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Drug Atlas · A19 Antidepressants / 抗うつ薬 · 必修

イミプラミン

imipramine

分類
Antidepressants / 抗うつ薬
商品名(日本)
トフラニール
商品名(EU)
Tofranil
科目
Pharmacology
トピック
A19: Monoamine reuptake inhibitors
承認適応
気分障害(うつ病・双極性障害)尿失禁夜尿症
禁忌疾患
急性冠症候群閉塞隅角緑内障前立腺肥大症
副作用
便秘口腔乾燥傾眠低血圧動悸痙攣
監視検査値
QT延長
相互作用
サフィナミドモクロベミド

🧠 全体像:は史上初めて合成された(TCA)であり、と並ぶ「なんでも屋」的な非選択性を持つ。現在のうつ病治療ではに主役を譲って久しい(ただしうつ病は・日本・米国のいずれでも今もである)が、小児の()治療薬という独自ので生き残っている。⚠️ ただしこの用途の作用機序は確定していない。米国添付文書は「を抑える作用は抗うつ効果とは別のものと考えられる」と述べるにとどまり1、(ICCS)の標準化文書も機序は不明としたうえで、ノルアドレナリン作動性・・が膀胱・尿産生・覚醒機構に及ぼす複合作用が寄与している可能性を挙げる2。同じ薬が成人の切迫性・に用いられることもあるが、標準治療ではなく他が無効な場合の選択肢にとどまる。

薬効群の中での位置づけ

グループ 代表薬 標的 泌尿器系での特徴
TCA(原型) SERT+NET阻害+ムスカリン・α1・の遮断 ・日本・米国のいずれでも()がである唯一のTCA
TCA 、 同上 ⚠️ 日本ではこの2剤も泌尿器の適応を持つ——は「」(1日10〜30mgを就寝前)3、は「」4が効能又は効果に入る。日本のガイドラインは、欧米でに用いられるのはのみだと述べている5
(専用) 、 M受容体拮抗のみ の標準治療

⭐ は肝臓で(NET選択的な)にされる。 が代謝されてになる関係と同型で、「の親薬+より選択的な代謝物」というTCAに共通するパターンの一例である。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='imipramine'>イミプラミン</span>"] --> A1["SERT・NETを阻害"] --> B["抗うつ効果"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscarinic receptor'>ムスカリン受容体</span>遮断(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anticholinergic effects'>抗コリン作用</span>)"] --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='detrusor muscle'>排尿筋</span>の不随意収縮を抑制"]
    A1 --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sympathetic nerve terminal'>交感神経終末</span>でノルアドレナリンが増え<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='bladder neck'>膀胱頸部</span>・尿道のα1受容体が間接的に刺激される"] --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urethral closure pressure'>尿道閉鎖圧</span>の上昇(想定)"]
    A1 --> G["中枢のノルアドレナリン作動性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='serotonergic'>セロトニン作動性</span>の作用<br>覚醒機構・尿産生への関与が想定される"] --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nocturnal urine volume'>夜間尿量</span>の減少・覚醒しやすさの変化(想定)"]
    A --> X["α1受容体そのものは遮断する"] --> Y["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='orthostatic hypotension (postural hypotension)'>起立性低血圧</span>(副作用)"]
    D --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nocturnal enuresis'>夜尿症</span>の症状が軽減<br>ICCSは全体の機序を不明としている"]
    F --> I
    H --> I

💡 図の下段は「想定されている経路」であって、確立した機序ではない。 ICCSはにおける作用機序を不明とし、ノルアドレナリン作動性・・が膀胱・尿産生・覚醒機構に及ぼす複合作用の可能性を挙げるにとどめる2。も「三環系は強いを持ちと似た性質を示すが、それに加えて十分に解明されていないがある」と書いている6。日本の電子添文の18.1作用機序も5-HTとノルアドレナリンの取り込み阻害しか述べておらず、排尿にかかわる末梢機序には触れていない7。

