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Drug Atlas · A19 Antidepressants / 抗うつ薬

フルボキサミン

fluvoxamine

分類
Antidepressants / 抗うつ薬
商品名(日本)
デプロメールルボックス
科目
Pharmacology
トピック
A19: Monoamine reuptake inhibitors
承認適応
うつ病強迫症(OCD)社会不安障害
副作用
悪心傾眠めまい不眠
相互作用
チザニジンピモジドフェゾリネタントラメルテオン

🧠 全体像:はとして最初に承認された薬の一つだが、の中で語られる薬理学的な個性はそのものよりの強力な阻害にある。は・・・など代謝を1つの酵素に依存する薬が多く、を併用するとこれらの血中濃度が大幅に——時に数十倍に——跳ね上がる。「どのを使うか」より「を使うなら他に何を使っているか」を先に確認すべき薬というのが実務上の要点である。

SSRIの中での位置づけ

薬剤 主な阻害 際立つ相互作用
・CYP2C19を強く阻害、CYP3Aを中程度、を弱く阻害1 ・・・などに代謝を依存する薬
を強く阻害 ・
を強く阻害 と同様の系統

⭐ 各薬の相互作用プロファイルは「どのを主に阻害するか」で覚えると整理しやすい。 ・が阻害で語られるのに対し、は阻害という別の軸で語られる薬である。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluvoxamine'>フルボキサミン</span>がSERTを阻害"] --> B["シナプス5-HT濃度上昇"]
    B --> C["抗うつ・抗強迫・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anxiolysis'>抗不安</span>効果"]
    D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluvoxamine'>フルボキサミン</span>が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cytochrome P450 1A2'>CYP1A2</span>を強力に阻害<br>(CYP2C19も強く、CYP3Aは中程度、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cytochrome P450 2D6'>CYP2D6</span>は弱い)"] --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cytochrome P450 1A2'>CYP1A2</span>に代謝を依存する薬の血中濃度が上昇"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tizanidine'>チザニジン</span>:血中濃度が大幅上昇し重度低血圧・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oversedation'>過鎮静</span>"]
    E --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ramelteon'>ラメルテオン</span>:血中濃度が大幅上昇し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='contraindicated combination'>併用禁忌</span>"]
    E --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='theophylline'>テオフィリン</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='caffeine'>カフェイン</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mexiletine'>メキシレチン</span>など:作用増強"]

💡 に代謝の大部分を依存する薬ほど、との相互作用が「増強」ではなく「禁忌」になる。 ・はいずれもほぼ全量がで代謝されるため、この酵素が強く阻害されると血中濃度が桁違いに上昇し、通常の減量では対処できないレベルに達する2。

適応・用法

⚠️ が国によって違う。 日本のデプロメール錠はうつ病・うつ状態、、社会の3適応を持ち、通常成人量は1日50 mgを初期用量として1日150 mgまで増量し1日2回にする3。一方、米国のLUVOX CR()は(OCD)のみがで、うつ病・社会の適応は無い。用法は就寝時100 mgから開始し週1回50 mgずつ増量、上限300 mg/日である2。実際の用量・適応は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

⚠️ の顔ぶれが国で違う。 どちらも「に代謝を依存する薬」という共通点で選ばれているが、収載されている個々の薬剤は一致しない。

  • ⚠️ ・は日米共通の。 いずれもにほぼ全量の代謝を依存するため、との併用で血中濃度が大幅に上昇する2
  • ⚠️ ()も、強い阻害薬であるとの併用が禁忌に挙げられている。 の肝毒性リスクを避けるためので、はその代表例として名指しされている
  • 阻害薬との併用・中止後14日以内は禁忌()2
  • ⚠️ 以外の酵素も阻害する。 CYP2C19も強く、CYP3Aは中程度、は弱く阻害するため、これらで代謝される薬剤(ワルファリン、、など)の血中濃度上昇にも注意する12
  • 25歳未満では・のリスクが増加しうる(抗うつ薬に共通するの)2
  • 喫煙者はの代謝が約25%増加するとの記載がある2

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心、傾眠、めまい、不眠、、口渇
注意 、
重篤・まれ 、の悪化、異常出血(・ワルファリン等と併用時)

まとめ

出典

  1. 1.Drug Development and Drug Interactions: Table of Substrates, Inhibitors and Inducers(U.S. Food and Drug Administration・2023)「Content current as of/06/05/2023」と付記されたこのページのTable 2-2(Examples of clinical index inhibitors for CYP enzymes)で、フルボキサミンがCYP1A2・CYP2C19の臨床指標阻害薬(強阻害薬)として列挙され、脚注に「Strong inhibitor of CYP1A2 and CYP2C19, moderate inhibitor of CYP3A, and weak inhibitor of CYP2D6.」と、4つの酵素に対する阻害の強さが酵素ごとに書き分けられていることを確認した。閲覧 2026-09-08
  2. 2.LUVOX CR (fluvoxamine maleate) Extended-Release Capsules — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration・2017)米国添付文書(表紙に「Revised/01/2017」と印字)を取得して確認した。承認適応は成人・小児の強迫性障害(OCD)のみで、うつ病・社会不安障害の適応は無いこと、枠組み警告が抗うつ薬に共通の自殺念慮・自殺行動に関するものであること、成人の用法・用量が就寝時100mgから開始し週1回50mgずつ最大300mg/日まで増量することであること、禁忌に「チオリダジン・チザニジン・ピモジド・アロセトロン・ラメルテオンとの併用」およびMAO阻害薬・リネゾリド・静注メチレンブルーとの併用(セロトニン症候群)が挙げられていること、7.1項に「Fluvoxamine inhibits several cytochrome P450 isoenzymes (CYP1A2, CYP2C9, CYP3A4, and CYP2C19)」とあり、チザニジンとの併用でCmax・AUCが大幅に上昇するため併用禁忌とされていること、カルバマゼピン・スマトリプタン・タクリン・三環系抗うつ薬・トリプトファン・ジルチアゼム・プロプラノロール/メトプロロール・ワルファリン・テオフィリン・メキシレチン・メサドン・クロザピン・ベンゾジアゼピン系との相互作用が7項に個別に記載されていることを確認した。閲覧 2026-09-08
  3. 3.デプロメール錠25/デプロメール錠50/デプロメール錠75 電子添文(2022年11月改訂・第5版)(Meiji Seikaファルマ株式会社/医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2022)デプロメール錠(フルボキサミンマレイン酸塩、2022年11月改訂・第5版)の効能・効果が「うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害」であること、通常成人の用法・用量が「フルボキサミンマレイン酸塩として、1日50mgを初期用量とし、1日150mgまで増量し、1日2回に分割して経口投与する」であること、併用禁忌がモノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩・ラサギリンメシル酸塩・サフィナミドメシル酸塩)・ピモジド・チザニジン塩酸塩・ラメルテオン・メラトニンであること、相互作用の項に「本剤は肝薬物代謝酵素のうちCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4を阻害し、特にCYP1A2、CYP2C19の阻害作用は強いと考えられている」と記載されていることを確認した。閲覧 2026-09-08