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Drug Atlas · A9 Muscle relaxants / 筋弛緩薬 · 必修

チザニジン

tizanidine

分類
Muscle relaxants / 筋弛緩薬Centrally acting antihypertensives / 中枢性降圧薬
商品名(日本)
テルネリン
商品名(EU)
Sirdalud
科目
Pharmacology
トピック
A6: α2-agonists and drugs acting on the imidazoline receptorsA9: Centrally and peripherally acting skeletal muscle relaxants
副作用
傾眠低血圧めまい
対象疾患
外傷性脊椎・脊髄損傷多発性硬化症

🧠 全体像の親戚(中枢α2作動薬)で、A6のグループ()が「」「鎮静」で使われるのに対し、これだけが脊髄レベルの筋緊張抑制という適応に振られた薬である。α2作動という同じ受容体を叩いても文脈次第でにも鎮静薬にもにもなる、というA6全体の「適応で枝分かれする」構造の実例になる。半減期が短いぶん効果も副作用もが早く消えやすいので、日中の眠気を避けて夜間中心に投与する運用と相性がよい。

薬効群の中での位置づけ

A6(中枢α2・作動薬)は同じ「中枢の交感神経・興奮性出力を下げる」仕組みを、適応ごとに使い分けている。

薬剤 受容体 主な適応 との違い
中枢α2 (MS・ 脊髄の運動ニューロンに焦点
中枢α2 高血圧、ADHD、オピオイド/ 抑制が主眼
選択的中枢α2 ICU鎮静・ 呼吸抑制が少ない鎮静薬として使う
中枢α2(経由) 高血圧(特に妊娠) データが豊富でに使われる
I1 高血圧 専用、筋弛緩作用はない

A9()の中では中枢性グループに入り、(GABA-B)・)と並ぶ選択肢になる。⭐ より半減期が短く(約2.5時間)効果がやすい一方、切れるのも早いので1日3〜4回投与になり、肝機能モニタリングが必須という点が使い分けの鍵。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tizanidine'>チザニジン</span>が脊髄の中枢α2受容体<br>(一部<span class='jp-term jp-term-diagram' title='imidazoline receptor'>イミダゾリン受容体</span>)を作動"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spinal interneuron'>脊髄介在ニューロン</span>での<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='excitatory amino acid'>興奮性アミノ酸</span>(グルタミン酸・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aspartate'>アスパラギン酸</span>)放出↓"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spinal motor neuron'>脊髄運動ニューロン</span>への<span class='jp-term jp-term-diagram' title='facilitation'>促通</span>が減弱"]
    C --> D["単シナプス・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='polysynaptic reflex'>多シナプス反射</span>の興奮性が低下"]
    D --> E["筋緊張・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spasticity'>痙縮</span>の軽減"]

💡 と同じ「中枢のを下げる」受容体を叩くのに、臨床像はではなくとして現れる。 これは標的が全身の中枢ではなく脊髄の運動反射回路にシフトしているため。とはいえα2作動である以上、血圧・脈拍への影響(低血圧・徐脈)は残るので、併用時はに注意する。

薬物動態

項目 値・特徴
低い(が大きい)
代謝 主にCYP1A2
排泄 代謝物として
半減期 約2.5時間(短く、効果の・消退が速い)

⚠️ CYP1A2阻害薬との併用は禁忌に近い注意を要する。 のような強いCYP1A2阻害薬と併用すると血中濃度が大幅に上昇し、重度の低血圧・鎮静を招く。

適応

領域 使いどころ
によるに次ぐ・または併用する選択肢
筋緊張性頭痛・ 短期的な筋緊張緩和(を含む)

用法・用量

少量(1回2 mg程度)から開始し、効果・血圧・眠気を見ながら漸増する。半減期が短いため1日3〜4回のになりやすく、日中の眠気を避けたい場合は夜間の比重を増やす調整がされる。実際の用量・漸増ペースは適応・年齢・肝機能で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • CYP1A2強阻害薬との等):血中濃度上昇による重度低血圧・
  • :肝毒性のリスクがあり、投与開始後(特に最初の数か月)は定期的な肝が推奨される
  • (特に他のα2作動薬・β遮断薬)との併用で血圧・脈拍へのに注意
  • 腎機能低下では代謝物の蓄積に注意

副作用

頻度 内容
高頻度 傾眠、口渇、脱力感
注意 低血圧めまい
重篤・まれ 重度の低血圧、、急な中止による悪化(ほど劇的ではないが同様の注意を要する)

まとめ

  • 中枢α2作動薬。からの放出を抑え、運動ニューロンへのを下げて筋緊張を緩和する。
  • A6(等)と同じ受容体を使うが、適応がに振られている点が特徴。
  • 半減期が短く(約2.5時間)効果の・消退が速い。CYP1A2で代謝されるため強阻害薬との併用に注意。
  • より効果は劣るとされるが、肝機能モニタさえ守れば夜間中心の投与で眠気をコントロールしやすい。
  • 低血圧・徐脈というα2作動薬共通の副作用が、としての適応外でも残る。