⚠️ とくに「α1刺激薬だから尿道が締まる」と覚えない。 自身はα1受容体に対しては遮断薬であり(この点はなど他のTCAと共通する)、出口抵抗が上がりうるとしてもそれはNET阻害でノルアドレナリンが増える間接的な経路である。直接のα1遮断作用のほうはという副作用として表に出るので、「α1刺激薬」と覚えるとこの副作用が説明できなくなる。⚠️ が減るという作用についても、ICCSが「尿産生への関与が想定される」と書くだけで、腎尿細管でのα作動性再吸収のような具体的な機序を示した記述は無い。なお多受容体性は副作用の多さの裏返しでもあり、時の心毒性リスクは他のTCAと共通する。

適応

⚠️ は国ごとに別の文書が決めており、この薬では3極が一致しない。 の(スペイン版)→日本の電子添文→米国の添付文書の順に並べる。

適応 (スペイン版 4.1)8 日本(電子添文 4.)7 米国(添付文書 INDICATIONS)1
うつ病 成人のうつ病。⚠️ うつ病の適応で用いる場合、18歳未満は4.3の禁忌 「精神科領域におけるうつ病・うつ状態」 「うつ症状の緩和」。のほうが他の抑うつ状態より軽快しやすいと明記し、最適な効果までに1〜3週を要するとする
・(尿失禁) 5歳を超える小児ので、が適切でないと考えられ、原因が除外された場合 「(昼・夜)」。9.7小児等は4歳以上への投与が望ましいとする 原因を適切な検査で除外したうえでの6歳以上の小児のに対する一時的な。6歳未満での安全性・有効性は未確立
その他 不安発作()、慢性疼痛。⚠️ ただし小児・青年(0〜17歳)ではこの3適応いずれも推奨されない 効能欄には無い 効能欄には無い

⚠️ 年齢の下限が3極で違う(=5歳超/日本=4歳以上が望ましい/米国=6歳以上)ので、「◯歳から」と覚えるときは必ずどの国の資料かをセットにする。⚠️ 昼間の失禁まで効能に明記しているのは日本の電子添文だけである(「(昼・夜)」)。の適応名は enuresis nocturna、米国は Childhood Enuresis で、米国の記載は昼間の頻尿・がある場合に・を検討せよという検査の指示であって、昼間の失禁を適応に含めるものではない1。

成人の切迫性・に用いられることもあるが、標準的な第一選択ではなく、行動療法・・が無効またはの場合の選択肢にとどまる。

⭐ におけるの位置づけは「最後に残る手」である。 ICCSの標準化文書は、・アラーム・がいずれも無効または禁忌であった場合に専門医が用いる第三選択とし、治療抵抗性の児の30〜50%に効果が期待でき、を併用するとその割合はさらに上がるとしている2。も「を第一選択に用いない」「三環系を使うなら」「他の全治療に反応せず、の管理に精通した医療者の評価を受けた小児で検討する」と3段階に分けて書いている6。

用法・用量

日本の電子添文は製剤(10mg錠と25mg錠)ごとに用法・用量を分けて書いている。 平坦化して覚えないこと7。

製剤 うつ病・うつ状態(成人) (昼・夜)
トフラニール錠25mg 1日25〜75mgを初期用量とし1日200mgまで漸増して。まれに300mgまで増量することもある 幼児1日25mgを1回、学童1日25〜50mgを1〜2回
トフラニール錠10mg 1日30〜70mgを初期用量とし1日200mgまで漸増して。まれに300mgまで 学童1日30〜50mgを1〜2回

米国添付文書は小児で1日2.5 mg/kgを超えないことを求め、この倍量ではECG変化が報告されている1。のはの用量を1.7 mg/kg/日とし、年齢別の目安を表で示す——5〜8歳で20〜30 mg、9〜12歳で25〜50 mg、12歳超で25〜75 mg。就寝時に1日1回だが、ベッドで早い時刻に排尿してしまう児では一部を午後中頃に分けて飲ませる。最大用量は1週間以内に反応が無い場合にのみ用い、したら1〜3か月続けてまでする8。

日本学会が示している用法は、初回投与量10 mgを夕食後または就寝前に開始し(就寝前に飲むなら50 mL程度の少量の水で)、副作用が出れば直ちに中止、1週間後に効果がなければ体重25 kg未満で20 mg・25 kg以上で25〜30 mgへ増量するというものである5。

