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Drug Atlas · A19 Antidepressants / 抗うつ薬 · 必修

アトモキセチン

atomoxetine

分類
Antidepressants / 抗うつ薬
商品名(日本)
ストラテラ
商品名(EU)
Strattera
科目
Pharmacology
トピック
A19: Monoamine reuptake inhibitors
禁忌疾患
褐色細胞腫
副作用
悪心めまい動悸不眠
相互作用
パロキセチンフルオキセチンモクロベミド
対象疾患
注意欠如・多動症(ADHD)

🧠 全体像は「抗うつ薬」に分類されているが、実際の使いどころはADHDのという一点に尽きる。のような刺激薬(スケジュールII、乱用リスクあり)が使いにくい患者──の既往、、刺激薬への不良──に対する代替として存在する。選択的にNETだけを阻害するためはなく、効果発現に数週間かかる点が刺激薬との最大の違い。

薬効群の中での位置づけ

のうち、NEのみを標的にするのがNRI(で、の2剤がこれにあたる。

薬剤 標的 適応 特徴
NET ADHD CYP2D6で代謝、が大きい
NET うつ病(欧州のみ承認) 米国は承認されず、の教材としても有名

ADHD治療薬全体の中では「」という立ち位置が要点。 第一選択はなどの刺激薬(・乱用リスクあり)で、は効果発現が遅い代わりに乱用性がなくの既往やを合併する患者で選ばれやすい。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='atomoxetine'>アトモキセチン</span>がNETを選択的に阻害"] --> B["シナプスNE濃度上昇"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Prefrontal cortex'>前頭前野</span>では<span class='jp-term jp-term-diagram' title='direct antiglobulin test'>DAT</span>が乏しくNETがDAも回収するため<br>NE・DA両方のシグナルが増強"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Prefrontal cortex'>前頭前野</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='executive function'>実行機能</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='attentional control'>注意制御</span>が改善"]
    B --> E["末梢<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sympathetic nervous system'>交感神経系</span>の亢進"]
    E --> F["血圧・心拍数上昇、口渇、食欲低下"]

💡 だけ「NE阻害でDAも増える」特殊な地域。 にはが乏しく、NETが細胞外のドパミンも一緒に取り込んでいるため、NET阻害はNEだけでなくDA伝達も間接的に増強する。これが刺激薬(直接阻害)に頼らずADHD症状を改善できる根拠になっている。

薬物動態

項目 値・特徴
約63%(CYP2D6欠損者ではさらに高い)
代謝 CYP2D6が主経路。CYP2D6高活性者と欠損者(poor metabolizer、白人の約7%)でに大差
半減期 高活性者で約5時間、CYP2D6欠損者では約22時間
効果発現 数週間(刺激薬のようなはない)

CYP2D6のが臨床的に効いてくる代表例。 CYP2D6欠損者では血中濃度が数倍に上昇し副作用が出やすいため、通常量から開始しを見ながら調整する。同じ理由で、などの強力なCYP2D6阻害薬と併用するとが大きく増加する。

適応

領域 使いどころ
精神科・小児科 ADHD。刺激薬が使いにくい患者(の既往、、刺激薬への不良)の代替

用法・用量

体重70 kg未満の小児・青年:1日0.5 mg/kgから開始し、目標用量約1.2 mg/kg/日(最大1.4 mg/kgまたは100 mgの低い方)まで漸増する。体重70 kg以上・成人:1日40 mgから開始し、目標用量80〜100 mg/日まで漸増する。1日1回または朝夕2回に分けて投与する。実際の用量は年齢・体重・CYP2D6代謝能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌(NEでカテコールアミン作用が増強し、の危険)
  • 禁忌などMAO阻害薬との併用・中止後2週間以内(のリスク)
  • ⚠️ 小児・青年でののリスク増加(FDA black box warning)。開始後は気分・行動の変化を注意深く観察する
  • 重度の心血管疾患、では慎重投与。投与前後で血圧・心拍数を確認する
  • まれに重篤な肝障害が報告されており、黄疸・を示唆する症状が出た場合は中止する

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心、食欲低下、口渇、不眠
注意 (頻脈)、めまい
重篤・まれ (MAOI併用・)、重篤な肝障害、小児・青年での

まとめ

  • ADHD治療に用いる選択的NRI()。分類上は抗うつ薬だが実際の適応はADHDに限られる。
  • 刺激薬と異なり乱用性がなく、効果発現に数週間かかる。の既往やを持つ患者で選ばれやすい。
  • 主にCYP2D6で代謝され、・強力なCYP2D6阻害薬(など)の併用でが大きく変動する。
  • では禁忌()。MAO阻害薬との併用も禁忌。
  • 小児・青年でののリスク増加が知られ、開始後の観察が重要。
  • まれに重篤な肝障害を起こしうる。