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Symptoms · Published

しびれ

Numbness

別名
感覚鈍麻
臓器系
全身
科目
Neurology
トピック
神経内科 G2-08:感覚障害の神経解剖学的基盤神経内科 G1-38:神経根症候群(頸腕痛・腰坐骨神経痛)神経内科 G1-36:多発ニューロパチーの症候と主な原因神経学 G1-25:脊柱管・脊髄の占拠性病変
関連疾患
2型糖尿病亜急性連合性脊髄変性症横断性脊髄炎海綿静脈洞血栓症顎骨壊死関節リウマチ巨赤芽球性貧血強直性脊椎炎狂犬病骨軟骨腫脊髄係留症候群線維筋痛症多発性硬化症皮膚有棘細胞癌副甲状腺機能低下症慢性静脈不全腕神経叢損傷頸髄症頸椎・腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症
起因薬
イサツキシマブエロツズマブオキサリプラチンサリドマイドニトロフラントインビタミンB12ビタミンB6ポマリドミドメトロニダゾール
スコア
mJOAスコアPEDIS分類SINBAD分類

🧠 全体像は患者が最もあいまいに使う訴えの一つで、感覚が「鈍い・触れている感じがしない」という消失系の意味でも、ピリピリ・チクチクする)の意味でも使われる。このノートが扱うのは前者、感覚の低下・消失としてのである。原因を最初から絞り込むのではなく、の分布パターンから病変部位を絞ることが評価の軸になる。末梢神経1本の走行に沿うか、)に沿うか、左右対称のか、明瞭なを伴うかで、から脊髄病変まで局在がほぼ決まる。⚠️急性・進行性のは、それだけで緊急評価の対象になる。

「しびれ」という訴えの整理

患者の言う「」は、実際には次のいずれか、あるいは複数を指していることが多い。

患者の訴え 医学的な内容
感覚が鈍い・触れている感じがしない ・消失(本来の
ピリピリ・チクチクする として別に評価する
力が入らない 筋力低下。筋力低下として別に評価する

💡 「る」の一言で終わらせず、触覚・痛覚・温度覚・振動覚・のどれが障害されているか、感覚が本当に低下しているのかが混じっているのかを、と診察で切り分ける。

分布パターンで病変部位を絞る

感覚神経の走行は末梢から中枢まで決まった経路をたどるため、の分布を地図として読むと病変の高さがわかる。

分布 局在の手掛かり
単一末梢神経・神経叢の支配領域 とは一致しない
)+
左右対称の、遠位優位
明瞭な以下の障害 脊髄病変
対側半身・全の低下 視床・大脳半球病変
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='numbness'>しびれ</span>の範囲を確認する"] --> B{"末梢神経1本の走行と一致するか"}
    B -->|"一致する"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mononeuropathy'>単ニューロパチー</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='plexopathy'>神経叢障害</span>"]
    B -->|"一致しない"| D{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Dermatomes'>皮膚分節</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiating pain'>放散痛</span>が一致するか"}
    D -->|"一致する"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radiculopathy'>神経根症</span>・脊髄病変"]
    D -->|"一致しない"| F{"左右対称の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gloves and stockings pattern'>手袋靴下型</span>か"}
    F -->|"はい"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='length-dependent polyneuropathy'>長さ依存性の多発ニューロパチー</span>"]
    F -->|"いいえ"| H["中枢性(脳・脊髄)または全身性・機能性の要因を検討"]

かそれ以外の限局した分布かをまず区別すると、原因検索の範囲が大きく絞れる。

⚠️ 見逃してはいけない急性・進行性のしびれ

数時間〜数日で急速に進行する、特に両下肢から上行し筋力低下を伴うものは、を筆頭とするを想定し、呼吸機能・嚥下・自律神経を含めて緊急に評価する。感覚障害が先行し、後から筋力低下が追いつくこともあるため、の訴えだけで「軽症」と判断しない。

明瞭な、膀胱直腸障害、両下肢の脱力を伴う脊髄圧迫を疑う組み合わせであり、原因(腫瘍・膿瘍・血腫・など)を問わず、不可逆な麻痺を防ぐために画像評価と専門科連絡を急ぐ。

分布パターン別に見る代表例

実際の疾患は、おおむね上記のパターンに対応する。

パターン 代表例
単一末梢神経・神経叢領域 ・分娩時、による圧迫)、腫瘍のなど)
・脊髄圧迫 関節リウマチによる圧迫
2型糖尿病、ビタミンB12欠乏(
うっ滞性の局所障害 (浮腫による末梢の感覚障害)
中枢性脱髄 (帯状の締め付け感、を伴うことがある)
代謝性・全身性、口周囲を含む (低Ca血症による
神経解剖と一致せず異常もない による感)
咬傷部位から中枢へ逆行性に進展 の咬傷部周囲の

鑑別の進め方

分布と経過を確認したら、次の順で診察・検査を進める。

  • 感覚別(触覚・痛覚・温度覚・振動覚・)に障害の範囲を確認する。
  • 筋力・腱反射・自律神経症状(など)を合わせて診察し、感覚障害単独か運動障害を伴うかを区別する。
  • で対称性なら、血糖・HbA1c、ビタミンB12、甲状腺機能、腎機能、血算などの代謝性検索を優先する。
  • 局在が明確、または急性・進行性なら、画像検査(MRIなど)とを急ぐ。

まとめ

  • は「感覚の低下・消失」を指すことが多いが、患者はや筋力低下も同じ言葉で表現する。まず何が障害されているかを切り分ける。
  • 評価の軸は分布パターンによる局在——単神経・神経叢、、中枢性のどれに当てはまるかを最初に判断する。
  • 急速進行する上行性の+筋力低下はを、明瞭な+膀胱直腸障害は脊髄圧迫を想定し、緊急に評価する。
  • は代謝性・・栄養性のを、限局した分布は局所病変を優先して検索する。
  • ピリピリ・チクチクするとして別に評価する。