に対する具体的な運用は資料により多少異なる。ICCSは25〜50mgを就寝の約1時間前に投与し、大きいほうの用量は9歳を超える小児または低用量が無効で副作用が無い場合に用いること、効果判定は1か月後に行うこと、耐性が生じやすいので3か月ごとに2週間のを置くのが一案であること、中止時は半量にして1〜2週間続けてから中止することを挙げる2。は低用量から開始して2週ごとに年齢に応じた最大用量まで増量し、就寝の約3時間前に1日1回投与するとし、初回の治療コースは3か月でその後のコースも検討可能、反復コースを受けている小児には3か月ごとの医学的再評価を行い、中止時はするとしている6。実際の用量は年齢・体重・心機能で大きく変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

⚠️ 禁忌の数と中身は3極でまったく揃わない。 「禁忌は◯項目」と国を書かずに覚えない。

(スペイン版 4.3)8 日本(電子添文 2.)7 米国(添付文書 CONTRAINDICATIONS)1
過敏症 またはへの過敏症、ジベンゾアゼピン系TCAへの交叉過敏(禁忌として明記) 本剤またはTCAへの過敏症の既往 本剤への既知の過敏症(ジベンゾアゼピン系への交叉感受性は「念頭に置くこと」という注意の書き方)
阻害薬 併用および前後14日以内。など可逆的選択的阻害薬も禁忌 投与中または中止後2週間以内(、、サフィナミド) 併用
心 急性期の心筋梗塞・心不全・およびの既往 心筋梗塞の回復初期、
眼・尿路・消化管 緑内障(隅角の限定なし)、・その他の消化管および尿路生殖器の狭窄 、尿閉(前立腺疾患等) 記載なし
その他 、肝疾患、確認されたまたは可能性のある妊娠、授乳、うつ病の適応で用いる場合の18歳未満 記載なし 記載なし

💡 の禁忌がいちばん広い。 日本が「閉塞隅角」に限定する緑内障をは限定なしで挙げ、日本が「尿閉」で括るところをは・・消化管および尿路生殖器の狭窄という病態そのもので挙げる。逆にを禁忌に明記しているのは日本だけである。米国の禁忌欄は3項目しかないが、これは「米国では危なくない」という意味ではなく、危険が・注意の側の節に置かれているというだけである。

  • ⚠️ 小児の治療は「専門施設限定」という位置づけ。 は、時の重篤な不整脈・致死リスクを理由に、早期のの家族歴がある小児と心疾患を示す所見がある小児ではを禁忌とし、それ以外の小児でも治療の専門知識を持つ医療者による綿密なフォローを要求する6。ICCSはさらに一歩進めて、・の既往が本人にあるか、の家族歴があるなら、先に長時間心電図で評価するまで投与してはならないとし(不安定な不整脈=のある小児に投与すると致死的な反応が起こりうるため)、家族にを施錠保管させることを求める2
  • ⚠️ 年齢の下限は国により違う。 日本の電子添文は「4歳以上に投与することが望ましい」とし(9.7小児等)7、のは「5歳を超える」小児のを適応として5歳未満での使用経験は無いとし8、米国添付文書のの適応は6歳以上で6歳未満の安全性・有効性は確立していないとする1。どの資料に従っているかを意識する
  • ⚠️ (・自殺行動):抗うつ薬に共通するが1本置かれており、小児・青年・若年成人(24歳以下)で・自殺行動のリスクがより増加する。25歳以上ではこの増加は示されず、65歳以上ではむしろ低下する。開始後数週間と用量変更時は特に注意深く観察する。⚠️ 同じは末尾で「塩は小児患者への使用が承認されていない」とも述べるが、同じ添付文書の効能欄には6歳以上のがある1。添付文書は節ごとに書き方が違うので、この一文は精神科的適応についての記述として読む。が「うつ病の適応で用いる場合の18歳未満」を禁忌に置いているのと同じ線引きである8
  • による尿閉のリスクがあり、皮肉にも・の治療に使う同じ薬が、などのある患者ではかえって尿閉を悪化させうる(日本の電子添文では尿閉そのものが禁忌)7

