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Lab values · Published

アルブミン尿

Albuminuria

別名
尿アルブミン尿中アルブミンUACR
臓器系
腎・泌尿器
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-37:慢性腎臓病・尿毒症症候群
関連疾患
2型糖尿病C1q腎症Denys-Drash症候群Frasier症候群アルポート症候群軽鎖沈着症血清病高血圧症高血圧性腎硬化症水銀中毒巣状分節性糸球体硬化症糖尿病性腎症微小変化型ネフローゼ症候群慢性腎臓病
監視対象薬
スラミンチオプロニンヌシネルセンパゾパニブペニシラミン
影響する薬剤
チオプロニンペニシラミンベバシズマブメラルソプロールラムシルマブ
スコア
PREVENT式

🧠 全体像:は、糸球体障壁を越えて尿へ漏れたアルブミンを捉える検査で、低下より早く腎障害と心血管リスクを示すことがある。アルブミン/クレアチニン比()で定量し、A1・A2・A3に分類するが、運動、発熱、感染、月経、高血糖などで一過性に上がるため、初回高値をと即断せず再確認する。

何を測っているか

正常の糸球体はアルブミンをほとんど通さず、濾過された少量もで再吸収する。上昇や障壁傷害、障害があると尿アルブミンが増える。

flowchart TD
    A["糖尿病・高血圧・糸球体炎など"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intraglomerular pressure'>糸球体内圧</span>上昇または濾過障壁傷害"]
    B --> C["アルブミンが尿腔へ漏出"]
    C --> D["尿アルブミン増加"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urine albumin-to-creatinine ratio'>UACR</span>上昇"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chronic kidney disease'>CKD</span>進行・心血管リスク上昇"]
    G["運動・発熱・感染・月経など"] --> H["一過性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urine albumin-to-creatinine ratio'>UACR</span>上昇"]
    H --> I["条件を除いて再検"]

は尿アルブミン濃度を同じ検体の尿クレアチニンで補正し、尿の濃さによる誤差を減らす。24時間尿より簡便で、多くの外来評価では、可能なら早朝第一尿を用いる。

分類と単位

区分 (mg/g) (mg/mmol) 意味
A1 30未満 3未満 正常〜軽度増加
A2 30以上300未満 3以上30未満 中等度増加
A3 300以上 30以上 高度増加

A区分は連続的なリスクを便宜的に区切ったもので、A1の中でも値が高いほどリスクは増える。CGA分類では「」「」より、A2・A3または中等度・高度増加という呼び方を使う。一方、日本の2023は同じ閾値( 30〜299・300以上)に「期(第2期)」「期(第3期)」という病期名を用いており、両方の呼び方が現役である1。

採取と確認

段階 推奨する方法
スクリーニング 。可能なら早朝第一尿
試験紙陽性 定量または尿蛋白/Cr比で確認
30 mg/g以上 後日の早朝で確認
糖尿病で持続性を判断 3〜6か月内の3検体中2検体以上が高値か確認
の定義 を含む腎障害マーカーが3か月以上持続

緊急性のある腎炎・ネフローゼを疑うときは、慢性確認のために評価を3か月待つという意味ではない。急速な腎機能低下、血尿・円柱、著明な蛋白尿、浮腫・高血圧があれば直ちに原因検索する。

高値の意味

機序 代表的な状況 併せて見るもの
上昇 糖尿病、高血圧、肥満 血圧、、、推移
糸球体炎・障壁傷害 糸球体腎炎、全身性疾患 血尿、、補体・自己抗体
一過性の機能変化 運動、発熱、感染、心不全、著明な高血糖・高血圧 誘因の解消後に再検
尿路・検体由来 月経、、尿路感染 採尿条件、沈渣、培養

ではのG区分とのA区分を組み合わせてリスクを判定する。同じでもA3はA1より腎不全・・心血管イベントのリスクが高い。

低値・陰性の意味

A1または陰性はアルブミン漏出が少ないことを示すが、腎疾患全体を除外しない。蛋白、軽鎖などの非アルブミン蛋白はアルブミン特異的検査で過小評価され、や低下だけで成立するもある。

陰性でも残る可能性 次の確認
非アルブミン蛋白尿 尿蛋白/Cr比、、病態別検査
希釈・短期変動 早朝尿でを反復
早期・局在性腎疾患 、尿沈渣、画像
分母が大きい と尿クレアチニン排泄を考慮

一過性上昇と測定上の注意

⚠️ 次の条件では腎構造障害が進んでいなくてもが高くなり得るため、可能なら条件を除いて再検する。

  • 採尿前24時間以内の激しい運動。
  • 発熱、症候性尿路感染、急性疾患、心不全増悪、著明な高血糖・高血圧。
  • 月経、。
  • 脱水、または尿クレアチニン排泄が少ない低。

