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Disease Atlas · 内分泌・代謝 · 疾患

糖尿病

Diabetes mellitus

別名
DM
臓器系
内分泌・代謝
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 E-10:血糖異常の原因と診断内科学 L-20:糖尿病の分類と診断内科学 L-23:糖尿病の細小血管・大血管合併症
鑑別疾患
膜性腎症
合併症
糖尿病性腎症糖尿病網膜症糖尿病性自律神経障害
続発疾患
白内障
関連疾患
高血圧症脂質異常症肥満症
治療薬
グラルギンインスリン
原因薬剤
タクロリムス
検査値
血糖高血糖交感神経皮膚反応表皮内神経線維密度Neuropad
下位分類
1型糖尿病2型糖尿病妊娠糖尿病
元疾患
Friedreich失調症サラセミアミトコンドリア病

🧠 全体像:糖尿病は、機序の異なる複数の疾患が「慢性の高血糖」という共通の終着点を共有するである。が自己免疫で破壊されてインスリンがに欠乏する1型、インスリン抵抗性に相対的な分泌不全が重なる2型、妊娠後半の胎盤ホルモンが引き金となるも治療の出発点も異なるが、(HbA1c・・OGTT・の閾値)は非妊娠者で共通であり、は病型を問わず同じ枠組みでスクリーニング・管理する(HHS)はどの病型でも起こりうる急性合併症であり、独立した病型ではない。

分類の軸

糖尿病の病型は、高血糖に至る機序と発症の文脈で分ける。

flowchart TD
    A["慢性の高血糖を確認"] --> B{"中心となる機序"}
    B -->|"自己免疫性β<span class='jp-term jp-term-diagram' title='HLA-DR3/DR4'>細胞破壊</span>による<span class='jp-term jp-term-diagram' title='absolute'>絶対的</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='absolute deficiency'>インスリン欠乏</span>"| C["1型糖尿病"]
    B -->|"インスリン抵抗性+進行性の相対的分泌不全"| D["2型糖尿病"]
    B -->|"妊娠中に初めて診断された<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glucose metabolism'>糖代謝</span>異常"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gestational diabetes mellitus, GDM'>妊娠糖尿病</span>"]

1型は1型糖尿病、2型は2型糖尿病、妊娠期発症はとしてそれぞれ扱う。

💡 年齢や体格だけで1型・2型を決めてはならない。肥満のある1型、痩せ型・若年で発症する2型がともに存在するため、自己抗体・Cペプチド・を組み合わせて機序から判断する。

共通の初期アプローチ(診断基準)

病型を問わず、非妊娠者の糖尿病は次のいずれかで診断する。

検査 糖尿病域
HbA1c ≥6.5%(≥48 mmol/mol)
≥7.0 mmol/L(≥126 mg/dL)
75 g(OGTT)2時間値 ≥11.1 mmol/L(≥200 mg/dL)
典型的高血糖症状またはを伴い ≥11.1 mmol/L(≥200 mg/dL)
  • 典型症状やを伴う明白な高血糖でなければ、同一検体の別検査または別日の同一検査で2つ目の異常結果を確認してから診断を確定する。
  • だけは別枠の基準を用いる。通常24〜28週に75 g OGTTを行い、空腹時5.1、1時間10.0、2時間8.5 mmol/Lのいずれか1つ以上を満たせば診断する。

⚠️ 妊娠、・輸血、溶血、透析、、G6PD欠損などがあるとHbA1cは実際の血糖と乖離するため、その場合は基準を優先する。

下位型の判別

項目 1型糖尿病 2型糖尿病
自己免疫性βによる インスリン抵抗性と進行性の 胎盤ホルモンによるインスリン抵抗性の生理的増大にβ細胞が代償しきれない状態
典型的な 小児〜若年に多いが成人でも急速に発症しうる 緩徐発症で無症候のことが多い 妊娠後半(多くは24〜28週のスクリーニングで発見)
特徴的な手掛かり 急速な体重減少、/DKA、陽性、低Cペプチド 家族歴、 多くは無症候。のリスクで気づかれることもある
DKAが典型的だが全例に起こるわけではない HHSが典型的だが2型でもDKAは起こりうる 妊娠中のクリーゼは稀
治療の出発点 診断時からインスリンが必須 から開始し、必要に応じてインスリンへ 生活療法(食事・運動)を基本とし、目標未達ならインスリンが標準の薬物療法

総論としての治療原則

各病型のレジメンの詳細は、1型糖尿病2型糖尿病の各ノートに譲る。として押さえるべき原則は次の2点である。

  • インスリンはどの病型でも使える共通の肢である。 1型では診断時から必須、2型ではで不十分なとき、では生活療法で目標未達のときに、いずれも同じなどの製剤が選択肢に入る。
  • 合併症の管理は病型を問わず同じ枠組みで行う。 ・腎症・神経障害)は病型に応じたスクリーニング開始時期(2型は診断時、1型は発症後5年など)の違いはあるが、評価項目(眼底、UACR・eGFR、など)とは共通する。神経障害は感覚・だけでなく自律神経にも及び、心血管・消化管・泌尿生殖器など複数臓器の症状として現れる。(冠動脈疾患、脳卒中、)の予防も、高血圧症・喫煙といった共通の危険因子管理が基盤になる。

⭐ SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬は、目標の達成状況にかかわらず、心血管・腎保護を目的に2型糖尿病で積極的に用いられるようになっている。

⚠️ は、感染や治療中断などを契機にどの病型でも起こりうる急性合併症であり、本ノートおよび各病型ノートが扱う「病型」そのものではない。

まとめ

  • 糖尿病は1型(自己免疫性の)・2型(インスリン抵抗性+相対的分泌不全)・(妊娠期の発症)に分かれるが、機序と治療の出発点はそれぞれ異なる。
  • 非妊娠者の(HbA1c ≥6.5%、 ≥7.0 mmol/L、OGTT 2時間値 ≥11.1 mmol/L、+症状)は病型を問わず共通で、のみ別基準を用いる。
  • 年齢・体格だけで病型を決めず、自己抗体・Cペプチド・を統合して判断する。
  • は病型を問わず共通の枠組みでスクリーニング・管理し、DKA/HHSはどの病型でも起こりうる急性合併症であって独立した病型ではない。
  • 詳細な薬物療法・・妊娠管理は各病型のノートに譲る。