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Drug Atlas · B25 Other / その他

ペニシラミン

penicillamine

分類
Other / その他
科目
PathologyUrology
トピック
病理学 C/49:代謝性・遺伝性肝疾患病理学 C/60:ネフローゼ症候群泌尿器科学 U-17:尿路結石症の成因・分類・予防
副作用
下痢皮疹
監視検査値
血小板数白血球数クレアチニンアルブミン尿
影響検査値
血小板数白血球数アルブミン尿
相互作用
ビタミンB6水酸化鉄ポリマルトース
対象疾患
ウィルソン病シスチン尿症
原因となる疾患
ネフローゼ症候群膜性腎症扁平苔癬

🧠 全体像と安定な水溶性)を作り、尿中への排泄を強制的に増やす薬である。と、の結石予防という「不要な物質を体外へ引き抜く」働きが本体になる。かつては関節リウマチのDMARDとしても使われたが、有効性は他剤と同程度である一方、皮疹・血球減少・腎障害などの毒性が高頻度に起こるため関節リウマチには現在使われない。同じ「効くが毒性が強い」性格が、ではではという、よりの良い薬との使い分けを生んでいる。

薬効群の中での位置づけ

適応 この薬の位置づけ 比較される薬
症候性のにおけるの一つ。治療初期に神経症状が一過性に悪化しやすい (同格の第一選択でがやや良いとされる)、(無症候・向けで作用が緩徐なため神経症状の悪化が少ない)
大量飲水・などの保存療法で不十分な場合に用いる (より毒性が低く、特に小児では第一選択とされることが多い)
関節リウマチ かつてのDMARDだが、有効性は同等で毒性がまさるため現在は用いられない メトトレキサートをはじめとする現行のDMARD

は「効くが毒性が強い」という一貫した性格を持つ薬。 関節リウマチではこの毒性の重さがそのまま処方されなくなった理由になり、では代替薬が限られるために今も使われるが、そこでもの良い薬が使えるならそちらが優先される。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='D-penicillamine'>ペニシラミン</span><br>(D体、遊離の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sulfhydryl group'>SH基</span>を持つアミノ酸誘導体)"] --> B["血中の遊離<span class='jp-term jp-term-diagram' title='copper'>銅</span>・組織中の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='copper'>銅</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chelation'>キレート</span>を形成"]
    B --> C["水溶性の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='copper'>銅</span>-<span class='jp-term jp-term-diagram' title='D-penicillamine'>ペニシラミン</span>複合体"]
    C --> D["尿中への<span class='jp-term jp-term-diagram' title='copper'>銅</span>排泄が増加"]
    A --> E["尿中の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Cystine'>シスチン</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='disulfide exchange reaction'>ジスルフィド交換反応</span>"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='D-penicillamine'>ペニシラミン</span>-システイン<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mixed disulfide'>混合ジスルフィド</span>"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='monomer'>単量体</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='Cystine'>シスチン</span>より溶解度が高い"]
    G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Cystine'>シスチン</span>結石の形成が抑制される"]
    A --> I["T細胞機能を抑制する<br>(詳細な機序は未解明)"]
    I --> J["⚠️ 関節リウマチでの抗炎症作用<br>(現在はルーチンに使われない)"]

💡 溶解も、同じ「遊離が金属・と結びつく」化学的性質から説明できる。 とは、システインとはジスルフィド交換という違いはあるが、どちらも「難溶性の物質を水溶性の複合体に変えて尿中へ捨てる」という発想は共通している。

薬物動態

項目 値・特徴
吸収 消化管から速やかに吸収されるが、食事により吸収が約半減する
服用タイミング 空腹時(食前1時間または食後2時間)に服用する
蛋白結合 約80%がと結合する
排泄 大部分が尿中へ排泄される。半減期は数時間程度
効果消失 中止後48時間程度で排泄促進効果はほぼ消失する

適応

領域 使いどころ
の症候性肝疾患・に対する。低用量から開始し専門施設で漸増する
によるで、大量飲水・などの保存療法がしない場合の
関節リウマチ 歴史的な適応。有効性は他のDMARDと同程度だが毒性が高く、現行のガイドラインでは推奨されない

用法・用量

いずれの適応でも低用量から開始し、を確認しながら緩徐に増量するのが原則である。では24時間尿中排泄量を指標にを調整し、神経症状のある例ではとくにゆっくり増量する。では尿中排泄量・結石再発の有無で用量を調整する。具体的な用量は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌による・重篤な血液障害の既往、ペニシリンに対する重度アレルギーの既往
  • ⚠️ では治療初期に神経症状が一過性に悪化することがある。 増量を急がず低用量から緩徐に行い、悪化時は減量・への変更・への切り替えを検討する
  • ⚠️ があるため、ビタミンB6欠乏を来しうる。 通常は補充を併用する
  • ⚠️ 鉄・カルシウム・・アルミニウムを含む製剤は吸収を妨げる。 剤などとは服用時刻を数時間あける
  • 妊娠中は関節リウマチ・では避け、でも減量など個別のリスク・評価を要する
  • 治療中は血算・・尿検査(蛋白尿の有無)による定期モニタリングが必須で、投与初期ほど頻回に行う

副作用

頻度 内容
高頻度 下痢皮疹
重要・要注意 蛋白尿・)、血小板減少・
重篤・まれ 、催奇形性(など)

まとめ

  • と安定な水溶性を作り、を促す薬。の結石予防が現行の中心的な適応である。
  • かつて関節リウマチのDMARDとして使われたが、有効性は他剤と同程度で毒性がまさるため現在は用いられない。
  • では治療初期に神経症状が一過性に悪化しうるため低用量から緩徐に増量し、よりやや劣るとされる。
  • では保存療法が不十分な場合ので、より毒性の低いが優先されることが多い。
  • 、蛋白尿・、血球減少などの毒性があり、定期的な血算・尿検査によるモニタリングが必須。
  • 鉄などの金属含有製剤とは吸収阻害を避けるため服用時刻を数時間ずらす。