副作用

頻度 内容
高頻度 便秘、口渇、傾眠
注意 低血圧(起立性)、、小児でのECG変化(高用量)1
重篤・まれ 時の・、痙攣、QT延長・、、、、、・、()、・黄疸7

日本の電子添文の17.1は、うつ病・うつ状態を対象とした国内比較試験11試験(副作用の判定が可能であった688例)で副作用が465例(67.6%)に認められ、主なものが口渇236件(34.3%)、めまい・・144件(20.9%)、眠気130件(18.9%)、便秘105件(15.3%)であったと報告している。では承認時までの調査(判定可能317例)で副作用は54例(17.0%)にとどまり、主なものは22件(6.9%)、口渇15件(4.7%)だった7。⚠️ この2つの数字はも用量も観察の枠組みも違うので、「では副作用が1/4になる」といった読み方はしない。

⚠️ 「を減らす薬」というイメージに、重大な副作用としてのを吸収させない。 電子添文はを頻度不明の重大な副作用として挙げ、・低浸透圧血症・尿中量の増加・高張尿・痙攣・意識障害を症状として示す7。ICCSが可能性として挙げる「尿産生への作用」と機序上つながるかは出典が語らないが、臨床上は期待される効果ではなく、をきたす有害事象として扱う。

まとめ

  • 史上初のTCAで、SERT・NET阻害に加え・α1受容体・を遮断する非選択的な薬。⚠️ α1に対しては刺激ではなく遮断であり、の説明はここから来る。肝臓で(NET選択的)に代謝される。
  • うつ病は・日本・米国のいずれでもとして残っている(は成人のうつ病8、日本は「精神科領域におけるうつ病・うつ状態」7、米国は「うつ症状の緩和」1)が、現在の第一選択ではない。もう一方の柱が小児の治療薬というである。⚠️ ただしその作用機序は不明である——ICCSはノルアドレナリン作動性・・が膀胱・尿産生・覚醒機構に及ぼす複合作用の可能性を挙げるにとどめており2、「弛緩+α1刺激+の3方向」といった確定的な図式は一次資料に無い。
  • ⚠️ 適応の細部は3極で揃わない。 の年齢下限は 5歳超・日本4歳以上が望ましい・米国6歳以上、昼間の失禁まで効能に書くのは日本(「(昼・夜)」)だけ、不安発作と慢性疼痛の適応があるのはだけである。日本ではにも「」、にも「」の適応があり34、「TCAで泌尿器適応を持つのはだけ」というのは欧米についてしか言えない5。
  • 治療は、・アラーム・がいずれも無効または禁忌の場合の第三選択で、専門医が扱う2。早期のの家族歴や心疾患を示す所見がある小児には禁忌で、反復コースを受けている小児には3か月ごとの医学的再評価を要する6。
  • 成人の切迫性・にも用いられることがあるが、標準的な第一選択ではない。
  • ⚠️ 禁忌は国を書かないと必ず誤りになる。 3極に共通するのは阻害薬の併用と心筋梗塞(急性期・回復初期)と過敏症だけで、日本はさらに・尿閉・を、は限定なしの緑内障・や消化管および尿路生殖器の狭窄・・肝疾患・妊娠・授乳・(うつ病適応での)18歳未満を挙げる。による尿閉のリスクがあり、などがある患者では、・尿失禁に使う同じ薬がかえって症状を悪化させうる。
  • 時の・のリスクは他のTCA(など)と共通する。重大な副作用としてが挙げられており、が減るという期待される作用とは別に、をきたす有害事象として扱う7。
  • は抗うつ薬共通の・自殺行動(小児・青年・若年成人)1本1。

