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Drug Atlas · B28 Immunosuppressants / 免疫抑制薬 · 必修

ミコフェノール酸モフェチル

mycophenolate-mofetil

分類
Immunosuppressants / 免疫抑制薬
商品名(日本)
セルセプト
商品名(EU)
CellCept
科目
Pharmacology
トピック
B28: Immunopharmacology I (cytotoxic agents)
副作用
下痢悪心
対象疾患
IgG4関連疾患アトピー性皮膚炎ネフリティック症候群ネフローゼ症候群移植片対宿主病混合性結合組織病自己免疫性肝炎自己免疫性水疱症(天疱瘡・水疱性類天疱瘡)重症筋無力症全身性エリテマトーデス全身性強皮症皮膚筋炎・多発筋炎膜性増殖性糸球体腎炎免疫関連有害事象
原因となる疾患
進行性多巣性白質脳症

🧠 全体像はIMPDH()を阻害してde novo合成を止めるで、と同じ「を止める」系統に属しながらT/Bリンパ球により選択的という強みを持つ。多くの細胞はプリンを別経路()でも作れるが、リンパ球はde novo経路への依存度が高いためこの薬の標的になりやすい。もう一つの核心は強い催奇形性で、妊娠中の使用は流産・重篤な奇形(外耳・顔面・四肢・心臓)のリスクを明確に上げるため、妊娠可能な患者では避妊を前提にした専用の安全対策プログラムのもとで処方される。

薬効群の中での位置づけ

系統 代表薬 機序 位置づけ
IMPDH阻害→de novo合成↓ T/Bリンパ球に強い催奇形性
型) 6-MP 適応が広く古典的。TPMT/NUDT15多型・相互作用が急所
阻害 DHODH阻害 RA・。半減期が非常に長い
cereblon経由でIkaros/Aiolos分解↑ ・MDS。誘導体で催奇形性

同じ「」でも標的の広さが違う。 は全身の増殖細胞に取り込まれうるのに対し、が阻害するIMPDH-II型はリンパ球で発現が優位なため、よりやや軽い一方、消化器症状(特に下痢)はより目立つ。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mycophenolate-mofetil'>ミコフェノール酸モフェチル</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>)を内服"] --> B["加水分解され活性体<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mycophenolic acid'>ミコフェノール酸</span>(MPA)へ"]
    B --> C["IMPDH(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inosine monophosphate dehydrogenase (IMPDH)'>イノシン一リン酸脱水素酵素</span>)を可逆的に阻害"]
    C --> D["de novo経路での<span class='jp-term jp-term-diagram' title='guanosine'>グアノシン</span><br>ヌクレオチド合成が止まる"]
    D --> E["T/Bリンパ球は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='salvage pathway'>サルベージ経路</span>への依存度が低いため<br>選択的に増殖が抑制される"]
    E --> F["細胞性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='humoral immunity'>液性免疫</span>の両方が抑制される"]
    B --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intestinal epithelium'>腸管上皮</span>でも<span class='jp-term jp-term-diagram' title='purine synthesis'>プリン合成</span>が阻害される"]
    G --> H["消化器症状(下痢・悪心)が起こりやすい"]

💡 「T/B」とはいえ完全に無害ではない理由がここにある。 など回転の速い細胞もde novoにある程度依存するため、リンパ球ほどではないが影響を受け、消化器症状という高頻度の副作用につながる。

薬物動態

項目 値・特徴
吸収 後速やかに加水分解され活性体MPAとなる
分布 MPAは血中で高度に蛋白結合する
代謝 肝でを受けMPAGとなる。MPAGは胆汁排泄後にで一部再活性化MPAへ戻るため、血中濃度が二峰性になりやすい
排泄 主に(代謝物として)

適応

領域 使いどころ
移植 後の拒絶予防(・ステロイドとのの一角)
(特にの寛解導入・維持)
(皮膚硬化・
皮膚 が使えない場合の代替)
神経 重症筋無力症

用法・用量

経口。適応・体重に応じて分2で投与する(移植では他のと併用)。妊娠可能な患者では投与前に妊娠検査を行い、投与中・中止後一定期間は確実な避妊を継続する。 実際の用量は適応・年齢・体重・腎機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:妊娠中(催奇形性が確立している)、重篤な過敏症
  • ⚠️ 妊娠回避が前提の薬。 妊娠可能な患者への処方では、投与前後の避妊指導と妊娠検査を組み込んだ安全対策プログラムに沿って運用する。妊娠を希望する場合は他剤(など)へ事前に切り替える
  • 生ワクチンの接種を避ける(免疫抑制下での増殖リスク)
  • の影響で、等)併用時は血中濃度が低下しうる

副作用

頻度 内容
高頻度 下痢悪心などの消化器症状
注意 骨髄抑制(よりは軽度なことが多い)、易感染性
重篤・まれ 重度の胎児奇形(催奇形性)、などの感染、悪性の上昇

まとめ

  • IMPDH阻害でde novo合成を止める。T/Bリンパ球に
  • と同じ「」だが、標的の選択性と副作用プロファイル(消化器症状が目立つ)が異なる。
  • により血中濃度が二峰性になる上の特徴を持つ。
  • 強い催奇形性があり、妊娠可能な患者では避妊を前提とした安全対策プログラムのもとで使う。妊娠中は禁忌。
  • 予防、など幅広い自己免疫疾患に用いる。
  • 消化器症状が高頻度の副作用で、の主な理由になる。