後60日以内に増悪した併用が基本で、などの(EPdレジメン)を加えた併用も承認
感染症の合併症 米国では2020年、AIDS関連・HIV陰性にも迅速承認(日本ののみ)3

用法・用量

併用時は1日1回4mgを28日サイクルの1〜21日目にし7日間する。併用では14日間投与後7日間する21日サイクルで開始することがある4と共通の「RevMate」のもとで、投与前の妊娠検査・確実な避妊を確認してから開始する4

禁忌・注意

  • 禁忌:妊娠中・妊娠する可能性があり確実な避妊ができない患者(系共通の強い催奇形性)。RevMateなどへの登録が処方・調剤の前提
  • ⚠️ のリスクが上昇する。 特に併用時に高く、IMPEDE-VTEスコアでリスクを層別化し抗を併用する
  • ⚠️ 骨髄抑制が高頻度で、を定期測定する。 添付文書は500/µL未満または25,000/µL未満でし、500/µL・50,000/µL以上に回復後1mg減量して再開するとする2

副作用

頻度 内容
高頻度 好中球減少(で特に高頻度)、疲労感、貧血、便秘
注意 血小板減少、肺炎などの末梢神経障害より少ない)
重篤・まれ 静脈・、重度の胎児奇形(催奇形性)、

まとめ

  • に続く第3世代の・分解効率がより高く、抵抗性のにも活性を示す。
  • 主な適応はを含むを持つ再発・難治性で、併用が基本。米国ではにも適応がある。
  • 好中球減少・血小板減少がの中でも高頻度な一方、末梢神経障害はより少ない。主体のと異なり、腎機能低下では原則減量不要である。
  • 系共通の強い催奇形性があり、RevMateなどのもとで処方する。VTEリスクは併用時に高く、IMPEDE-VTEスコアで層別化した予防を検討する。

出典

  1. 1.POMALYST (pomalidomide) capsules, for oral use — Highlights of Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration / Bristol Myers Squibb・2025)多発性骨髄腫における用法・用量(デキサメタゾン併用、1日1回4mgを28日サイクルの1〜21日目に経口投与)、適応(レナリドミドとプロテアソーム阻害薬を含む2レジメン以上の前治療歴があり最終治療後60日以内に増悪)、枠組み警告(催奇形性・静脈/動脈血栓塞栓症)、POMALYST REMSプログラム、血液毒性の用量調節(絶対好中球数500/µL未満または血小板数25,000/µL未満で休薬し、絶対好中球数500/µL以上・血小板数50,000/µL以上に回復後1mg減量して再開)、強いCYP1A2阻害薬(シプロフロキサシンなど)併用時の減量、喫煙によるCYP1A2誘導で曝露が低下すること、透析非依存の腎機能低下では原則減量不要であることを確認した閲覧 2026-08-02
  2. 2.Pomalidomide plus low-dose dexamethasone versus high-dose dexamethasone alone for patients with relapsed and refractory multiple myeloma (MM-003): a randomised, open-label, phase 3 trial(The Lancet Oncology・2013)レナリドミドとボルテゾミブの前治療歴がある再発・難治性多発性骨髄腫455例を対象に、ポマリドミド+低用量デキサメタゾンと高用量デキサメタゾン単独を比較し、無増悪生存期間(4.0か月対1.9か月)・全生存期間(12.7か月対8.1か月)ともにポマリドミド群が有意に優れたことを確認した閲覧 2026-08-02
  3. 3.ポマリドミド製剤の使用に当たっての安全確保の徹底について(薬食安発0326第1号)(厚生労働省医薬食品局・2015)日本における承認適応が「レナリドミド及びボルテゾミブの治療歴がある再発又は難治性の多発性骨髄腫」であること、レナリドミドと共通の「レブラミド・ポマリスト適正管理手順(RevMate)」のもとで安全管理を行うことを確認した閲覧 2026-08-02
  4. 4.FDA grants accelerated approval to pomalidomide for Kaposi sarcoma(U.S. Food and Drug Administration・2020)2020年5月、HAART無効のAIDS関連カポジ肉腫およびHIV陰性のカポジ肉腫に対しポマリドミドが迅速承認されたこと、単群試験でHIV陽性18例の奏効率67%・HIV陰性10例で80%であったことを確認した閲覧 2026-08-02