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Drug Atlas · A11 Opioids / オピオイド · 必修

トラマドール

tramadol

分類
Opioids / オピオイド
商品名(日本)
トラマールワントラム
商品名(EU)
Tramal
科目
Pharmacology
トピック
A11: Opioids
禁忌疾患
てんかん
副作用
悪心めまい傾眠痙攣
相互作用
クロミプラミンフルオキセチンモクロベミド
解毒薬
ナロキソン
原因となる疾患
セロトニン症候群

🧠 全体像「弱いμ作動」と「セロトニン・ノルアドレナリン(SNRI様作用)」を1分子に併せ持つという設計が特徴ので、この二重機序のおかげで純粋なオピオイドより幅広い痛みに効く一方、純粋なオピオイドにはない痙攣とのリスクを背負っている。「オピオイドなのに抗うつ薬のような相互作用に注意する」という一見矛盾した扱いが必要になるのはこのためになる。

薬効群の中での位置づけ

のなかで、が「μ作動のみで弱い」のに対し、μ作動+という異なる原理で鎮痛効果を底上げしている。同じ二重機序を持つと対比されることが多く、違いはセロトニンとノルアドレナリンの両方を阻害するのに対し、ノルアドレナリンのみを阻害する点——この違いがのリスクの差に直結する。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tramadol'>トラマドール</span>を内服"] --> B["弱い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mu-opioid receptor'>μオピオイド受容体</span>作動"]
    A --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='presynaptic terminal'>シナプス前終末</span>での<br>セロトニン<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reuptake inhibition'>再取り込み阻害</span>"]
    A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='presynaptic terminal'>シナプス前終末</span>での<br>ノルアドレナリン<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reuptake inhibition'>再取り込み阻害</span>"]
    B --> E["脊髄・脳幹での<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='nociceptive transmission'>痛覚伝達</span>↓(オピオイド性鎮痛)"]
    C --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='descending pain inhibitory system'>下行性疼痛抑制系</span>の<br>セロトニン・ノルアドレナリン↑"]
    D --> F
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dorsal horn'>脊髄後角</span>での<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='nociceptive transmission'>痛覚伝達</span>をさらに抑制"]
    A --> H{"肝CYP2D6で代謝"}
    H -->|"活性化"| I["O-デスメチル<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tramadol'>トラマドール</span><br>(M1、μ親和性が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tramadol'>トラマドール</span>本体より高い)"]

💡 と同様、CYP2D6が効果の一部を左右する的側面を持つ。 O-デスメチル(M1)はへの親和性がよりずっと高く、鎮痛効果の一定部分を担う。CYP2D6では効果・副作用が強く出やすく、逆に阻害薬併用や代謝の遅い人では鎮痛が乏しくなりうる。

薬物動態

項目 値・特徴
約70〜90%
代謝 CYP2D6でO-デスメチル(M1、)へ、CYP3A4でも代謝を受ける
排泄 代謝物として
半減期 約6時間()。製剤あり

適応

領域 使いどころ
中等度の急性・慢性疼痛。にも作用の分だけ有用性が期待される

用法・用量

経口で少量から開始し、効果とを見ながら漸増する。製剤は定期投与に用いる。高齢者・腎機能低下例では減量する。実際の用量は適応・年齢・体重・腎肝機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌てんかん・けいれん性疾患(を低下させる)
  • ⚠️ (SSRI・SNRI・MAO阻害薬・など)との併用でのリスクが上がる
  • ⚠️ を下げる他の薬剤(一部の抗うつ薬、抗精神病薬)との併用にも注意
  • CYP2D6阻害薬(一部のSSRIなど)との併用でM1の生成が減り鎮痛効果が弱まりうる

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心めまい傾眠
重篤・まれ 痙攣、てんかん患者・高用量・他の薬との併用でリスク上昇)、、呼吸抑制(純粋なよりは頻度が低いとされるが起こりうる)

まとめ

  • は弱いμ作動とセロトニン・ノルアドレナリンを併せ持つ
  • O-デスメチル(M1)はCYP2D6依存で生成され、と同様の代謝のの影響を受ける。
  • 純粋なオピオイドにはない痙攣とのリスクを持ち、てんかんは禁忌。
  • との違いは、セロトニンとノルアドレナリンの両方を阻害するか()、ノルアドレナリンのみか()で、これがリスクの差になる。
  • と並び、「・痙攣に注意すべきオピオイド」として覚える。