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Lab values · Published

Neuropad

Neuropad

別名
ニューロパッドインジケーターパッチ試験
臓器系
神経内分泌・代謝
科目
PathophysiologyInternal Medicine
トピック
病態生理学 P-1-23:糖尿病性神経障害の症状と病態機序内科学 L-23:糖尿病の細小血管・大血管合併症
関連疾患
2型糖尿病糖尿病

🧠 全体像は、機器も検査技師も要らず患者自身でも判定できるの発汗である。足底に貼ったコバルト塩由来の発汗機能を間接的に見るが、感度は高く特異度は低い——異常なら、正常ならかなり安心、という一次スクリーニングにとどまり、単独で診断やを決めない。

何を測っているか

無水のを含む青色のを、あらかじめを除去した足底の部に貼付する1。汗の水分がと結合すると青からピンクへする——これが発汗の有無を可視化する原理である。

では持続する高血糖に伴う代謝異常・微小循環障害が神経終末とを傷害し、感覚障害だけでなく発汗を含む自律神経機能にも及ぶ(病態生理 P-1-23:の症状と病態機序)。が見ているのは、足の)が汗腺へ届ける発汗の指令が保たれているかであり、機器を使わず短時間で判定できる点がQSARTなどと異なる。

所見の読み方

貼付後10分の色調で判定する2

色調 判定
完全にピンクへ 正常
部分的な(まだら) 境界
青のままなし 異常

この3段階の視覚判定は検者間の一致度が低く(級内相関係数0.3〜0.4)、画像解析で連続値化すると診断能が改善する1。実地では画像解析を使わない目視判定が主体であるため、境界域の判読は検者の主観に左右されやすいと理解しておく。

位置づけ——感度は高いが特異度が低いスクリーニング検査

(5研究・1587例)では、≧5を基準として感度89.4%・特異度60.3%と報告されている2の指標()よりの指標()に対して特異度が高く(80% 対 50〜54%)、障害をより選択的に反映する3

陰性(正常に)なら、糖尿病性障害・の可能性をかなり下げられる。 一方、異常所見は特異度の低さゆえ偽陽性を含みやすく、単独で診断やの決定に使わない。異常が出れば、QSART(皮膚生検)・など確定的な検査へ進める。

NICEの技術評価では、の代替とする根拠は不十分とされ、単独使用は特異度の低さから偽陽性を増やすと指摘された2。実地では内科学 L-23:糖尿病のが挙げるによる感覚スクリーニングと組み合わせて使う位置づけであり、単独の異常所見だけで足潰瘍リスクの層別を確定しない。異常所見と将来の足潰瘍発生との関連を検討した研究もある2

検査 何を見るか 定量性・実施環境
QSART の発汗量( 定量的、専用機器・自律神経専門施設が必要
全身の発汗分布(を含む経路全体) 定量的、専用設備が必要
の電位変化 簡便な、定量性はQSARTに劣る
局所(足底)の発汗の有無 定性的、器具不要で自己実施も可能

⚠️ 測定上の注意

  • 足の洗浄状態・保湿剤の使用・角質やが残っていると発汗の伝わり方が変わり、判定に影響する。判定前にを除去することが推奨される1
  • 室温・湿度、貼付部位のずれも発汗量・色調に影響する。
  • 目視判定では色の中間段階(部分的な)の解釈が検者の主観に左右されやすい1
  • は汗腺の支配を遮断するため偽陰性の原因になりうる。白癬など足底の皮膚疾患があると、皮膚の変化や検体の付着状態そのものが判定を乱す。
  • 足潰瘍そのもののリスク評価は、単独ではなく・振動覚など他の検査と組み合わせて行う。

経時変化とモニタリング

介入研究の一環として用いられた例はあるが、日常臨床での定期モニタリング指標としては確立していない。の経過を追うには、上記の確定検査(QSART・皮膚生検・)やを用いる。

まとめ

  • は、コバルト塩を足底に10分間貼付し発汗による青→ピンクのを見る、機器不要・自己実施可能な発汗である。
  • 判定は正常(完全にピンク)・境界(部分的)・異常(なし)の3段階だが、目視判定は検者間の一致度が低い。
  • 感度は高いが特異度は低い典型的なであり、陰性はかなり安心材料になるが異常所見だけで診断しない。異常ならQSARTなど確定検査へ進む。
  • よりの指標に対して特異度が高く、障害をより選択的に反映する。
  • 足潰瘍リスクの評価は・振動覚など他の検査と組み合わせて行い、単独では完結しない。

出典

  1. 1.Complex clinical pathways: assessing the value of a device for detecting diabetic peripheral neuropathy(The Diabetic Foot Journal(Goddard K, Pennington M, Kartha MR, et al.;英国NICE傘下King's Technology Evaluation Centreによる医療技術評価)・2020)Neuropadがコバルト塩化物を含むパッチを足底に10分間貼付し発汗による青→ピンクの変色を見る自己実施可能な検査であること、10gモノフィラメントなど既存の検査と併用され単独使用は特異度の低さから偽陽性を増やすと評価委員会が指摘したこと、NICEの評価ではNeuropad単独を10gモノフィラメントの代替とする根拠は不十分と結論したこと、メタ解析(5研究・1587例)でNeuropathy Disability Score≧5を基準とした感度89.4%(95%CI 83.2-93.5%)・特異度60.3%(95%CI 50.9-69%)が報告されたこと、Neuropad異常所見と足潰瘍発生との関連を検討した研究があることを確認した閲覧 2026-08-03
  2. 2.The diagnostic accuracy of Neuropad for assessing large and small fibre diabetic neuropathy(Diabetic Medicine(Ponirakis G, Petropoulos IN, Fadavi H, et al.)・2014)症例対照研究(127例)でNeuropadの診断精度が大径線維指標(神経障害スコア・振動覚閾値・腓骨神経伝導速度、感度70-83%・特異度50-54%)より小径線維指標(角膜神経線維長、感度83%・特異度80%)に対して高かったことを確認した閲覧 2026-08-03
  3. 3.Automated Quantification of Neuropad Improves Its Diagnostic Ability in Patients with Diabetic Neuropathy(Journal of Diabetes Research(Ponirakis G, Fadavi H, Petropoulos IN, et al.)・2015)Neuropadの従来の視覚判定が正常・境界・異常の3段階カテゴリー判定であり検者間再現性が低いこと(級内相関係数0.3-0.4)、判定にはあらかじめ胼胝を除去した足底の第1中足骨頭部へ10分間貼付する手技を要すること、画像解析による連続値化で診断能が改善したことを確認した閲覧 2026-08-03