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MELDスコア

MELD score

別名
MELD-Na
臓器系
肝胆膵
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-50:肝硬変内科学 L-49:急性肝不全内科学 S-34:肝補助療法と肝移植
構成:検査値
ビリルビンプロトロンビン時間クレアチニンアルブミン
適用疾患
アルコール性肝疾患肝硬変急性肝不全食道静脈瘤

🧠 全体像は、肝疾患の短期死亡リスクだけから算出し、限られた臓器を配分するためのの優先順位を決めるである。同じ肝硬変の重症度評価として語られるとの最大の違いはここにある——Child-Pughは腹水・肝性脳症という診察者の判定を含むのに対し、MELDはのみで再現性高く機械的に算出できる。この客観性ゆえに移植優先順位付けにはMELDが使われ、Child-Pughは使われない。

目的と適用場面

目的はの短期死亡リスクの推定との優先順位付けで、対象は肝硬変など移植適応となりうるである。移植登録後の定期再評価、ごとの再計算という場面で使い、腹水・肝性脳症などの診察所見、生活の質、反復合併症の頻度は評価しない。肝硬変の移植適応判断など、原因の異なる複数の病態で共通の物差しとして使われる。

構成要素と配点

原初のMELD(2002年に米国で優先順位に採用)以降、を追加する形で改訂を重ねている。本ノートの別名「」はこの改訂の一段階の名残である。

採用時期の目安
原初のMELD ビリルビン、INR、クレアチニン 2002年
上記+Na(を反映) 2016年
(現行) 上記+アルブミン、性別 2023年、米国のが採用

現行のが使う項目は次のとおり。

項目 反映する内容 点数への影響
ビリルビン 黄疸の程度 高いほど加点
INR(比) 凝固能低下 高いほど加点
クレアチニン 腎機能 高いほど加点。透析を要する腎不全では実測値をそのまま使わず補正する
Na(ナトリウム) ・門脈圧亢進の指標 低いほど加点(上下限で丸める)
アルブミン ・合成能低下 低いほど加点
性別 同じクレアチニンでも女性は腎機能を過小評価されやすい点を補正 女性で加点

⭐ 各項目を単純に足すのではなく、や項目間の相互作用を含むで統合する。手計算はせず、移植施設の計算ツールを使う。合計点は6〜40点の範囲に収める。

解釈

点数帯 目安
15点未満 移植による生存利益が乏しいとされる目安
15点以上 移植施設への紹介・評価を進める目安
点数が高いほど 短期死亡リスクが高く、移植の優先順位が上がる

💡 点数が低くても、反復する腹水・肝性脳症・出血などの合併症は移植紹介の理由になる。単一の数値を待って紹介を遅らせない。

など、素点のMELDでは死亡リスクを過小評価する病態には、基準を満たせば標準化されたが別枠で付与される仕組みがある。基準そのものはなど病態別に定められる。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ MELDはのみで算出するため、腹水・肝性脳症の重症度、、生活の質、支援を反映しない。これらが強い患者では点数が低くても紹介を検討する。

⚠️ では、MELD単独ではなくなど病因別の基準と併せて評価する。単一のスコアで移植紹介を遅らせない。

⚠️ 12歳未満の小児の優先順位付けにはMELDではなくを使う。年齢や成長といった小児特有のが異なるため、そのまま適用しない。

⚠️ の重症度判定にはなど別の指標が使われ、MELDに置き換わるものではない。

まとめ

  • はビリルビン・INR・クレアチニン・Na・アルブミン・性別というのみから短期死亡リスクを算出する。
  • Child-Pughと異なりな診察所見を含まないため、移植優先順位付けの物差しとして使われる。
  • 原初のMELD→(現行)とを追加しながら改訂されてきた。
  • 6〜40点の範囲で、点数が高いほど死亡リスクと移植優先度が上がる。
  • 反復合併症や生活の質は反映しないため、点数が低くても紹介を遅らせない。
  • ではと、小児ではと使い分ける。