出典

  1. 1.TOFRANIL (imipramine hydrochloride) tablets — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration (DailyMed)・2016)米国添付文書の禁忌がMAO阻害薬の併用・急性心筋梗塞回復期・過敏症であること、小児の夜尿症に対する用量上限が2.5 mg/kg/日であること(この倍量でECG変化が報告されている)、抗うつ薬に共通する24歳未満での自殺念慮・自殺企図リスク増加の警告があることを確認した。閲覧 2026-09-08
  2. 2.Management and treatment of nocturnal enuresis-an updated standardization document from the International Children's Continence Society(Journal of Pediatric Urology・2020)Utrecht大学リポジトリ経由で出版社版PDF全文(11頁)を取得して確認した。国際小児禁制学会(ICCS)の標準化文書で、イミプラミンはデスモプレシン・夜尿アラーム・抗コリン薬がいずれも無効または禁忌の場合に専門医が用いる第三選択であること、夜尿症における作用機序は不明であり、ノルアドレナリン作動性・セロトニン作動性・抗コリン作用が膀胱・尿産生・覚醒機構に及ぼす複合作用による可能性が挙げられるにとどまること、治療抵抗性の夜尿児の30〜50%に効果が期待できデスモプレシン併用でその割合が上がること、用量は25〜50mgで大きいほうの用量は9歳を超える小児または低用量が無効で副作用が無い場合に用い就寝の約1時間前に投与すること、効果判定は1か月後に行うこと、耐性が生じやすいため3か月ごとに2週間の休薬期間を置くことが一案とされること、中止時は半量にして1〜2週間続けてから中止すること、原因不明の失神や動悸の既往または突然心臓死の家族歴があれば長時間心電図で評価せずに投与してはならないこと、臨床で最も多く問題になる副作用は気分の変動と悪心であることを確認した。閲覧 2026-09-08
  3. 3.トリプタノール錠10/トリプタノール錠25 電子添文(日医工株式会社・2022)2022年4月改訂(第1版)の電子添文で、効能又は効果が「精神科領域におけるうつ病・うつ状態、夜尿症、末梢性神経障害性疼痛」の3つであり、夜尿症が承認適応に含まれること、夜尿症の用法及び用量がアミトリプチリン塩酸塩として1日10〜30mgを就寝前に経口投与であることを確認した。閲覧 2026-09-08
  4. 4.アナフラニール錠10mg/アナフラニール錠25mg 電子添文(アルフレッサ ファーマ株式会社・2024)2024年3月改訂(第2版)の電子添文で、効能又は効果が「精神科領域におけるうつ病・うつ状態」「遺尿症」「ナルコレプシーに伴う情動脱力発作」の3つであり、遺尿症が承認適応に含まれることを確認した。閲覧 2026-09-08
  5. 5.夜尿症診療ガイドライン2021(日本夜尿症学会(現:日本夜尿症・尿失禁学会)・2021)Mindsガイドラインライブラリの要旨ページで本ガイドラインが「最新版」「本文公開中」であることを確認したうえで、本文PDF(https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00690.pdf )をpdftotextで抽出して確認した。CQ8の推奨文が「デスモプレシン,アラーム療法,その両者による併用療法で効果が得られない場合には,三環系抗うつ薬を提案する.」で推奨グレードが2Aであること、三環系抗うつ薬が国内外でデスモプレシン・抗コリン薬に次ぐ第三選択の位置づけであること、日本ではイミプラミンのほかアミトリプチリンとクロミプラミンにも保険適用がある一方で「欧米での使用については、NE に対してはイミプラミンのみとなっている」と述べていること(表4は米国でのアミトリプチリンの小児適応が慢性疼痛・うつ病・片頭痛予防のみ、クロミプラミンが強迫性障害のみであることを併記する)、日本夜尿症学会が2004年・2016年のガイドラインで示した用法として初回投与量10mg・夕食後または就寝前に開始・1週間後に効果がなければ体重25kg未満は20mg/25kg以上は25〜30mgへ増量することを紹介していること、三環系抗うつ薬の副作用は主に抗コリン作用によるものが約5%で最も深刻なものが過量投与時の心臓障害であり、開始に際して動悸や失神など心疾患を疑わせる既往と不整脈・突然死の家族歴を問診し気になる所見があれば心電図でQT延長が無いことを確認するとしていることを確認した。閲覧 2026-09-08
