脳神経内科学

脳神経内科学 · G1-36

多発ニューロパチーの症候と主な原因

G1-36: Symptoms and most common causes of polyneuropathies

前提:病態
糖尿病性神経障害の症状と病態機序
前提:正常
神経組織:神経線維
疾患
Charcot-Marie-Tooth病POEMS症候群ヒ素中毒家族性自律神経失調症治療誘発性糖尿病性ニューロパチー小径線維ニューロパチー多巣性運動ニューロパチー糖尿病性ニューロパチー糖尿病性筋萎縮慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
症状
Romberg徴候しびれ凹足灼熱痛槌趾末梢神経障害腱反射消失
検査値
神経伝導検査表皮内神経線維密度

🧠 全体像:は「か、対称性か、感覚・運動・自律神経のどれが優位か、急性か慢性か」で分類すると原因検索が絞れる。急速進行、呼吸・、は入院評価を要する。

症候パターン

系統 主な症候
感覚 から上行する、、針で刺す痛み、、・振動覚・低下。進行すると手にも及ぶ。
運動 、、、、/消失。脱髄性では近位筋も早期に侵されうる。
自律神経 、、胃腸運動障害、排尿・。

分布と経過で原因を絞る

flowchart TD
    A["多発末梢神経症候"] --> B{"急性〜亜急性か"}
    B -->|"はい"| C["GBS、毒性、血管炎、感染、代謝性救急を評価"]
    B -->|"慢性"| D{"長さ依存・左右対称か"}
    D -->|"はい"| E["糖尿病、アルコール、薬剤、腎障害、栄養、遺伝性"]
    D -->|"非対称/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mononeuritis multiplex'>多発単神経炎</span>"| F["血管炎、炎症、感染、浸潤を評価"]
    C --> G["呼吸・球・自律神経を監視"]
    E --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='electrophysiology'>電気生理</span>と原因別検査"]
    F --> H
原因群 代表例・手がかり
代謝・臓器 糖尿病が代表的で、糖尿病患者の約36%に末梢神経障害を認めるとするがある1。腎不全、など。
栄養・アルコール B1、B6、B12、など。B6は欠乏だけでなく過剰でもを起こす。
免疫・血管 GBS、CIDP2、血管炎、、など。
感染 、、など。帯状疱疹後は通常単一神経節領域で、典型的なとは区別する。
薬剤・毒物 、、、一部抗菌薬・、・など。
遺伝性 など。、、家族歴、緩徐進行。
腫瘍・蛋白異常 、、、傍腫瘍性など。

💡 の原因の頻度分布は地域で異なる。 欧米では糖尿病性が主体だが、インドの地域研究ではが人口1万人あたり5〜2400例と大きく幅があり、・などによるや、性・ジフテリア性が依然として地域特有の主要な原因群として挙げられている3。

評価

発症速度、飲酒・薬剤・、家族歴、体重減少、皮疹、状を聴取し、筋力、反射、各感覚、自律神経、を診察する。基本検査は血算、、/、B12、甲状腺機能、・などを病歴に応じて選ぶ。・EMGで軸索性/脱髄性、運動/感覚、分布を分類する。障害では通常のが正常のことがあり、皮膚生検や自律神経検査を検討する。

まとめ

  • ・対称性・線維種・発症速度でする。
  • 糖尿病だけで決めつけず、薬剤、栄養、免疫、蛋白異常、遺伝を系統的に探す。
  • 急速進行と呼吸・球・はGBSなどの救急疾患を示す。

出典

  1. 1.Global prevalence of diabetes-related neuropathy and vascular complications: A systematic review and meta-analysis(Diabetes Research and Clinical Practice・2026)155研究を対象とした系統的レビュー・メタ解析で、糖尿病患者における糖尿病性末梢神経障害のプールされた有病率が36%で、開発途上国(39%)が先進国(25%)より高かったこと、慢性腎臓病の併存が有病率上昇と関連していたこと。閲覧 2026-08-27
  2. 2.European Academy of Neurology/Peripheral Nerve Society guideline on diagnosis and treatment of chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy: Report of a joint Task Force—Second revision(European Journal of Neurology(European Academy of Neurology・Peripheral Nerve Society合同タスクフォース;Van den Bergh PYK, et al.)・2021)2010年版のCIDP診断基準を改訂した第2版で、診断確実性の分類を「definite・probable・possible」の3段階から「CIDPとpossible CIDP」の2段階に簡略化し、旧来の「atypical CIDP」という呼称を多巣性・巣状・遠位型・運動型・感覚型などを含む「CIDP variants」に置き換えたこと。閲覧 2026-08-27
  3. 3.Epidemiology of Peripheral Neuropathy: An Indian Perspective(Annals of Indian Academy of Neurology・2017)インド各地の地域研究では末梢神経障害の有病率が人口1万人あたり5〜2400例と大きな幅があり、ヒ素・鉛・有機リン化合物への職業曝露による中毒性ニューロパチーや、減少しつつも残るハンセン病性ニューロパチー・ジフテリア性ニューロパチーが地域特有の主要な原因群として挙げられていること。多発ニューロパチーの原因分布が地域で大きく異なることを支持する。閲覧 2026-08-27