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Drug Atlas · A19 Antidepressants / 抗うつ薬 · 必修

フルオキセチン

fluoxetine

分類
Antidepressants / 抗うつ薬
商品名(EU)
Prozac
科目
Pharmacology
トピック
A19: Monoamine reuptake inhibitors
副作用
悪心不眠不安
相互作用
アトモキセチンコデインタモキシフェンテトラベナジンデューテトラベナジントラマドールフェネルジンペチジンモクロベミド
対象疾患
気分障害(うつ病・双極性障害)強迫症重篤気分調節症身体醜形症性機能障害・パラフィリア症群摂食症(神経性やせ症・過食症)不安症群(パニック症・全般不安症・恐怖症)

🧠 全体像(世界初の広く普及したSSRI、プロザック)を特徴づけるのは極端に長い半減期である。親薬とそのノルを合わせると数週間にわたり体内に残るため、飲み忘れに強くが出にくいという利点がある一方、中止してから他剤(特にMAO阻害薬)に切り替えるまで長い期間が必要というを生む。小児にも使える数少ないSSRIという顔も持つ。

薬効群の中での位置づけ

SSRI4剤の中で、は「半減期の長さ」で際立つ。

薬剤 半減期の特徴 帰結
極めて長い(代謝物込みで数週間) が出にくい/MAOI切り替えに5週間のが必要
短い(なし) が最も強い
中間 バランス型
(es) 中間 最も選択的・QT注意

半減期の長さは諸刃の剣。 飲み忘れがあっても血中濃度が急落しにくくが出にくい反面、強力なCYP2D6阻害作用を持つ親薬・代謝物が数週間体内に残るため、中止後にMAO阻害薬へ切り替える際は5週間のを空ける必要がある(他のSSRIは通常2週間)。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluoxetine'>フルオキセチン</span>がSERTを阻害"] --> B["シナプス5-HT濃度上昇"]
    B --> C["5-HT1A<span class='jp-term jp-term-diagram' title='autoreceptor'>自己受容体</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='desensitization'>脱感作</span>(数週間)"]
    C --> D["持続的な5-HT伝達増加→抗うつ・抗強迫・抗<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hyperphagia'>過食</span>効果"]
    A --> E["CYP2D6で代謝され<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active metabolite'>活性代謝物</span>ノル<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluoxetine'>フルオキセチン</span>へ"]
    E --> F["親薬・代謝物とも長期間体内に残存"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='withdrawal symptom'>離脱症状</span>が出にくい/MAOI切り替えに長い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elective'>待機</span>期間が必要"]

薬物動態

項目 値・特徴
代謝 CYP2D6で代謝されノル(同等の)へ。自身も強力なCYP2D6阻害薬
半減期 親薬 約4〜6日、ノル 約4〜16日(合計で数週間の体内残存)
MAOI切り替え時の 中止後5週間(他のSSRIは通常2週間)

強力なCYP2D6阻害が相互作用の主因。 への変換を阻害し効果を弱める、のモルヒネへの変換を阻害し鎮痛効果を弱める、といった「相手の薬を効かなくする」タイプの相互作用に注意する。

適応

領域 使いどころ
精神科 うつ病
摂食障害 と併用する高用量(60 mg/日)が承認されている数少ない薬
小児科 SSRIの中で小児・青年のうつ病・OCDに使用できる数少ない薬の一つ

用法・用量

うつ病:1回20 mgを朝1日1回から開始し、1日20〜80 mgまで増量する。OCD:1日20〜80 mg。1日60 mg(うつ病より高い固定用量)。実際の用量は適応・年齢・体重で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌などMAO阻害薬との併用・中止後5週間以内(長い半減期のため通常のSSRIより長いが必要)
  • ⚠️ 強力なCYP2D6阻害作用により、(効果減弱)・(効果減弱)・(血中濃度上昇)との併用に注意する
  • ⚠️ 25歳未満ではのリスクが増加しうる(抗うつ薬に共通するFDA black box warning)。はこのリスクが比較的よく研究されているSSRIの一つ
  • 長い半減期のため、時や有害事象出現時も作用が数週間持続しうることを念頭に置く

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心不眠不安(活性化作用)
注意 食欲低下・体重減少、
重篤・まれ (SIADH、高齢者)

まとめ

  • SSRI。極めて長い半減期(ノルを含め数週間)が最大の特徴。
  • が出にくい一方、MAO阻害薬への切り替えには5週間のが必要。
  • 強力なCYP2D6阻害薬で、など相手の薬の効果を弱める相互作用に注意。
  • うつ病・OCD・に加え、の高用量療法・PMDDにも使う。
  • 小児・青年に使用できる数少ないSSRIの一つ。
  • 初期に(不眠・不安)が出やすい。