  6. 6.Nocturnal enuresis: the management of bedwetting in children and young people (NICE Clinical Guideline 111)(National Clinical Guideline Centre (UK) for the National Institute for Health and Care Excellence (NICE)・2010)第15章の推奨15.2.8.1〜15.2.8.6で、三環系抗うつ薬を夜尿症の第一選択に用いないこと、三環系を用いるならイミプラミンとすること、他の全治療に反応せず夜尿症の管理に精通した医療者の評価を受けた小児で検討すること、初回治療コースは3か月でその後のコースは検討可能であること、反復してコースを受けている小児には3か月ごとに医学的再評価を行うこと、中止時は漸減することを確認した。あわせて15.1が、三環系の作用について強い抗コリン作用に加えて十分に解明されていない中枢作用があると述べること、早期の心臓死の家族歴がある小児と心疾患を示す所見がある小児には禁忌であること、低用量から開始して2週ごとに年齢に応じた最大用量まで増量し就寝の約3時間前に1日1回投与することを確認した。2026-09-08にNICEのウェブ版(https://www.nice.org.uk/guidance/cg111 )も取得し、本指針が撤回・改訂されておらず公開日2010年10月27日のまま現行であること(更新情報は2015年8月の他ガイドラインへの参照差し替えと2023年8月のデスモプレシンの用量・商品名の削除の2件のみ)、同じ推奨がウェブ版では1.14.1〜1.14.6に対応すること、1.14.4がイミプラミンについて「3か月のコース後に3人に2人以上が再発する」ことと過量服薬の危険・施錠保管を家族に伝えるよう求めること、1.13.7が「抗コリン薬とイミプラミンの併用を行わない」と明記することを確認した。閲覧 2026-09-08
  7. 7.トフラニール錠10mg/トフラニール錠25mg 電子添文(アルフレッサ ファーマ株式会社・2024)2024年3月改訂(第2版)の電子添文で、効能又は効果が「精神科領域におけるうつ病・うつ状態」と「遺尿症(昼・夜)」の2つであること、禁忌6項目が閉塞隅角緑内障・本剤またはTCAへの過敏症の既往・心筋梗塞の回復初期・尿閉(前立腺疾患等)・MAO阻害剤(セレギリン、ラサギリン、サフィナミド)投与中または中止後2週間以内・QT延長症候群であること、用法及び用量が製剤ごとに分けて書かれており25mg錠はうつ病で1日25〜75mgから1日200mgまで漸増(まれに300mgまで)・遺尿症で幼児1日25mgを1回と学童1日25〜50mgを1〜2回、10mg錠はうつ病で1日30〜70mgから開始・遺尿症で学童1日30〜50mgを1〜2回であること、9.7小児等が4歳以上への投与を望ましいとすること、重大な副作用に抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が挙げられていること、17.1の国内二重盲検試験11試験(副作用判定可能688例)でうつ病における副作用が465例67.6%に認められ主なものが口渇236件34.3%・めまい/ふらつき/立ちくらみ144件20.9%・眠気130件18.9%・便秘105件15.3%であったこと、遺尿症の承認時までの調査(判定可能317例)では副作用が54例17.0%で主なものが食欲不振22件6.9%・口渇15件4.7%であったこと、18.1作用機序が5-HTとNAの取り込み阻害のみを述べ排尿に関わる末梢機序に触れていないことを確認した。閲覧 2026-09-08
  8. 8.Tofranil 25 mg comprimidos recubiertos — Ficha técnica (SmPC)(Agencia Española de Medicamentos y Productos Sanitarios (AEMPS)・2025)2025年2月改訂(REVISIÓN DEL TEXTO Febrero 2025)のスペイン版製品概要の全文を確認した。4.1の適応が成人ではうつ病・不安発作・慢性疼痛の3つ、小児では「5歳を超える夜尿症で、代替療法が適切でないと考えられ、器質的原因が除外された場合」であること、4.2の小児用量が1.7mg/kg/日で年齢別に5〜8歳20〜30mg・9〜12歳25〜50mg・12歳超25〜75mgと表になっており、就寝時に1日1回(ベッドで早い時刻に排尿する児は一部を午後中頃に分ける)投与し、最大用量は1週間以内に反応が無い場合にのみ適用し、奏効後は1〜3か月継続して漸減すること、5歳未満の夜尿症での使用経験は無いこと、小児・青年(0〜17歳)のうつ病・不安発作・慢性疼痛には安全性と有効性の十分な証拠が無く推奨されないこと、4.3の禁忌がイミプラミンまたは添加物への過敏症、ジベンゾアゼピン系三環系抗うつ薬への交叉過敏、MAO阻害薬との併用(前後14日以内を含む。モクロベミドなど可逆的選択的MAO阻害薬も禁忌)、急性期の心筋梗塞・心不全・伝導障害および伝導障害の既往、緑内障、前立腺肥大・幽門狭窄その他の消化管および尿路生殖器の狭窄、ポルフィリン症、肝疾患、確認されたまたは可能性のある妊娠、授乳、うつ病の適応で用いる場合の18歳未満であることを確認した。閲覧 2026-09-08