は分母のクレアチニン排泄が少ない人で高く、多い人で低く見え得る。性別、体格、、食事、が比へ影響するため、境界値1回だけで病名や治療を決めない。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urine albumin-to-creatinine ratio'>UACR</span>高値または試験紙蛋白陽性"] --> B["定量<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urine albumin-to-creatinine ratio'>UACR</span>と採尿条件を確認"]
    B --> C{"発熱・運動・感染・月経などがあるか"}
    C -->|"あり"| D["誘因を解消後、早朝尿で再検"]
    C -->|"なし"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='estimated glomerular filtration rate'>eGFR</span>、尿沈渣、血圧、糖尿病を評価"]
    D --> F{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urine albumin-to-creatinine ratio'>UACR</span> 30 mg/g以上が持続するか"}
    E --> F
    F -->|"はい"| G["G区分+A区分で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='risk stratification'>リスク層別化</span>"]
    F -->|"いいえ"| H["定期スクリーニングへ戻る"]
    G --> I{"急増・A3・活動性沈渣・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='estimated glomerular filtration rate'>eGFR</span>低下か"}
    I -->|"はい"| J["腎臓専門医と原因検索を検討"]
    I -->|"いいえ"| K["原因治療・腎保護と経時追跡"]

スクリーニングとモニタリング

糖尿病では2型は診断時から、1型は5年以上で少なくとも年1回とを評価する2。⚠️ ADAの推奨11.1aは「5年以上」とだけ書いており、その5年を発症から数えるか診断から数えるかは明示していない。同じADA基準でも章によって語が違う(の推奨12.19は「1型糖尿病の診断から5年後」、の推奨12.3は「糖尿病の発症から5年後」)ので、どの合併症のスクリーニングかによって起点の書き方が変わる点に注意する。高血圧、心血管疾患、既知のでもリスクに応じて測定する。

治療後はの単回変動より方向性を見る。RAS阻害薬、阻害薬、血圧・で低下し得るが、だけを下げるのではなく、K、血圧、心血管・腎転帰、安全性を同時に追う。

急速な増加、非常に高い蛋白尿、、急速な低下、は、典型的なだけで説明せず別の糸球体疾患を検索する。

まとめ

  • は糸球体障壁・内圧の異常を早期に捉え、腎・心血管リスクを示す。を基本とし、A130未満、A230以上300未満、A3300以上 mg/gに分類する。
  • 初回高値は早朝尿で確認し、糖尿病では3〜6か月内の3検体中2検体以上を持続性の目安とする。
  • 運動、発熱、感染、月経、高血糖・高血圧、心不全で一過性に上がり得る。A1でも非アルブミン蛋白尿や低下を除外せず、尿沈渣・腎機能と組み合わせる。

出典

  1. 1.糖尿病性腎症病期分類2023の策定(糖尿病性腎症合同委員会・糖尿病性腎症病期分類改訂ワーキンググループ(日本透析医学会雑誌 56巻11号)・2023)J-STAGEのPDF全文で確認した。2014年分類の各病期のUACR・eGFR値は変えず、病期名を「正常アルブミン尿期(第1期)」(UACR 30 mg/g未満)、「微量アルブミン尿期(第2期)」(30〜299)、「顕性アルブミン尿期(第3期)」(300以上または尿蛋白/クレアチニン比0.5 g/g以上)、第1〜3期はいずれもeGFR 30以上、「GFR高度低下・末期腎不全期(第4期)」(UACR・UPCRを問わずeGFR 30未満)、「腎代替療法期(第5期)」(透析療法中あるいは腎移植後)へ改めたこと。注1が、糖尿病性腎症は必ずしも第1期から順次第5期まで進行するものではなく、評価の際には腎症病期とともにCKD重症度分類も併記することが望ましいとし、注2が正常アルブミン尿期は糖尿病性腎症の存在を否定するものではないとしていることを確認した。閲覧 2026-09-24
  2. 2.11. Chronic Kidney Disease and Risk Management: Standards of Care in Diabetes—2026(American Diabetes Association・2026)推奨11.1aで、随時尿アルブミン・クレアチニン比(UACR)と推算糸球体濾過量(eGFR)を、罹病期間(duration)5年以上の1型糖尿病患者と、治療内容によらずすべての2型糖尿病患者で少なくとも年1回評価するとしていること(推奨文は原文で in people with type 1 diabetes with duration of ≥5 years であり、5年の起点が発症か診断かは明示していない)、および同章が背景として1型糖尿病のCKDの最も多い出現時期を「1型糖尿病の診断から5〜15年後」と記述していることを本文で確認した。閲覧 2026-09-05