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mJOAスコア

mJOA score

別名
modified Japanese Orthopaedic Association score
臓器系
神経運動器
科目
Neurology
トピック
神経内科 G3-21:脊髄障害の症候
構成:症状
筋力低下しびれ膀胱機能障害

🧠 全体像:mJOAスコアはの重症度を4領域・18点で数値化する評価法で、下肢に最大の7点を配分していることが構造の要になる。は下肢の・膀胱直腸障害が進行の中心に来る病態であり、配点の重みそのものが「何を最も重く見る疾患か」を表している。

目的と適用場面

内容
目的 の機能障害の重症度評価と経過観察
対象 と診断された(または疑われる)患者
使う場面 初診時の(保存治療か手術か)の判断、術前後・経過観察での比較
由来 日本整形外科学会が1975年に考案したJOAスコア(満点17点、箸の使用で上肢を評価)を、Benzelらが西洋文化圏でも使えるよう改変したもの

構成要素と配点

mJOA(Benzel版)は上肢・下肢・上肢感覚機能・膀胱機能の4領域からなり、合計0〜18点で採点する1

領域 配点
上肢筋力低下 0〜5点
下肢筋力低下 0〜7点
上肢感覚機能( 0〜3点
膀胱機能(膀胱機能障害 0〜3点
合計 0〜18点

下肢(7点)が単独で最大の配点を持つ。 総得点18点のうち12点(67%)が(上肢+下肢)に配分されており、原型のJOAスコア(満点17点、は8点=47%)よりもへの重み付けが大きい1

💡 原型のJOAスコアとの違い:JOAスコアは上肢運動・下肢運動・上肢感覚・体幹感覚・下肢感覚・膀胱機能の6領域(満点17点)からなり、上肢の運動を箸の使用で評価する。mJOAはこのうち体幹・下肢の感覚機能を評価項目から外し、上肢の評価も箸ではなくスプーンの使用に置き換えている——これは箸をに使わない文化圏でも同じ基準で採点できるようにするための改変で、東アジア圏以外での普及の理由になっている1

flowchart TD
    A["4領域を採点"] --> B["上肢<span class='jp-term jp-term-diagram' title='motor'>運動機能</span> 0-5点"]
    A --> C["下肢<span class='jp-term jp-term-diagram' title='motor'>運動機能</span> 0-7点"]
    A --> D["上肢感覚機能 0-3点"]
    A --> E["膀胱機能 0-3点"]
    B --> F["合計 0-18点"]
    C --> F
    D --> F
    E --> F

重症度分類

Fehlingsらによるが広く用いられ、軽症15点以上・中等症12〜14点・重症11点以下に分ける1。この分類とそれに基づくの選択は側を参照する。

臨床的に意味のある変化量(MCID)

は発症時重症度によって異なり、単一の値ではない。 軽症(mJOA 15〜17点)では1点、中等症(12〜14点)では2点、重症(0〜11点)では3点の変化が臨床的に意味のある改善・悪化の目安とされる2。重症度をまたいで同じ点数変化を同列に比較しない。

限界

⚠️ mJOAはへの重み付けが大きいため、感覚障害や疼痛が前景に立つ症例では、が保たれている限り重症度が過小評価されうる。また、原型のJOAスコアが持っていた体幹・下肢の感覚機能の評価項目を含まないため、感覚障害の局在評価には向かない。原因を問わず「らしさ」を判定する診断的スコアではなく、あくまでと診断された患者の機能的重症度を追跡するである。

まとめ

  • mJOAスコアは上肢5点・下肢7点・上肢感覚機能3点・膀胱機能3点、合計18点での重症度を評価する。
  • 下肢に最大の配点があり、全体で総得点の67%を占める。
  • 原型のJOAスコア(17点満点、箸で評価)と異なり、mJOAは体幹・下肢感覚機能を除き、スプーンの使用で上肢を評価する。
  • 重症度は軽症15点以上・中等症12〜14点・重症11点以下に分類され、は軽症1点・中等症2点・重症3点と重症度で異なる。
  • への重み付けが大きいため、感覚優位の症例では重症度を過小評価しうる。

出典

  1. 1.Comparison of the Japanese Orthopaedic Association (JOA) Score and Modified JOA (mJOA) Score for the Assessment of Cervical Myelopathy: A Multicenter Observational Study(PLOS ONE(Kato S, et al.)・2015)Table 1でmJOA(Benzel版)の構成が上肢運動機能5点・下肢運動機能7点・上肢感覚機能3点・膀胱機能3点の合計18点であること、原型のJOAスコア(満点17点、上肢運動4点・下肢運動4点・上肢感覚2点・体幹感覚2点・下肢感覚2点・膀胱機能3点)と異なり体幹・下肢の感覚機能を評価項目に含まないこと、上肢運動機能の評価に箸ではなくスプーンの使用を用いること、mJOAは総得点18点中12点(67%)を運動機能に配分しJOAの47%より運動機能への重み付けが大きいこと、Fehlingsらによる重症度分類(軽症15点以上・中等症12〜14点・重症11点以下)を確認した。閲覧 2026-08-12
  2. 2.The Minimum Clinically Important Difference of the Modified Japanese Orthopaedic Association Scale in Patients with Degenerative Cervical Myelopathy(Global Spine Journal(Tetreault L, Kopjar B, Cote P, Nouri A, Fehlings MG)・2016)mJOAの臨床的に意味のある最小変化量(MCID)が発症時重症度で異なり、軽症(mJOA 15〜17点)で1点、中等症(12〜14点)で2点、重症(0〜11点)で3点であること、単一の閾値では重症度の異なる患者群の反応を捉えられないことを確認した。閲覧 2026-08-12