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Drug Atlas · A6 Centrally acting antihypertensives / 中枢性降圧薬 · 必修

メチルドパ

methyldopa

分類
Centrally acting antihypertensives / 中枢性降圧薬
商品名(日本)
アルドメット
商品名(EU)
Aldomet
科目
Pharmacology
トピック
A6: α2-agonists and drugs acting on the imidazoline receptors
禁忌疾患
肝硬変
影響検査値
抗核抗体
対象疾患
妊娠高血圧腎症・子癇・HELLP症候群
原因となる疾患
後腹膜線維症自己免疫性肝炎扁平苔癬

🧠 全体像は薬そのものが効くのではなく、体内でという「偽の伝達物質」に変換されてから中枢α2受容体を刺激する、変わったである。効果発現も消失も緩やかで切れ味は悪いが、妊娠中の使用実績が数十年分あることが最大の武器になっている。肝毒性と免疫学的な副作用(様反応・溶血)という、他のにはあまり見ない弱点も併せ持つ。

薬効群の中での位置づけ

系統 代表 特徴 弱点
型) 妊娠でのデータが豊富。効果発現が遅い 肝毒性・副作用
型) 切れ味が良く・ADHDにも使える 急な中止で
I1作動薬 副作用がやや軽いとされる 専用。日本未承認

が今も生き残っている理由は「」という一点に尽きる。 より新しいなど)は妊娠での安全性データが乏しく、のポジションを奪えていない。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='methyldopa'>メチルドパ</span>が中枢神経細胞へ取り込まれる"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aromatic L-amino acid decarboxylase'>芳香族アミノ酸脱炭酸酵素</span>で<br>α-<span class='jp-term jp-term-diagram' title='methyldopa'>メチルドパ</span>ミンへ変換"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='dopamine beta-hydroxylase'>ドパミンβ水酸化酵素</span>で<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='alpha-methylnoradrenaline'>α-メチルノルアドレナリン</span>へ変換"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='synaptic vesicle'>シナプス小胞</span>に取り込まれ<br>本物のノルアドレナリンの代わりに貯蔵"]
    D --> E["神経終末から放出され<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='presynaptic'>シナプス前</span>α2受容体を刺激(偽の伝達物質)"]
    E --> F["ノルアドレナリン放出↓"]
    F --> G["中枢からの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sympathetic outflow'>交感神経出力</span>↓ → 血圧↓"]

💡 「偽の」という表現の意味はここにある。 自体にはがほとんどなく、代謝されて初めてα2受容体を刺激する活性体になる。代謝から蓄積・放出までに時間がかかるため、効果が出るまで数時間〜数日、消えるまでも同程度かかる——のようなとは対照的である。

薬物動態

項目 値・特徴
約50%前後(が大きい)
分布 輸送体を介して血液脳関門を通過
作用発現 遅い(ピーク効果まで4〜6時間、安定するまで2日程度)
排泄 主に。腎機能低下でが要る
半減期 約2時間(血中濃度としては短いが、の蓄積のため効果は持続)

適応

領域 使いどころ
産科・循環器 ・子癇・を含む妊娠中の高血圧のの一つと並ぶ)
循環器 一般の高血圧(現在は副作用プロファイルの良い薬が優先され、使用は限定的)

用法・用量

経口1回250 mgを1日2〜3回から開始し、血圧に応じて漸増する(1日最大3 g程度まで報告あるが通常はもっと低用量で管理する)。では分娩後も含めて経過をみながら調整する。実際の用量は適応・年齢・体重・腎肝機能・製剤で変わるため、施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌肝硬変など活動性の肝疾患、による肝障害の既往(様の肝毒性をさせうる)
  • MAO阻害薬との併用:相互作用に注意
  • うつ病の既往:中枢抑制作用により悪化させうる
  • 投与開始後は定期的な肝が望ましい(特に最初の6〜12週間)

副作用

頻度 内容
高頻度 傾眠、口渇、低血圧(起立性)
注意 値の上昇(多くは無症候性で可逆的)、陽性(10〜20%程度、多くは臨床的な溶血を伴わない)
重篤・まれ 様の肝毒性・肝壊死、陽性)、まれに臨床的な溶血性貧血

まとめ

  • 。中枢神経内でへ変換され「偽の伝達物質」として貯蔵・放出され、α2受容体を刺激する。
  • と同じα2刺激だが、代謝を経るため効果発現・消失とも緩やか。
  • の一つとして今も使われる、数少ない「妊娠でのデータが豊富な」。
  • 肝毒性(様)が禁忌の根拠で、活動性肝疾患には使えない。
  • 陽性はよく起こるが、臨床的に問題となる溶血はまれ。
  • 陽性)を起こしうる代表薬の一つ。
  • 高頻度副作用は傾眠・口渇・に近い。